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NO.1607(2002年10月21日号)
アルミ冷間鍛造の三協製作所
生産拠点の再構築をさらに強化
来年以降の鍛造ライン増設も視野


 三協製作所は厳しい環境が続く中、一段の営業力強化による受注拡大と併せ、生産拠点の再構築による生産効率化をさらに進めることで顧客からの需要増・短納期要求に対応する。また、中・大型鍛造プレスの増設など、鍛造ラインの増強も検討する。

 アルミ冷間鍛造の専業大手、三協製作所(東京都江戸川区西一之江、増田喜義社長)は営業力強化による受注拡大と併せ、生産拠点である山形第一工場の鍛造ラインの再構築を推進、自動車部品など冷間鍛造製品の需要拡大に備えた体制を構築する。自動化設備の導入、工場レイアウトの変更による生産効率の向上を始め、来年度以降に中・大型鍛造プレスの増設を含む、鍛造ラインの能力増強も検討する。
 同社の2002年2月期決算は売上高が32億5,700万円と前期比14%の減収になるとともに、経常利益も6,300万円、同63%減と大幅に落ち込んだ。90年代以降、売上高35億〜40億円、経常利益2〜3億円をコンスタントに計上する“好収益”企業であったが、前期は売上げの約3割を占める電子・OA関連部品の受注が前年度比1割近く減少したほか、売上げ比率約4割の自動車関連も約2割のマイナス。これに厳しいコスト削減要求が追い打ちをかけた。「8月以降、受注増に転じている」こともあり、今期は「増収増益を図り、2001年2月期実績を目標に収益回復をめざす」(増田社長)。
 同社は一つの業種・製品に偏らず、多業種にわたっているのが特徴だが、「さらに得意先を増やすことで販売拡大・売上げ増を狙う」考えで、営業要員の増員など本社機能の強化を進めている。
 さらに、鍛造生産拠点の山形第一工場(山形県長井市今泉)の再開発も強化する。現有鍛造プレスは1000d2台、800d1台、630d7台、600d1台、400d以下105台の計116台。来年度以降、鍛造プレスライン、金型製作ラインを含む第一工場全体の工場レイアウト・生産ラインの整備に着手。自動化装置も積極的に導入することでモノの流れを改善、より効率の高い生産ラインを構築していく考え。これにより顧客からの受注増・短納期要求に対応可能な体制を実現する。
 さらに、来年度以降、自動車関連などの冷間鍛造部品の需要拡大を見込んで、中・大型鍛造プレスの導入を始め、切断機、炉などを含む鍛造ラインの増設も検討する。
 なお、同社は既報のとおり、カネヒロとの合弁でタイにアルミ冷間鍛造工場を建設した。11月に本格稼働入りする見込みで、当初の生産目標は月間50d、3年後に150dに引き上げる。「自動車関連のアルミ鍛造部品の需要拡大を見込んで進出を決めたもの。当面は立ち上げに全力を尽くし、早期の黒字化をめざす」(増田社長)。



アルミ箔製造設備を一括受注
20億円・中国向けで初、IHI
 石川島播磨重工(IHI)はこのほど、中国の広西南南アルミ箔有限責任公司(広西省南寧市)からアルミ圧延用コールドミルおよび箔ミル各1台を一括受注したと発表した。受注金額は20億円強。中国向けのアルミ圧延用コールドミル・箔ミルとしては今回が同社初めての受注。
 南南アルミは現在、アルミサッシ等の形材を主に製造・販売しているが、中国国内での今後のアルミ板材の需要増加を見込んで設備を新設した。平成16年6月からの稼働開始を予定しており、アルミ箔生産能力は年間5万d。
 今回IHIが受注したコールドミルと箔ミルは、空気軸受式形状センサーロールを含むAFC(自動平坦度制御)システム、AGC(自動板厚制御)システムに加え、圧延機の最適運転条件をコンピュータにより自動設定する圧延セットアップシステムを装備、全自動運転が可能で高い製品品質と生産性を誇る設備。コールド圧延機は板厚は入側がMax10o、出側がMin0.08o、箔圧延機が入側がMax0.5o、出側がMin.10μm。
 IHIはこれまでに国内外向けにアルミ用コールドミル29台、箔ミル23台の納入実績がある。今後海外向けにもアルミ圧延設備の拡販を進めていく中で、とくに需要の急速な伸びが期待できる中国市場向けのアルミ圧延設備の拡販を最注力分野の一つとして位置付けている。引き合い・案件も多く、初年度に中国向けだけで年間50億円の受注を目標にしている。



8月の二次地金・合金出荷量
0.7%増、ダイカスト2.2%増
 日本アルミニウム合金協会が発表した8月のアルミニウム二次地金・同合金需給統計によると、生産が7万714d(前年同月比1.0%減)、出荷が7万2,966d(同0.7%増)となった。生産は6ヵ月ぶりのマイナスだが、出荷は7ヵ月連続のプラス。
 出荷の産業部門別内訳は、鋳物1万9,023d(前年同月比5.6%増)、ダイカスト3万6,872d(同2.2%増)、板6,253d(同11.1%減)、押出5,450d(同8.5%減)、鉄鋼2,660d(同3.1%増)、合金地金メーカー向け2,678d(同4.3%減)、輸出30d(同21.1%減)。



軽金属製品協会が成果発表会
陽極酸化アルミデータベース
 軽金属製品協会は10月28日(月)午後1時30分〜5時、化学会館(千代田区神田駿河台)において、「アルマイトデータベースの成果発表会」を開催する。
 軽金属製品協会は、アルマイト加工業界が事業展開を進める上で、従来断片的であった諸特性データについて各種の製造条件における陽極酸化アルミニウムの性状と諸特性の体系的なデータベースの整備が緊急に必要と判断、各種合金・電解条件と諸物性、水洗方法と洗浄及び封孔の効果、潤滑性評価などの調査研究を実施し、その技術情報データベースを今春から公開している。
 発表会の内容は、▽挨拶・趣旨説明(軽金属製品協会理事・取手分室長・菊池哲)▽陽極酸化アルミニウムデータベースの意義(陽極酸化アルミニウム物性調査委員会委員長・武蔵工大教授・星野重夫)▽各種合金・電解条件と諸物性(取手分室次長・小山田誠)▽各種水洗方法及び封孔処理方法と諸特性(取手分室研究員・五十嵐英行)▽陽極酸化アルミニウムの潤滑性評価(取手分室室長代理・佐藤信幸)▽技術データベースシステムの内容と利用方法(同)。参加費は協会会員7,000円、一般1万5,000円。情報会員は無料。申込みは取手分室まで(電話0297-78-2511)。



全国5県が産学官連携で開発
マグネ合金の高機能部材化技術
中小企業に移転、実用化狙う
 広島県、長野県、兵庫県、静岡県、栃木県の5
県は国の中小企業技術開発産学官連携促進事業「マグネシウム合金の高機能部材化技術の開発」に参画し、マグネシウムの高機能部材化技術の開発を共同で進めている。既存のマグネシウム合金に高機能・高付加価値を付与する技術を開発することで、自動車などの輸送機械や電子機器などでマグネシウム合金が利用できる部材の種類を大幅に増やして新しい産業領域を拡大するのが狙い。また、高機能マグネシウム合金部材の製造技術確立によって、外国企業などとの苛烈な価格競争にさらされている中小企業がモノ作りにおいて技術的な優位性を確保することを目指した。
 実施期間は平成12〜14年度。9月12日、静岡市において静岡工業技術センター主催で「第1回成果普及発表会」が開催されたが、広島県工技センター主催(電話0823・74・0050)で第2回発表会が11月8日、広島弥生会館で、第3回発表会が来年2月上旬、兵庫県工技センター主催で開催される予定。
 この研究開発は、マグネシウム合金の高性能部材化のための要素技術である成形技術、板材加工技術、表面処理技術の3分野について5つの研究テーマを設定。各県の公設試験研究機関がそれぞれの得意分野を担当、地域の大学、(独)産業技術総合研究所中国センターなどの協力を得て研究を推進。さらに、地域の中小企業への新技術の普及・実用化を図るため、各県2社ずつ企業を選定、試作・応用技術開発を依頼した。大阪府立大学工学部材料工学科の東健司教授を委員長に産総研基礎素材研究部門中部センターなどの外部有識者で構成する推進会議が研究の総括を行なった。
 各分担テーマ、試験研究機関名、大学名、中小企業名、開発成果は次のとおり。
@マグネシウム合金の複合強化による強度及び熱特性向上に関する研究:広島県立西部工業技術センター(幹事試験研究機関)/広島大学/西日本クレノートン販売梶E花野商事梶B
 複合化(溶湯鍛造)技術と恒温鍛造技術を利用し、強度・熱特性を向上させたマグネシウム合金及びその複合材料を開発。開発したセラミック強化マグネ合金複合材料は県内主要産業である工作機械部品(砥石部品)として超高速研削用ホイールに、また恒温鍛造技術利用により自動車用構造部材である自動車用変速機部品に応用した。
A射出成形法によるマグネシウム合金の組織制御と複合部材の開発:長野県工業試験場/信州大学工学部/松山技研梶E葛{坂ダイカスト。
 高耐久性金型を用いた射出成形技術を開発、ホットチャンバーダイカスト法により翼厚0.4oのCPU冷却用薄肉ファンを試作した。
B摩擦撹拌接合によるマグネシウム合金の接合技術の開発:兵庫県立工業技術センター/姫路工業大学工学部/大阪富士工業梶E金属技研兜P路工場。
 マグネシウム薄肉板材用の摩擦撹拌接合技術を開発するとともに、大型の部材(パイプ、板材)を試作、さらにパイプ材を用いてストレッチャー、担架などの医療器具を試作した。
Cマグネシウム合金板材における温間プレス加工法の開発:静岡県静岡工業技術センター/豊橋技術科学大学/葛、栄製作所・叶ク工製作所。
 マグネシウム合金板材を使った温間プレス加工法を開発、携帯電話筐体をターゲットにして試作品の製造を行なうとともに、接合方法や表面処理・塗装技術(陽極酸化処理、電着塗装処理、ポリエステル塗装、曲面印刷)を開発。
Dマグネシウム合金の硬質炭素薄膜による表面特性向上に関する研究:栃木県県南工業指導所/群馬大学工学部/佐野富士光機梶E潟Vーズ。
 ダイヤモンド状炭素薄膜をマグネシウム合金表面に密着性良くコーティングする技術を開発。摩耗特性が極めて低いマグネシウム合金に、実用に耐える十分な耐摩耗性能を付与することに成功した。これにより摺動部を持つ部品への応用展開が可能で、デジタルビデオテープ走行用ドラムやホットゲーム機を試作した。



東洋EXが低価格Al鋳物門扉・フェンス
 東洋エクステリア(渡邊譽社長)は21日から低価格のアルミ鋳物門扉・フェンスの新シリーズ「コラゾン」を新発売する。一戸建て市場において人気の高い坪単価30万円程度の輸入風住宅がメインターゲット。
 展開商品は門扉5タイプ、フェンス5タイプの計10タイプ。初年度2億円の売上げを予定している。



不二サッシの「エコアマド」
「グッドデザイン賞」を受賞
 不二サッシの新アマド「エコアマド」が(財)日本産業デザイン振興会主催の2002年度「グッドデザイン賞」を受賞した。従来の常識を変えるまったく新しい機能を持った新構造の雨戸として日本で初めて開発され、2001年10月から販売を開始した商品。10月1日に受賞発表会見が行なわれ、形状・機能など構成要素が極めて優れており、また、新しい意匠の潮流を形成することが期待されて受賞となった。
 「エコアマド」の主な特長は、@スラット角度調整で通風・採光・遮熱が自由自在A住宅の省エネに貢献Bどのメーカーの戸袋にも入る−−など。今回受賞した「陽よけ雨戸」と「陽よけ格子」のほか、「引違い陽よけ雨戸」、「陽よけ折れ戸」をシリーズ化している。



トステムが「鋳物面格子」発売
鍛鉄のデザイン・風合いを実現
 トステムはこのほど、鍛鉄のデザインと風合いをアルミ鋳物で実現した「鋳物面格子」を開発、新発売した。鍛鉄製の面格子の価格に比べて安価。鋳物の一体成形製法で作るので一般的なアルミ面格子に比べて強度が高いだけでなく、表裏がない両面デザインを施しているため部屋の中から見てもきれいな装飾柄を楽しむことができる。
 デザインは、たて基調をベースにワンポイントの唐草装飾をあしらった「スパニッシュ」と、槍をモチーフにしたヨーロッパの伝統的な門扉デザインの「ブリティッシュ」の2種類。色は「マイルドブラック」、「アンティックグリーン」、「アイボリーホワイト」(受注生産)の3種類。



フープ材つなぎ用シーム溶接機
アルミ薄肉材も、愛知産業開発
 溶接機械メーカーの愛知産業(東京・北品川、井上裕之社長)はこのほど、フープ材つなぎ用シーム溶接機を開発した。従来、フープ材のつなぎには後工程でプレス加工やロール成形が行なわれるため、アーク溶接(TIG溶接)が使われていた。しかし、製品コスト削減からワークの軽量化(薄板化)・アルミ化(異種金属化)が進み、アーク溶接では困難な板継ぎ方法が使われるようになっている。そのため、愛知産業は板継ぎのアーク溶接工法に代わり、誰でも管単に溶接ができ、かつ板厚が薄くなればさらに使い勝手が良くなる抵抗溶接法として、仏ARO社のトランス技術を利用したフープ材つなぎ用シーム溶接機を完成させたもの。
 ターゲットとしているのは、アルミ材・ステンレス材・銅・銅合金などで板厚0.5〜1.0o、幅150o程度のフープ材のユーザー。価格は溶接長150oの標準仕様で450万円。今年度10台の販売を見込んでいる。なお、同溶接機は10月23日から3日間、同社館林工場で開催される「第2回技術開放実演会」に出展される。



三菱アルミの人事異動と機構改革
(10月1日付)【人事異動】▽技術・開発部長(生産・開発本部技術部長)取締役淵澤護郎▽東京支店長(管理本部業務部長)取締役野村明弘▽業務部長(圧延事業本部板事業部主幹)飯田直哉【機構改革】@本部制を廃止A東京支店を新設し、コンデンサ箔・容器・日用品を除く各営業機能を各事業部から東京支店に移管B技術・開発部を新設し、同部内に技術統括室(現在の技術部を改称)及び技術開発センターを設置。各事業部の責任の明確化および組織の簡素化が狙い。




《あの会社・この工場》
電子材等高機能材に力点
………古河カラーアルミ
 古河電工はこのほど、100%子会社で国内唯一のアルミ専用カラーコーティングラインを保有する古河カラーアルミ(宇都宮市、川島正平社長=写真)を公開した。古河・スカイのカラーアルミ事業を完全統合し、カラーアルミの国内シェア44%と圧倒的な力を持つ同社は電機電子材など高機能高付加価値製品の開発を一段と加速する。
【月産能力1,400d、実生産1,000d】
 立地場所はJR宇都宮駅から車で7分の平出工業団地。最大の需要地首都圏の後背地として絶好のポジション。旧古河アルミ(現古河電工)がカラーアルミに進出したのは昭和42年。将来の成長を見越して昭和48年に同社を設立、この地に国内初のアルミ専用ラインを建設、同50年から営業運転を開始した。
 因みに国内のカラーアルミメーカーは住友軽金属が住友金属建材、日本軽金属がアズマプレコートなどに委託塗装。いずれも鋼板塗装の合間にアルミを塗装する併用ライン。
 第一印象は操業開始後まもなく30年を迎えるだけに古めかしい感じだ。敷地面積24,200u、建屋面積8,260u。工場設備は主力のカラーアルミ専用塗装ラインを核に、後工程のロータリーシャーライン1基、スリッターライン1基、エンボス設備1基−−の4部門に大別される。この他、イオン交換樹脂や砂炉過器、活性炭炉過器を用いた完全クローズドシステムの廃水処理施設も併設。月産設備能力は1,400d、2001年度の平均実生産は920d。足元の生産は電機電子材の追い風などで月産1,000dを突破、現場は残業続きだという。年商規模は約17億円。
 従業員数は現業員31名、間接要員15名の合計46名。間接要員が多いようだが、これは品質保証まで同社が担当していることによる。操業シフトは2班2シフト制で、これに残業を加えて月〜金は24時間無休止フル稼働、土〜日が完全休業となっている。若干名を増員するだけで生産能力一杯のMAX同1,400d体制になるという。
【建材4割、電機電子材3割】
 月産1,000dの用途別内訳はサイディングや屋根材など建材部門が40%、CD-ROM、DVD-COMBO、電子機器筐体など電機電子機器部門が30%、バン車、プレハブ冷凍冷蔵庫車など車両部門が20%、その他10%。車両部門は国内最大のアルミ架装会社の日本フルハーフを傘下に抱える日本軽金属の後塵を拝しているものの、その他ではいずれも業界最大シェアを誇る。
 これら主要部門のなかで建材は住宅着工の低迷やビル投資の不振などで多くを望めないのが現状。これらに替わっていま同社が最も力を入れているのが電機電子材。IT関連やPDP、DPD関連などでいま旺盛な需要を示しているからだ。例えばCD-ROMのドライブケース用の導電・潤滑・高成形性表面処理材は、ピーク時月間200d、現状でも100dペースを維持する大型のヒット商品となった。また、PDPバックカバー用の軽量・高熱放散・電磁波防止の表面処理材も今が書き入れ時。
 こうした商品開発は古河・スカイの両社が2001年10月から共同プロジェクトを編成し、スカイアルミ・深谷工場を拠点に進めているが、そのほとんどの勢力を電機電子材の開発に特化している。目下の注目商品は30〜50インチの大型液晶ディスプレイのバックアップ材で、間もなくカラーアルミバックアップ材を装着した超大型液晶テレビが市場にお目見得する。
 ただ、こうした電機電子部門は需要家の海外生産移転が顕著。同時に国内、海外を問わず価格競争も激化。一度アルミ化されたバックアップ材が価格問題から、再びカラー鋼板に戻ったケースも散見されるなど変動も大きく、早い。従って、こうした競合品との価格競争に耐え得るコスト競争力と、変化に素早く対応できる生産体制の構築が不可欠という。
【課題は稼動率60%までの向上】
 心臓部のカラーアルミ塗装ラインは素条の入口から最終の巻き取りまで全長140b。この中を分速64bのスピードでアルミ板が流れ、2コート2ベーク方式によって着色、表面処理されていく。ライン構成は上下2段式で、上段が下塗り、下段が上塗り。設計スピードは分速60bだが、生産性向上のため現状は64bまで高速化。
 製造範囲は板厚が0.1〜2.0_、板幅が630〜1,250_。使用塗料は熱硬化型合成塗料で、大日本インキ、関西ペイントなどを主力に10社以上の塗料メーカーと取り引きがあるという。実際、高機能カラーアルミは塗料の品質や性能が生命線で、そのほとんどが塗料メーカーと共同で実用化。塗料の種類は約900種、月間約200種程度を常時使用。塗装方法はロールコーティング方式による両面同時塗装。塗膜厚みは表面20ミクロン、裏面5ミクロンが標準。連続操業のため入口と出口にコイルとコイルを接合、あるいは分離するための「遊び」を作るアキュームレーターを装備しているところが珍しい。
 課題は稼動率の向上。即ち、1日20回程度の塗料替えを行なうため、その間ラインがストップ、設備稼動率は55%とまだ低い。これをスピードアップ、あるいは量産などによって60%に引き上げるのが目標。また、古い設備のメンテ、素条と塗装のリンクによるデリバリーの短縮なども大事という。              (益満)



《週間トピックス》
◆三和シヤが後付け用窓シャッター
 三和シヤッター工業は後付け用窓シャッターを開発、全国で発売した。防犯対策、省エネ効果期待で既存建物にも窓シャッターを取り付けたいとのニーズが高まっているが、従来商品は新築時の先付け用が主流で、後付け用は商品バリエーションが少ない。三和シヤッターは現在発売中の窓シャッター商品であるサンパックスリム(手動式と電動式)、電動式のABSサンパックスリム及びアルロールスリムの4商品について、基本仕様を変えずに後付けに対応できる特殊枠を開発した。外壁付け納まりの場合、新築住宅の追加工事でも対応可能。初年度販売目標は2,000セット。

◆シンポジウム「接合・溶接技術の最前線」
 (社)日本金属学会は12月10日、東京・駒場の東京大学先端科学技術研究所において、分科会シンポジウム「接合・溶接技術の最前線」を開催する。内容は、▽爆発圧着の現状と応用例(旭化成・佐藤大吾)▽摩擦接合・摩擦攪拌接合最前線(名大工・篠田剛)▽高出力YAGレーザの重工分野での適用(三菱重工・石出孝)▽常温接合の最新動向(東大先端研・須賀唯知)▽エレクトロニクス微細実装の新展開(阪大先端研・竹本正)▽マグネシウム合金のアーク溶接(阪大接合研・中田一博)▽Ni基超耐熱合金のレーザー溶接部の溶接割れ(広大工・篠崎賢二)▽アモルファス合金の接合・溶接技術(熊大工・河村能人)▽総合討論。
 参加費は正会員6,000円(11月25日までの申し込み、26日以降は8,000円)、非会員1万円(同1万2,000円)。問合せ・申込は、日本金属学会まで(仙台市青葉区荒巻字青葉、電話022-223-3685、FAX022-223-6312、E-mail:apply@jim.or.jp)。

◆東洋アルミの機構改革と人事異動
(10月1日付)【機構改革】@日本軽金属東洋アルミ事業部を会社分割より継承することに伴い、八尾製造所・群馬工場・新庄製造所・日野工場の各事業所およびエンジニアリングセンターを設けるAパウダー・ペースト事業部技術開発部を新設、研究開発部門と生産技術部門を統合させる組織を構築する【人事異動】▽パウダーペースト事業部生産部門及び技術開発部門統轄、新庄製造所長を委嘱、常務取締役池田眞和▽箔事業部生産部門担当、八尾製造所長兼アルミ箔研究室長を委嘱、取締役水野昭▽技術部門及び情報システム部門担当、エンジニアリングセンター長を委嘱、取締役羽室耕一▽パウダー・ペースト事業部日野工場長を委嘱、取締役袖岡英治▽パウダー・ペースト事業部技術開発部長、理事松藤隆。

◆アルミ労協、年末一時金方針を決定
 全国アルミ産業労働組合協議会(吉田守会長)はこのほど開催した中央幹事会で、2002年末一時金交渉における要求を「基準内賃金2.5ヵ月基準、金額で50万円以上」とする方針を決定した。今年夏の一時金は31万9,422円・1.21ヵ月(単純平均)で終結。アルミ業界の現状から、年末一時金交渉も相当な厳しさが予想されるが、「組合員の生活を守る生活一時金として獲得に全力を尽くす」ことを決議した。ただ、企業再建策を進めている単組や業績が著しく厳しい単組は要求設定を下げざるを得ない状況を踏まえ、ミニマム要求を1.5ヵ月以上とすることを決定した。なお、要求日は11月5日まで、統一交渉日は11月12日。


図・表・写真は本誌でご覧ください。