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NO.1561(2001年11月19日号)
群馬精工
アルミ冷間鍛造品を積極PR
顧客ニーズに応える技術開発を


 1968年の創業以来、一貫して冷間鍛造技術の確立に取り組んできた群馬精工はアルミ冷間鍛造品の良さを積極的にPR、顧客のニーズに即した独自の技術・製品開発を進めることで、新たな市場開拓、収益力アップを狙う。

 冷間鍛造の群馬精工(群馬県前橋市、丸茂洋一社長)はアルミ冷間鍛造品分野で、高度化・多様化しているユーザーニーズに応える技術・製品開発に注力、自動車軽量化関連など新分野の開拓に注力する。2002年6月期を最終年度とする3ヵ年中期計画では、目標としている年商10億5,000万円の達成にメドを付けた。次の3年間で収益力を上げて利益体質をさらに強固にする。
 同社の鍛造生産拠点は93年に新設した藤岡西工場。冷間鍛造用プレスとして、630d1台・400d2台・300d2台・250d3台・160d3台・110d1台・45d1台の計13台が設置されている。材料の切断及び製品の後加工−最終検査などは藤岡工場で行なっている。
 アルミ購入量は月40d程度。売上高は年間10億円強で、素材別ではアルミが60〜65%、残りはほとんどが鉄。分野別内訳では5割強がサスペンション部品などオートバイ部品で占められ、素材はほとんどがアルミ。これに、約3割の売上げ構成比となっているパワーステアリング部品など自動車向けが続くが、鉄系部品が主力である。
 同社は1968年の設立。82年には日本塑性加工学会から第一回技術開発賞を、91年には日本アルミニウム協会から第一回アルミニウム鍛造技術賞を受賞するなど、丸茂隆千・前社長のもとでアルミ冷間鍛造の分野では常に先駆的な技術開発の役割を果たしてきた企業。
 藤岡西工場にある630dプレスは昨年12月増設したもの。より大型の冷間鍛造製品の受注対応を狙ったものだが、プレスの大型化により長手方向に長いものが出来るため、工程短縮も可能になるという。この11月には250dプレス1台を増設する。既設の400d、250dマシン各1台に続いて同マシンにも自動化装置を付設する。
 なお、同社は鉄系鍛造品の焼鈍は協力会社に委託しているが、来年には焼鈍炉1基を導入して鉄系部品についても内製化する予定。また、アルミ鍛造品のT6処理も将来的に内製化する考えだ。ただ、切削の内製化比率は現在20%程度だが、将来的にも内製化比率は30%程度に止める。
 丸茂洋一社長は92年の就任好来、これまでに培われてきたアルミ冷間鍛造の技術力を様々な顧客に積極的にPRするとともに、品質、納期、デリバリーなど「お客さんのニーズに即したサービス面の強化を積極的に進めてきた」。「今後の課題は、自動車の軽量化などでアルミ冷間鍛造の良さをもっとお客さんに知ってもらうとともに、お客さんが求めている製品に対して専門メーカーとして技術面で挑戦、群馬精工でしか出来ないアルミ冷間鍛造品を手懸けていく」という。



神戸製鋼アルミ・銅カンパニー
国内13関係会社の概要を公表
売上1,556億、従業員1987名
 神鋼はこのほどアルミ・銅カンパニーが所管する国内関係会社13社の概要を明らかにした。2000年度における13社の総売上高は1,556億5,200万円で、前年度の1,495億1,800万円比4.1%の増加。また、同年度末の総従業員は1,987名。
 13社の内訳はアルミ関連がアルミ缶材の神鋼アルコアアルミ(KAAL)以下10社、銅関連が神鋼メタルプロダクツ以下3社。2000年度売上高はアルミ関連10社が1,425億9,800万円、前年度比3.6%増、銅関連が130億5,400万円、同10.4%増と、ともに堅調に推移した。構成比はアルミ関連91.6%(前年度92.1%)、銅関連8.4%(同7.9%)。2000年度はアルミが缶材の出荷増やIT産業の成長に支えられて堅調に伸び、銅も年度前半の半導体・ITブームによって大きく伸びた。
 また、従業員数はアルミ関連が1,510名、銅関連が477名。構成比はアルミ関連76.0%(76.0%)、銅関連477名(24.0%)。
 アルミ部門の関連会社では米国アルコア社と合弁のアルミ缶材の生産・販売会社「神鋼アルコアアルミ」が最も売上高が多く、同社の2000年度売上高は1,071億1,900万円と全体の68.8%を占める。前年度比では5.5%の増加。売上高の内訳はボディ材632億円(59%)、エンド材439億1,900万円。同社の関係会社としてオーストラリアにアルコア社と合弁のKAAL Australia(ポイントヘンリー・イエノーラ工場でアルミ缶材を生産、オーストラリア及びアジアに供給)と、香港にKAAL Asia(KAALのアジア向けアルミ缶材の輸出商社)を持つ。
 自動車向けアルミ板の製造・販売及び市場開発・技術サービス、研究開発を担当する神鋼アルコア輸送機材も米国アルコア社との折半合弁会社で、2000年度の売上高は92億円と、100億円台にあと一歩に迫った。売上内訳は熱交換器用を含む自動車向け83億円(90%)、二輪車向け9億円(10%)。神戸製鋼は自動車用内外アルミパネルの販売拡大を重要経営策の一つとして推進、2005年度月間1万d、年間12万dを目指しているが、その推進母体となるのが同社。
 サン・アルミはアルミ箔の製造・販売会社で家庭用箔に強いが、一昨年、成長分野のリチウムイオン電池向け圧延銅箔にも進出。目下、プリント基板製造用の離型用アルミ箔「セパニウム」「セパニウム中間板」などIT・半導体関連の高付加価値産業用品に積極的にシフトしている。
 神鋼ノースは昨年、不採算のビル用サッシ・カーテンウォール事業から撤退、建設仮設資材・住宅エクステリア部材・自動車部材のアルミ加工、ポリゴンミラーなどOA機器用アルミ超精密切削加工品などに事業転換を進めている。神鋼ファブテックはアルミ押出の長府工場の製造部門を分社化した企業。大同軽金属工業はアルミ合金線、リベット材の中堅企業。ニコーアルミ工業は真岡工場の衛星工場で、各種のアルミ加工を担当。また、豊通非鉄センターはトヨタ自動車関連へのアルミ材料の加工・供給基地として、豊田通商とJVで設立した。



INAXトステムHの単体中間
経常7億・最終28億円損失
 INAXトステム・ホールディングスはこのほど、9月25日に公表した今期の業績予想を下方修正した。それによると、9月中間期は単体で経常損益が7億円の赤字(前回予想10億円の利益)、最終損失28億円(同収支トントン)となる。売上高は予想を31億円下回る2,819億円。また、連結決算は売上高が予想を30億円下回る3,670億円、経常利益が予想から半減の15億円、10億円の利益を見込んでいた最終損益は15億円の赤字となる。
 9月後半の売上高および中間期末の株価が予想以上に低下したことで、粗利の減少と退職給付費用が見込み以上に増加したことなどが主因。
 通期の修正予想は、単体が売上高2,870億円、経常利益45億円、当期純利益25億円。連結が売上高8,400億円、経常利益190億円、当期純利益100億円。



上半期の二次地金・合金統計
生産0.3%減、出荷は0.1%増
 日本アルミニウム合金協会が発表した今年度上期(4〜9月)のアルミニウム二次地金及び同合金地金統計によると、生産量は45万5,815d、前年同期比0.3%減となった。前年同期比マイナスは半期別では平成11年度上半期以来4期ぶり、上半期としては11年度上半期以来2年ぶり。一方、出荷は45万9,541d、同0.1%増。前年同期比プラスは、半期別では11年度下半期以来4期連続、上半期としては12年度に続き2期連続のこと。
 出荷の産業部門別内訳は、鋳物12万1,516d(前年同期比3.2%増)、ダイカスト22万8,268d(同0.7%減)、板4万2,412d(同1.8%減)、押出3万5,046d(同0.3%増)、鉄鋼1万6,207d(同3.1%減)、合金地金メーカー向け1万5,920d(同2.4%減)、輸出139d(−)、その他33d(同2.9%減)。
 なお、9月単月では生産が7万7,039d(前年同月比3.3%減)、出荷が7万7,416d(同4.1%減)。ともにマイナスは2ヵ月連続のこと。
 内訳は、鋳物2万621d(前年同月比0.3%増)、ダイカスト3万8,359d(同4.6%減)、板7,286d(同5.5%減)、押出5,899d(同1.9%減)、鉄鋼2,587d(同6.5%減)、合金地金メーカー向け2,635d(同4.0%減)、輸出21d(−)、その他8d(同33.3%増)。



ナブコの自動ドア2品目
ロングライフデザイン賞受賞
 ナブコが製造・販売する自動ドア「ナブコロスカドア」、「ナブコミニフォールド」の2品目が財団法人日本産業振デザイン興会の選定する2001年度グッドデザイン特別賞の「ロングライフデザイン賞」を受賞した。同賞はグッドデザイン受賞後、10年を経た今日でも優れたデザインと認められた商品に贈られる特別賞。
 「ナブコロスカドア」は1986年の発売以来毎年4,000枚以上を販売するヒット商品。スリムな縦フレームのシャープなデザインで、一般強化ガラスドアの弱点だった戸先・戸尻の端部をステンレス製縦フレームで保護、独自構造で密閉性を高めた省エネ効果に優れる商品。「ナブコミニフォールド」は省スペースの室内用小型自動折り戸、戸袋がいらないので狭い開口部に最適。



メンテフリーの木樹脂門扉
初年度5千セット、新日軽
 新日軽は11月からガーデンエクステリアの木樹脂シリーズに「木樹脂門扉・フェンス」を加え、全国発売した。表面材に抜群の耐候性を持つ木粉入りAAS樹脂を採用したオリジナル製品。天然木のような質感を持ちながら、塗り替えなどのメンテナンスが不要な点がポイント。
 特徴はAAS樹脂の採用でライトブラウンP、ミディアムブラウンPの自然な木質感が得られたこと。水に濡れても腐食・変色もない。柱や框など強度が必要な部分にはアルミ形材を芯材に使用し、十分な強度を確保した。門扉は全3デザイン、フェンスは全6デザイン。
 価格は密イゲタタイプ・両開き(幅700_、高さ1,200_、2枚)で14万7,500円。販売目標は初年度5,000セット。



三協アルミの佐加野工場
ISO14001の認証取得
 三協アルミニウム工業の佐加野工場(富山県高岡市)は11月1日付で、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証を取得した。同工場はビル用建材の生産拠点。認証範囲は「開口部構成材、壁構成材、それらの構成材及び施工材料の構造」に関わる全ての活動。審査登録機関は(財)建材試験センター。なお、佐加野工場のISO14001認証取得は、新湊工場、氷見工場、福野工場に続き同社4番目。



ウエザリング技術研究発表会
Mg合金の大気暴露試験・耐食性
 (財)日本ウエザリングテストセンター(東京・芝公園)は11月27〜28日、港区の東京郵便貯金会館で「平成13年度ウエザリング技術研究成果発表会」を開催する。27日午後のB会場(金属材料)では「実用マグネシウム合金の大気暴露試験と耐食性」(独立行政法人産業技術総合研究所材料評価研究室室長・梅原博行)などのテーマで発表会が行われる。
 マグネシウム合金は携帯電話、ノートパソコン、ビデオカメラ、CD、MDなどの電子機器の筐体や、乗用車の部品などに使われている。しかし、従来から腐食しやすい金属といわれており、使用に当たっては、耐食性向上が大きな課題の一つ。今回の発表会では、耐食性向上の向上のための基礎データとして重要な大気腐食について、種々の表面処理を施したマグネシウム合金の銚子、宮古島長期間(10年)にわたり暴露した結果、さらにマグネシウム合金の大気中における接触腐食試験結果について報告する。問い合せ・参加申込みは同センターまで(電話03-3434-5528)。



藤田鑑一氏(ふじた・かんいち=中尾金属相談役、東京軽金属商協会元会長)かねて病気療養中のところ、2日午後1時19分死去、75歳。通夜、告別式は4〜5日、大安楽寺(中央区日本橋)において藤田家及び中尾金属の合同葬により行われた。喪主は妻の幾代(いくよ)さん、葬儀委員長は藤田雄造・中尾金属社長。



東京モーターショー報告・第2弾
軽量化支援の周辺技術も活発
Mgでコックピットモジュール

 前回に引き続き、国産メーカーのコンセプトカーの中からアルミ化で注目された展示品と部品及び関連技術で話題を呼んだ出展を紹介する。

■ホンダ「NSX-R」
 参考出品車「NSX-R」はボディをアルミ化することで極限まで軽量化を実現。また、フード・エア・アウトレット、リアスポイラー、エンジンルーム・カバーなどにカーボンを使用するなど軽量素材を随所に配置している。
■ダイハツ「UFE(ユーエフ・イー)」
 55q/L(10・15モード、社内測定値)の次世代超低燃費を追求した4人乗り軽自動車コンセプトカー。樹脂コンポジットボディの採用を始め、足廻り部品及びブレーキ系、シート骨格など随所にアルミを採用することで車両重量630sという超軽量化を実現した。
■マツダ「ロードスターMPS」
 参考出品車「ロードスターMPS(マツダ・パフォーマンス・シリーズ)」。軽量の大径アルミホイールを使用するとともに、フロア下にはフロントからリアまで一体となったラダー型のアルミ製レインフォースメントを採用、足廻りの剛性を高めた。
■アーレスティ「ボディ部品成形技術」
 GF法により4000dダイカストマシンで製造した超大型アルミダイカスト製品であるエンジンオイルパン(重量30s)を展示。GF法は金型内を真空に近い状態にして従来より低い圧力で鋳造する製法。さらに、同社はボディ部品の成形も可能な「高真空ベースのダイカスト技術」も開発中。ボディ部品をダイカストで成形可能とすることで、形状の自由度が向上し、複数部品の統合による軽量化が可能となる。
 そのためには、素材の溶接製、大型薄肉化、衝撃吸収特性、製品歪低減などの課題を解決する必要がある。アーレスティは大型薄肉で熱処理が可能な素材をダイカスト整形するために、Audi A2で採用されているMFT法(最小時間充填法)を採用。MFT法は、高真空に保たれたキャビティに溶融金属を最小時間で充填する工法で、複数の技術を併用して行なわれる。写真は東京モーターショーで展示されたサンプル品で、自動車ピラーを模したテスト品(肉厚1.5o)と溶接試験品。
■カルソニックカンセイ「マグネ製コックピットモジュール」
 構造体にマグネシウムを使ったコックピットモジュールを出展。インスツルメントパネルの構造体であるクロス・カー・ビームはマグネ化することで重量は3〜4sと従来の鉄製の7〜8sから大幅に軽量化。さらに、クーラー・ユニットの上蓋もマグネ化、クロス・カー・ビームと一体化して鋳造することで部品の組み付け工数の削減・コスト低減やレイアウトの自由度を増している。
■スズキ「高速めっき法」
 スズキはめっきシリンダー製造工程を大幅に簡素化し、大量生産やコストダウンが可能な“高速めっき法”を独自に開発、「V6−2.7エンジン」 に採用した。オールアルミ製シリンダーの製造方法には、@シリンダー全体を高シリコンアルミ合金でつくる方法A金属複合材料を使用する方法B耐摩耗性のめっきをする方法(めっきシリンダー)−−などがある。このうち、めっきシリンダーが最も量産車で使用されているが、工程が複雑ためコスト高になることが難点であった。また、工程が8工程となり、メインラインとは別に組み立てる工程が必要であった。
 従来のめっき法である「浸漬法」ではシリンダーブロック全体をメッキ液にしたしてめっきを行なっていたが、“高速めっき法”では、シリンダー内面のみ、めっき液を高速流動させているため、めっき時間を従来の約60分から10分に短縮。また、高速めっき法では工程も3工程と大幅に削減し、メインラインのみでの生産を可能にした。また、「シリコンの除去から『突出』へ発想を転換。アンカー(碇)効果により、めっき皮膜の密着性が向上」するという。
■トピー工業「ハイブリッドホイール」
 トピー工業はアルミホイールのメッキにおいて、メッキ材を重金属からアルミ合金に変更することで環境に配慮するとともに、工程の簡素化で画期的なコストダウンを実現した「DPホイール(Dry Plating Wheel)」のニュータイプ品や、アルミホイールのリム(タイヤ組付部分)の板厚を極限にまで薄肉化し、15インチホイールで同社従来品に比べて5〜8%の軽量化と同時に、従来品と同レベルの強度を実現した新工法「フローフォミング技術」を紹介。
 さらに、豊田合成と共同で開発した「ハイブリッドホイール」を展示した。同ホイールはアルミホイールでは表現しきれない装飾を樹脂部品と組合せることで、アルミ・樹脂双方の特徴を生かした高意匠性を実現。ホイールの機能を強度・剛性を持たせるアルミホイール部分と意匠性を実現する加飾部分に分解。樹脂部分の形状や表面処理にバリエーションを加え、これを交換することで1種類のアルミホイールで複数の意匠ホイールを生みだすことが可能。また、ベースとなるアルミホイールは意匠や加工工程による制約が解消されることで約8%程度の軽量化や、現行めっきホイール比で大幅な低コスト化も達成している。



張・天野氏が栄えある受章
2001年度秋の国家褒章
 政府はこのほど2001年度秋の国歌褒章の受賞者を発表した。軽金属関連ではトヨタ自動車の帳社長とアスカ工業の天野会長が受章した。
 ▽藍綬褒章、張富士夫トヨタ自動車社長(日本
アルミニウム協会会員会社)
 ▽黄綬褒章、天野久アスカ工業取締役会長(日
本アルミニウム合金協会常任理事)



アルミFの昭和フロント
第33回コンクール作品募集
 アルミストアフロント大手の昭和フロントは、2002年1月31日締切で、第33回ストアフロントコンクールの作品を募集している。
 同コンクールは1970年にスタート、数あるフロント企業主催のコンクールのなかでは最も歴史が古く、アルミフロントの普及・拡大に大きく貢献。大店舗立地法の施行後、急激な需要の落ち込みに直面しているアルミフロント業界を活気づける点からも、商業施設を中心とした創造力と魅力あふれるフロントを提案できる作品を募集する。


図・表・写真は本誌でご覧ください。