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NO.1605(2002年10月07日号)
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三協アルミ・マグネシウム事業
ビル屋上にMg翼の風力発電装置
押出から製品までの一貫で強み
三協アルミニウム工業は建材リフォーム分野と並んで、マグネシウム事業を新規事業の大きな目玉として位置付けている。押出・表面処理・加工までの一貫技術を強みにエコ・環境材料として事業展開を図っていく。
三協アルミニウム工業(川村人志社長)は非建材分野における事業展開の一環として、サッシ業界で初めてマグネシウム事業へ本格的に参入した。押出加工により幅180o×厚さ0.4oの板材成形を可能にするとともに、断面形状が非対称の大型中空薄肉形材の押出加工技術も確立した。川村社長自らが陣頭指揮を行なう新規事業の目玉。渋谷信昭経営企画本部新規事業推進室部長と向山準マグネシウムプロジェクトリーダーにマグネシウム事業の現況を聞いた。
“業際”技術から社長が選択
マテリアル事業は非建材分野で様々な新規事業を検討しているが、いずれも全く新しいモノではなく、既存技術の延長線上の、いわば“業際”技術を活用するという姿勢だ。マグネシウムは約3年、研究室レベルで行なわれていた開発の中から川村社長自ら取り上げて新たな事業に据えたもの。昨年8月、新規事業推進室の中の新組織として10名の人員を擁する「マグネシウムプロジェクト」を立ち上げた。川村社長は建材分野でのリフォーム事業と並んでマグネシウム事業を新規事業の大きな目玉の一つとして位置付けている。
押出材としてのメリット追求
マグネシウム事業においては、三協アルミ、富山軽金属がアルミで培った押出・表面処理・加工・組立技術により基礎技術は確立済み。当社マテリアル工場(旧富山軽金属)はアルミ押出−表面処理の国内最大の単一工場で、マグネシウムについても他にない押出−表面処理の一貫処理が可能であり、これが最大の強みだ。
当社は、押出加工による薄肉・広幅の板材加工技術を確立したが、筐体などプレス加工用の板材供給など、板に主眼を置いたマグネシウム市場での展開は考えていない。メーカーであり材料供給屋でないので、半製品ないし完成品でビジネスを行なう。一つの断面形状を長手方向に作り出せるという押出加工法のメリットを生かして、形材としての営業展開が先ず第一である。
中国産ビレット、三協が技術指導
ただ、マグネシウムを使っていただくためには最終的にはコストが問題。ビレットは中国から調達するが、ただ安いからというだけではなく、当然品質・技術的な面を重視して調達先を選択する。上流の原材料の品質を確保することが下工程のキーになる。当社はアルミの鋳造分野では国内でも有数の技術者を中国に派遣して技術指導を行なっており、「三協アルミが使うマグネシウムは中国産といえども、日本が要望・開発した品質」という安心感をお客さんに持たせる。
既に5〜6社の中から材料を購入して、その段階で最も品質が良いと評価した2社を選択して、日本側が要求するようなレベルにまで引き上げられるような形での指導を行なっている。調達先として最終的に決めた訳ではなく、三協アルミが望むようなビレットを安定的に調達できるようになるのはもう少し時間がかかろう。
マグネは環境・エコ材料に
当社がマグネシウム事業で目指すのは環境・エコ対策。車両など“動くもの”で材料としてのマグネシウムの価値を見出していくビジネス展開になろう。車両などはマグネを使うことで燃費が低減し、当然環境にも良い。また、風力発電用翼部材を試作、都市部での風力発電システムとしての実用化に向けて提携先と共同開発を進めているが、太陽光発電と同様にビル事業と連携して製品展開を図っていく。
さらに、PDPの大型化でフレーム材は現在のアルミよりもっと軽いマグネ材料が求められ、開発を進めていけば3〜4年内には間違いなく当社にとって大きな分野になろう。
軽圧品流通市況、横ばい続く
厚板好調あるが、下期に不安
全国軽金属商協会・市場調査委員会(委員長=伊藤喬萬世興業取締役)が発表した8月末の軽圧品流通市況は、東京、大阪、中部の各地区とも全品種が前月比横ばいとなった。
4〜6月の軽圧品需要では、板は缶材、箔地が好調で、特に高純度箔は前年度比3〜4割増のV字型回復となったが、7月以降急ブレーキが掛かり始めている。押出もIT、自動車向け好調を支えに、人員削減、設備休止もあり、フル操業が続いているが、夏場以降一服感が出始めている。
10〜12月のNSP地金価格は7〜9月比20円安の210円/`だが、軽圧メーカーはひも付き・大口ユーザー向けを中心に陥没価格の是正方針を打ち出しており、「実現に本気に取り組む構えを見せている」ため、市況の下支え要因となりそう。荷動き面では、流通の取扱いが多い厚板は半導体向けで陰りが出ているが、液晶向けが好調で、年内は続くとの見方が支配的。ただ、それ以外の一般材は先行きが読めず、下期の動向を不安視する向きが多い。
「軽金属学会6賞」が決定
小山田記念賞に日軽/ヤマハ
(社)軽金属学会(菅野幹宏会長)は9月19日開催の理事会で軽金属学会6賞を決定した。今年度から、従来の5賞(軽金属論文賞、論文新人賞、小山田記念賞、高橋記念賞、軽金属奨励賞)に加え、「軽金属躍進賞」を新設した。同賞は、軽金属に関わる学術研究および技術開発の発展に顕著な功績をあげ、今後の発展が期待される36歳以上45歳以下の中堅技術者を顕彰するもの。
各賞の受賞者は以下のとおり。表彰式は11月16日午後2時から、茨城大学日立キャンパスで行なわれる。
【軽金属論文賞】▽「AZ31マグネシウム合金の応力腐食割れ発生時の水素の挙動」(東京大学・倉本繁/新潟大学・荒木一郎/東京大学・菅野幹宏)▽「ECAE加工したMg-Li-Zn合金の引張特性および低温超塑性の発現」(長岡技術科学大学・吉田雄・山田英明・鎌土重晴・小島陽▽「温間異周速圧延による6061アルミニウム合金の結晶粒微細化」(三菱アルミニウム・崔棋・大堀紘一)【軽金属論文新人賞】▽「ECAE加工したMg-Li-Zn合金の引張特性および低温超塑性の発現」(吉田雄・長技術科学大学大学院)▽「AZ91マグネシウム合金の過熱処理による結晶粒微細化機構」(矢野英治・千葉工業大学大学院)▽「Al-Cu合金の相分解初期における微量添加元素の挙動とその計算機シミュレーション(廣瀬清慈・東京工業大学大学院)【小山田記念賞】「急冷凝固粉末押出材による高性能シリンダーライナーの開発」(ヤマハ発動機・安達修平/日本軽金属・井上厚・岡庭茂/東洋アルミニウム・楠井潤)【高橋記念賞】▽リョービミラサカ・小山秀敏▽アイシン軽金属・島高志▽神戸製鋼所大安工場・佐々木茂男▽アイシン精機西尾工場・長田光明【軽金属奨励賞】▽「アルミニウム合金の熱処理による微細組織変化と疲労強度の研究」(岡山理科大学・中川恵友)▽「鉛フリー切削用アルミニウム合金の開発」(神戸製鋼所・吉原伸二)【軽金属躍進賞】▽鎌土重晴(長岡技術科学大学)▽熊井真次(東京工業大学)▽小山克己(古河電気工業)。
なお、小山田記念賞の受賞理由は以下のとおり。
自動車エンジン部品の軽量化・高性能化には、高強度・低熱膨張性・耐磨耗性・耐熱性の特性を持つ革新的シリンダーライナーが求められていた。表彰者らは、まず6000系ベース合金に26%Siを含有する均一微細な急冷凝固合金を開発した。同合金は引張強さ400MPa、従来の鋳造合金に比べヤング率が9%高く、熱膨張係数を20%低下させた画期的なものである。
ライナーの製造工程は粉末合金をゴム封入後、静水圧プレス(CIP)、真空焼結後、押出で作るもの。缶レス押出でピーリングなども省いた。
2000年10月より量産を開始し、現在シリンダーライナーで月産3万2,000個、大型モーターサイクル8,000台分の生産量に到達している。同技術に使用される急冷凝固アルミニウム合金の生産量はわが国の粉末合金の25%に相当し、これまで実用化が進まなかった新素材の市場に新しい突破口を切り開いた点でも特筆される。
同技術はわが国の軽金属技術の発展に寄与するところ大であり、アルミ産業への貢献も大きい。
立山アルミが「エコ面格子」
立山アルミニウム工業はこのほど、機能性、デザイン性に優れた可動ルーバー式面格子「エコ面格子」を発売した。強い日差しを遮りながらも、明るさと涼しい風を家の中に取り込める面格子で、スラットの角度調整により通常の面格子に日除け、採風、目隠し、安全性の快適機能を備えた。
後付けタイプのため簡単施工で、別途品取り付け金具の使用で様々な納まりへの取り付けが可能。価格はW3.0尺×H1.2尺サイズで3万2400円から。
住宅FC事業の統括持株会社
INAXトステム・Hが設立
INAXトステム・ホールディングス(略称ITHD)は住宅FC事業会社5社を統括する中間持株会社を9月26日付けで設立した。会社名は「21世紀住宅研究所」。資本金は3億円、社長には富澤則夫アイフルホーム会長が兼務で就任した。本社は東京都墨田区両国2-10-14に置いた。
建材業界最大の持株会社ITDHの傘下にはアイフルホーム以下5社の住宅FC事業会社がある。これら5社は独自に競争戦略を立案、推進してきたが、事業環境が変化したため、住宅FC事業全体の戦略を立案する機能が必要となった。「21世紀住宅研究所」は5社の中間持株会社として@住宅FC事業全体の戦略立案A事業計画及び方針の策定と提示B傘下の事業会社の経営監査Cグループシナジーの推進−−等を遂行し、「協争(競争と協調)の追求」によって住宅FC事業全体の活性化を図る。
INAXトステムホールディングス
ビルリフォーム事業を全面統合
INAXトステムホールディングス(水谷千加古社長)は24日、グループ内のビルリフォーム事業をを統合、10月1日付けで「IMAXトステム・ビルリモデルリング梶vを設立すると発表した。トステム100%出資するトステムビル改装(福田晴至社長)が社名変更し、これにINAXが100%出資するビル改装会社のINAXエンジニアリング(畑中政宏社長)のリニューアル事業の営業権を譲渡する。INAXトステムHはかねて経営統合のシナジー効果の追求を経営目標の一つに掲げていたが、今回のビルリフォーム事業の統合もその一環。
新会社は資本金3億円で、INAXトステムHが100%出資する。本社は東京都新宿区西新宿3-2-11、新宿三井ビル2号館に置く。社長は福田晴至氏が就任し、INAXエンジニアリングリニューアル事業部長の榊原幹治氏が常務取締役としてボード入りする。従業員数は150名。事業内容はオフィスビル、集合住宅を主体とした非木造建物の改装事業。初年度売上目標は100億円。
トステムビル改装はビルのサッシ、外壁パネル、手摺り、ドアなど主として開口部の改装を、INAXエンジニアリングリニューアル事業部は外壁タイル改装、トイレ・バスユニットなど水廻り改修を主力事業としていた。今回の統合で建物外装から内部の水廻りに至るまで、トータルで一貫したビルリフォームサービスを提供できる。
オフィスビルは大規模な超高層ビルの建設ラッシュによって過剰感が強く、今後多くを望めないという。一方、ビル改装は新築ビルに対抗したテナント集めのための改修や、ハートビル法などの新法による新規需要が見込め、サッシ各社が新規需要分野として強化している。この分野では学校・集合住宅の窓改装に強いYKKAPが業界トップだが、新会社は水廻りまで事業領域を拡大してYKKAPを追撃する。
愛知産業が「技術開放実演会」
Al抵抗溶接など最新技術紹介
溶接機械メーカーの愛知産業(東京都品川区北品川5-5-12、井上裕之社長)は10月23日〜25日、同社館林工場(群馬県館林市大谷町2918)において、「第2回技術開放実演会」を開催する。「働きやすく」をテーマに、20年前より一部のユーザーからの要求で開発したシーム溶接機や新しい接合技術を、アルミ・チタン・ステンレス・亜鉛メッキ鋼板・高張力鋼板などの溶接実演とともに、多くのユーザー向けに一般公開するもの。海外も含めて800社・1,000名の集客を目標としている。問合わせは同社まで(電話03-3447-0201)。
展示実演するのは、@高速シーム溶接機・ロールスポット溶接機Aアルミ合金シーム溶接機B特殊シーム溶接機C加圧不要のハンディスポット溶接機DAROサーボ加圧式定置スポット溶接機E座屈が無いアルミ用MIGロボット溶接機Fその他施工事例説明−−など商品15機種以上。
展示する抵抗溶接はアーク溶接に比べて、@炭酸ガス、アルゴン・ヘリウムガスなどを使用しない、地球環境にやさしい溶接Aヒュームガス・強い光・紫外線・火花(スパッタ)等が発生しないため、作業環境も良好B歪みが少なく、溶接速度が数倍早いため、製品の安定性の向上・コスト削減が可能−−などの特長がある。従来と比べ機械は省エネタイプで、電気設備も小さく小型化を実現、誰にでも簡単に操作でき、安定した仕上がりが可能。超薄板から厚板まで、銅とステンレスのシーム溶接など異種金属の溶接も行なえる。
第103回軽金属学会秋期大会
研究講演発表は172件を予定
(社)軽金属学会(菅野幹宏会長)は11月15日〜17日、茨城大学日立キャンパスで第103回秋期大会を開催する。研究講演発表172件とポスターセッション19件が予定されている。
内訳は、▽鋳造・凝固:17件(ポスターセッション1件)▽粉末冶金・メカニカルアロイング:8件(同1件)▽熱処理・再結晶・組織制御:20件▽時効析出・拡散・相分離:17件(同1件)▽力学的性質:11件▽疲労・破壊:9件▽塑性加工:6件▽高温変形:2件▽切削加工:4件(同2件)▽接合・接着:9件(同1件)▽表面処理・表面改質:17件(同4件)▽腐食・応力腐食:6件▽複合材料:6件(同2件)▽マグネシウム:17件(同5件)▽チタン:5件(同1件)▽分析・測定:1件▽リサイクル:0件(同1件)▽テーマセッション(超塑性):17件。
Al缶リサイクル協会が研修会
アルミ缶リサイクル協会は10月17日、日野市クリーンセンターなどのリサイクル施設研修会を実施する。ごみ有料化で収集ごみが短期間に半減した日野市の「ごみ改革」の成功事例を視察する。
《あの会社この工場》
高機能アルマイトに特化……潟~ヤキ
アルミ表面処理の専門メーカー、株式会社ミヤキ(伊藤六郎社長、静岡県浜松市桜台、電話053・430・1122)は、需要家の海外への生産シフト、コスト削減要求など厳しい環境下、他社と差別化を図った高機能アルマイト処理に特化することで生き残りをかけている。
【硬質アルマイトで創業】
とりわけ、キーテクノロジーとなっているのが「カシマコート処理(超潤滑硬質アルマイト)」である。陽極酸化によって生成した硬質アルマイト層に、二硫化モリブデンを電解析出させることにより、硬くて、潤滑性に富み、防蝕性、電気絶縁性を備え、かつ研磨可能な密着のよい皮膜に変貌させる技術を実現した。
同社は平成10年10月、東名浜松西インターから車で約3分の浜松西テクノ工業団地内に新本社・工場を建設した。創業の地は現在呉松工場がある浜松市呉松町。前身は昭和51年、グループ企業である(株)ジャパン・ミヤキ(旧・宮木鉄工所)のアルマイト事業部として発足した。ジャパン・ミヤキはスチール、アルミ、ステンレスなどの切削・研削機械加工、摩擦溶接技術、冷間鍛造などによる精密加工品を得意とする企業。昭和50年頃、お得意さんから、「加工を手懸けていた複写機用のセレンドラムの硬質アルマイトをやって欲しいという話を頂き、近隣で協力企業を探したが適当な会社がなかったので新規事業として設立した」(伊藤健一郎取締役技術部長)。昭和56年にはアルマイト事業の強化を図るため、ミヤキを設立するとともに、昭和60年にカシマコート処理技術を導入した。
【硬度に加え、潤滑性を付加】
「カシマコート処理」は硬質アルマイト処理によりアルマイト皮膜を生成させた後、さらにモリブデン硫化物の溶液中で二次電解させるもの。アルマイト皮膜中にある直径100オングストローム程度の超微細ポアー(孔)内に二硫化モリブデンを析出させることにより、硬度に加え、潤滑性を付加させた機能性アルマイトである。
チオモリブデン酸イオンを電析させることにより、絶縁皮膜であるアルマイトの最も抵抗の少ない微細孔の最深部から孔の上端部まで完全に二酸化モリブデンを析出させることで、二酸化モリブデンの皮膜層は50μm程度と厚く、仕上げ研磨を施したり、表面が磨耗しても二硫化モリブデンの潤滑機能は失われず、長期間維持できるのが特徴。摩擦係数は通常の硬質アルマイト皮膜が0.6〜0.7程度であるのに対し、0.15〜0.25と飛躍的にアップさせる。耐熱性にも優れ、高温下でも優れた潤滑性を維持する。エンジンのピストン部品などの摺動・回転部品に要求される高硬度・耐摩耗性に加え、優れた潤滑性を要求される部品の表面処理技術である。
同社は本社、呉松の2工場体制。硬質アルマイトからスタートしたが、現在は普通アルマイト、染色アルマイトと陽極酸化処理全般を手懸けるようになっている。主要設備は全自動陽極酸化処理装置5基、手動ホイストライン2基をはじめ、試験開発処理装置、皮膜測定機器、液分析機器各1式や排水処理、排気処理装置など。処理装置は全て自社で設計した特別仕様の専用機である。全自動陽極酸化処理装置は本社工場3基、呉松工場2基の構成だが、すべてがカシマコート処理が可能な設備内容となっている。
【売上の約6割が超潤滑硬質アルマイト】
同社の売上げの約65%が二輪車・四輪車関連の部品、残りが船外機やエアコンのコンプレッサのスクロール部品。四輪関係ではピストン、ロッカーアームなどエンジン部品やコンプレッサ部品のスクロール、また、二輪車のフロントフォーク(アウターチューブ)、船外機のピストンなど。地元浜松に拠点を持つ大手四輪・二輪メーカーの全てと取り引き関係がある。同社の硬質アルマイトの処理能力は月間3万uだが、売上げの約6割がカシマコート、3割が通常の硬質アルマイト、残りが普通アルマイトと染色アルマイトである。
カシマコート処理を施した第1号製品がエンジン部品の一つで、厳しい高信頼性・耐久性が求められるロッカーアーム。軽量化を狙って鉄製からアルミに変更された際にカシマコートによりベアリングを不要とすることで大幅な軽量化とコストダウンを実現、ブレークスルーとなった技術である。これまでの累計処理数が3億個に迫る実績となっている。
住宅アルミ建材用の新色発売
「シャイングレー」、トステム
トステムは、アルミ建材の新色「シャイングレー」を開発、窓、ドア、エクステリアなど住宅用アルミ建材商品全般に採用し、10月1日から全国で新発売した。
シャイングレーは同社の住宅用アルミ建材のカラーとしてはオータムブラウン、ブラック、ブロンズ、ホワイトに続く5番目の色。光沢感を抑えた艶消し仕上げで、アルミがもつ金属本来の素材感を重視して、アルミ形材独特の筋目(ヘアライン)を活かしシャープな風合いを出した。色味を抑えたナチュラルカラーのため、近年流行の淡く明るいオレンジやベージュ・イエロー系の色調や、石やモルタルなど自然素材を使用した外壁材などにも合う色として南欧住宅からモダン住宅まで幅広い住宅外観にマッチする。
トステムではこの新色を、家一棟分をカバーする品種にすべて採用した。価格はオータムブラウン、ブラックと同水準、ブロンズ、ホワイトの10%アップ。
《訃報》
下郡逸男氏(しもごうり・いつお=元昭和電工常務取締役)9月20日午前零時11分、横浜市内の病院で脳梗塞のため死去、87歳。喪主は妻の幸子さん。自宅は横浜市港南区笹下7-13-17(045・845・6518)。
浅井英裕氏(あさい・ひでひろ=浅井産業取締役副社長)8月31日くも膜下出血のため死去、43歳。9月2日近親者のみによる密葬が行なわれた。葬儀・告別式は9月27日、千里会館(大阪府吹田市)で浅井産業および昭和製作所の合同社葬により執り行われた。喪主は妻の晶子さん。葬儀委員長は池田道夫浅井産業社長。
《週間トピックス》
◆日軽金等2社が産業再生法に認定
経済産業省は17日、日本軽金属から提出された東洋アルミニウム、日軽金アクトの分社化など「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法(略称:産業再生法)で定める要件を満たしているとして認定を行なったと発表した。これにより事業登録免許税率、土地・建物登記免許税率の軽減など支援措置を受けられる。実施期間は平成14年9月から17年3月まで。
日軽金は一段と厳しくなる事業環境への対応、成長力のある強い企業グループの構築を目指して、平成14〜18年度の5ヵ年に「集中と選択」「分社化」による事業再編を軸とした「グループ中期経営計画」を推進中。その一環としてアルミ箔、パウダー・ペースト事業は東洋アルミに集約して製造・販売一貫体制とする。また、押出・軽圧加工事業は日軽アクトとして分社化し、固定費削減など徹底的なコストダウン、競争力のある商品開発、経営効率の向上などを推進、競争力・収益力の強化を図る。
◆東京モーターショー、10月30日から
(社)日本自動車工業会主催で10月29日〜11月3日の6日間、千葉県・幕張の幕張メッセで「第36回東京モーターショー−−商用車−−」が開催される。テーマは、「進化の予感、働くくるまのスタジアム。」。出品会社は日本を含む7カ国から、105社・2政府・2団体(前回2000年秋は6カ国・129社・2政府・2団体)を数え、商用車、商用車ボディ、電気自動車に加え部品・関連商品を含めた最先端の技術・商品が展示される。一般公開は10月30日から。
主な出品者は商用車メーカー12社を始め、商用車ボディメーカー(新明和工業、極東開発工業、小平産業、日本フルハーフ、日本トレクス、アラコ、バブコ、輸送機工業など)、ホイールメーカー(トピー工業、アルコア・ホイール・プロダクツ・ジャパンなど)、部品メーカー(アイシン精機、アイシン高丘、アイシン・エィ・ダブリュ、曙ブレーキ工業、ナブコなど)。
◆大阪で「地球環境技術展」開催
10月16日〜19日の4日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)においてニューアース2002「地球環境技術展」が開催される。水処理、大気汚染防止、省エネルギー、リサイクルなどの技術展示はもとより、エコ商品・製品などを含む、“環境”の総合フェアにふさわしい展示内容となっている。参加国は13ヵ国、出展者数は国内219社・海外90社の309社。日本アルミニウム協会、アルミ缶リサイクル協会、ソーラーシステム振興協会、太陽光発電協会なども協賛。
◆JAWAがVIA登録制度のPRビデオ
ジャパン・ライトアロイホイール・アソシエイション(JAWA)はアルミホイールのVIA登録制度のPRビデオを作成した。VIA登録制度は、技術基準に定められた強度性能について、JAWA、日本アルミニウム協会、日本車両検査協会の3団体で構成する自動車用軽合金製ホイール試験協議会が実施しているもの。
ビデオは上映時間約16分。@半径方向負荷耐久試験A衝撃試験B回転曲げ疲労試験−−などを始め、VIA登録に必要な試験を実際に行なっているところを紹介、さらにJAWAの会員はJAWAの品質認定証を添付して安全性確保を徹底していることをPRする内容となっている。DVD版も作成し、各会員会社等に配布する予定。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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