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NO.1554(2001年10月01日号)

日本製鋼所・マグネシウム事業部
成形機販売、7月末で230台に
中国向けプラントも相次ぎ受注


 日本製鋼所は日本、台湾などの市場が踊り場を迎えている中で、中国向けマグネ合金射出成形機の輸出に注力、早くも2件のプラント受注に成功した。国内でもチクソ法では初めて、自動車用部品の本格的な量産も近々スタートする見込みだ。

 日本製鋼所・マグネシウム事業部(上谷建治理事事業部長)はこのほど、今年7月末現在におけるマグネシウム合金射出成形機の累計販売台数(製作中を含む受注ベース)が国内外合わせて約230台に達したことを明らかにした。国内向けが150台、輸出が約80台の内訳で、輸出のうち、北米・欧州が20台、残りはアジア向け。アジアのうち、昨年度来の需要けん引役となった台湾が7割を占めているが、初めての輸出実績として中国向けが15台計上されている。
 中国向けは中国資本企業2社に850d2台・650d2台のほか、450d機、220d機を輸出するもの。今年3月、6月に相次いで受注に成功し、年内に船積み、年明け以降の本格稼働を予定している。生産品目は携帯電話やノートパソコンなどの筐体となるもよう。
 因に、230台のうち携帯電話筐体の製造に適した220d機が4割強と最も多く、以下650d機が2割強、450d機が1割強となっている。850d機は製作中のものを含めて14台(日本製鋼所の成形子会社エムジープレシジョン2台、日本3台、米国2台、台湾5台、中国2台)。
 IT不況の影響もあり、国内及び台湾向け成形機販売の伸び率が鈍化する中で、日本製鋼所は中国市場向け拡販に注力している。中国向け輸出は成形機販売にとどまらず、NC加工機・化成処理・塗装装置などを含むプラント輸出の形態で、台湾向けですでに1件の実績がある。今年度は全部で4件ほど、中国向け輸出を見込んでいる。
 なお、連結ベースでのマグネシウム事業部の売上高(成形機販売+原料+成形品)は98年度57億円、99年度約69億円に対し、2000年度は当初、4割増の100億円弱を狙っていたが、IT関連産業の急減速を受けて72億円程度にとどまった。今年度は68〜72億円を計画している。2003年度には100億円達成を狙う
 機械販売は99年度40億円、2000年度45億円から今年度は40〜45億円の予想。また、原料販売は99年度1億円強、2000年度5億円弱から今年度は7億円の計画。成形機販売の今年度計画額のうち、中国向けが30億円を占める。
 日本製鋼所は@原料から成形・トリミングA機械加工B化成処理・塗装−−の各工程それぞれで、良品率アップによるコスト低減を行い、チクソモールディング法のトータルコスト引き下げを図ろうとしいる。成形機における技術的な課題も昨年来の研究開発でほぼ解決。今年10月から某国内メーカーで自動車用部品がチクソ法では初めて、本格的な量産がスタートするほか、年内あるいは年度内に別のメーカーでも自動車用部品の量産がスタートする見込みにある。



軽圧品流通市況年内弱含みか
需要激減に地金安が追い風に
 全国軽金属商協会・市場調査委員会(委員長=伊藤喬萬世興業取締役)がまとめた8月末の軽圧品流通市況は東京地区でアルミ小板、快削棒がともに10円安となったほかは前月比横ばい。大阪・中部地区は全品種が変わらずであった。
 この結果について伊藤委員長は、「メーカーの 話ではIT不振、景気回復の遅れなどで7月以降圧延品需要は石油危機以降最大の落ち込みという。実際、機械向けの厚板の30%減をはじめ板、押出とも急減した。液晶関連ははまずまずで、建材も低位横這いだが、その他の分野は低調で特に箔地や半導体関連が激減」と述べ、さらに、「米国のテロ事件以降国内景気の悪化が加速する見通しで、10〜12月期のNSP地金価格が10円/s引き下げられることもあって、年内弱含み推移は必至だ」との弱気な見方を明らかにした。



上期設備稼働率88.7%
板94.8%、押出81.8%
 日本アルミニウム協会が経済産業省統計によりまとめたところによると、今年上半期(1〜6月)の圧延品稼働率は88.7%と、前年同期の87.7%に比べて1.0ポイントのアップとなった。
 品種別では板類の稼働率が94.8%で、前年同期比0.1ポイントの上昇。生産能力(生産設備、生産品種、操業日数及び時間、従業員数などを勘案した実稼働能力)が71万6,220d、同0.6%減となる一方で、生産量も67万8,829d、同0.6%減となった。月次ベースでは今年3月の101.0%をピークに、4月98.2%、5月97.7%、6月96.8%と一貫して低下傾向にある。
 一方、押出類の上期稼働率は81.8%で、前年同期比1.7ポイントのアップ。生産量が51万9,886d、同2.7%のマイナスとなる一方で、生産能力は63万5,838d、同4.7%の減少となった。月次ベースでは、昨年10〜11月は100%を超える水準にあったが、今年1月82.0%、4月81.3%、6月81.8%と稼働率が低下している。



東京軽金属商協会が発刊
『創立50周年記念誌』
 東京軽金属商協会はこのほど創立50周年記念事業の一つとして記念誌を発刊した。内容は@50周年記念祝典の模様A歴代会長の紹介B歴代会長、業界長老の回顧談C同協会の沿革D50年の主な出来事E同協会の現況F同協会の会員紹介G若手の座談会Hアルミ産業の将来展望−−で構成。特に同協会幹事会社8社を代表する若手社員が「私たちはいま・そしてアルミへの夢」をテーマに意見交換した座談会は、この種の記念誌にはなかった新企画で読み応え十分。
 B5版140頁だて2色刷りだが、代表者の顔写真を掲載した会員紹介など70頁分はフルカラー。250部限定出版で、会員3,000円、非会員5,000円で頒布する。同協会記念誌編集委員会(委員長=富永攻治富商社長)が作成した。



上期の新地金需要、6.5%減
再生地金は前年比2.9%減
 2001暦年上期における国内のアルミニウム新地金および同再生地金の需給実績がまとまった。 
 それによると、上期におけるアルミ新地金需要量は102万395d、同6.5%減と3年ぶりのマイナスに転じた。国内消費量は101万9,599d、同6.5%減で、主力の圧延向けが83万1,509d、同6.0%減。方、総供給量は148万8,168d、同2.6%減で、受入(生産及び輸入)は119万8,536d、前年同期比1.8%減。国内生産は3,274d、同0.2%増と横ばいながら、輸入が119万5,262d、同1.8%減となった。
 また、上半期における再生アルミニウム地金の需要量は88万6,365d、同2.9%減。二次地金向けは14万4,455d、同15.5%増となったものの、主力のダイカスト向けが36万4,426d、同3.1%減となったほか、圧延向けが16万5,749d、同3.0%減、鋳物向けが14万5,078d、同9.9%減とマイナスに。一方、供給量は102万4,606d、前年同期比4.5%減。生産が58万3,175d、同2.9%減、輸入が22万8,889d、同15.5%減となった。



アルミ建築構造協議会
Ecobuild展に協力出展
 アルミニウム建築構造協議会(中山裕之会長)は9月19日から21日まで東京・池袋サンシャインシティ文化会館で開催する「すまい・建築・都市の環境展・Ecobuild展」に「アルミとサスティナブルデザイン展」として、X難波和彦・界工作舎と協力出展する。
 同展ではオールアルミ住宅のエコ素材住宅の技術開発、アルミエコハウスとその普及、アルミニウム建築構造物の実績と各種耐震要素などを展示発表し、アルミ材料が長寿命の住宅建築から大空間建築の建築材料として、最適であることを幅広くPRする。



上期のMg出荷、16.8万d
15%減、ダイカスト5%減
 IMA(国際マグネシウム協会)が発表した今年第2四半期の西側世界におけるマグネシウム新地金の総出荷量は8万1,400d、前年同期比19.3%減、上半期合計で16万8,200d、前年同期比15.2%減と大幅マイナスとなった。上期の西側世界における生産量は9万8,900d、前年同期比8.3%減。6月末の在庫量は4万6,900dで、今年3月末の4万9,000dに比べ2,100dの減少。中国及びCISの推定出荷量は6万9,600d(前年同期比21.9%減)で、総出荷量に占める割合は41.4%(前年同期は44.9%)。
 上半期の用途別出荷量は、軽金属圧延・アルミ合金向けが7万3,600d、同18.5%減、ダイカスト向けが5万4,400d、同5.4%減。



東洋シヤつくば工場がISO9002
 東洋シヤッターはこのほど、関東方面の主力工 場である「つくば工場」(茨城県稲敷郡)がISO9002の認証を取得した。審査機関は(財)日本建築センター。
 同工場は平成5年に操業を開始し、重量シャッター(月間生産能力7,000u)、軽量シャッター (同6,000u)、スチールドアなど(同2,000u)を生産している。



立山アルミの「WALKING」
展示会が大盛況裡に終幕
 立山アルミニウム工業が開発した国内初のノンレール完全フラットサッシ「WALKING」に大変な人気が集まっている。東京・新宿のパークタワービルで開催した展示会には、予定の600名の2.5倍に当たる来場者が押し掛け、大盛況裡に終了した。既に都内に建設予定の二つのマンションのモデルルームに採用が決まるなど、コマーシャルベースの商談も順調に進展している。
 「WALKING」は下枠のレールを完全に取り去ったノンレールサッシ。室内・室外の段差のない住空間を形成できるので、バリアフリー・ユニバーサルデザインの切札的な製品として、主としてマンションなどに目下大々的に売出し中。ノンレールサッシはサッシ各社が開発競争を展開してきたが、水密・気密性能の確保が難しく立山アルミ以外に商品化に成功した企業はない。
 展示会は8月27日から9月7日までの12日間、東京・新宿で開催。来場者は1,501名で、初予想の600名を大幅に上回った。内訳はマンションデベロッパー250名、設計事務所252名、建設会社143名、ハウスメーカー・大手工務店67名など。同社は役員を常駐させて説明、商談に対応したが、猫の手を借りたいほどの忙しさにうれしい悲鳴。最終日には要明英雄社長が陣頭指揮を執るなど、久しぶりの大型製品に期待大。
 同製品は大和ハウス工業が東京・板橋に建設予 定のマンション「Dグランフォート加賀」、東急不動産が横浜・港北に建設する「アルス日吉本町」のモデルルームへの採用が決定した。



日本アルミ協会が講習会開催
自動車Al化技術と欧州の動向
 日本アルミニウム協会・自動車アルミ化委員会(日野光雄委員長)は11月21日(水)午前9時50分〜午後4時20分、私学会館・アルカディア市ケ谷(東京・九段北)において、平成13年「自動車のアルミ化技術と欧州のアルミ化動向講習会」を開催する。内容は次の通り。
▽自動車のアルミ化状況(日野光雄・神鋼アルコア輸送機材)▽自動車用アルミニウム材料・展伸材(同)▽自動車用アルミニウム材料・鋳物(山田徹・旭テック)▽自動車用アルミニウム材料の成形(戸次洋一郎・古河電気工業)▽自動車アルミニウム材料の表面処理(宇佐見勉・住友軽金属工業)▽自動車用アルミニウム材料の接合(麻野雅三・三菱アルミニウム)▽IAA(国際自動車ショーの内容など、欧州のアルミ化状況報告(自動車アルミ化委員会)。
 参加費は1万円(テキスト、参考資料込み)。申込は日本アルミニウム協会まで(電話03-3538-0221、FAX03-3538-0233)。自動車アルミ化委員会ホームページからも登録が可能(http://www.keikyo-unet.ocn.ne.jp)。



協会が『アルミハンドブック』
PDFファイルCD-ROM付き
 日本アルミニウム協会は『アルミニウムハンドブック第6版』を10月に発行する。さらに内容の充実を図るとともに、CD-ROMが添付される。
 CD-ROMは各章および見出しなどへのジャンプ機能付きなので、検索がスムーズに行なえる。
 また、PDFファイルを採用。無料の閲覧ソフト(Adobe AcrobatReader)が付いているので、必要なときに必要なだけプリントアウトすることが可能。OSはMacintosh、WindowsいずれでもOK。



昭和電工パッケージング
グループラミネート事業を集約
技術融合で「エレ関連」を強化
 昭和電工(大橋光夫社長)は現在推進中の連結中期経営計画「チータ・プロジェクト」の一環として、同社アルミニウム加工箔事業、平成ポリマーのラミネート事業を昭和ラミネート工業に譲渡し、ラミネート事業を集約するとともに、昭和ラミネート工業を「昭和電工パッケージング株式会社」に社名変更すると発表した。社長には鷲尾安司昭和電工執行役員箔事業部長が就任する。昭和電工グループが有するアルミニウム箔と合成樹脂双方の技術を融合し、多様な素材を活用した高機能・高品質の包装材、容器などを供給する。営業開始は10月1日から。
 新会社の資本金は17億円で、昭和電工が100%出資する。本社は昭和ラミネート工業の本社・工場所在地である神奈川県伊勢原市鈴川31に置く。従業員は約280名(内訳は昭和電工150名、平成ポリマー80名、昭和ラミネート工業50名)。営業拠点は東京、大阪、名古屋、福岡の4ヵ所、生産拠点は伊勢原(昭和ラミネート)、奈良(平成ポリー)、彦根、堺(昭和電工)。譲渡価格は平成ポリマー25億円、昭和電工17億円の合せて42億円。
 3社の事業を集約・分社化するのは、昭和電工のグループ力を活かして、独創的な製品開発を行なう個性派ラミネート事業としての地位確立が狙い。「同業界はキメ細かさとスピードが要求されるため、『中小企業』に撤したフットワークのある事業展開を図る」(鷲尾社長)。
 新会社は「生活環境関連」の『食品」市場と、「エレクトロニクス関連」市場を営業戦略上のターゲット市場に位置付けている。現在3社の売上高合計は130億円(市場別構成比:食品42%、エレクトロニクス6%、産業資材他52%)前後だが、3年後の2004年12月期には約140億円に引き上げるとともに、構成比を食品50%、エレクトロニクス20%に引き上げる。合せて、収益面ではROA4〜5%(新会社総資産は100億強〜110億円)の確保を狙う。
 食品分野では、食品容器用蓋材や食品用プレス容器を中心に拡販するが、今回の統合により、各種ラミネートから印刷・製袋・プレス成形までの一貫生産をクリーンな環境(通常100,000〜1,000クラス)で行なえる体制が整うことで、大幅リードタイム短縮が可能になる。
 また、エレクトロニクス分野では、リチウム電池に替わるポリマー電池用アルミケース材や、小口径用プリント基板用エントリーシート材などに特化。さらに、引き合いが活発な海外へも展開する。また、PDA用2次電池の包材や、フラット型コンデンサ用包材など、ラミネート技術を利用した拡大を図る。



富士工業・STC・千代田
Mgの新陽極酸化処理開発
 アルミダイカスト・機械加工・表面処理の富士工業(静岡県庵原郡)と表面処理技術コンサルタントのエス・ティー・シー(栃木県宇都宮市)、電源装置メーカーの千代田(埼玉県蕨市)の3社は共同で、マグネシウム合金の陽極酸化処理の新しいプロセスを開発した。今年1月に3社共同で特許を出願済み。すでにサンプル出荷を行なっており、年内にも量産設備1号機が富士工業に導入される見込み。
 新プロセスは千代田が開発した「DUTY型電源」を使用。正電流と負電流の波形を組合せることで、量産段階でも処理条件をきめ細かく設定することが可能。電解浴の詳しい組成は明らかにしていないが、「アルカリ系でpH13」。同じ電解液を使って、AZ91Dなどのマグネシウム合金だけでなく、A5052、さらにはADC12などのアルミ合金の陽極酸化も可能。さらに、治具もマグネやチタンに替えてアルミ製が使えるため、コスト低減を図ることが可能という。
 マグネ合金の陽極酸化は自動車部品がターゲットに置いている。ただ、高耐食性に加え、アルミと同じように染色が可能で、肌も綺麗なため、局部的な導通性で済む場合には、携帯電話筐体などにも適用可能としている。
 加工は富士工業で行なうとともに、新プロセスの技術や電解液、電源装置も外販する予定。写真はAZ91D材に陽極酸化を施しているところで、表面に“火花放電”がみられる。
 なお、この技術の詳細は9月26日、福岡工業大学で開催される(社)表面技術協会の第104回講演大会で、「DUTY電源によるマグネシウム合金の陽極酸化処理」として発表される予定。



三和シの電動窓シャッター
高機能標準装備で低価格実現
 三和シヤッター工業は、特別制御DCモーターを使用し滑らかな開閉を実現するとともに、高機能で低価格の住宅用窓シャッター「サンプレミア」を開発、10月1日から発売する。
 同商品は、LEDランプとブザーによる異常確認機能や、非常時や万一の停電時でもシャッターの開閉が手動操作で行える非常開放装置、さらには将来のネットワーク化に対応したHA端子(JEMA規格)・拡張端子も標準装備。新機構のモーターを採用することで従来の商品よりも大幅なコストダウンを実現した。
 販売価格は関東間(TW1753o、H2090o)で9万5,400円。初年度販売目標は10億円。

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