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NO.1525(2001年03月05日号)

自転車部品の栄技研
中国にアルミダイカスト拠点
500d・350d各1台で6月稼働


 自転車部品大手の栄技研(旧サカエ)は台湾に続いて、中国本土にもアルミダイカスト生産拠点を設ける。

 自転車部品大手の栄技研(旧・サカエ、千葉県柏市、橋爪秀夫社長)は中国深せん郊外にアルミニウムダイカスト製自転車部品の生産拠点を設ける。取得済みの工場用地約3万坪に今年6月完成予定で約1万坪の建屋を建設中。深せん地区に進出が相次いでいる台湾資本の自転車メーカー向けに低価格アルミ製自転車部品を供給する。同社はすでに台湾にもアルミとマグネの自転車部品製造拠点を設けているが、今後中国、台湾両拠点で設備増強を行い、需要拡大に備える。
 榮技研は昭和25年設立の自転車部品メーカー、栄輪業が母体。昨年には、自転車部品にとどまらず、コンピュータ関連などに製品多角化を図る戦略転換に伴い、サカエから現社名に変更した。製品開発や一部資材の購入は栄技研が行い、製造・販売は同グループの榮崘科技有限公司(台湾省彰化縣福興郷)がすべて行なっている。
 台湾工場では98年に進出したマグネダイカスト用に500dホットチャンバダイカスト2台(フレッシ製)と350dホットチャンバ1台(イドラ製)を設置。サスペンション・フォークを月5万個規模で生産、マグネ溶解量は月25d程度。
 一方、アルミダイカスト部門では従来500dコールドチャンバ2台(宇部興産製)と350dコールドチャンバ4台(東芝機械製)を設置していたが、昨年春、老朽化した350d4台を全面撤去して新たに350dマシン3台(東芝機械製)を導入するとともに、500dマシンも1台(東芝機械製)増設、3台体制とした。生産量はサスペンションフォークが月5万個、クランクが同15〜20万個規模となっている。
 中国の生産拠点にはとりあえず台湾工場から350dマシン、500dマシン各1台を移設して生産を立ち上げる予定。その後、需要を見ながら、台湾工場も併せて、逐次設備増強を進める考え。
 中国には台湾資本の自転車メーカーが相次いでおり、深せん地区は自転車メーカーの一大集積地となっている。栄技研は中国に生産拠点を設けることで、従来の中級品から低価格帯の自転車部品を供給する体制を構築する。

軽圧品流通市況、強含み推移
半導体製造関連は調整局面に

 全国軽金属商協会・市場調査委員会(石橋銀蔵委員長)が発表した2月の軽圧品流通市況調査によると、東京地区56S棒が前月比`当り5円高となったの除き、その他品種、大阪・中部地区全品種が変わらずの結果となった。半導体製造装置関連など、一部の分野で調整局面を迎えているものの、全般的には引き続き堅調に推移している。
 半導体製造装置関連は昨年の大幅増の反動もあり、「飛行機が急上昇から(高度1万bで)水平飛行に移った状態」(石橋委員長)。ただ、その他分野では、OA、自動車の足廻り関連などが引き続き好調で、店売りもフィン材、印刷板などは依然好調。建材は昨年10〜12月は好かったが、「1月は再び一服の状態」(同)という。
 なお、今年4〜6月期のNSP地金価格は1〜3月期に比べ30円高の240円となる見込みで、圧延メーカー各社は地金アップ分の価格転嫁を要請してきている。ただ、ロールマージン改訂についてはすでに一部実施済みのため、今回は値上げ要請はないという。

全工場でISO9000シリーズ
静岡で14001認証も、三和シ

 三和シヤッター工業(高山俊隆社長)は昨年11月付で、札幌(北海道恵庭市/秋田県秋田市)、九州(福岡県甘木市)両工場がISO9002の認証を取得した。審査機関は(社)日本能率協会審査登録センター(JMAQA)。札幌工場はシャッター製品、オーバースライダー、ドア製品、ステンレス製品の、また九州工場はシャッター製品、同関連製品、ドア製品、ステンレス製品の生産拠点。
 同社は平成11年に住宅建材事業本部(現:住宅建材カンパニー)がISO9001の認証を、また足利、太田ドア、岐阜、広島工場がISO9002の認証の認証を取得しており、今回の2工場を以て、国内生産工場が全てISO9000シリーズの認証を取得した。
 一方、住宅建材カンパニーの静岡工場は1月29日付でISO14001の認証を取得した。同認証の取得は同社で初めて。審査機関は(財)日本建築センター。静岡工場(静岡県榛原郡)は住宅用の窓シャッター(月間生産能力3万セット)、鋼製雨戸(同2万2,000セット)、玄関ドア(同300セット)、浴室ドア1,500セット)の生産。

神戸製鋼
低汚染高機能アルミ板を開発
外装パネル、遮音壁等に用途

 神戸製鋼はこのほど、低汚染性・易洗浄性の特殊コーティングを施した高機能アルミ板を開発、販売を始めた。建築意匠物や大型土木構造物にメンテナンスフリー性能を求める市場ニーズに対応した。同社は汎用アルミ板から高付加価値の機能材料へシフトする経営戦略を推進しているが、新製品もその一環の差別化製品。
 製品名は「アルセルクリーン」。アルミ基材に@優れた密着性・塗装性を有する下地層塗膜の無機系プライマー塗膜A長期耐久性(親水持続性)を有する自社開発の親水性無機系塗膜−−の無機系塗料2層の焼き付け塗装を施し、低汚染性・易洗浄性を実現した。特徴は次の通り。
@低汚染性=強固な無機系塗膜による塗硬度が高いため、汚れのめり込み汚染が低減される
A易洗浄性=塗膜表面が親水性のため、降雨などにより自然に汚れが洗い流され、金属外壁などで目立つ雨筋状の汚れが発生しにくい
B高耐候性=強固な2層構造型無機系塗膜によ り、長期耐久性に優れる
C高耐薬品性=酸性雨、耐アルカリ性に優れる。酸性雨、NOxガス、SOxガスなどによる褪色、変色が少ない
 実際、同社によるディーゼル自動車による排気ガス強制吸着後の水洗浄試験評価結果では、低汚染型フッ素塗料に比べ表面の光沢度差・明度差が10倍程度も改善し、高価格の光触媒系塗装とほぼ同等の性能を得たという。
 主な用途は道路用遮音壁、道路用壁面吸音板、掘割道路用吸音ユニット、トンネル抗口吸音パネル、ビル用外装アルミパネル、アルミ屋根材、アルミトラス構造物、都市景観材料など。従来この種のアルミ材料は耐候性に優れるフッ素樹脂やアクリルシリコン樹脂系塗料で表面処理を施してきたが、交通量の多い都市部では表面の汚れが目立つと不満の声が多かった。
 なお、同社の高機能アルミ板は防汚性フィルムラミネート板「ALUNATE-F」、高加工性フィルムラミネート板「ALUNATE-P」、潤滑耐蝕プレコート板「KS701」、導電潤滑プレコート板「KS720」、食品容器用プレコート板「KS730」等がある。

新刊『表面処理製品の解析事例集
 軽金属製品協会・表面処理技術研究委員会はこのほど、新刊『各種測定機器を用いたアルミニウム表面処理製品の解析事例集−−品質・劣化・不良解析を中心として−−』を出版した。
 アルミニウム表面処理製品の解析によく利用されているSEM、EPMA、IR、IC、膜厚計、粗さ計など14種類の試験器機について、その取扱いや解析方法の具体的ノウハウを実際の事例で開設している。A4判・83頁。定価8,000円(税込、送料別。軽金属製品協会会員は2割引き)。

圧延品稼働率が高水準維持
10〜11月押出類100%

 日本アルミニウム協会がまとめた「アルミニウム圧延品生産及び稼働率推移」によると、昨年11月の稼働率は99.0%と10月と同水準の高稼働率となった。特に押出類は100.0%と10月の101.1%に続く超フル稼働の状況。前年同月の87.1%に比べ、12.9ポイントのアップ。生産能力(生産設備、生産品目、操業日数及び時間、従業員数などを勘案した実稼働能力)が9万9,207d、前年同月比11.0%減となった一方で、生産量が9万9,215d、同2.1%増となったことによるもの。
 板類の稼働率も98.1%で、前年同月に比べて6.7ポイントのアップ。生産能力が11万9,370d、前年同月比0.6%減となったものの、生産量は11万7,149d、同6.7%増と好調であった。

メンテフリー制震ダンパー開発
Zn-Al新合金応用、神鋼・竹中

 神戸製鋼所(水越浩士社長)は竹中工務店と共同で「メンテナンスフリー制震ダンパー」を開発、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに隣接して建設中の「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」で実用化した。同制震ダンパーは、神戸製鋼が世界で初めて“ナノ結晶化”に成功して開発した新合金「Zn−Al合金」を使用した。
 金属を使った制震ダンパーは、建物が大きく変形しないように制御するとともに、地震による震動が早く収斂するように運動エネルギーを吸収する減衰機能を持つもの。こうした金属には一般的に極低温降伏点鋼が多く使用されているが、塑性変形によって硬くなったり、歪みにより劣化したりする。また、地震時の繰り返し変形により硬くなったりするなどの難点があった。
 神戸製鋼が開発した新合金「Zn-Al合金」は、微細な結晶粒で構成されるZn-Al合金(組成は重量比でZn78%、Al22%)の結晶粒の寸法を独自の加工熱処理技術(TMCP技術)によりナノメートル(nm=10億分の1m)単位で制御することで極めて微細な結晶化(ナノ結晶化)に成功したもの。ナノ結晶化により、常温下の高速な変形応力に対して飴のように著しい伸び(伸び率100%以上)を示す常温高速超塑性を有していることが最大の特長。
 神戸製鋼が竹中工務店と共同で開発した「制震ダンパー」は、300o×300o×厚さ10oのZn−Al合金板を鋼製プレートで挟み込み、鋼製フレームでカバリングした。従来の鋼製ダンパーのように性能劣化や、粘性ダンパーのような温度変化に対する急激な性能低下もなく、さらにオイルダンパーのようにオイル漏れ確認などの定期点検も必要としないメンテナンスフリーが可能。また、大振幅の地震にも耐えられことができるという。「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」(地上25階建て・塔屋1階、延床面積2万3,995u)では25階と塔屋階のブレースに各4カ所、計8カ所設置した。
 今後神戸製鋼と竹中工務店は、新築及び増改築される制震構造物への制震ダンパーの普及を図る考え。また神戸製鋼は、自動車、家電分野などの超塑性金属材料の特長が生かせる新たな市場を開拓する。

連続鋳造圧延材を一堂に展示
高Siコイルなど、アルミネ

 アルミネ(竹内正明社長=写真)は2月15日〜17日、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催された「第10回東京国際ワイヤ産業展」に出展した。同社は世界の最先端技術を誇る自社開発の一貫生産システム「連続鋳造圧延ライン」により、組織的に安定した高品質のアルミ合金の棒材・線材・板材の製造を行なっている企業。棒材ではあらゆるアルミ合金を最大100φまで連続して2MT/コイルまで巻き取ることを可能にしている。
 今回の展示の目玉となったのは、世界初のハイシリコンコイル(写真・中央)。従来は棒のみであった耐磨耗性に優れたハイシリコン合金(Al-Si-Cu-Mg)を世界で初めてコイル化に成功したもの。展示品は80φ、コイル単重2dのもので、自動車のエンジン部品向けに需要好調という。さらに、写真・右のコイルは「世界一無傷・無欠陥」をアピールする6063合金コイル。鍛造加工では素材表面のわずかな傷でも製品品質に大きく影響する。アルミネのコイルは特殊工程により表面を鏡面状に伸線、傷・欠陥をライン中に検査しているため表面・内部ともに無傷・無欠陥の“世界一きれいなアルミ合金コイル”である。また、高品質アルミ条は(写真・左)板厚4.0〜0.1o、板幅1,040o/MAX、重量5d/MAX。用途は自動車部品、弱電部品のほか、飲料缶、建築材料などである。
 その他、展示会では、弱電部品、本田技研のインサイトに使用された部品を含む自動車部品など、ユーザーが同社の素材から製造した最終製品・部品も数多く参考出展されていた。竹内社長は「今回の展示会は、自動車関係のお得意さんから当社の技術・製品を積極的にPRしたほうがよいとアドバイスを受けて出展したもので、自動車関係、OA機器関係をターゲットにした。来場者の反響も大きく、具体的な引き合いにつながっている」と明るい表情で語った。

立山、玄関ドアの品揃え強化
高断熱玄関ドア、引戸など

 立山アルミニウム工業(竹平栄太郎社長)は高級断熱玄関ドア「プロフィールズ」を発売した。60oのドア厚、3層構造の組み込みガラス、断熱枠が実現する高断熱性能は、@耐風圧性:S-2(120)等級A気密性:A-4(2)等級B水密性:W-2(15)等級C断熱性:H-5等級D遮音性:T-1(25)等級と、日本全国すべての地域の次世代省エネ基準に適合。商品色は重厚感漂うブラックの他、ティー・グレー、ホワイトの3色。高さは2300o、枠は4つのバリエーション。
 さらに玄関引戸の品揃えも強化。まず、「はるか」断熱タイプに次世代省エネ基準W地域以南対応のK4障子(断熱性能H-1等級)と採光性に優れた2,000ランマ付タイプを追加した。
 さらに、「ほのか」・「ほのか桧」に、次世代省エネ基準W地域対応の複層ガラス障子を追加した。単板ガラス障子にはない新デザインながら、枠は共通なため、2種類の障子から地域や環境に
あった性能を選択することが可能。また、網戸枠一体枠も追加、網戸枠を一体にすることで省施工化を実現。従来の「ほのか」・「ほのか桧」の障子をそのまま組込むことができる。

福祉用フルスイングドア開発
18万円と安価、インフニックス

 昭和鋼機系列の新製品開発会社・インフニックス(高田裕光社長)はこのほど、「この国の福祉ドア・彩の国から」と銘打ったフルスイングドアを開発し、病院、福祉施設その他への受注活動を開始した。製品名は「ラ・エスコートW」。埼玉 県が2月9〜10日、大宮市の大宮ソニックシティで主催した「埼玉県福祉技術フェア」に出展した。新製品は昨年7月発売の「ラ・エスコートS」に続く第二弾で、ドライバー一本でドアを取り替えられる簡易リフォーム設計と、同種の既存製品の約2分の1に価格を大幅に抑えた点が大きな特徴。
 軽量用縦すべり型自閉式フルスイングドアの新製品は、業界初の押しても、引いても小さな力で開けられる室内ドア。従って、車椅子や高齢者は勿論、両手に荷物を持ったままでも簡単に通行できる。しかも自閉機構を組み込んでいるので、通行後に自動的に閉鎖される。特徴は、@リフォームなどで吊り元を変更する場合、ドライバー一本で僅か20分程度で施工できるAドア枠は左右勝手がないので吊り元は関係なく取り付け、ドア吊り込み時に使い勝手に応じて決められるBフルスイング設計のため押しても引いてもドアは軽く開閉し、自動閉鎖するC設計価格は幅1b、高さ2bで18万円(運送・取り付け費別)、など。
 同業他社の同種製品の約40万円に比べ約半値程度。自社で病院、福祉施設、その他に売り込むほか、作動金物を中小工務店、大工、DIYなどに販売する。また、ドア各社のOEMにも応じる。

三協アルミニウムの希望退職
予定を上回る259名が応募

 三協アルミニウム工業は経営改善策の一環としてとして希望退職を募集していたが、259名が応 募、当初予定の200名を59名上回った。

「木樹脂」EXの品揃え強化
ベランダデッキなど、新日軽
 新日軽(米持謙三社長)はこのほど、天然木の特性を生かしつつ、面倒な塗り替えなどのメンテナンスを不要とした住宅向けエクステリア商品「木樹脂シリーズ」の品揃え強化策として、門・庭廻り、ベランダ向けに「ベランダデッキ」「ステップデッキ」「トレリス」を3月から発売する。
 「木樹脂」シリーズは、表面材に抜群の耐候性を持つAAS樹脂(木粉入り)を採用した同社オリジナル商品。天然木でみられるねじれ、反り、節、割れなどの心配がなく、変色しにくいため、塗り替えなどのメンテナンスも不要。柱やデッキ材など、強度を必要とする箇所には芯材にアルミ形材を使用して十分な強度を保持。木粉入りの樹脂を採用することでナチュラルな手触り感もある。色は明るい色調のライトブラウンとシックな色調のミディアムブラウンPの2色。

不二サッシの人事異動
(2月1日付)上席執行役員生産本部副本部長兼資材事業部長兼九州不二サッシ非常勤取締役、竹村莞▽執行役員、生産法部副本部長兼千葉工場長兼本社工場長、田中秀坪▽執行役員生産本部副本部長兼生産管理部長、生産子会社担当、小田嶋長忠▽経営企画室付部長、吉本直史▽生産本部千葉工場長兼管理部長、佐藤守。

表面技術協会賞決まる
2月27日に授与式

 表面技術協会(岸富也会長)はこのほど、平成13年度の表面技術協会賞を次のとおり、決定した。2月27日開催予定の第52回通常総会後に授与式が行なわれる。
@協会賞:機能性表面の創製と応用に関する研究(高谷松文千葉工業大学教授)A功績賞:本間禎一(千葉工業大学)▽三田郁夫(元・東京都立工業技術センター)B論文賞:多層膜干渉を利用したアルミニウム陽極皮膜の発色機構(塚本由美子/海老原健・日本軽金属)▽電解コンデンサ用アルミニウム箔の直流エッチング挙動に及ぼす結晶性酸化物の影響(大澤伸夫/福岡潔・住友軽金属)C技術賞:D4ポンププランジャ用Ni-P/PTFE複合めっきの開発・実用化(トヨタ自動車・デンソー・上村工業)▽高光沢で耐傷付き性に優れた意匠性プレコート鋼板の開発(新日本製鐵)▽薄膜磁気ヘッドめっき技術の開発(TDK)D進歩賞:大気圧空気バリア放電の適正化と高分子フィルムへの応用(金沢工業大学高度材料科学研究開発センター)▽CdTEの新しい電析法の開発と析出メカニズムの解析(京都大学大学院)E技術功労賞:内田敏光(日本パーカライジング)▽苅野英昭(石川金属工業)▽草野政次(新日本製鐵)▽柴垣南海男(安川電機)▽土門義弘(ノーステクノリサーチ)▽半田菊二郎(元・フソー)▽平岡修(住友金属工業)。

昭和アルミグループ
東西のビルサッシ2社を統合
電工との合併で子会社を再編

 ビルサッシ中堅のテクノ・ナミケンと昭和アルミテクノは今年4月をメドに合併する。両社はともに昭和アルミニウムの子会社で、昭和アルミが3月末に昭和電工と合併するのを機に、ビル建材2社も一本化する。

 昭和アルミテクノ(東京都荒川区西日暮里5-14-3、資本金2億円、寺谷孟司社長)は1992年、学校用取り替えサッシの大手・旧鹿浜工業と昭和アルミの新築ビル用サッシ部門を統合して設立された企業。関東地区以北のビルサッシの製造・販売を担当しているが、ビルサッシ市場の過当競争の煽りを受けて、ここ数年厳しい経営が続いているといわれる。
 一方、テクノ・ナミケン(大阪市西区新町1-4-26、資本金1億4,500万円、和田一寛社長)は関西のビルサッシの名門・旧浪速建材工業を母体とする企業。主として関西以西のマーケットで学校・一般ビル用・集合住宅用等の取り替えサッシ事業を行なっているが、同社も需要減、価格低下、コストアップの三重苦の経営環境にあり、業績低迷が続いているといわれる。
 合併・統合の目的は、一つは昭和アルミグループのビル建材事業の競争力の強化。両社は昭和アルミテクノが東日本、テクノ・ナミケンが西日本と市場を分け合っていたが、経営陣・管理部門などが重複しているので、これを一本化してすっきりした体制に改める。同時に、人材・資金・製品・技術など経営資源の効率的な運用を図り、競争力を高める。
 いま一つの目的は、今年3月末実施予定の昭和電工・昭和アルミの合併に対応した多岐に亘る昭和アルミの子会社の再編成の一環。昭和アルミは昭和電工との合併に先立って、アルミ器物会社「昭和マツタカ」の営業権の一部を昭和アルミビューテックに移管した後、清算。さらに住宅用リフォーム建材の無店舗販売会社「昭和リンク」から資本を引き上げるなど子会社・関連会社の整理・統合を実施中。ビル建材部門で業績不振が続く昭和アルミテクノとテクノ・ナミケンも再編成の対象となった。
 なお、どのような形で両社合併するか、グループ内の協議は最終段階にあるが、今のところテクノ・ナミケンが昭和アルミテクノを吸収・合併する線が強い。


図・表・写真は本誌でご覧ください。