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NO.1581(2002年04月15日号)
サンコー商事/ビジトラック・ジャパン
高真空ダイカストシステム拡販
アウディで量産実績のMFT法


 自動車ボディ部品への適用を狙って真空ダイカスト法への関心が高まっているが、アウディのオールアルミ車体用ダイカスト部品の量産などで高い実績を誇る高真空ダイカストシステム「MFT法」の日本国内での販売を本格化する。

 サンコー商事(井内敬社長、名古屋市名東区、電話052-772-1151)はビジトラック・ジャパン(斎藤博彦代表取締役、横浜市中区)と共同で、独ALCAN-BDW社が開発した高真空ダイカスト製法「MFT(最小充填時間)法」の日本国内での本格的な拡販に乗り出した。
 MFT法はALCAN-BDW社が開発した高真空・高品質ダイカストシステム。同社はカナダのALCANグループに属する、年産1万d強規模の欧州有数のダイカスト製品メーカー。部品はダイムラークライスラーを始め、VW、アウディなどの自動車メーカーに供給されている。BDW社はMFT法を自社内で使用する一方、ライセンス供与・量産ノウハウ提供の形で外販も行なっている。現在北米、欧州などで約70社がライセンス契約を結んでおり、日本でもダイカストメーカー、自動車メーカーなど5社が導入済み。
 ダイカスト部品は従来の足廻り、エンジン回りからボディ部品にも採用しようとする動きが本格化しつつある。ただ、従来のダイカスト品では製品内部に鋳巣が発生するため、車体部品への採用では不可欠な溶接が困難。MFT法は製品中のガス含有量が極めて少ないため溶接・熱処理が可能で、薄肉の高強度複雑形状のダイカスト部品を製造することができる。アウディはA8・A2のオールアルミ車体「ASF」のBピラーなどにMFT法によるダイカスト部品を使用している。サンコー商事は日本でも高真空ダイカスト法に対するニーズが高まっていると判断、販売を本格化するもので、年間10システムの導入を狙う。
 同システムは、高応答性制御装置及び油圧シリンダにより、真空弁閉の信号が発信されてから実際に真空弁が閉じるまでの時間を最小にする機構を採用。その結果、減圧時間が長くなり、従来の真空機構に比べて真空度を一段と高めた。さらに、大径プランジャーチップの採用により単位時間当たりの充填時間を短くした。また、高速射出に切り替わる直前に真空弁を閉じ、低速射出中にのみ減圧するため、真空弁への溶湯侵入もない。
 導入に必要なコストは、「真空弁」「真空弁制御装置」「油圧ユニット」などの装置費約2,000万円とライセンスフィー3万3,000ユーロ。既存のダイカスト機で利用可能だが、ビジトラック・ジャパンが販売する油圧サーボコントロールシステムにより射出機構を高精度化、コストパフォーマンスの高い生産設備に改造可能。ユーザーは工場見学を含め現地で2日間の講習を受ける。



2月の板出荷9.1%減
押出・箔ともに13%減

 日本アルミニウム協会が発表した2月のアルミニウム圧延品統計によると、板出荷量は10万791d(前年同月比9.1%減)となった。マイナスは11ヵ月連続。マイナス幅は3ヵ月ぶりで1桁台に縮小したものの、IT・設備投資関連、建設向けが引き続き低調。押出類の出荷は7万4,944d(同12.9%減)。低位横ばい基調に変化は見られず、マイナスは14ヵ月連続のこと。
 一方、はく出荷が1万483d(同13.3%減)で、ともに12ヵ月連続のマイナス。2桁の落ち込みは9ヵ月連続。



圧延品・箔は最悪期脱出?
アルミ協会首脳が現況説明

 日本アルミニウム協会の平田英之会長(写真)は3月27日の会見で、「アルミ需要は3月に入って少し動きが出てきた。需要家の在庫調整の進展、円安による輸入品から国産品へのシフト、IT・半導体、特に液晶関連の稼動率の向上、アルミ缶のシーズンインなどによる。4月からのアルミ地金価格引き上げを睨んだ仮需もあっただろうが、この需要回復が本物であって欲しい」と述べた。
 また、佐藤董郷副会長は「押出の本格回復は住宅着工、特に戸建てが回復しないと駄目だ。ただ、住宅リフォーム・自動車軽量化など期待できる分野もある」と述べ、安藤正男副会長も「箔需要は1月が底。2月から受注ベースで急激に立ち上がり、3月もかなりの水準に戻った」と語った。



2月アルミ二次・同合金地金
生産2.2%減、出荷0.3%増

 日本アルミニウム合金協会がまとめた2月のアルミ二次地金同合金地金統計によると、生産は7万5,498d(前年同月比2.2%減)、出荷が7万7,004d(同0.3%増)となった。生産のマイナスは7ヵ月連続。出荷のプラスは4ヵ月ぶり。
 部門別出荷量は鋳物1万9,424d(同4.3%減)、ダイカスト4万855d(同7.1%増)、板6,239d(同8.4%減)、押出5,526d(同10.4%減)、鉄鋼2,264d(8.5%減)、合金地金メーカー向け2,658d(同5.3%減)、輸出38d(−)。



2002年度圧延品需要予測
内需203.8万d、0.3%の微増
板内需1.8%増、押出1.3%減

 日本アルミニウム協会は3月27日、2002年度のアルミ圧延品需要見通しを226万8,700d、前年度比0.9%増と策定した。内需が203万8,000d(前年度比0.3%増)、輸出が23万700d(同6.7%増)の予測。品種別では板類が129万3,200d(同2.6%増)、押出類が97万5,500d(同1.3%減)と明暗二分する。
 今年度の政府見通しの経済成長率0%、民間48調査機関の平均マイナス0.7%のなかで、圧延品需要をプラス成長と予測したのは、@IT不況で急激に減少した箔用、厚板の在庫調整の完了A発泡酒やボトル缶の販売増による缶材の増産など、一部に明るい側面があるからという。同協会の需要予測は年1回だが、この変化の激しい時代には四半期毎のガイドラインなどきめ細かな予測が必要という声もある。概要は以下の通り。
 【食料品】ボディ材は発泡酒の増加によるアルミ缶化率の上昇、ボトル缶の増販などで1.8%増が見込まれるが、エンド材は引き続きPETボトルの増加で1.9%のマイナスの見込み。【金属製品】コンデンサー用箔の極端な落ち込みで01年度は11.3%の2ケタマイナス。02年度はコンデンサー用箔は最悪期を脱して7.9%の伸びを期待。【電気機械】家電各社の海外生産シフトはさらに加速するが、IT関連の在庫調整の完了でマイナス幅は縮小する。【輸送機械】熱交材は内需不振が続くが、自動車のアルミ化の進展によって自動車用は1.7%増を予測。特に乗用車用外板は30.9%の大幅増になるという。【建設】新設住宅着工は01年度117万戸から02年度110台に落ち込むためマイナス成長は避けられない。【輸出】米国・アジアの回復が見込まれる。



2002年度アルミ総需要
381.3万d、鍛造品が堅調

 アルミ関連7団体で構成するアルミニウム調査会はこのほど2002年度のアルミ製品総需要を381万3,000d、前年度比0.5%増と策定した。2001年度はIT不況、最悪の失業率、設備投資の減退、米国同時多発テロなどでアルミ需要は379万2,000d、前年度比7.6%減と大幅な落ち込みとなった。2002年度は建築主体の押出類、産業機器向けダイカスト、脱酸剤用鉄鋼向けなどはマイナス成長が続くものの、圧延品、鋳造品、鍛造品などはプラスに転じる。特に数量的には少ないものの、自動車足回りの軽量化部材として鍛造品の堅調な需要が目立つ。



YKKAP、製販一貫体制へ始動
今年10月、YKK100%子会社に

 YKKは3月28日、グループ内の建材事業の競争力強化の一環として、2002年10月1日付けでYKKAPを100%子会社にすると発表した。同社は将来的にファスナー・建材・工機・電子材料の各事業を傘下に持つ持株会社制への移行を目指しているが、建材事業については開発・販売担当のYKKAPを完全子会社とした後、YKKの建材製造部門と合体し、製販一貫体制とする検討も始めた。
 YKKAPの100%子会社化は株式交換方式で実施。交換比率は両社の財政状態などを勘案し、決定する。YKKAPの現有上位10株主とその持株比率は@YKK12.07%A吉田忠裕6.50%BYKKAP恒友会(従業員持株会)5.89%C吉田政裕1.32%D吉田隆久1.29%E吉田弘0.93%F矢野百合子0.86%G吉川美知子0.85%H吉田照子0.74%I高橋君子0.67%。
 今回の建材事業の再編成について「これまでYKK、YKKAPがあたかも一つの会社の如く原価低減・重複業務の徹底排除によるコスト低減に取り組んできた。しかし、厳しさを増す事業環境に対処するには安定的利益体質に向け諸施策をスピードをもって機動的に実施する必要がある」としている。なお、「YKKアーキテクチュラルプロダクツ梶vは2002年10月1日付けで社名を「YKKAP梶vに変更する。



YKK、3年内に押出機8基廃棄
32基・年産14.5万d体制に

 YKKは3月28日、建材事業のアルミ押出機の保有台数を適正規模にするため、向う3年間で計8基を廃棄し、黒部・東北・四国・九州の素材工場の押出機を32基体制とすると発表した。これによりアルミ形材の設備能力は年間16万dから14万5,000dに削減される。アルミ建材業界は住宅着工110万戸(02年度予測)を迎え、主力素材のアルミ形材は30〜40%の設備過剰にあるといわれる。このため市場規模に合わせ各社縮小を図っており、YKKは「休止中の1,500d級老朽設備を中心に廃棄する」という。
 廃棄計画は01年度3基(黒部・東北・四国で各1基)、02年度3基(同各1基)、03年度2基(未定)。この結果、3年後の全社の押出機保有数は40基から32基に減少する。



日軽金、東洋アルミ製販一体化
パネルシステム・押出も分社化

 日本軽金属は10月1日付でアルミ箔、アルミパウダー・ペーストの製造を行っている「東洋アルミ事業」を、販売を担当している100%子会社の東洋アルミニウムに統合。同時に、パネルシステム事業及び押出・軽圧加工事業をそれぞれ、100%子会社に営業譲渡すると発表した。
 東洋アルミ事業の分社化は会社分割(吸収分割)方式により行う。製販を一体化することで、アルミ箔、アルミパウダー・ペースト事業の経営効率の向上、競争力・収益力強化を図る。
 一方、パネルシステム事業の分社化は、業務用プレハブパネルやクリーンルーム用パネルなどの製造(滋賀工場、佐賀工場、苫小牧パネル工場、船橋分工場)・販売を日軽パネルシステムシステム(本社・東品川、室伏好郎社長)に譲渡するもの。分社化することで市場競争力の強化と市場構造に即した機動的な事業運営を図る。
 また、押出・軽圧加工事業は、蒲原押出工場・新潟工場押出部門で行っている押出材の製造と販売、及び容器を除く軽圧加工製品の製造(大阪センター)と販売を日軽金アクト(同、富岡政文社長)に営業譲渡する。これにより付加価値の高い押出加工分野への積極的な展開を進める。



スカイアルミの前3月期決算
7年ぶり低販売量、IT関連半減

 スカイアルミニウムは2002年3月期決算見通しを発表した。決算期変更後初の通年決算。販売量14万2,600dは平成6年以来の低水準。
 今年度販売量は15万2,000d(内、輸出は1万3,600d)、経常利益10億5,500万円を計画。缶材、自動車、LNG、印刷板の増加を見込む。
 なお、01年度(1〜12月期)販売量は内需13万2,000d(前年度13万7,600d)、輸出が1万3,000d(同1万8,600d)。内訳は缶材5万6,000d(同5万2,000d)、箔地8,400d(同9,200d)、一般材6万7,000d(同7万7,000d)。一般材のうち、半導体製造装置などIT関連の販売量は5,600d(同1万2,000d)。



スカイアルミの次期社長に
昭和電工の藤口聡史取締役

 スカイアルミニウムは平田英之社長が退任、後任に昭和電工前取締役で3月29日付でスカイアルミの顧問となった藤口聡史氏(写真)が就任するトップ人事を決めた。6月25日開催の株主総会で正式決定する。平田社長は相談役に就任、ユニファスアルミニウムの会長も退任する。平田社長はこの5月で65歳になるため、世代交代を図るもの。
 藤口聡史氏(ふじぐち・さとし)の略歴:昭和16年6月生れ▽40年東大法学部卒後、昭和電工入社▽61年総合技術研究所管理部長▽平成3年資材部長▽11年取締役人事部及び法務部担当重役▽13年取締役ビジネス・サポート・センター長兼監査室担当兼戦略企画室担当補佐委嘱。



大石三菱商事軽販社長が会見
「付加価値事業で独自性を」

 3月28日付で就任した大石秀生三菱商事軽金属販売社長(写真)は1日、加藤大朗前社長(現三菱商事非鉄金属本部付)とともに記者会見し、同社の現況と今後の経営方針などを明らかにした。
 2001年12月期決算は売上高1,100億円(前期比0.4%減、構成比アルミ77%、銅13%、白系金属10%)、経常利益2億3,600万円(同7.8%増)、当期利益1億3,700万円(同61.2%増)。利益は当初計画を下回ったが、白系と銅スクラップが一過性の要因で目標未達となったためでアルミは予想を上回った。地金販売量は約45万d(新塊30万d、スクラップ5万d、二次合金10万d)。今年度計画は売上高1,050億円(構成比変わらず)、経常利益4億6,600万円、当期利益2億5,000万円。白系・銅スクラップの回復、アルミの増益を見込む。以下は大石社長の会見要旨。
◇   ◇   ◇
 「2001〜03年度中期経営計画」(03年度計画売上高1,180億円、経常利益5億5,000万円、当期利益3億円)の実現が第一の経営課題で、残り2年で構造改革を進める。三宅社長の時代に「地金販売の量的拡大・顧客の確保」という大目標が策定され、加藤社長の時代には「質的な改善とアルミ以外の銅・白系も含む非鉄地金の総合的な販売会社」を目指し、それぞれ大きな業績を上げた。
 ただ私としては、当社を「ミニ商事」にするつもりはなく、「小さな投資」を独自に進め、将来はスタンド・アロンで三菱商事の非鉄部門を凌駕するような会社に育てる。これまではマーケット・顧客を広げることに重点を置いていたが、今後の大きな目標は付加価値を付けた新たな事業を取り込み、総合的な非鉄地金の会社にすることだ。
 「小さな投資」は地金に関連した投資になる。地金の大型開発投資は商事がやるが、当社は海外を含めて自動車関連の二次合金、再生塊、スクラップなどの分野になろう。今年4月から、これまで三菱商事が担当していたアルミ地金の調達も当社に移管したが、商事の開発玉を扱うだけでなく、我々自身の新しいソースを作ることで利益を創出する。「いかにうまく調達・在庫・販売を行うか」という中で、サプライヤ、マーケットの中にビジネスチャンスがあれば投資をする。
 今後「小さな投資」を単独で行なうのに加え、アルミ地金の調達でかなりの資金が必要となるため、内部留保の充実に努めているが、03年度末までに増資を実施する計画だ。
 グループ会社との事業・経営統合については検討・ディスカッションはするが、「中計」が終わる03年度までは現在のように、それぞれの会社が独立した形で独自性を発揮、実績を上げていく。



豪州アルドガ製錬プロジェクト
総投資額34億j・年産55万d
「ボインと同等のコスト競争力」

 豪州クイーンズランド州グラッドストーンで年産55万d規模のアルミ製錬所建設を計画しているアルドガ・アルミニウム・スメルターズのジョン・ベンソン社長は3月26日、東京・虎ノ門のホテルオークラで記者会見し、同計画の概要と進捗状況を明らかにした。会見には同事業に参画する金融機関のバブコック・ブラウン社における同プロジェクトのリーダーで、電力関係の交渉を担当するチャールス・アレン氏も同席した。
 同プロジェクトは既にアルドガ工業団地内に200haの土地を確保しており、連邦政府はもとより州政府公認の事業。会長にはコマルコのアルミニウム製錬部門の社長を約9年務めたカール・スチュアート氏が就任している。
 同プロジェクトにはロシア・アルミニウムが50%出資する意向で、3月19日、モスクワで覚書(MOU)を取り交わした。ロシア・アルミニウムはロシア全体の70%、全世界の10%の地金生産を行っている世界第2位の製錬会社。一方、アルミ製精錬技術については、高い技術力で定評のあるロシアのバミ社から提供を受けることで同じく18日に基本的な合意に達した。
 建設を担当するボールダーストン・ホニブルック社と共同でFSを進めているが、既にグラッドストーン州電力庁と900〜950MWの必要電力量の供給を受けることで基本契約に同意、FSが完了次第発効する。アルミナ供給については、クイーンズランド・アルミナと近接しており、直接契約ないしはスワップで調達する。来年初めから建設に着手、2年内に一部操業、3年内にフル生産を予定している。地金生産能力は年間54万8,000d。「約半分は日本に持ち込めることを希望している」など東アジアを中心に輸出する意向。
 ジョン・ベンソン社長はアルドガ製錬所の地金コストについて、「控えめに見積もっても、全世界の製錬所の中で上位10%以内に入る低コストになる。ボインスメルターズと同等か、運営次第では勝てる」との自信を見せた。
 能力54万8,000dの製錬設備は「ワン・コンストラクションで一気に建設することで、割安な電力を確保する」方針。ビリトンのアルサフが同様の方法で建設したが、「d当りのコストを驚異的に下げることに成功しており、アルサフを一つのモデルとしている」という。
 ボインスメルターズとの比較では、「減価償却は別として、アルミナなどの原材料、副資材の調達コストや労働者の質などで大きな差は出ないが、ボインは系列によって技術が違い、若干輻輳した作業となっている。アルドガは一つの新しい技術を使った大規模製錬所が一気にスタートすることで一人当りの生産性が高くなる。加えて電力調達面で決定的に有利となり、ボインを目標にどこまで改善できるかが努力する」と述べた。
 投資金額は約34億jを予定。ロシア・アルミの50%を除いた資金調達については「技術を提供する、あるいは製錬所運営に責任を持つ企業が何らかの形で投資するのが通常の姿だが、具体的にこれから交渉を進める」とした。中国、韓国の企業も訪問、参画を呼び掛けたが、韓国のLGインターナショナルは「エクイティに拘らず、長期契約で年間20万dをいつでも引き取ることが可能」との意向を示しているという。



アルコア、柴崎製完全子会社へ
古河の持株取得、残りはTOBで

 古河電工は3月28日付で、飲料用・ドリンク剤用キャップメーカーの柴崎製作所(増永裕社長)に対する持株284万5,000株(出資比率20.32%で第2位株主)を同社親会社の米国アルコアに売却した。売却額は1株800円・総額22億7,600万円(売却益は約17億円)。アルコアからの要請に応じたもの。古河電工から同社に派遣している取締役、監査役3名は退任する。
 これにより、アルコアの出資比率は従来の50.50%から70.82%に引き上げられたが、さらに残りの株式(407万7,391株、29.12%)についても公開買付けにより100%取得すると発表した。買付け期間は3月29日から4月30日。買付け価格は1株800円、総額約32億円。
 公開買い付け完了後も、柴崎製作所は現在の経営陣と従業員で事業を継続するが、今年6月1日付で「株式会社アルコア・クロージャー・システムズ」に社名変更する。



ノランダMg、台湾企業と提携
マグネシウム再生・加工事業で

 ノランダ・マグネシウムはこのほど、台湾のマグネシウムリサイクルメーカーである台年高科技股 有限公司(台湾桃園市)と提携し、台湾でのマグネシウムのリサイクル活動に着手した。
 台湾におけるマグネシウムスクラップ発生量は昨年実績で約2,000d。マグネシウム市場は現在のところ家電製品が中心で自動車部品は少ないものの、今後用途拡大を図り需要を掘り起こす意味からもリサイクル問題の解決を迫られていた。ノランダは台年高科技と一体となってマグネスクラップの買い上げ−溶解−加工再生のネットワークを構築、アジア地区におけるリサイクル対策を強化していく。
 ノランダ・マグネシウムは世界最大のマグネシウムメーカー。現在の年間生産能力は6万3,000d、第2期工事後で12万6,000dとなる。アジア地区での販売強化を図っており、今回の提携もその一環。
 台年高科技は台湾最大の亜鉛ダイカスト合金メーカー。マグネシウムリサイクルでは2.5d溶解炉を2基有しており、年産能力は3,600d。既に年間1万d規模にまで増設可能な建屋を有しており、需要に合せて設備増強を進める。


図・表・写真は本誌でご覧ください。