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NO.1584(2002年05月13日号)
アルミ熱間鍛造の三洋工業
中期計画で年率7%の成長目標
多業種展開視野に受注体制強化


 三洋工業は05年度を最終年とする中期経営計画をスタートさせた。年率成長目標を7%に設定するなど多業種展開を視野に受注拡大に取り組む。そのための体制強化の一環として大型鍛造プレス1機の増設も検討課題とした。

 アルミ熱間鍛造の専業大手、三洋工業(大野光只社長)はこのほど、2005年度を最終年とする中期経営計画を策定した。年率6〜7%の成長を織り込んだ意欲的な内容。軽量化ニーズを背景に受注が拡大傾向にある自動車足廻りなど大物・重要保安部品の強化を軸に、アルミ鍛造の特長を生かせる多業種での受注体制を構築、中計実現に向けたボリューム・アップを図る。
 中計では営業力強化や独自技術の開発と併せ、設備面での対応力を強める狙いから、大型鍛造プレス1機の増設も視野に置いており、受注動向を睨みながプレス能力・導入時期等を詰めていく。
 同社は熱間鍛造用プレスとして6300dフリクションプレス1機を始め、メカニカルフォージングプレス4000d1機、1600d2機、630d1機の計5機を保有。昨年3月には自由鍛造の大物品受注対応からC型鍛造油圧プレス1機を増設、設備能力は型打、自由鍛造を合わせて月産350dの規模となっている。
 さらに、5月の稼働入り予定で熱処理設備を1ライン(溶体化炉1基と時効化炉2基)増設。既存の3ライン(溶体化炉3基、時効化炉6基)に比べ処理能力を大幅アップさせるとともに、自動車関連の重要保安部品など大物部品への対応力を強化。多業種での新規開拓も功を奏しつつある。
 併せて、技術革新・品質向上・生産システム化を推進、加工分野を担う関連会社三洋興産とともに、より製品化された納入対応の構築により、中期経営計画の実現を図る。



YKKAP1月期、最終損失61億円
住建の利益半減、ビルは改善

 YKKAPの1月期連結決算は、営業・経常・最終損益とも赤字幅は縮小したものの大幅な改善は見られず、2期連続の赤字。セグメント別では住宅建材の営業利益が前期比45.5%減となった。着工減による需要減退とローコスト住宅の普及、価格競争の激化で収益が悪化した。ビル建材は17億円の営業損失。赤字幅は前期の3分の1に縮小したものの念願の黒字転換には至らなかった。首都圏のマンションは活況だったが、全体として景気悪化が厳しく出荷量・金額とも前期を下回った。さらに、再建に向けた棚卸廃棄損・評価損28億円や固定資産除却損、会計基準変更などによる特損15億円の計上も収益を圧迫した。
 一方、YKKAP単体では昨年4月のY販43社の統合により36.0%の増収となったが、損益的にはこれらY販の赤字が上乗せされ、表面上大幅に悪化した。



昭和電工、家庭用箔から撤退
低収益に見切り、7社体制崩壊

 昭和電工は3月末で家庭用アルミホイル事業から撤退した。販売競争が激しく収益性に乏しいため、コア事業になり得ないと判断した。今後はコンデンサー用高純度電解箔など高付加価値・高機能製品へ順次シフトする。家庭箔はアルミ製箔7社全社が事業化していたが、今回、7社体制の一角が崩れた。
 家庭箔の年間市場は約1万2,400d、箔内需の約10%を占める。大手企業は神鋼系のサン・アルミ、三菱アルミ、住友軽金属系の住軽アルミ箔などで、各社が自社ブランドでそれぞれ販売。しかし、同分野は製品自体の付加価値が低い上、メーカー乱立と量販店の買い叩きによる価格競争が激しく、収益的に黒字企業は1社もないといわれる。このため、アルミ事業の再編を進めている昭和電工は家庭箔に見切りをつけ、撤退した。



東海ア箔、アルファミックを完全子会社に
 東海アルミ箔は4月16日、家庭日用品用アルミ箔の製造・販売会社アルファミック(東京都江東区、資本金5,000万円)を4月中にも100%子会社とすることで昭和電工と合意したと発表した。アルファミックは東海アルミ箔50%、昭和電工50%の合弁会社だか、家庭箔からの撤退に伴い昭和電工から合弁解消の申し入れがあったため、東海アルミ箔が昭和電工の持株全株を譲り受けるもの。合弁解消後も旧昭和アルミ出身の日野克社長が続投する。



住商・アイジー・ニチハ
戦略的資本・業務提携で合意
外壁トップ3社が強者連合形成


 住友商事、アイジー工業、ニチハ3社による住宅外壁業界の強者連合が誕生した。今後迎える住宅冬の時代に対応、同業他社の追随を許さない強固な経営基盤の構築を狙ったもので、アイジーが住友商事に提携を申し入れ、実現したという。

 これは4月15日、3社が共同発表した。金属外壁トップのアイジー、窯業外壁で段トツのニチハ、建材商社最大手の三井住商建材を傘下に持つ住商が今後の建材業界の競争激化に備えてアライアンスを実現した。基本合意の要旨は以下の通り。
【経営参画・資本参加の概要】@住商はアイジーの株式44.3%を買取り、経営参画するとともに、ニチハも6.7%を取得、アイジーの経営をサポートする(住商、ニチハの両社持株比率は51%)Aアイジーの社長は住商が、非常勤取締役を住商、ニチハが派遣するB石川堯アイジー社長は会長に就任する。アイジーの現主要役員は継承する。
【業務提携の概要】@アイジー、ニチハは協力してそれぞれの商品ラインアップを拡充。第一段としてニチハはアイジー製のセラミックパネル外壁材のOEM提供を受け、4月21日から「セラモダン」のブランド名で全国発売するA外壁材、屋根材及び関連部材における共同開発、販売提携の実施Bリフォーム関連などの工法開発、販売提携の実施。
【背景と狙い】住宅冬の時代に突入、商社間及びメーカー間の競争が一段と激化するのは必至。その中で生き残り、さらに盤石な企業経営を築きそれを維持・発展させるには経営効率化、体質強化を目的に「商社とメーカー」「窯業外壁と金属外壁」という業種の垣根を超えたトップ同士の連合・再編が不可欠と判断した。
 住商は「三井住商建材」を傘下に持ち、独創的な技術・商品を有する企業への戦略的投資、発掘育成に積極的。一方、アイジーは住商の経営資源・ネットワーク・ブランドなどを活用、「東北のア イジー」から「世界のアイジー」への飛躍が可能。 ニチハにとっても住宅外壁改装の主力商品の金属外壁材の供給ソースを確保できる。
 住商の前川健一郎木材建材部長の話:住商グル ープがアイジーの株式51%を保有するが、アイ
ジーの経営は3社共同といってよい。アイジーには建材関連の未利用の特許があるのでその掘り起こしも期待できる。
 アイジーの今野担副社長の話:住商を選んだのは石川社長の選択で、グループ内に金融・鉄鋼・建材が揃っているからだ。当社も創業30年を過ぎ、第二の創業が不可欠な時であるとともに建材業界再編の動きに乗り遅れてはならない。提携は2年半前から当社が住商に打診し検討してきた。
【解説】アイジーは金属外壁の全国シェアが30%近いトップ企業だが、競争相手はトステムやYKKAPなどサッシ大手。ニチハも窯業外壁でシェア40%近くの最大手だが、競争相手は松下電工や旭硝子。両社とも一段と競争激化が想定される建材市場でこれら巨大資本と競争して勝ち残るには、商社のなかでも面倒見のよいといわれる住商との提携が不可欠と判断した。アイジーの石川社長が「企業は永続的でなければならない」として子息への禅譲を否定した点は、アイジーの将来を考えた場合、見事な経営判断といえる。



スカイアルミと水谷電機工業
1.5oピッチのヒートS開発

 スカイアルミニウムと子会社のスカイアルミプロダクツ(東京都文京区湯島、木香二郎社長)はヒートシンクメーカーの水谷電機工業と共同で、新開発の特殊ろう付け法により1.5o超狭ピッチ のヒートシンク「レブシンク(LEB-sink)」を開発した。金属接合による高熱伝導性、フィン放熱面積増加による高放熱性に加え、耐久性にも優れていることが特徴。開発・製造はスカイアルミプロダクツが、市場開発・販売は水谷電機工業が担当する。生産能力は当初5万個/月。高集積化が進む半導体素子の放熱やペルチェ素子の冷却などの用途向けに需要を見込んでいる。
 新開発の「レブシンク」は、スカイアルミニウムが開発したアルミ合金ブレージングシート(略称:EBシート)を純アルミ板材のフィン間にろう材として交互に挟み込み、加熱融着させて多層重ね構造としたもの。ろう材の板厚を1oとすることで、フィン間1o、フィンピッチ1.5o(フィン板厚0.5o)の超狭ピッチヒートシンクを製造することを可能にした(特許出願中)。
 ろう付け材と同時にヒートシンクのベース部にもなる「EBシート」は特殊アルミ合金による5層構造のクラッド材。ベースとフィンが金属的に完全に一体化しているため熱伝導にロスがなく、放熱特性に加えて、耐久性、強度に優れている。


三菱アルミ次期社長に多田光男氏
 三菱アルミニウムは4月22日、三菱マテリアルシーエムアイの多田光男社長(写真)が次期社長に就任する人事を内定した。6月28日開催予定の定時株主総会及び取締役会で正式決定する。福地淳二社長は取締役相談役に退く。
 多田光男(ただ・みつお)氏の略歴:昭和14年1月10日生まれ、63歳。東京都出身▽36年慶應義塾大学法学部政治学科卒、三菱金属鉱業(現・三菱マテリアル)入社▽平成5年6月取締役名古屋支社長▽7年6月菱光産業社長▽10年6月東富士製作所(現・三菱マテリアルシーエムアイ)社長。金属加工品の営業畑出身。
 このトップ人事は西川章三菱マテリアル社長の意向が強く働いたもの。西川社長は当時下馬評にも登場しなかった人だが、欧州合弁会社を立て直した経営手腕を秋元会長が高く評価、マテリアルの社長に大抜擢された人。今回の三菱アルミのトップ人事では、その西川氏が多田氏の菱光産業、三菱マテリアルシーエムアイにおける目覚ましい業績改善の経営手腕を買って白羽の矢を立てた。同社の社長職はこれまで親会社マテリアルの副社長・専務クラスから派遣されるのが通例だったが、「今後、三菱アルミに限らず子会社のトップ人事は順送り人事に捉われず、グループ戦略に基づいて適材適所を原則とする」という。



松下電工・YKKAPが戦略的提携
未来型IT住宅建材等を共同開発
相互の強みを提供、強者連合形成

 松下電工の西田一成社長とYKKAPの吉田忠裕社長は22日、緊急会見し、住宅建材分野における新たな需要喚起商品として次世代建材の共同開発で合意したと発表した。エンドユーザーに魅力ある商品・サービスを提供するためのプレゼンテーションの共同企画、商品・部材の相互融通なども行なう。両社はテーマごとに3分科会と8ワーキンググループを共同で組織し、具体化を検討する。
 建材業界は2001年10月のINAXトステムホールディングスの設立以来、資本・業種の垣根を超えたアライアンスが花盛り。今回、サッシ・エクステリアなどアルミ建材に強いYKKAPと、木質建材・住宅設備機器の幅広い商品を持ち、電気通信・情報機器等の技術力に優れる松下電工の両社が、相互の強みを出し合って強者連合を形成する。提携内容は次の通り。
【商品の共同開発】両社の設計・生産技術の情報 交換に基づきより合理的な商品開発をめざす。
 @電通建(電気・通信・建材)複合商品の開発=松下電工のIT技術を活用した商品・電建複合商品の共同開発を実施。例えば高齢化社会対応の電動商品、防犯セキュリティ商品など。
 Aアルミ形材活用商品の共同開発=YKKAPのアルミ加工を技術を活用した商品開発。
【プレゼンテーションシステムの共同企画】両社の保有するソフト・ツールを活用し、価値あるサ ービスの提案をめざす=エンドユーザーに対し 快適な住まいづくりを支援する情報提供・提案 システムの構築及びビルダー・工務店の営業支 援のプレゼンテーションシステムの構築。
【商品・部材の相互供給】従来部分的に実施され たOEMを両社のビジネスの一環としてより強化・拡大する。対象商品は住宅サッシ、ドア、木質建材、エクステリア建材、外装建材など。
 西田一成松下電工社長の話:私はかねてお互いの強いところを共創し、共に成長するアライアンスを提唱、実践してきた。YKKAPは素材から製品まで一貫生産するものづくりに強いこだわりを持つ会社で、しかもアルミ建材というコアコンピュタンスを持ち、提携先としては申し分ない。その企業理念の“善の巡環”は松下哲学に通じるものがある。商権の重複が少ないこともプラスだ。これからも補完すべきところがあれば他の企業ともアライアンスを組むことに躊躇しない。
 吉田忠裕YKKAP社長の話:松下電工は幅広い事業を展開、特に電気通信・IT関連では優れた技術がある。IT時代を迎えた今日、これから家も変われば住む人もどんどん変わる。そうしたこれからの人たちにIT建材を幅広く提供することが提携の狙いだ。当面、開発・生産関連の提携にとどめ、現段階では販売提携、資本提携まで踏み込むことはない。リフォームについてのTOTO・大建工業との提携とは別個のものとして考えている。



YKKAP、中国蘇州に建材工場
当面部品を日・アジアに供給

 YKKAPは4月15日、中国江蘇省蘇州市にYKKAP蘇州社(吉田建材・蘇州有限公司)を設立し、同日、現地において吉田忠裕社長と蘇州市の楊衛沢市長の間で土地購入契約に調印したと発表した。将来的にはアルミ建材工場と樹脂建材工場を建設するが、第一期として建材部品工場を建設し、YKKグループの日本及びアジアの建材工場に供給する。
 同社はアルミ建材事業で世界7ヵ国(米国・インドネシア・中国=一貫工場、シンガポール・香港・台湾・ブラジル=加工工場)に進出済みのグローバル企業。このところ、中国への投資が目覚ましく、既に大連YKKAP社(大連吉田建材有限公司)が大連で昨年4月から樹脂サッシの生産を開始、今年11月にはYKKAP深 社(吉田建材・深 有限公司)がアルミ建材の一貫生産をスタートする。今回の蘇州への進出で華北・華中・華南の中国全土に対するアルミ建材、樹脂建材の供給が可能となる。
 YKKAP蘇州社は資本金8,000万USjで、YKKが全額出資した。本社所在地は蘇州工業園区現代大道。董事長には西崎誠次郎氏(YKK代表取締役副会長)、総経理には里村光通氏(YKK執行役員常務)がそれぞれ就任。取得用地は30万u。建設スケジュールは第一段階として建材部品工場を建設、2003年5月に完成、稼働する。従来、日本で生産していた建材部品をYKKAP蘇州社で量産し、2つの中国国内建材工場をはじめ、日本、アジアへの供給拠点とする。第二段階としてアルミ建材及び樹脂建材工場を建設する。
 蘇州市への進出は華中地域の立地という地の利を生かし、中国国内外への建材部品の戦略供給基地の建設と、アルミ建材及び樹脂サッシの中国国内への供給を目的とする。長期的には世界市場を視野に入れた戦略工場という位置付けという。



日軽金、Alドロス処理機拡販
従来機に比べ約25%低価格化

 日本軽金属はアルミドロス処理機「MADOC(マードック)」の販売を強化する。タイの日系メーカーに製造を委託することで従来品に比べて販売価格を25%程度引き下げ、競争力を高めた。販売も、アルミドロス再生事業を手がけている連結子会社の日軽産業(静岡県清水市、定塚亨社長)に委託、日軽金グループとしてアルミドロス処理事業を一本化することで事業拡大を図る。
 「MADOC」は日軽金が岡谷鋼機と共同で事業化したもの。従来のドロス処理プロセスがアルミ回収を促進するために塩素やフッ素を含む薬剤を使用しているのに対し、薬剤を使用しない独自開発の圧搾式(手揉み方式)を採用。従来方式に比べ粉塵、騒音・振動が格段に少ない。また短時間でメタル回収が可能なため、高温で焼失するアルミ分が少なく、従来方式に比べ5%程度アルミ損失量を削減することが可能。さらに、薬剤を使用しないため再利用用途が広く、アルミをメタルとして回収した後の残灰は鉄鋼製造用副資材やセメント原料などとして100%再利用が可能で、埋め立て処分の必要がない。
 日軽金は96年に「MADOC」を開発したが、1回の処理量が500c〜1sの標準システム本体価格が1台6,500万円程度と割高なことから、これまでの販売実績は4台にとどまっていた。今回4,800万円程度に低価格化することで、当面年間2台、将来的には同4台の販売をめざす。



流通、地金20円高の転嫁に全力
 全国軽金属商協会・市場調査委員会(委員長=伊藤喬萬世興業取締役)がまとめた3月末の軽圧品流通市況調査によると、東京地区ではアルミ大板と56S棒が前月比5円高となった他は横ばい。大阪、中部地区は全品種が変わらず。
 「在庫整理が進み、12〜1月を底に上昇気流に乗り始めたことで荷動きも少し出てきた」(伊藤委員長)。「4〜6月のNSP地金価格が230円と20円高になる中で、地金アップ分をどこまで転嫁できるかが最大の課題」(同)している。



《あの会社・この工場》
廃蛍光管処理工場が竣
---不二倉業

 不二サッシの子会社の不二倉業(神奈川県高座郡寒川町田端1590-4、資本金4億円、池田誠社長(写真)はかねて「廃蛍光管リサイクルシステム」を寒川工場内に建設していたが、このほど完成、4月15日、現地に関係者を招いて竣工式を行なった。対象は事業所用直管型蛍光管で、処理能力は1時間当たり最大1,500本。初年度の処理計画は300万本とし、年間処理量600万本、年商3億円を目指す。投資額は約2億円。
 このシステムは同社とダイテック・エンバイロ ンメンタル社(米国ミネアポリス)が共同開発した国内初の「連続型完全乾式処理システム」。廃蛍光管には有害物質の水銀が含まれているが、一般には産業廃棄物として埋め立て廃棄され、回収処理される場合でも薬剤処理されるという。新システムは廃液不要の乾式処理のため、廃液・その他の二次廃棄物の発生を抑制するとともに、効率的な連続式のためコストダウンが可能な画期的技法。大手の蛍光管メーカーや産業廃棄物処理業者などからの引き合いが殺到しているという。
 具体的な処理方法は、1本当たり40円、1s(4本分)当たり160円の処理費で引き取った廃蛍光管をまず両端の金属部を切断、ガラス管を破砕して内部の蛍光体とガラスを分離。ガラス及び蛍光体に含まれる水銀を約600度で加熱気化し、冷却液化して回収する。分別回収された水銀・ガラス・蛍光体・金属はそれぞれ再生技術を持つリサイクル業者に売却する。
 主要設備はエンドカットマシーン(金属部の切 断機)、ポリシャー(擦り合わせによるガラス・蛍光体選別機)、オプティマイザー(ガラスに付着した水銀の加熱気化装置)、ディステラー(蛍光体に含まれる水銀の加熱気化装置)、水銀凝縮装置(気化水銀の冷却・回収装置)−−など。米国ダイテック社製のこれら装置を連結、システム化したのが特徴で、連続運転ができる。
 直管型廃蛍光管は年間1億6,000万本が発生し、環境規制の強化から回収・再利用率は2002年20%、2003年25%、2004年30%に上昇する予測。そのなかで同社は10〜13%の回収シェアを獲得する方針。当初は関東1都6県からスタートするが、2003年度以降に関西、中部、東北地区にプラントを設置する。
【門田三郎不二サッシ社長の話】不二サッシグループの環境事業は本体でゴミ焼却炉飛灰固形薬剤プラント、ダイオキシン加熱分解装置などその 年商は2001年度54億円、前年比11億円増と順調に増加。また、不二倉業は土壌改良や有害産業廃棄物の輸送・処理プラントなどで年商45億円に達し、全体で100億円に迫る勢いだ。今後当社グループの成長点として積極的に育成する。
【池田誠不二倉業社長の話】当社は物流事業から順次環境事業にシフトする。廃蛍光管処理プラントは早い機会に地方展開を図る。



《週間トピックス》
◆日本アルミが希望退職60名募集
 日本アルミは収益改善を図るために、希望退職者を募集した。募集人数は約60名程度を予定している。募集期間は4月16日〜26日。ビル建材部門のうち不採算事業である新築ビル用建材から完全に撤退するのに伴い同部門を中心に希望退職を実施する。

◆NEDOがアルミの不純物無害化技術開発へ
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、3R(Reduce,Reuse,Recycle)プログラムの一環として、「アルミニウムの不純物無害化・マテリアルリサイクル技術開発」事業を開始することになり、参加希望者を募集している。
 同事業は自動車スクラップ(シュレダーダスト等)から選別されるアルミニウムについて、再生材に含まれる不純物を微小結晶化・均一分散化することなどで材料性能への影響を低減し、再度自動車用素材として利用可能とする技術の開発を行なうもの。開発期間は平成14〜16年度の3年間。問合わせは環境調和型技術開発室まで。

◆新潟県中小振興公社、モリテックに直接投資
 新潟県中小企業振興公社はこのほど、潟c潟eック(新潟県見附市、鈴木哲郎社長)に直接投資を行なった(株式200万円・社債1800万円購入)。モリテックは新潟県工業技術総合研究所とプロジェクトを組んで、マグネシウムの深絞り成形技術を応用した商品開発を進めている企業。新潟県中小企業振興公社は、県内の創造的中小企業の資金調達の一手段として、株式または社債を直接引き受ける形で資金援助を行なっている。



〈訃報〉
秋本廣一氏(あきもと・ひろいち=電化皮膜工業取締役会長)4月18日午後6時5分、急性心不全のため死去、92歳。葬儀は社葬により4月26日執り行われた。葬儀委員長は川上洋一東京都鍍金工業組合副理事。喪主は電化皮膜工業代表取締役の秋本恭伸(やすのぶ)氏。

森田静泓氏(もりた・しずお=軽金属溶接構造協会元専務理事)4月17日午前2時2分、病気療養中のところ死去、77歳。自宅は東京都大田区南千束1-20-21(電話3729-7267)。喪主は長男の健弘氏。

荒井孝信氏(あらい・よしのぶ=荒井金属創業者)4月16日午前9時49分、心不全のため死去、79歳。葬儀は荒井金属及び荒井家の合同葬により執り行われた。葬儀委員長は船津孝一荒井金属最高顧問。喪主は長男で同社社長の孝氏。


図・表・写真は本誌でご覧ください。