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NO.1503(2000年09月25日号)

日本製鋼所・マグネ事業部
成形品の品質アップに研究開発
MGPに化成処理の試験ライン


 日本製鋼所はマグネ合金射出成形機の販売に加え、成形品の品質アップにつながる研究開発を積極的に推進している。成形子会社MGPではノンクロム化成処理の試験ラインも設置する。

 日本製鋼所・マグネシウム事業部はマグネシウム合金射出成形機の販売に加え、表面処理・塗装を含めた全工程での歩留まり・品質アップにつながる研究開発を進めている。成形子会社のエムジープレシジョン(広島市安芸区、西山英岳社長)は、現在成形機として850d機1台、450d機1台、220d機2台、150d機1台、75d機5台の計10台を保有。現在4社向けに液晶プロジェクタ、デジタルカメラ、業務用VTRの筐体を量産しており、生産量は地金ベースで月30d規模。
 MGPは10月初めの稼働予定で850d機1台を増設する。現在既設の850d機で液晶プロジェクタ用ケースを月4,000〜5,000セット規模で量産しているが、休日を含む24時間の超フル稼働にあるため増設するものだが、さらに、A4ファイルサイズのノートパソコンケースの量産など新規受注も取り込む予定。
 国内では850d機は3社に4台設置されているが、すべて自動車用部品の生産を狙ったもの。MGPでは「850d機による家電製品の量産で先鞭を付ける」考え。
 一方、MGPは携帯電話ボディの量産も手懸ける予定。現在、既設の220d機1台に機械加工ラインを併設する作業を進めており、11月から本格的な量産に着手する。国内では携帯電話ケースの量産が活発化しているが、ユーザーの品質要求の厳しさから歩留まりの低いことが問題となっている。このため、MGPでは自ら手懸けることで「携帯電話用成形品の量産技術を実証する」考え。ユーザーの増産要請を待って、来年早々にも220d機1台を増設する考えだ。
 一方、来年ないしは来年度早々をメドに、ノンクロメート化成処理の小ロット対応ラインを設置する。同試験ラインによる研究開発成果をセットメーカーや成形機ユーザー、表面処理・塗装メーカーなどに積極的に提案、成形品の品質アップにつなげていく考え。化成処理ラインに続いて、粉体塗装、ないしは溶剤以外の方法による塗装の小ロットラインも設ける考えだ。
 なお、JSWの成形機の累計出荷台数は、国内が約120台(850d3台、650d30台弱、220d50台弱、その他)、輸出が約40台(台湾約30台、北米約10台で650d機と450d機が主力)の合わせて約170台にのぼっている。今年度の販売目標は約70台。国内向けは携帯電話ボディ用の220d機を中心に約6割を占め、輸出は650〜850dを主力に30台弱の予想。マグネシウム事業部の今年度売上げは前期比約4割増の100億円弱を見込む。


上期アルミ総需要、6.5%増
203.6万d、内需が9.4%増


 日本アルミニウム協会(藤井總明会長)がまとめた2000暦年上期(1〜6月)のアルミ製品総需要は内需、輸出を合わせて203万6,220d、前年同期比6.5%増と上半期ベースとしては3年ぶりのプラスに転じるとともに200万dの大台を回復した。水準としてはこれまでの過去最高である97年上期の214万6,471dに次ぐ。輸出が13万4,818d、同22.3%減と減少した反面、内需が190万1,402d、同9.4%増と好調に伸び、輸出の落ち込みをカバーした。
 製品別では、圧延品が3.2%増と2年連続のプラスとなったのをはじめ、自動車向けの好調で、ダイカスト、鍛造品がともに2桁増を確保。
 一方用途別では、自動車など輸送機械向けが64万9,889d、同12.4%増と伸び、IT関連投資を映して電気通信9万4,644d、同9.3%増、電力2万4,321d、同19.7%増と好調。また金属製品も25万784d、同12.8%増と大幅に伸びた。


神鋼のアルミ・銅部門今期業績
連単ともに通期見通し変わらず


 神戸製鋼所の業績修正見通しによると、連結9月中間決算のアルミ・銅関連事業は販売数量の増加により、売上高は1,250億円と前回見通しを50億円上回り、営業利益も60億円と10億円の上方修正となるが、通期では売上高2,450億円、営業利益130億円で前回見通しと同じ。
 一方、単独ベースでのアルミ・銅カンパニーの上期売上高は1,000億円(前年同期比0.3%減)と見通しを30億円上回るものの、営業利益は40億円(同20.2%増)で変わらず。通期予想も売上高2,000億円(前期比1.2%減)、営業利益90億円(同28.9%増)で、前回予想と同じになっている。


三和シヤッター工業
統合機にEX事業を抜本見直し
電動・高付加価値品にシフト


 三和シヤッターは三和エクステリアの事業を統合するのを機に、エクステリア事業を再編成する。流通チャネルの再構築と併せ、電動・付加価値商品にシフト、同事業の利益化を目指す。

 三和シヤッター工業は10月1日付けで、住宅建材カンパニー(プレジデント・入谷悟執行役員)に三和エクステリアの事業を統合するのを機に、エクステリア事業を再編成する。販売面では流通販社を半分程度に絞り込むと同時に、チャネルも販売会社及び三和直販の二本建てとする。商品も電動製品を軸にエクステリアプランニングの提案営業に転換する。こうした再構築によって2〜3年後にエクステリア事業の利益化を目指す。
 三和エクステリアの販売ルートはこれまでSPS(サンワ・パートナーズ・ショップ)という全国62店の代理店経由のルート販売だった。しかし、同社は1987年の創業と同業界最後発で、有力な土建ルートの代理店が先発各社に占有されていたため、新規や実績の少ない代理店が多いといわれ、これが売上不振・業績悪化の主要因となっていた。今回の統合を機に業績不振の販売店29社を清算し、競争力のある33社に絞り込む。33社がカバーできない地域は三和シヤッターが直接販売を行い、ルート販売・直販の二本建てとする。住宅窓シャッターとエクステリアの販売相乗効果による売上の拡大が狙いだ。
 エクステリアは土建の施工が不可欠だが、これは既存の代理店系列の施工員店、その他を活用。
 一方、門扉・フェンスの商品群は三和がシャッター関連で得意とし、実績のある電動型製品及び高付加価値製品にシフトし、従来の製品単体売りから、住宅外構のトータルコーディネートプランニングの提案型営業に順次切り替える。こうした電動機器は点検・補修が不可欠だが、これはメンテ・サービス部門がバックアップする。
 住宅建材カンパニーはこれまで、住宅用窓シャッターを主力製品とし、これを全国の住宅建材カンパニーの地域支店とプレハブハウスメーカー向けの東・西特販支店を通じて販売してきた。今回、これにエクステリアの組織が新たに加わる。
 三和エクステリアはピーク時の年商が97億円と100億円台に迫っていた。しかし、業界の競争が激化するにつれ、販売力・品揃えの不足が表面化し、99年度は62億円まで落ち込んだ。同社は今回の統合と同事業へのてこ入れにより、「初年度の2000年度は販売ルートの再構築の混乱などから売上は30%から40%落ち込むかもしれないが、それ以降は立ち直り、将来的には年商100億円、黒字転換を目指す」としている。


昭和電工の連結決算
アルミ部門の収益大幅に改善


 昭和電工の2000年6月期連結中間決算は売上高が3,683億円と前年同期に比べ327億円増加したが、昭光通商が新たに連結対象になったことによる増加分が315億円ある。営業利益は118億円で9億円の減少。アルミニウム部門を除く全部門が減益となり、特にハードディスクを含む電子・情報部門は27億円の落ち込みとなった。
 アルミニウム部門の営業利益は57億円で前年同期比22億円の増益となり、石油化学部門を抜く最大の収益部門となった。増加分の内訳を見ると、昭和アルミニウム10億円、昭和アルミニウム缶7億円、昭和軽合金4億円、ショウティック2億円。昭和電工単体の営業利益は4億円で、前年同期実績の5億円比ほぼ横ばいとなった。
 経常利益は62億円と前年同期比3億円の増加。持分法適用のスカイアルミニウムと昭和キャボットスーパーメタルで11億円の改善となったため。
 通期の連結売上高予想は7,500億円、営業利益300億円の予想。アルミニウム部門の営業利益は114億円の予想で、前期比31億円の増加予想。昭和電工アルミニウム部門単体では7億円と前期の10億円から3億円の減益予想にあり、連結対象子会社の収益改善が大きく寄与する。


上期の缶材出荷、5.7%増
エンド・タブ材も12.2%増


 2000年暦年上期のアルミ缶材出荷量は21万7,374d、前年同期比5.7%増と、上半期ベースとしては3年ぶりの増加となった。内訳ではボディ材が13万4,101d、同2.0%増に、またエンド・タブ材も8万3,273d、同12.2%と伴にプラスに転じた。
 一方、飲料用アルミ缶生産量は16万3,401d、前年同期比0.9%増と小幅な伸びにとどまった。内訳で缶ふたの生産量が5万9,145d、前年同期比6.1%増となったものの、缶体の生産量は10万4,256d、同1.9%減と落ち込みが続いた。


上期の自動車向けアルミ出荷
63万d強、12.8%増に


 2000暦年上期の自動車(二輪車を含む)向けアルミ出荷量は63万122d、前年同期比12.8%増と大幅な伸びを記録した。自動車生産の好調とアルミ化率の上昇を映したもので、内訳では圧延品が11万2,483d、同14.5%増、板5万5,787d、同16.6%増、押出5万6,696d、同12.4%増。
 その他、鋳造品も18万9,026d、前年同期比8.2%増、ダイカスト50万8,956d・同12.4%増(内、自動車向けは29万7,392d、同16.0%増)、鍛造品8,683d、同19.2%増と好調であった。
 なお、上半期における国内自動車生産は前年同期比4.8%増の517.2万台と上半期ベースでは3年ぶりのプラスとなっている。内訳では、乗用車が427.4万台(前年同期比6.0%増)、トラック87.1万台(同0.5%減)、バス2.7万台(同14.0%減)。また、二輪車生産も120.1万台で前年同期比5.8%増となり、上半期ベースでは2年ぶりのプラスとなった。


日軽金がホームページに開設
「アルミと鉄道車両」をPR


 日本軽金属(松井一雄社長)はこのほど、同社ホームページ(http://www.nikkeikin.co.jp)上に、「アルミと鉄道車両」のページを新たにオープンした。リサイクル性・軽量性に優れたアルミニウムは鉄道車両の構成材料や周辺施設への使用量が大幅に増加している。その反面、アルミと鉄道車両との関係は案外知られていないため、同分野に素材を多く提供している同社が積極的にPRを行なうことにしたもの。
 ホームページの内容は、@アルミ車両の構造等を紹介する「アルミ車両の特徴」、A新幹線車両ボディ用押出材の製造工程等を紹介する「アルミ車両ができるまで」、B「アルミ車両フォトギャラリー」、C「アルミによる鉄道周辺施設」、D全問正解すると日軽金オリジナルアイコンがもらえる「アルミ車両の鉄道テスト」−などで構成されている。
 なお、同ホームページのデザインは日軽金の100%子会社、パブリックデザイン研究所(東京都江東区亀戸、加藤仁丸社長)が担当、JR各社及び車両制作会社の協力を得た。


アルミ包装材などを高速選別
仏企業が高性能センサー開発


 フランスのLEAS社は、家庭廃棄物などの中に含まれる各種アルミニウム包装材の識別及び選別を高性能に行うセンサー「LEAS-AR(LEASアルミニウム・リサイクリング)」を開発した。エアゾール缶などの剛性及び半剛性包装材、飲料水の包装材、柔軟包装材などを選択的に検出し、識別することが可能。
 同センサーは廃棄物を移送するコンベアベルトの下に取り付けられ、上をモノが通過すると、センサーはモノの性質を識別、事前に指定された材料に相当する場合は信号を発信する。信号は「手作業による選別」と「自動選別」の2種類の選別モードがある。手作業による選別の場合には、対象物を照らし出す照明を点ける信号が出され、作業員を補助。また自動選別の場合には、完全自動包装材抜出機を作動させる信号が出され、アルミニウム包装材などは空気圧によって排出される仕組みになっている。
 検出スピードは8個/秒と高速で、産業選別プラントからの大量の廃棄物に対応可能な速度と正確さを備えている。センサーは識別する対象物が通過するまではスタンバイの状態にあるため、消費電力もごく少なくて済むという。
 すでに同センサーは、フランス国内の各種家庭廃棄物包装材選別センターで使用されており、選別アルミニウムの回収率はアルミニウム含有量の95%近くに達しているという。LEAS社は国際的な販売展開を拡大するために、同センサーの販売を請け負うパートナーを探している。問い合せは、フランス大使館産業技術広報センター(港区麻布台2-4-5、電話03-3435-7455)まで。


今年上期圧延品稼動率87.7%
板94.7%、押出80.1%


 通産省統計に基づいて日本アルミニウム協会がまとめた「アルミニウム圧延品生産及び稼動率推移」によると、今年上半期における圧延品全体の稼動率は87.7%と前年上期の84.0%から3.7%ポイントアップした。
 品種別では、板の上期稼動率は94.7%と前年同期比2.2ポイントアップ。生産能力(生産設備、生産品種、操業日数及び時間、従業員数などを勘案した実稼働能力)は72万720dで前年上期と変わらないものの、生産量は68万2,810d、同2.5%増となった。
 一方、押出の稼動率は80.1%と前年同期の75.1%からは5ポイントのアップとなっている。生産能力が66万7,166d、前年同期比1.7%減になる一方で、生産量は53万4,070d、同4.8%増と回復したことによる。

愛知産業が新製品展示会開催
アルミ抵抗シーム溶接機など


 溶接機械メーカーの愛知産業(東京都品川区北品川5-5-12、井上裕之社長)は10月5〜6日、同社館林工場(群馬県館林市大谷町2918)において、抵抗シーム溶接機の新製品発表・展示会を開催する。
 同社の抵抗シーム溶接機の主な特長は、@電源設備が小さくてすむAフリッカー問題が低減可能B溶接スピードが高速化C異なる板厚や異なる枚数でも同条件で溶接が可能―などだが、特にこれまで難しいとされてきたアルミニウムのシーム溶接を可能にした点が注目されている。
 展示会では、このアルミシーム溶接機をはじめ、各種素材や規模に応じたデモ機10種類以上を一堂に集めて実演を行う。
 主なデモンストレーションは、@アルミニウムのシーム溶接Aステンレスのシーム溶接Bチタンのシーム溶接C亜鉛鉄板のシーム溶接D一般材高速シーム溶接Eバルブシーム溶接F厚板ステンレスシーム溶接G薄板ステンレスシーム溶接Hその他。材質は、アルミニウムをはじめ、チタン・インバー・ステンレス・亜鉛鉄板・アルミメッキ材・その他特殊機械を展示する。
 問い合せは電話03-3447-0201まで。


EX製品の2000年総合展示会
東洋エクが全国8ヵ所で開催


 東洋エクステリア(杉本英則社長)は「2000年総合展示会」を全国で開催する。同展示会は、「TOEXは最新の技術と情報で、21世紀の自然浴生活を提案します。」をテーマに、今年秋から市場投入する新製品をはじめ、住宅、自然浴、環境の各分野における主要なエクステリア製品約400点(住宅約100点、自然浴約130点、環境約170点)を一堂に集め、代理店や販工店、ハウスメーカー、設計事務所向けに紹介するもの。9月28日の仙台市を皮切りに、東北、静岡、大阪、九州、岡山、東京、中京、広島の全国8ヵ所で開催する。
 同社は昨年秋にも同様の展示会を開催、総入場者数は計画比151.4%増の1万8,505名と大きな反響を呼んだ。今回も2万名の来場を見込んでいる。


上期電気・通信機器向け出荷
12万d強、前年比12%増に


 2000暦年上期の電気・通信機器向けアルミニウム出荷量は、IT(情報技術)関連需要の高まりを映して、12万941d、前年同期比12.0%増と2桁の伸びを記録した。
 主力の圧延品出荷量が9万7,905d(前年同期比12.5%増)で、内訳では板5万1,700d(同6.7%増)、押出1万9,908d(同16.0%増)、はく2万6,297d(同22.8%増)で、コンデンサ向けはくが大幅な伸張となった。
 その他製品も、鋳造品2,486d(同6.9%増)、ダイカスト1万8,863d(同10.4%増)、電力向けを除く電線1,687d(同4.3%増)と好調であった。


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