世界初アルミはじく型コーティング

　�潟＜bクインターナショナル （愛知県豊田市西新町 7-18-1、TEL.0565-37-7020） では 「低圧・低速・低温・バリ低減・型寿命延長が今後のトレンド」 としている。高品質と低コストとを両立するため、世界初となるアルミをはじく画期的な型コーティング、ダイカスト用表面処理 「カーボ＋ンコーティング （CC 処理）」 を開発した。　これはアルミ溶湯の保温性、湯流れ性を向上させ、金型への耐溶損性も向上させるもの。
　主な用途は、アルミダイカストの 「入子」 「ピン」 「スリーブ」 「チップ」 等、アルミ溶湯が接触する部品への適用。
　主な効果は、製品品質向上、製品不良率低減、金型寿命延長、金型メンテナンス周期延長、製造コスト低減、CO₂ の低減。

耐焼付き性を向上させた新しいコーティング技術

　ビヨンズ�鰍ﾍ、アルミニウムダイカスト金型用鋳抜きピンの耐焼付き・カジリ性を向上させた新しいコーティング技術 「LELLYON OZ」 を開発した。　焼付きを防ぐにはアルミ除去のメンテナンスが必要であるが、新技術を用いた場合は従来の 1/7 の頻度で足りるようになったという。
　同社が製法を確立している窒化クロムとメタルで 10 層の 「耐溶損性多層膜」 を形成し、３層構造のチタン系セラミックス酸化膜を重ね 13 層にした。
　膜の物性データは、硬度：HV2100、膜厚：10〜13μｍ、スクラッチテスト：45 N。
　実機による試験では、写真のように LELLYON OZ （上） は LELLYON CL （下） に比較して焼付きが改善され、メンテナンス回数削減効果が確認されている。
　また、アルミ溶着だけでなく、溶損試験 （ADC12 を 670±5℃の溶湯に連続８時間浸漬） でも CL と同等の結果が出ている。

金型予熱機 「ダイヒーター」

　超遠赤外線ヒーターを用いた両面式ラジアント加熱で、高効率・省電力を実現する金型予熱機 「ダイヒーター」 は、左右または上下に開いた雌雄の金型の間にヒーターを挟んで使用するもので、セットは簡単、後はスイッチを入れるだけで所定の時間で所定の温度に金型を加熱できる。
　主な特徴は、金型の温度を直接測り ON-OFF 制御できる、部分急加熱をしないので歪みにくく型の寿命が延びる、ピン等の焼入れ部分が傷まない、試打ちが不要 （または１〜２回） になる−−など。
　また、重量も 8〜15 kg と軽量で、持ち運びにも便利である。設備に要する電力は 4〜36 kW で、小から大までほとんどの金型に対応できる。高効率・省電力はもちろん、タイマー利用の点火により、早出が不要になるなどの相乗効果も生まれている。
　大幅に価格ダウンした 「ダイヒーター パート�U」 を新発売。

ノズル加熱ヒーター

　ホットチャンバー・ダイカストマシンが効率良く稼動するにはいろいろな条件が課せられているが、なかでもマシンのノズル部分の温度調節は極めて重要なファクターとなる。そのノズルを的確に加熱し温度調節する簡便な 「ノズル用リングヒーター」 を、国際電熱工業が開発した。
このノズル加熱ヒーターは、円筒状に組み合わせたヒーターに熱電対を取り付けたもので、温度・電力制御盤、トランス、接続ケーブル等で構成されており、端子部がルーズに開きノズル部分に容易に設置することができる。さらに、�@加熱能力が高い�A析損酸化等の損耗がないので極めて長寿命が期待できる�B温度調節が容易にできる�C希望通りの寸法に製作可能・・−−などの特長が挙げられる。価格は 1 セット 60 万〜70 万円。

ダイカスト用金型の寿命をのばす新しい表面処理プロセス 「D-SCC」

　ダイカスト鋳造はクルマの軽量化を支える部品製造方法として注目されている中、高サイクルな生産や金型部品の一体化で大型化しており、コスト負担が大きくなっている。金型の寿命化対策は重要な課題である。
　ピーニングで冷却孔に圧縮残留応力を付与して応力腐食割れの発生を抑制することができ、金型の交換頻度を半減することができる表面処理プロセス 「D-SCC」 と金型の意匠面の熱疲労き裂を防止して金型寿命を２倍にする 「D-CHECK」 は、新たに開発された表面処理プロセスとして注目を集めている。
　2013 愛知環境賞 「優秀賞」 を受賞した。
D-SCC
　孔径：直径 4 mm 以上
　長さ：200 mm 以下
D-CHECK
　□800 mm 以下

省エネ支援システム 「MiELDieCAST （みえるダイカスト）」

　ダイカスト製品の生産プロセスでは金属の溶解に多くのエネルギーを使用しているが、これまでは金属を投入するタイミングが作業者の経験に委ねられていたため、金属の溶け具合を把握できずに投入が遅れ、溶解バーナの空焚きが起こるなどの問題があった。
　本システムでは、日々の生産計画に基づき最適な溶解操業スケジュールを自動作成する 「操業計画の見える化」 や、操業状況をリアルタイムにグラフ化したり、金属の投入時期をお知らせする 「操業状態の見える化」 により、空焚きを防止し、溶解操業の省エネ運用を支援する。
　さらに、操業スケジュールと実際の生産プロセスの比較・分析によりエネルギーロスを定量的に把握する 「エネルギーロスの見える化」 により作業工程の改善をサポートする。

ダイカストのプラズマ１ショット溶解システム

　ダイカスト鋳造ではマシン側に設置された保持炉にアルミ溶湯を一定量保持し、必要量をラドルでスリーブに注湯する方法がとられる。しかし、作業環境が悪い、エネルギーに無駄が生ずる、溶解炉・保持炉のメンテコストが高いといった問題があった。
　そこで 「ワンショット溶解システム」 （ワンショットごとに必要な量だけを瞬時に溶解してスリーブに供給する） の開発が待たれていた。
　同社が中部電力と共同開発したシステムは、溶解法にプラズマ加熱方式を採用しており、ラドルに投入されたアルミビレットを短時間で溶解することができる。
　これにより、これまで問題であった溶湯表面の酸化物の除去やショットサイクル短縮、大幅な省エネといった課題が解決された。

CASTOOL のアルパー･プランジャー、真空バルブ

　キャストゥールは世界をリードするダイカスターに生産治具と技術アドバイスを提供する知識をベースとした会社です。
　キャストゥールの唯一最も重要な貢献は、生産に対するシステム・アプローチの提供です。
　キャストゥールのシステム・アプローチの真髄は、どんな生産工程においても全ての構成要素は繋がっていると考えることです。
　丁度個々の機能が、連結した相互作用と共通の原因の範ちゅうで不可分に働いているように説明できます。
　製品として、ダイカスト用プランジャー・チップ、ショット・スリーブ、タイフーン漏斗、潤滑剤システム、真空バルブ、真空コントロールシステムが代表的なものです。
　なお、Allper は CASTOOL の一部門です。

静電塗布用離型剤 「WFR-EC シリーズ」

　原液塗布型離型剤 「WFR」 と歴史ある静電塗布技術を融合させた静電塗布用離型剤 「WFR-EC」。
　絶縁体である油に特殊な静電助剤を添加することで、静電塗布を可能にし、離型剤塗布の新たな可能性を見出しました。
　静電ガンによってマイナスイオンに帯電された離型剤は、グランドアースされている金型に吸い寄せられるため、これまで塗布が難しかったスライドの裏側や中子裏側など複雑な金型の隅々まで効果的に離型剤を付着させることができます。
　これにより， 離型剤付着効率は大幅に向上し、更なる極少量塗布とランニングコストの低減に貢献いたします。

次世代統合潤滑システム 「LHL システム」

　オイルの長所である流動性・圧送性・耐固着性と、グリースの長所である耐荷重性・耐摩耗性・耐水性・油膜保持性・付着性を兼ね備える、ハイブリッドシステム。
　既存のオイルによる集中潤滑 （定量方式） と比較して、潤滑剤消費量、消費電力、補給時間のいずれも約 90 ％削減できる。
　また、従来の潤滑剤と比較して、要素部品の交換頻度は約 1/2 に、切削液の交換頻度は約 1/3 に低減し、要素部品の長寿命化やメンテナンスコストの削減につながる。
　カートリッジ方式の採用により、異種グリスの混合や異物などの混入を防ぐ。また、潤滑剤残量を 2％以下に抑え、最後まで無駄なく使い切れる。使用済みカートリッジ容器の回収サービスも行い、リサイクルすることで廃油・廃材の削減にも貢献する。
　すでに多くの部品メーカーから高い評価を得ている。

保温剤、離型剤など

�@保温剤 （R367-SS）
　従来品比で気泡径 50％以下とする事で、保温性を飛躍的に向上。
【特徴】従来品の発泡を押し潰しながら筆で重ね塗り施行の難しさを材料で対策▽薄く重ね塗りができることで保温性を向上。
�A離型剤 （SL-627-AZ）
　グラファイト添加によって耐久性を飛躍的に向上させ、従来品比で、高耐久性実現。
【特徴】抜け勾配の少ない部位、高温下である湯道のカジリ、焼き付部の解消▽筆、刷毛で塗布ができるので金型細部への塗型が可▽高耐久性があり、滑り性向上。
�Bキャビティ剤 （HK109-19A）
【特徴】耐水性に優れており、水分の吸収はない▽従来品に比べ、高強度・高耐久性に優れる▽重力鋳造製法で 2000 shot 以上でも剥離はない▽塗膜表面粗さが粗く、溶湯の湯廻り性良好。