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NO.1550(2001年09月03日号)
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本誌アンケート調査
2001年度の売上高ランキング
6割強が増収確保、2桁増48社
アルミ関連企業200社を対象に行なった「売上高ランキング調査」では、増収を確保した企業は129社、うち2桁の伸び率は48社という結果が明らかになった。
本誌はこのほど、恒例の「アルミ企業の売上高ランキング」をまとめた。アルミ業界に比較的関連の深い代表的な企業200社をピックアップし、
2000年6月期から2001年5月期までの決算期における単独売上高及び経常利益についてアンケート及び電話による取材調査を行なったもの。なお、経常利益は無回答ないし、一部、営業利益、申告所得、最終利益の数字もある。
それによると、200社合計の売上高は6兆940億2,400万円で、前年度の5兆5,648億2,000万円に比べ、9.5%の増収となった。
合併などによる新会社で前年度比較が不可能な3社を除いた197社のうち、「増収ないし横ばい」を記録したのは129社、うち「2桁(10%)以上の増収」となった企業は48社に上った。反対に「2桁の減収」企業は17社、「5〜10%の減収」となった企業は12社となった。
調査対象企業の入れ替えや、分割・統合による事業再編や新会社の設立などで厳密な比較は困難なものの、2000年度における200社合計の売上高が1.1%減(1999年度10.1%減収)、増収ないし横ばいを記録したのが89社(同25社)、うち2桁の増収が22社(同9社)、2桁の減収が29社(同103社)であったのに比べると、少なくとも売上高に関する限りは企業業績が大きく回復したことを物語っている。
因に、2001年度における増収率ランキング・トップ10を見ると、@日軽産業(増収率141.3%)A昭和アルミビューテック(44.2%)Bアルミニウム線材(36.5%)Cタカノサッシ(36.4%)D三菱商事軽金属販売(33.9%)E埼玉プレス鍛造(33.0%)F三神精工(29.1%)G日本ハンターダグラス(28.1%)Hニチメン金属販売(26.0%)I旭東ダイカスト(25.5%)。
ただ、このうち、日軽産業は昨年4月に日軽商事を吸収合併したことによるもの(前年度は旧・日軽産業)。また、昭和アルミビューテックも、昨年7月に昭和ポールが昭和アルミの景観事業を移管して社名変更したもの。さらに、三菱商事軽金属販売の売上増も、昨年1月にエム・シー・リサイクリングを合併したことの影響。こうした特殊要因を除くと、3月期決算を中心に自動車やIT関連の需要増を背景に売上高を伸ばした企業が多い。ただ、逆にこうした企業は今期に入ってからのIT関連の深刻な調整局面入りで減収見込みにあるなど状況は様変わりとなっている。
いずれにしても、この「ランキング」は、企業収益の発表が連結決算中心となっているなかで、有力企業の単独売上高など、広い意味での“アルミ関連業界”でそれぞれの企業がどの辺りに位置しているかを知るデータとして有効である。
流通市況、東京52S板5円安
荷動き鈍く、在庫圧縮の姿勢
全国軽金属商協会・市場調査委員会(委員長=伊藤喬萬世興業取締役)によると、7月末の軽圧品店売り市況は、東京地区では52S板が5円値下がりした一方で、快削棒は5円値上がりした。大阪、中部地区では全品種が横ばいにとどまった。
東京地区の快削棒は2ヵ月連続の上昇となったが、これは「需要が上向いたためではなく、板ではすでに織り込み済みの地金アップを反映したもの」(伊藤委員長)。「夏場という季節要因もあり、軽圧品の荷動きは極めて鈍く、市況の動きも小幅にとどまっている」という。このため、流通各社は極力在庫を圧縮するよう努めており、メーカーへの材料手配も手控え気味となっている。
高校生対象にインターンシップ
工場現業職の人材確保、日軽金
日本軽金属はこのほど、同社蒲原製造所で高校2年生を対象としたインターンシップ(就業体験)を実施した。同社は平成9年から4年制大学の2年生を対象としたインターンシップ制度を実施しているが、工業高校の生徒を受け入れることで、製造現場に対する理解を深め、将来的に工場現業職で優秀な人材確保に結びつけていく考え。
今回受け入れたのは、静岡県立沼津工業高校の3名(7月5〜6日)と同清水工業高校の4名(7月31日〜8月3日2名、8月7〜10日2名)。沼津工業高校の3名(材料技術科)と清水工業高校の2名(環境工学科)を分析センター(発光分析・化学分析業務)で、また清水工業高校の電気科2名を給電課(水力発電機整備業務)で受け入れ、それぞれの部署における業務を実体験した。
インターンシップ制度により、高校生が職業現場における実際的な知識や技術に触れることで学習意欲の喚起につながることや、職業適性や将来設計について考える良い機会となる。一方、受け入れ企業にとっても、高等学校教育に対して産業界としての要望を伝えることができるほか、意欲的に仕事に取り組む人材の発掘につながるなどのメリットが期待できるという。
なお、両校とも操業以来、蒲原製造所との結びつきは深く、現在でも200名近い卒業生が蒲原地区の各工場で勤務している。
アルミ労協が定期大会を開催
「建材業界の正常化全面支援」
アルミ産業の最大労働団体である全国アルミ産業労働組合協議会(加盟45組合・3万名)は8月26〜27日の両日、愛知県蒲郡市のホテルで第26回定期大会を開催し、2002年度運動方針案を採択する。同時に任期切れに伴う役員改選を行ない、吉田守会長(トステム労組委員長)以下正副会長は全員再選の見込み。
新年度のスローガンは「21世紀の躍進を目指し、積極的に踏み出そう」。サブスローガンとして@賃上げ、時短など労働条件の向上A組織拡大B雇用の安定C労働災害の撲滅D制度要求闘争の強化−−の5点を掲げた。「アルミ産業はここ数年業績悪化が続き、賃上げ・一時金など労働条件で他産業との格差が拡大しているのが実情だ。この格差是正には企業の収益回復が大前提。幸いにも建材各社は赤字の元凶だったビルサッシの価格是正に取り組み、次第に成果が見られ始めている。新年度は組合としても業界正常化を最大課題として正面に掲げ、企業の適正利益への回復を全面的に支援する」(吉田会長)。
【2002年度執行部人事】▽会長(再選・トステム)吉田守▽副会長(同・不二サッシ)柳沢昭▽同(同・新日軽北陸)土田邦夫▽同(同・三協アルミ)蔦雅毅▽同(同・立山アルミ)浜井裕喜▽同(同・日本アルミ)桐田富夫▽同(同・東洋アルミ)中村芳雄▽事務局長(同・昭和アルミ)佐藤修司▽事務局次長(同・立山アルミ)小林勝幸▽同(同・日本建鉄)望月慎悟▽会計(同・立花金属)新阜正康
メタル便、関西地区へ業務拡大
アルミなど非鉄製品取り扱いも
鋼材を始めとする金属材の小口配送サービスを手懸ける株式会社メタル便(千葉県浦安市、電話047-382-2401、梶大吉社長、資本金1,000万円)はこのほど、関西拠点の物流企業、大栄(大阪市此花区、吉田寛司社長)と業務提携を結び、関東地区の顧客を対象に関西方面への小口配送サービスを開始した。メタル便は昨年12月の設立以来、浦安鉄鋼団地内の鋼材問屋など関東地区を中心に営業展開してきたが、大栄と提携することで、要望の高かった関西地域への業務拡大を図るもの。さらに今回の提携を機に、ニーズが高まっているアルミ、伸銅品などの非鉄金属製品の取り扱い拡大にも力を入れていく。
メタル便は総合トラック鰍フ45%出資により昨年12月に設立された企業。総合トラックは同8月に鋼材の小口配送サービスをスタートした。このサービスは3,500s以内の小ロット品を複数の顧客から集荷し、共同配送するもの。従来でも、少量品については宅配便や路線便による輸送サービスがあるが、「重たい」「長い」「異形」の小口商品を混載する場合、荷扱いが複雑、荷さばきにスペースを要する、配送ルートの組合せが複雑−−などにより、手間がかかるため断られるか、納期・配送条件、あるいは料金で特別扱いされるケースが多かった。
メタル便はこうした、大手運送会社が手懸けなかったニッチの小口混載サービスにターゲットを絞っている企業。サービス開始後1年経過した時点で、浦安鉄鋼団地に事業所を設けている約200社のうち、約120社と取り引きを行なうなど営業展開は順調。今回業務提携した大栄は大阪を中心に関西地区における約200社の顧客を対象に、鋼材を含む一般貨物を中心に全国に配送している。メタル便は関東地区から関西地区への配送サービスに続いて、関西地区で集荷して関東地区などへ配送するサービスも検討中である。
なお、メタル便はサービス開始一周年を記念して、8月21日から9月20日までの1ヵ月間、配送運賃を通常より20%値引きする「感謝サービス」を実施中。メタル便の利便性をPRすることで、大栄との提携によるサービス地域拡大と併せて、取り扱い量(運賃収入で月約650万円)を年内には倍増させる考え。さらに、既に一部手懸けているアルミなど非鉄製品の取り扱いについても受注体制を整え、拡大を図っていく考え。
住友金属と吉川金属が共催
「Mg合金展伸材の技術講演会」
住友金属工業系列のステンレスコイルセンターである吉川金属(新潟県西蒲原郡)は住友金属工業と共催で8月24日午後2時〜午後4時30分、セレモニーホール飛燕(燕市)で、「マグネシウム合金展伸材技術講演会」を開催する。住友金属工業・住友金属直江津はマグネシウム合金板材の量産技術を開発、本格的な販売に乗り出そうとしており、講演会の開催により積極的なPRを展開するもの。得意先を中心に約100社・200人の出席が予定されている。
内容は、▽開会挨拶:吉野好男住友金属直江津社長▽講演:@マグネシウム合金展伸材のプレス加工の現状と課題(新潟県工業技術総合研究所高野研究主幹)Aマグネシウム合金展伸材の特徴−−チタンとの比較を含めた材料概要報告−−(住友金属工業総合技術研究所黒田室長)Bマグネシウム合金の開発状況−−開発進捗と製造範囲及び今後の予定−−(住友金属直江津技術部技術開発室渋谷参事補▽質問・要望▽閉会挨拶:吉川金属。
三和の「ファイヤード・遮透」
遮熱性と火災時透視性を兼備
三和シヤッター工業はこのほど、遮熱性能を持ち、かつ火災時にも透視性を維持することで、安全に避難が行える新タイプの遮熱型ガラス防火戸「ファイヤード・遮透(シャトー)」を開発した。遮熱性の防火ガラスが各社が開発されているが、火災時には見通しが利かなくなるため、救助活動などの面からは問題点があった。
「ファイヤード・遮透」に使用するガラスは日本電気硝子が開発した既存の耐熱板ガラスに熱線反射膜を施したもので、通常25o以上ある厚さは8.6oながら遮熱性能を持ち、火災時にも30分間以上の透視性を確保することが可能。
ガラス1枚の大きさは1000×1500oで、たて横自由の組み合わせが可能。販売価格は61万7,600円(W1500×H1000の避難経路に面した窓の場合)。病院や商業ビル、地下街などの避難通路や籠城区画、コンピュータ室周りなどを中心に販売活動を展開、初年度に500u・1億5,000万円の販売を狙う。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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