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NO.1528(2001年03月26日号)
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日商岩井アルコニックス
MBOで日商岩井から分離独立
5年以内メドに株式公開実現
日商岩井は100%子会社の総合非鉄製品商社、日商岩井アルコニックスをMBOの手法で分離・独立させる。日商岩井アルコニックスは3〜5年内をメドにした株式公開を視野に入れて積極的な経営を行なう。
日商岩井は3月末までに同社が100%出資する総合非鉄製品商社の日商岩井アルコニックス(港区赤坂、正木英逸社長、資本金6億円)をMBO(マネジメント・バイアウト、経営陣による企業買収)の手法で分離・独立させることを決定した。日商岩井は日商岩井アルコニックス(NIA)の発行済み全株式を富士銀行系の大手ベンチャーキャピタルである富士キャピタルマネジメント(FCM)が運営するMBOファンドに売却する。売却額は公表していない。同時に、NIAは第三者割当増資を行ない、NIAの現経営陣・従業員持株会に加え、日商岩井も新たに35%の株式を取得。増資後資本金は10億円で、出資比率はFCM57%、日商岩井35%、NIA経営陣5%、NIA従業員持株会3%となる。
NIAは日商岩井から分離・独立することにより、一段の収益改善を図り、3〜5年内の株式上場を視野に入れた経営を行なう。
日商岩井アルコニックスは昨年4月、日商岩井非鉄販売と日商岩井メタルプロダクツが合併し、日商岩井の非鉄製品の商権を移管して設立された。軽金属・銅などの非鉄金属製品、建設資材、電子材料、新素材の国内・輸出入・海外取引を行なっている。年間取扱高は今年度見込みで1,250億円(うち、アルミは半分強)。総資産350億円、従業員数166名。
日商岩井は昨年6月以来NIAについて、他社との統合・合併も含めてさまざまな事業再構築策を検討してきた。今回、事業再編成の手法としてMBOによりNIAを分離・独立させることを決めたのは、株式や商権の売却益に加え、@連結総資産の圧縮(約350億円)A連結有利子負債の削減(約110億円)が可能になるなど、バランスシートのスリム化により、経営効率の改善につながると判断したため。
一方、NIAにとっても、今回のMBOに当たり受取手形の証券化を実施、調達コストの削減と財務体質の強化が図れるほか、ファンドの斡旋により編成される銀行の協調融資団により新たな融資枠が設定されることで、「資金調達の余裕と確実性が確保される」(正木社長)メリットがある。
さらに、FCMは57%を出資、取締役会構成メンバー6名のうち2名を非常勤取締役として派遣するが(残りはNIA3名、日商岩井1名)、「経営はNIAに任せる」(正木社長)としており、「経営陣の独立性が保持され、引き続きNIAが経営主体を握ることになる」。FCMは「契約により5年間は退出できず、退出する場合には特別議決事項となり、日商岩井の承認が必要」という。また、経営陣・従業員が株式を保有することで「“オーナー経営者”として積極的な経営の実現が可能」(正木社長)という。
FCMの運用資金量は約180億円で、NIAのMBOが初めての大型案件。同ファンドの運用方針は「いわゆるベンチャー企業は狙わず、ある程度収益が安定、コストダウンすればさらに利益が伸び、5年程度をメドに株式公開が実現できる企業に投資して株式公開益を狙う」というもの。
2000暦年のアルミ製品総需要
411万d強、97年に次ぐ水準
日本アルミニウム協会がまとめた2000年暦年のアルミ製品総需要は前年比5.7%増の411万375dと2年連続のプラスになるとともに、3年ぶりに400万d台を回復した。水準としては97年の419万9,200dに続く史上第2位。昨年まで3年連続で過去最高更新となった輸出は25万8,668d、18.7%減と急ブレーキがかかった。98年11.2%減、99年1.1%増と伸び悩んだ内需は385万1,707d、同7.9%増と回復し、97年の395万6,494dに次ぐ史上第2位に。
製品別需要では、鍛造品は2年連続のプラスながら史上第8位の水準(過去最高は91年の3万1,847万d)。鋳造品は4.6%増の41万2,643dで、水準としては史上最高である97年の41万7,697dに次ぐ。また、ダイカストは79万1,573d、9.5%増で、97年の75万4,204dを上回って、3年ぶりの過去最高となった。
用途別需要では、主力の輸送向けは130万3,225d、前年比8.6%増で97年の126万7,433dを上回って史上最高に。また、土木建築向けが1.3%増と小幅ながら4年ぶりのプラスとなったものの、過去ピークである1996年の97万7,697dに比べ15.4%減の水準。
神鋼今期、当期損益下方修正
神戸製鋼所は7日、平成13年3月期連結決算見通しで、当期利益が昨年11月発表の当初予想を70億円下回る70億円(前期は530億円の損失)程度になると発表した。KMTセミコンダクターの株式譲渡額が当初合意時に比べて減額となったことに伴い、特別損失が110億円悪化するため。売上高1兆3,700億円(前期比9.4%増)、経常利益500億円(同265.0%増)の予想は当初見込み通り。
一方、単独決算見通しも当期損益は640億円の損失(前期は151億円の損失)と当初見通しの570億円から赤字幅が拡大する。
昨年はく出荷、初の15万d台
コンデ23%増で最大需要分野
2000年暦年におけるアルミ箔出荷量は前年比6.1%増の15万3,3597dとなり、1997年の14万5,598dを上回って3年ぶりの過去最高更新となった。輸出が0.2%減の1万7,695dと史上第4位の水準(第1位は1985年の2万558d)となった反面、内需は13万5,902d、7.0%増と好調。97年の12万9,869dを上回って、3年ぶりに過去最高を更新した。
需要部門別内訳ではコンデンサ向けが4万1,551d、前年比23.0%増と2年ぶりに過去最高を更新し、初の4万d台乗せとなった。構成比も27.1%と食料品の23.3%を上回り、初めて首位に躍り出た。食料品は1990年の3万7,556dをピークに、また日用品は1994年の2万8,309dをピークに停滞ないし減少基調にある。
宇部興産(常見和正社長)は4月1日付でアルミホイール事業の統括会社を設立する。新会社は「ウベオートモーティブ株式会社」で資本金は56億円(資本準備金を含む)。従来、アルミホイール事業は同社の100%子会社である宇部興産機械の一事業部門であったが、会社分割法により同事業部門を分離して新会社に統合する。
アルミホイール事業統括会社
05年に年産600万個、宇部興産
宇部興産機械はアルミホイール生産拠点として、ユーモールド(山口県宇部市、年産能力220万本)と米国のA-Mold(米国オハイオ州、年産能力140万本)を持っている。さらに、昨年6月にはカナダ・オンタリオ州に生産会社「UBE
Automotive North America Sarnia PlantInc.」を設立し、現在、2002年の稼働予定で年産能力225万本の最新鋭工場を建設中。2005年のカナダ工場フル稼働により、グループの生産能力は年間600万本(売上規模約600億円)となり、世界屈指のアルミホイールメーカーとなる。
昨年のマグネ総需要、12%増
ダイカスト向けは48%増に
日本マグネシウム協会(諸住正太郎会長)がまとめた平成12年暦年のマグネシウム需要統計によると、総需要は3万5,936d、前年比12.3%増と過去最高を大幅に更新した。需要の57%を占めるアルミ圧延・合金添加剤用途は0.5%減となったものの、マグネダイカスト用が4,285d、同47.9%増と大幅に伸びるなど、構造材向けが好調。さらに、チクソモールディング法の拡大を背景に、「粉末・防食マグネ・その他」も4,932d、前年比24.8%増となった。
なお、昨年のマグネシウム地金輸入量は3万8,221d(前年は3万4,687d)であった。
Mg合金射出成形用粉体離型剤
システム開発、JSW・花野商事
日本製鋼所は花野商事(神戸市西区、花野実社長)と共同で、「マグネシウム合金射出成形機用クローズド粉体離型剤システム」を開発、今春から発売すると発表した。従来使われている水溶性離型剤に必要な大型スプレー装置が不要となるほか、作業環境のクリーン化や成形サイクルタイムの短縮化につながるシステム。初年度約30台の販売を計画している。
マグネシウム合金の射出成形はプラスチックに比べ金型に成形品がくっつき易いため離型剤を金型表面にスプレーする必要があるが、従来の離型剤は水溶性のため、離型剤の霧が周囲に飛散してしまうことで作業環境を悪化させてしまうなどの難点があった。
日本製鋼所、花野商事両社が実用化に成功したクローズド粉体離型剤システムは、金型を閉じたまま、金型内に粉体離型剤を真空吸引し、金型表面に粉体離型剤を均一に吸着させる方法。離型剤が周囲に飛散することなくクリーンな環境でマグネシウム合金の射出成形が出きるとともに、大型の離型剤スプレー装置が不要となり、よりプラスチックの射出成形に近い環境でマグネシウム合金の成形が可能となる。さらに、成形上の利点として、@サイクルタイムの短縮Aバリ発生の低減B金型加熱コストの低減C金型寿命の向上−−などが期待できる。
日本製鋼所では広島製作所の実験機に同システムを搭載、デモンストレーションを行うとともに、関連会社のエムジープレシジョンで成形品の量産に適用。さらに、今後、薄肉形状品・ボス・リブなど複雑な形状への離型剤の均一な吸着、粉体離型剤の改良、最適金型デザインの確立など、幅広い成形品に対応したシステム開発に取り組む。
三協アルミニウム工業
住宅建材の新商品6種20点
エクステリアも全国3会場で
三協アルミニウム工業は7日、都内のホテルに有力代理店250社・300名を招き、「住宅建材全国代理店会」を開催するとともに、2001年度の新製品6グループ・20点を発表した。これに先立ち、小山智克取締役常務住宅建材事業本部長が記者会見し、「住宅建材事業の2001年度の主要方針は代理店に対する品確法対応の支援と、住宅開口部・壁のリフォーム事業の拡大の2点だ。品確法対応では性能表示に対する図面作成代行、管理ソフト、保険などのサービスを提供する。また、新築が低迷するなかで当社の住宅改装工法・SR工法の普及を急ぎ、代理店・工務店経営の安定を図りたい」との指針を明らかにした。
新製品の目玉は玄関ドア「サンテノール」、「サンデリカ」、新アルミ・樹脂複合断熱サッシ「アルジュR70」、新シャッター一体サッシ「メルフィーナ」アルミスラットタイプなど。これら新製品で初年度住宅建材の20%程度の売り上げを計画しているという。
「サンテノール」は業界最高レベルの断熱性能をもつドアで、シリーズとして完成した。「サンデリカ」は木目調ドアで、新色を追加し住宅外観とマッチできる。「アルジュR70」は無公害型のABS樹脂を採用するとともに枠見込みを70_とし、収まりを統一した。「メルフィーナ」アルミタイプはカラーアルミ成形スラットを採用し、これに同社とアイシン精機が共同開発したマイコン電動を組み込んだシャッター。この他、高さ6メートルの住宅外壁を一気通貫で構成する「ライティングウォール」、木・アルミの新複合断熱サッシなども参考出展。
一方、同社は7日、東京・大田区のTRCにおいて、エクステリア春の商品展示会を開催した。大阪、名古屋でも予定しており、参加者は3会場合わせて6,000名を計画。この種の展示会は昨年に続き2回目で、今回のテーマは「個性と調和・21精気の新ゆとり・新快適空間」。昨年売り出した空間提案型商品の「メロディア」や「スペースドリーム」に新しい製品を加え、「ユニバーサルエントランス」として新たな快適空間の提案を目玉としている。
【川村社長が陣頭指揮】
三協アルミの二つの展示会はいつものそれとちょっと雰囲気が変わり、活気があった。それは川村人志社長以下多くの役員が会場に乗り込んで、来訪者を案内、社員もそれにつられて熱気ある応対に追われていたからだ。これまでは当該事業部長に任されており、社長が姿を見せたことはなかった。三協アルミはもともと粘り強い営業力が持味の会社だが、ここ数年、営業より管理を重視する傾向が強く、営業は風下に立たされていた。川村社長は社長就任時に「営業が優劣を決める」と営業重視の考えを示したが、ここにきて少しづつその経営方針が浸透し始めているようだ。
元旦ビューティー工業
盛大に創業35周年祝賀会
元旦ビューティー工業は8日、東京・台場のホテル日航東京において創業35周年記念式典・祝賀会と全国元旦会を開催した。ゲストスピーカーには亀井静香自民党政調会長と小林興起自民党議員が招かれ、約600名の聴衆を前に約1時間にわたって時局講演を行なった。
同社は1965年4月、一般住宅用の板金会社として舩木元旦社長が設立した「舩木板金工業」が原点。その後、1980年に自社開発した定尺工法の金属横葺き屋根ダブル角ハゼ構造「元旦ルーフ」が大ヒットし、スチール・アルミ屋根のトップクラスの企業に急成長した。1993年に株式を店頭公開。最近は新規事業として廃ガラス再生利用や太陽光・風力発電、機能塗料、マイナスイオン材料など元旦エコロジーシステム「GTES」にも力を入れている。
同社はこれまで金属屋根の販売組織である「全国代理店会」は年1回開催してきたが、施工組織である元旦会の全国大会を開催するのは今回が始めて。ビル着工の低迷から金属屋根業界はメーカー、流通、施工とも需要減、価格低下、コストアップの三重苦の経営環境下にあるが、ここで全国の施工業者を一堂に集め、元旦会の結束を引き締めるとともにと拡販に向けての意志統一、活性化を図るのが狙い。
式典で挨拶に立った舩木社長は「ゼネコンの横暴に屈せず、誇りをもって適正価格を守ってほしい」とかねての持論を強調した。
エムエートレーディング開始
Iネットによる受注システム
三菱アルミニウム(福地淳二社長)の100%子会社、エムエートレーディング(菊地敏之社長)は4月2日から、アルミニウム圧延品を対象としたインターネット受注システム「あるみくん」の運営を開始する。
対象となる製品は、標準板材、建材用板材、標準丸棒。リアルタイムで在庫情報が検索できるほか、ホームページ上の入力フォームからの問い合わせや注文依頼も可能。登録会員についてはホームページ上からの注文入力のほか、納品情報の照会や送り先などの情報登録、注文入力時の納品予約などが可能。SSL認証を使用した高いセキュリティー機能も提供する。ホームページのURLは「http://www.mat-de-akinai.com/」。
業界初のフロア納まり片引戸
高気密・水密性、YKKAP
YKKAPは、業界で初めて気密性A-4(2等級)、水密性W-4(35等級)という高気密・高水密性能を実現した、フロア納まり専用の片引戸「NKH」を新発売した。「品確法」の施行以来、住宅の開口部に求められる性能はより厳しくなっており、特に『雨水の浸入を防止する部分』には10年間の瑕疵担保責任が義務づけられため、優れた基本性能に加え、居室でも使えるように意匠性も大きくグレードアップさせた、全く新しい片引戸を開発したもの。
結露受けと結露排水弁を標準装備し、万一の室内側の結露にも安心。居室に直接取付けられるので、ダイニングや狭小地などさまざまな場所で使うことができる。
価格は写真のW1686×H1970oで6万2,700円。初年度1億円の販売が目標。
BBSが鍛造2Pホイール新製品
従来品に比べさらに1s軽量化
日本BBSは3月末、アルミ鍛造2ピースホイールの新製品「RS-GT」を発売する。ボルト部以外の内リム駄肉を除去したリムの新開発(特許出願中)とアウターリムフランジをF-1レーシングホイールと同じ形状にしたことで、2ピース構造ながら18インチサイズで約1sの軽量化(同社比)を図った。ピアスボルトはチタン合金を採用。ディスク外周リングをさらに薄肉化したため、ディープリムデザインは最大約60oと同社の従来品に比べ15〜20o深くなっている。
サイズは18インチ×7.5インチ〜9.5J。価格は8万6,500〜9万4,500円。
AFC総受注55基、IHI
昭和アルミ堺製造所から1基
石川島播磨重工業(IHI)はこのほど、昭和アルミニウム(小島巖社長)・堺製造所から、空気軸受式形状センサーロールを含む、広幅のアルミ箔ミル用AFC(自動平坦度制御)システムを受注した。稼働開始は今年8月の予定。同システムは製品の平坦度(外観)を精度良くコントロールする制御方式で、圧延製品の品質改善が図れるとともに、圧延速度の向上とプロセスにおける材料破断の大幅な軽減が実現され、生産性のアップに寄与する。
IHIはこれまでに国内外に合計51基のAFCシステムの納入実績があり、今年1月には米国のノランダル社向け2基、韓国の大韓銀箔紙工業向け1基のAFCシステムを受注しており、今回の受注で国内外での受注実績は合計55基となった。
「アルミ外装クリーニング
技術研究協議会」が新発足
「アルミニウム外装クリーニング技術研究協議会(略称:ALCC)」がこのほど、発足することになり、現在会員を募っている。同協議会は、(社)表面技術協会・アルミ表面処理技術部会のミニサークルである「アルミ建材の汚れ対策調査研究会」を前身として、99年に「アルミ外装維持保全研究委員会」と改称されたものを発展させた組織。各種専門分野企業間の枠を超えたネットワーク化を実現し、アルミニウム外装維持保全の正しい情報を広め、クリーニング市場の活性・拡充を推進するのが狙い。
平成13年の事業としては、@アルミ外装建材クリーニングの普及とその教宣活動の推進Aアルミ外装建材用のクリーニング剤の評価研究Bアルミ外装建材技術の品質保証のための調査研究−−を計画している。
会員資格はアルミニウム外装クリーニングに従事する法人。連絡は同協議会まで(新宿区高田馬場3-35-2、電話/FAX03-3366-3612)。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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