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NO.1565(2001年12月17日号)
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昭和アルミビューテック
02年度年商50億円、黒字転換
主力のポール事業を抜本立直し
昭和電工系列のアルミ景観事業会社・昭和アルミビューテックは2001年度において赤字のアルミポール事業の人員縮小、生産体制の見直しなど合理化を実施、2002年度年商50億円、4年ぶりの黒字化を目指す。
これは去る6月、親会社の昭和電工から同社社長に就任した寺島克彦氏がこのほど本紙記者と会見し、明らかにしたもの。同社長は「当社は今期を含め3期連続の赤字という厳しい状況にある。従って、私に課せられた使命は早期の業績回復。そのため赤字部門のポール事業を中心に人員削減、生産体制の見直し、全社的な無駄の排除などを早急に実施し、2002年度に売上高50億円、経常ベースの黒字化を実現する」と語った。
同社長によると経営立直しのキーワードは「ス ピード」と「変革への意識改革」。即ち、同社のポール事業は1963年の設立以来、バブル崩壊まで売上・利益は順風満帆に伸び、「何もしなくても増収増益」という風潮にあったという。実際93年度には7億円の利益を計上したこともある。その結果、バブル崩壊後の需要低迷、製品価格の下落、さらなる高品質要求など急激な市場構造の変化への対応が遅れ、99〜2001年度と3期連続の赤字転落は必至の情勢。従って、「立て直しは市場の変化に即応できる社員の意識改革が前提。一番悪しき例が現状に安住すること」(寺島社長)と企業風土の改革と社員の意識改革を強調。
具体的には信賞必罰を明確化するため給与・人 事に成果主義を導入、同時に親会社からの出向を減らして優秀なプロパーを登用、モラルアップを図る。また、転職推奨制度を導入、現有人員144名の一部削減を実施する。財務面ではキャッシュフロー重視の経営を行なうため、生産現場は従来の在庫生産方式から一個流し生産方式へシフトし、棚卸資産の大幅圧縮を図る。さらにアンプリフォームなど不採算事業・製品は外注に依存するなど製品の見直しも行なう。
同社は昨年7月、旧昭和アルミの景観事業を旧昭和ポールに取り込んで、商号も一新して再スタート。さらに今年1月には旧昭和マツタカの遮音板など道路資材を中心とする産機事業の営業権の譲渡を受けるなど業容を総合アルミ景観企業に大きく変えた。売上高比率はポール事業42%、シェルターなど景観事業13%、産機37%、その他6%。産機は合理化が進んで好業績をマークしているので、ポール事業の再建が最大課題という。
10月の板出荷前年比9.5%減
押出13.5%減、箔17.5%減
日本アルミニウム協会が発表した10月のアルミ圧延品の生産・出荷統計速報によると、板類は生産10万7,018d(前年同月比7.9%減)、出荷10万3,391d(同9.5%減)となった。マイナスは生産が6ヵ月、出荷が7ヵ月連続。キャップ材、乗用車向け、LNG船向けなどがプラスとなっている反面、これまでプラス基調で推移してきた印刷板、フィン材などがマイナスに転じた。
また、押出類は生産が8万6,866d(同13.4%減)、出荷が8万6,877d(同13.5%減)。これまでプラス基調で推移してきた建材分野の「内装材・外装材・その他」向けが9月には8ヵ月ぶりにマイナスに転じるなど、一段とマイナス幅が拡大している。マイナスは生産が9ヵ月連続、出荷が10ヵ月連続。
板と押出の合計では生産が19万3,884d(同10.4%減)、出荷が19万268d(同11.4%減)と、ともに9ヵ月連続でのマイナスとなった。
一方、箔は生産が1万1,675d(同17.9%減)、出荷が1万1,741d(同17.5%減)。8ヵ月連 続の落ち込みで、マイナス幅は縮小しているものの、依然として大幅な前年同月割れとなっている。
今年度上期のアルミ製品総需要
192.9万d、前年比5.3%減
日本アルミニウム協会がまとめた2001年度上期(4〜9月期)のアルミ製品総需要は192万9,059d、前年同期比5.3%減と3年ぶりのマイナスに転じた。200万d大台割れは2年ぶり。昨年度まで2年連続で過去最高を更新した内需が181万4,040d、同4.9%減となったほか、輸出も11万5,019d、同11.7%減と引き続き大幅な落ち込みとなった。
用途部門別では、食料品、化学が引き続きプラスとなったものの、最大需要分野である輸送向けが2.0%減、土木建築向けが4.9%減となったのを始め、電気通信、電力なども軒並みマイナスで、需要が全般的に不振であったことを物語っている。
製品別では圧延品が115万2,076d、前年同期比5.9%減と3年ぶりにマイナスに転じたほか、鋳造品18万7,189d(同7.0%減)・うち自動車用17万999d(同6.9%減)、ダイカスト36万7,565d・同5.2%減)・うち自動車用29万498d(同1.1%減)と軒並み前年度実績を下回った。一方、鍛造品は1万4,362d(同6.4%増)・うち自動車用が9,902d(15.2%増)と増勢基調が続いている。
10月のアルミ二次地金・合金
生産0.2%減、出荷1.6%増
日本アルミニウム合金協会(佐藤薫郷会長)が発表した10月のアルミ二次地金・同合金地金統計によると、生産は8万454d、前年同月比0.2%減、出荷は8万1,365d、同1.6%増となった。生産のマイナスは3ヵ月連続、また出荷のプラスは7月以来、3ヵ月ぶりのこと。
産業部門別出荷量は、鋳物2万1,426d(前年同月比1.8%増)、ダイカスト4万1,670d(同5.6%増)、板7,130d(同6.8%減)、押出5,786d(同16.6%減)、鉄鋼2,595d(同19.5%増)、合金地金メーカー向け2,728d(同1.5%減)、輸出21d(−)、その他9d(50.0%増)。
昭電G、UBCリサイクル拡大
来年度1500万缶、再生率60%
昭和電工は去る3月に合併した旧昭和アルミグループが推進していた「アルミ缶リサイクル運動」を、2002年1月から昭電グループ全体に拡大する。同時にグループ内の昭和軽合金は来年初めからUBC(使用済みアルミ缶)を原料とする飲料缶向けアルミリサイクル地金の生産を千葉工場でスタートする。これが軌道に乗ると、同社グループにおける「CAN to CAN」のリサイクル比率は現在の52%から60%に上昇するという。
旧昭和アルミグループのリサイクル運動では2000年度において合計880万缶、社員一人当たり2,000缶を回収、リサイクルした。
昭和電工はこのほど、レスポンシブル・ケア委員会の一組織として「アルミ缶リサイクル推進委員会」(委員長・山崎全常務取締役)を新設、旧昭和アルミのリサイクル運動を昭電グループ全体に拡大する。スローガンは「自ら世に送り出したアルミ缶を自ら回収する」。これによってアルミ缶回収に参加する人員は6,000名から1万3,000名に倍増し、アルミ缶回収量も2000年度880万缶から2002年度1,500万缶に増加する見通し。
一方、昭電系列のアルミ二次合金メーカーの昭和軽合金は千葉工場内に飲料缶用アルミ二次合金製造設備を導入、アルミ缶用リサイクル地金の生産を来春から開始する。同社グループのアルミ缶メーカーの昭和アルミ缶は2001年度においてアルミ缶を26億缶(2000年度22.5億缶)生産する計画だが、これに必要なアルミ地金の60%をUBCリサイクル地金で充当するという。
三協・立山が包括的業務提携
2年間で6割以上の商品共通化
6社制崩壊、経営統合も視野に
三協アルミニウム工業と立山アルミニウム工業は11月28日、包括的な業務提携を締結することで合意した。生き残りを賭け商品の共通化、共同供給体制などを推進する。将来的には経営統合も予想され、アルミ建材6社体制は事実上崩壊した。
これは同日、高岡市で三協アルミの川村人志社長(写真上)と立山アルミの要明英雄社長(同下)が記者会見して発表した。両社と同様に高岡市に生産拠点を持つ新日軽から提携への参加要請があれば応じる考えという。従って、この包括提携はさらに枠が拡大する公算も大きい。提携内容は以下の通り。
【商品の相互供給の拡大】両社の保有する商品体系の見直し・統廃合を進め、今後2年間で少なくとも60%以上の商品の共通化を図り、スケールメリットを創出する。
@住宅部門=2003年秋に業界全体で実施するモジュール変更への対応については、商品開発・生産・物流に至る一連の商品供給体制を共同で構築する
Aビル部門=規格品に関しては商品の共通化を進めると同時に、オーダー商品については形材、部品の共通化を進める
BEX部門=規格品に関しては商品の共通化を進めると同時に、小ロット商品の相互供給により取扱い商品の充実を図る
【共通機能の集約化】物流・購買などの機能集約 を検討する
【推進体制及び今後の進め方】両社の役員で構成する「検討委員会」を設置し、今後2ヵ月を目処に大枠の概要及びスケジュールを決める。委員会メンバーは以下の4氏。
三協アルミ▽大寺幸治(取締役専務執行役員経 営企画本部長)▽小山智克(取締役上席常務執行役員住宅建材事業本部長)
立山アルミ▽川崎清司(専務取締役生産本部長)▽熊崎哲男(常務取締役ビル建材副事業部長兼購 買担当)
【解説】バブル崩壊後のアルミ建材業界は業界シェアが3割前後のトステム、YKKAPの2強組と、10%前後以下の三協アルミ、新日軽、立山アルミ、不二サッシの4弱組にはっきり色分けされた。今後、ビル建材は一段と先が見えず、住宅建材も住宅着工100万戸時代に突入し、「大不況業種に陥る公算が大」(潮田健次郎INAXトステム・H会長)と経営環境のさらなる悪化が予想されるなかで、弱者4社の去就が注目されていた。三協・立山の提携は商品統合を軸に生産・物流面でのコスト低減、競争力強化を狙ったもので、設備・人員過剰に陥っている両社が「思い切った設備集約と人員削減」を実現できるかどうかが成否のポイント。ただ「提携では限界がある。なぜ企業統合まで踏み込まなかったのか」、「建材業界は今や強者連合の時代。弱者連合に将来があるのか」、「強者形成に向け異業種を巻き込んだ新たな形の提携は考えられなかったのか」など両社の現状認識の甘さを指摘する向きもある。(益満)
三協アルミ・経営陣強化
住化・銀行から3役員招聘
三協アルミニウム工業は、12月1日の富山軽金属工業との合併及び経営陣強化のため、外部から3名の役員を招聘した。即ち、筆頭株主の住友化学から1名を迎えるとともに、主力銀行の住友信託銀行、北陸銀行から各1名を招く。また富軽から2名新執行役員に就いた。12月1日までに決定済みの役員人事は以下の通り。
▽執行役員副社長・社長補佐(元住友信託銀行専務)長ケ部武徳▽上席常務執行役員・経営企画本部副本部長(富山軽金属専務生産本部長兼管理本部長)鷲塚征三▽常務執行役員・形材製造事業本部長(同常務業務本部長)吉野武司
外壁開口部用防音シャッター
三和シが業界で初めて商品化
三和シヤッター工業は業界で初めて、建物の外壁開口部に使用可能な防音シャッターを新発売した。騒音に関する環境基準により、工場、大型店舗などの開口部から発生する騒音を低減することが求められているが、これまではスラットのインターロックの問題から建物外部面に使用できる防音シャッターはなく、市場の要求に対応することができなかった。
今回、同社が発売した防音シャッターは、雨仕舞いの問題がない重量シャッター「G1スラット」(表面がフラットな外部面用重量シャッター)の特性を生かして開発したもの。遮音性能はT-2(30等級)を達成。従来の遮音シャッターはカーテンが1重の場合、ホロータイプを使用しても遮音性能T-1(25等級)が限界であったが、今回の新製品は、スラットのホロー面積の増加、ガイドレールに遮音ゴム+フィン付モヘア、まぐさゴムの新形状などの大幅な改良により遮音性能を高めた。また、ホロースラットの裏板の固定方法に接着工法を採用、溶接跡がなくなったことですっきりとした内観を実現している。
販売価格(W6000×H3000)はT-1タイプ(25等級)が77万5,000円、T-2タイプ(30等級)が137万円。
有利子負債額年100億円削減
17年度1900億円台に、住軽
住友軽金属工業の今年9月末における有利子負債残高は単体ベースで2,356億円、連結ベースで3,037億円となった。同社は単体で毎年100億円の有利子負債削減を目標に置いており、今上期実績で74億円程度を削減、通期では100億円程度となる見込み。連結では上期実績が105億円、通期実績見込みが130億円。
さらに、平成17年度(18年3月期)までの5年間に500億円を削減し、単体で1900億円台とする考え。
アルミ製木造住宅用耐震補強枠
「静岡技術コンクール」優秀賞
アルミニウム建築構造協議会が(社)カーテンウォール・防火開口部協会と共同開発・応募した「アルミニウム合金製木造住宅用耐震補強枠」が「2001しずおか技術コンクール」(プロジェクト“TOUKAI-0”「地震から生命を守る」)の耐震補強部門・企業団体の部で優秀賞を受賞した。
このコンクールは静岡県が地震による住宅の倒壊から人の生命と身体の安全を守ることを目的に低廉で簡便な木造住宅の耐震補強工法や防災器具の技術・アイデアを募集したもの。耐震補強部門・企業団体の部では全国から71作品の応募があり、最優秀賞1件、優秀賞4件が選ばれた。
アルミ合金製木造住宅用耐震補強枠は、開口部を生かし、既存基礎への負担がなく、間口が狭く壁の少ない住宅に有効である点が評価された。
なお、「耐震補強部門・企業団体」の部の受賞作品は、【最優秀作品賞】耐震ポール・倒壊防止工法(シーク建築研究所)【優秀作品】アルミ合金製木造住宅用耐震補強枠(カーテンウォール・防火開口部協会、アルミニウム建築構造協議会)▽地震シェルター・不動震(コロナ工業)▽内壁補強キット・かべ つよし(エイム)▽軸組耐震補強構法・仕口ダンパー(鴻池組)。
カバー工法用のリフォームドア
壁壊さず工期約半日、トステム
トステム(菊池光男社長)はこのほど、既存の住宅の壁を壊さずに取替えることができる、カバー工法用の玄関ドア用のリフォームドア3種類を新発売した。カバー工法は、既存のドア枠の上から覆うように新しいドア枠を取付けて施工する工法。ドア周辺の外壁や内装を傷めることなくドアの取替えが可能なため、床、壁、タイルなどの付帯工事が不要。工事は約半日程度で終了する。既存のドアはアルミ製でも木製でも可能。
品揃えは、木目調断熱リフォームドア「リネスタ」、断熱リフォームドア「リペラル」、一般リフォームドア「リフォルデ」の3種類。また、扉部分のみを取替える本体取替用リフォーム商品「シンプルドア」と「ライトドア・引戸」も併せて発売した。3種類ともドア枠のバリエーションは、単体ドア、親子ドア、両開きドアを揃え、「リペラル」、「リフォルテ」はランマ付き枠も取り揃えている。
富山合金が環境ISO14001
富山合金は11月26日付けでアルミビレットの製造及びフッ素樹脂コーティングについて、環境国際基準のISO14001の認証を取得した。
認証機関は財団法人日本規格協会審査登録事業部(JISQ)。対象範囲はビレット製造・フッ素樹脂コーティングにおける@省エネルギー(電力・重 油・LPG)A大気の環境負荷低減B水質汚濁の防止C廃棄物の削減・リサイクル化(スクラップ・ダストなど)−−を推進するための環境マネジメントシステム。
アルミ年末一時金軒並み減少
トステム55.4万円、22.5万円減
全国アルミ産業労働組合協議会(吉田守会長)の2001年年末一時金交渉がヤマ場を迎えている。決着した組合では、27日妥結したトステムが55万4,235円・2.033ヵ月分、前年同期比22万4,799円減・29%の大幅マイナスとなったのをはじめ、日本建鉄1社を除いて軒並みに前年同期実績に届いていない。アルミ関連企業の業績悪化、特に建材関連企業の収益低迷が響き、他の産業との業種間格差はさらに拡大の方向にある。これまでに妥結した主要組合は以下の通り。単位:円、カッコ内は前年実績。
▽トステム:554,235(779,034)
▽日本建鉄:436,100(421,400)
▽昭和電工パッケージング:499,376(504,000)
▽群馬アルミ:416,000(502,000)
▽日軽化工機:420,000(485,000)
▽立花金属:450,000(540,000)
▽日本圧延:430,000(490,000)
▽大紀アルミ:610,000(660,000)
▽サミットアルミ滋賀:553,000(598,000)
▽三協アルミ:240,236(251,586)
バスストップシェルター発売
業界初のソーラー電源、東洋EX
東洋エクステリアはこのほど、業界初のソーラー電源を搭載したバスストップシェルター「タウンステージBS1型ポールタイプスリム」ソーラー仕様を発売した。上部にソーラーパネルを付け、ソーラーバッテリーによりバス停名表示や時刻表表示部分などを点灯させるクリーン&省エネルギーで、配線工事が不要なことが特徴。環境に優しいうえに施工費削減につながる。
特徴は、高さが2,528o、点灯表示部はポリカーボネイト製。点灯部の点灯方式は、白色LED+導光板の方式を採用。価格は写真の商品で65万円(点灯表示部などの印刷価格は別途)。
東洋エクステリアは平成12年10月から、サイン柱、屋根パネル、ベンチ、照明などを現場に合せて自由に組合せることが可能なバスストップシェルターを発売しているが、今回のソーラー仕様タイプに加え、可傾式ベンチ、手すりサポートレール1タイプ、手すり縦タイプなども発売、バスストップ関連商品の品揃え充実を図っている。
東洋アルミ商事がISO14001
東洋アルミニウム子会社の東洋アルミ商事(大阪市中央区南本町)は11月22日付で、ISO14001の認証を取得した。審査登録機関は(財)日本品質保証機構。登録事業所は、大阪本社・東京本部・長野営業所の国内全事業所。
同社は昭和41年4月東洋アルミニウムの70%出資で設立され、昨年度の売上高は260億円。今回、ISO14001の認証を取得したのは、「グリーン調達の動きが高まる中において新しい商社活動を目指し、今後エコ商品の拡販を図る上で不可欠と判断した」ため。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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