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NO.1623(2003年02月17日号)
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三菱アルミの多田社長が指針
業績急回復、累損59億円解消
ターゲットは自動車材、海外を強化
三菱アルミの03年3月期業績はリストラ効果と稼働率アップが寄与し、売上高730億円、経常利益14億円に大幅改善する。59億円残る累損は04年3月期までに解消、中期計画の最大経営課題を達成する見通し。
週1回現場に、若手と意見交換
これは多田光男社長(写真)が本紙記者と会見、明らかにした。同社長は去る6月、三菱アルミ経営立直しの切札として親会社三菱マテリアルの西川社長の抜擢人事で同社社長に就任、約7ヵ月を経過した。アルミ圧延品は自動車材向けや缶材が堅調に増加、リストラ効果もあって03年3月期は大幅増収増益の見通しで、まずは順調な船出となった。以下、同社長の話の概要。
【社長就任7ヵ月の印象】まだ勉強中だが、社長業は心休まる暇がなく、改めて大変な仕事だと思う。ただ、車での移動が多くなって運動不足になり、3sも太ってしまった。当社は目下磁気ディスク事業撤退損による累損59億円の解消、経営立直しを最大課題とした中期3ヵ年計画「DASH21」を推進、余儀なくリストラを実施してきたが、それによって社員の士気や発想がジリ貧になっては困る。従って企業の将来像を若い社員に示すことも社長として大事なことだと思う。このため、私は原則として週一回は製造現場に出掛け、若手社員と色々な話し合いを行なっている。
当社は昨年創業40周年を迎えた歴史と実績を持つ。一方、経営環境や経済状況はめまぐるしく変化している訳で、そうした変化のピッチに合わせて遅滞なく動ける組織作りや人材育成が大事だ。いずれにせよこの不況は企業経営にとって大変な重圧になっている。
【今期業績見通し】03年3月期の単体業績見通しは売上高730億円(02年3月期686億円)、経常利益14億円(同4億円)、最終利益10億円(同2億円の損失)の予定。最終段階で12億円の改善だが、@人員削減など合理化によるコストセーブ8〜10億円A稼働率の上昇B生産現場の操業コストの低減−−などが効果を上げた。反面、ロールマージンは低下し、マイナス要因となった。
部門別では操業度の高い板部門が儲け頭。建材比率を引き下げ、自動車材のウェイトが高まったコスト低減効果の顕著な押出もまずまず。箔部門はコンデンサ向け高純箔が回復したものの、個人消費需要が低迷し利益率は極めて低い。
【人員体制】02年3月末961名、02年9月末928名、03年3月末予定920名だ。中期計画が終了する04年3月には890名程度になろう。退職者の減員不補充や管理職対象の転身支援制度によってスリム化を推進する。今後も知恵でカバーすることによって労務費削減を続けていく。
目下、販価是正に全力投球
【中期経営計画】01-03年度の中計「DASH21」の課題である累損の解消は、昨年10月頃の高操業が続けば目標クリアに問題はないが、1月以降の受注の陰りが気掛かりだ。また、2-3月に正念場を迎える圧延品、箔製品のロールマージン是正の浸透も影響が大。中計達成のためにも当社は目下価格是正に全力投球中だ。一方、不採算事業の見直し、子会社の再編成(既報)も行なっている。
【製品技術開発】ウェイトが高く、伸び率も高い自動車材、缶材が中心になる。自動車材は溶湯鍛造によるエンジンマウントブラケット、押出形材バンパーなど新しい事業はほぼフル稼働状況にある。一方、缶材はボトル缶用素材を昨年10月から三菱マテリアルに納入を始めたが、年内には主要納入の1社を目指す。研究開発費は売上の2%程度になるが、必要があれば増額する。
当社は素材メーカーであり、素材開発とそれをベースとした市場開拓が何より大事だ。その点、三菱マテリアルと横の連携を強化したい。また、マグネシウム事業にも着手、将来を期待したい。
【海外展開】当社は海外関連会社4社を持つが、いずれも経営は順調で、これから一段と強化する。即ち、米国の自動車熱交のサーマレックスは目下品質向上投資を実施、タイのムアン・マックスも昨年末押出機1基を増設した。また、プレコートフィン材のタイ・バロパコンは冷間圧延機改造、品質向上投資を実施中で、今年5月には月産能力が1.5倍、1,600dに増加する。
自動車熱交材での欧州進出も課題で、既にプレFSを終了した。国内の9号押出機の増設を完了したあと、具体化することになろう。また、中国も関心があり、上海駐在事務所などを通じて勉強を始めた。
02年のアルミ二次合金出荷量
5%増、ダイカスト向け9%増
日本アルミニウム合金協会が発表した2002年暦年のアルミ2次地金・同合金需給統計によると、生産は95万7,766d、前年比4.5%増、出荷は96万6,787d、同5.0%増となった。プラスは生産、出荷ともに2000年以来2年ぶり。
部門別出荷は、▽鋳物:25万9,726d(前年比7.0%増)▽ダイカスト:49万6,364d(8.6%増)▽板:7万7,257d(7.8%減)▽押出:6万9,567d(2.9%減)▽鉄鋼:3万283d(4.3%減)▽合金地金メーカー向け:3万3,225d(1.9%減)▽輸出:361d(62.6%増)▽その他:4d(95.2%減)。
02暦年の圧延品出荷速報
板3%増、押出100万d割れ
日本アルミ協会がこのほどまとめた02暦年のアルミ圧延需給速報によると、出荷は板が131.5万dで前年比2.8%増、押出が98.7万dで同2.8%減と16年ぶりに100万dの大台を割り込み、合計は230.2万d、同0.3%の微増となった。箔の出荷は14.3万d、同7.2%増と01年の大幅落ち込みから立て直りつつある。
板は構成比34%を占める缶材がボデイ材の増加をエンド材の減少で相殺、ほぼ横這いに留まったが、箔用がコンデンサー箔の需要回復で7%増、電気機器が18%増、自動車用が3%増と内需は堅調に推移。構成比17%の輸出も中国向けなどに8%増となった。一方、押出は65%を占める建材が7%減と回復せず、自動車は14%増、一般機械は4%増と健闘したが、建材のマイナスをカバーできなかった。
箔は構成比21%のコンデンサーが37%増と01年の極端なIT不況から顕著な回復を示し、同26%の食料品も2%増と堅調。しかし、成熟市場の家庭箔、日用品は9%減と大きく低迷した。輸出も東南アジア中心に20%増と伸びた。
圧延品値上げは2-3月がヤマ場
アルミ協会正副会長が現況報告
日本アルミニウム協会の佐藤董郷会長など正副会長は1月30日、定例会見を行ない、アルミ製品の需要動向や、目下焦点のアルミ圧延品の値上げ交渉の進捗状況などについて、それぞれの立場から要旨次のように述べた。
【需要動向】02年はアルミ需要の増大、企業財務の改善など手応えのあった年だった。アルミ需要は03年に入っても自動車、IT向けは底固く推移し、環境面でもエコ素材として人気が高まっている。その結果、1〜3月は板が自動車、缶材中心に高原状態が続き、押出も自動車が牽引役となって建材の落ち込みをカバーする見通しだ。長期不振の建築向けも底を打った感じだ。箔はコンデンサー向けが02年4〜6月ほどの回復の勢いはないものの、まずまずの水準を維持。食料品も不況には強い。日用品は成熟分野として低迷が続いている。
【操業状況】アルミ板、押出ともリストラによる人員削減、設備縮小を実施したので、1〜3月もフル稼働の状態が続く見通しだ。
【ロールマージン是正】「店売りは順次浸透しつつある。直需の大口向けも値上げ提案してから3〜4ヵ月を過ぎ、折衝はヤマ場を迎えている。缶材でも有額回答を得たケースもある」(神戸製鋼)。「板、押出とも1〜3月が正念場だ」(日本軽金属)。「陥没価格の代表的な家庭ホイルなど日用品ではかなり浸透した。電解箔、プレーン箔は目下強力に交渉を進めている」(日本製箔)。
朝日アルミニウムが開発
高強度・高品質ダイカスト法
層流スクイズに比べコスト半減
朝日アルミニウム(兵庫県明石市、廣田匡讃社長)は低コストで高強度・高品質なアルミダイカスト製品の製造が可能な「HMプロセス」を開発した。現在主流となっている層流スクイズダイカスト法を上回る鋳造品質を実現する一方で、4割程度のコスト低減が可能としており、04年半ばから自動車の足廻り、エンジン廻り部品の量産に着手、初年度2億円の販売をめざす。
このHMプロセスは、@酸素置換(PF)法A局部加圧法B局部冷却法−−の3つの技術を組合せるもの。まず、金型キャビティ内の空気・水蒸気などのガスを酸素ガスに置換し、そこにアルミ溶湯を特殊な形状の湯口から、高速・高圧で粒状にして圧入する。酸素はアルミと瞬時に反応してアルミナ(Al2O3)となるため、キャビティ内は超真空状態になってガスをほとんど含まないダイカスト製品を得ることが出来る。特殊な湯口とあいまって非金属介在物も激減する。
さらに、肉厚で引け巣が残ると予想される部位を溶湯圧入後ある時間を経て、半溶融状態になった時にピストンで加圧することで引け巣の発生を抑制。これに、肉厚部に高水圧の冷却水を通すことで指向性凝固を図り、引け巣の発生を抑える。その結果、ブリスター、引け巣、ガス巣、介在物などの欠陥がほとんどない製品を得ることを可能にした。
既に同社は@とAの方法を組合せて四輪車、二輪車の足廻り部品を量産しているが、今回、@〜Bのすべての製法を適用した量産技術の開発に成功した。コストは一般ダイカスト法に比べて若干高くなるものの、層流スクイズ法よりは4〜5割低くなるとしている。
ノランダ、Mg製錬工場閉鎖へ
安値中国品の台頭で競争力失う
カナダのノランダ社は1月28日、今年第1四半期中をメドに、同社が80%出資するケベック州のマグネシウム製錬工場(Magnolaプラント)の操業を休止(工場閉鎖)すると発表した。中国産の台頭など世界のマグネシウム市場の構造変化により赤字操業を余儀なくされていることに対応するもので、20%を出資するSGFと現在協議中。
マグノラ工場は98年にノランダ社とSGFが総額13億jを投じて建設に着手、00年10月から操業を開始した。アスベスト繊維を取るために採鉱されて堆積した24%重量のマグネシウムを含有する蛇紋石の屑鉱を原料に電解法により製錬を行っている。生産能力は年間5万8,000MT、生産量は01年9,340MT、02年2万4,650MT。現在の操業率は6割近く、これまでは03年第1四半期中にフル稼働をめざしていた。
建設計画を立案した90年当時は純マグネの価格(欧州自由市場)が1.5j/ポンド程度であったが、95年の約1.9jをピークに中国品の輸出拡大に伴いほぼ一貫して下落、現在は0.8〜0.9jの水準となっている。ノランダの平均生産コストは0.85j前後という。このため、0.6j程度の中国産安価マグネシウムが世界総需要量約36万dの大半を占めるに至った中で製造コストを下回る価格での販売を余儀なくされていた。
ノランダ社は「マグネシウムの価格が1.3j程度にまで回復し、操業再開が財政上、理にかなうまで工場を閉鎖する」「少なくとも1年間は続くが、マグネシウムの価格が改善しなければさらに長くなる可能性がある」としており、事実上の完全撤退といえる。
三協ア、住宅建材2割営業増益
ビル建材も12億円の黒字計上に
三協アルミニウム工業の2002年11月期中間決算は単体、連結ともに大幅増益を達成した。連結セグメントでは住宅用建材が営業体制の強化と新商品投入による販売数量増とコストダウンの寄与で、0.6%の増収ながら、23.6%の営業増益となった。また、ビル建材も赤字物件の減少により、前年同期の9億9,200万円の赤字から11億9,200万円の黒字に転換した。
通期連結予想は売上高1.7%増、営業利益112.5%増、経常利益338.6%増。部門別収益では、▽ビル建材:売上高790億円(前期比2.6%増)▽営業利益35億円(同638.4%増)▽住宅建材:売上高1,100億円(同1.0%減)、営業利益85億円(同19.9%増)▽マテリアル・その他:売上高290億円(同10.3%増)、営業利益10億円(同300.0%増)。
単体通期の部門別増収率は▽ビル用建材3.5%増▽住宅用建材2.8%増▽エクステリア建材1.1%減▽マテリアル147.1%増−−など。
三協アルミとタカラS
住設機器の販売提携で基本合意
リフォーム市場を共同で掘り起し
三協アルミは1月29日、厨房・浴槽・洗面・燃焼機器など住宅設備機器の販売提携について、タカラスタンダード(大阪市城東区、菅野直之社長)と基本合意したと発表した。住宅リフォーム市場でニーズの高い水回り商品をタカラから調達、サッシ系ルートで販売する。三協アルミは住宅設備機器の品揃えが一気に充実でき、また、タカラは三協アルミの販売ルートの活用による拡販が可能になるなど、両社の利害が一致した。
三協アルミは従来グループ内でシステムキッチン、システムバスを内作していたが、02年12月末でこれを中止。それに代わる調達先としてシステムキッチン第1位で知名度の高いタカラと提携した。なお、サッシ大手と住宅設備機器大手との提携はトステムとINAX、YKK APとTOTOの例がある。
提携内容は@三協アルミのサッシ系販売ルートにタカラブランド製品(水回り商品、外壁ホーローパネルなど)とサービスを提供するA両社は相互のショールームを活用、共同販促イベントを企画実施し、リフォーム需要の探客、集客を図る−−など。三協アルミのサッシルートの代理店、販売店は新築住宅着工の減少などで極めて厳しい経営環境にある。このため流通に高品質でブランド力のあるタカラ商品を供給することで活性化とリフォーム需要開拓を図る狙いもある。
三協アルミが完全子会社化
富山合金などグループ4社
三協アルミは4月1日付で、富山合金、協立アルミ、三協化成及び三協工機のグループ4社を株式交換方式により100%子会社にすると発表した。株式交換比率は三協アルミ1に対して、富山合金986.32、協立アルミ1.11、三協化成3.24、三協工機40.78。
4社を完全子会社とすることで事業戦略・資本戦略への展開への一体性を高め三協グループトータルの企業価値向上を図るとともに、連結納税制度の適用に向けた条件整備の一環。
日箔前11月期、下期黒字転換
今期単体2億円弱の利益確保
日本製箔(冨永三寿社長=写真)が発表した平成14年11月期決算は2期連続の赤字となったが、IT関連需要の急回復や人件費削減効果により、営業損益は上期4億6,100万円の赤字から下期には5,300万円の黒字に、経常損益も4億1,900万円の赤字から6,300万円の黒字に転換した。希望退職26名に伴う退職加算金2億6,600万円など特損を4億円弱計上。なお、累損7億8,460万円は資本準備金などの取崩により全額償却する予定。
アルミ箔販売量は1万8,222d、前期比7%増となり、約7億2,000万円の合理化効果(人件費削減3億3,000万円、その他3億9,000万円)もあったが、売値低下によるマイナス影響約6億円で収益改善効果は1億円強にとどまった。分野別販売量はコンデンサー用2,400d(前期比比30%増)、食料品6,100d(同14%増)、日用品は2,700dで横ばい。
今期も5億5,000万円のコスト削減を目指す。内訳は人件費1億3,000万円、その他4億2,000万円。今期販売量は1万7,480dの計画。数量減だが、「日用品、特に家庭用・業務用、コンデンサー箔、一般プレーン箔など不採算品を絞り、高付加価値製品にシフトするため」。携帯電話のプリント基盤(FPC)用に圧延銅箔の需要が好調で前年比2桁以上の伸びが続いている。
なお、値戻しについては、家庭箔・業務用ホイルは一部を残して値上げがかなり浸透しつつある一方、コンデンサー、プレーン箔はごく一部で進んでいるものの、「ハードな交渉を進めている最中で、2〜3月には決着させたい」(冨永社長)。
軽金属製品協会がトップ交替
次期会長に加藤氏、専務菊池氏
軽金属製品協会は1月30日開催の理事会で同協会の首脳人事を内定した。それによると03〜04年度の会長に加藤靖弘副会長(写真上、日本アルミ社長)が昇格する。任期は2年。加藤氏は00年に住友軽金属専務から日本アルミに転身して同協会理事に就任、03年から副会長となり、03年度から第15代会長に就任予定。「全ての出席者が必ず一度は発言する役員会」を提唱、同協会の活性化と業務効率化を陣頭指揮した竹安和雄現会長(銭屋アルミニウム製作所会長)は退任する。
また、専務理事には菊池哲理事(写真下、業務部長兼取手分室長、軽金属会館取締役、兜\面処理技術研究所常務取締役)が昇格する。これは富永泰次現専務理事が内規の65才定年を迎えたことによる後任人事。富永現専務理事は当分の間、顧問として後進の指導にあたる。副会長以下の人事は今後協議する。この首脳人事は5月29日開催予定の定時総会で正式決定する。
製品協会の竹安会長が所信
実態経済は回復がポイント
軽金属製品協会の竹安和雄会長は1月30日に開催した年頭記者会見で、以下のとおり述べた。
「現在の日本経済はファンドや投機など空なる経済が幅を利かせ、人の生活に必須な商品を提供する我々会員各社が担当する実態経済が疲弊し、その先行きが不透明という困った状況にある。日本の製造業はこのところ生産拠点を周辺国に移転、人件費・材料費・物流費の安さを考えると、国内に残る製造業が生き残りを画策するのは容易ではないと思う」
「しかし、ハイテクの特殊用途や装置産業から生産される商品はまだ国内で十分やっていける。メーカーは物を造る姿勢がなければ将来の飛躍はない。特にアルミ製品はその特性の軽量化、リサイクル性、機能性を十分生かすなら、高齢化社会などの社会ニーズにあった国産の商品を今後とも提供できよう」
東洋EX社長に福田副社長
創立30周年機に若返り図る
東洋エクステリアは1月31日、同日付けで社長に福田功副社長(写真)の昇格を決めたと発表した。渡辺誉社長は代表取締役会長に就任した。同社は「当社は今年創立30周年を迎える。これを機に経営陣の若返りを図った。また、4月の新年度から福田体制が本格始動するため、その助走期間の必要もあって1月末のトップ交替となった」という。渡辺前社長(61才)は杉本英則元社長の後を受け、1期2年、社長を務めた。
福田氏はトステム住宅建材事業本部で北関東支店長、西関東支店長、販売統轄部長、副本部長を歴任した住宅建材営業のエキスパート。02年10月に東洋エクステリアに転じ、副社長にあった。
▽1969年3月、駒沢大学経済学部 卒業、トーヨーサッシ(現トステム)入社。▽1947年1月11日生まれ、56才。栃木県出身。
アルミ労協が03春闘方針
ベア要求2年見送り、雇用最優先
全国アルミ産業労働組合協議会(吉田守会長)はこのほど03春闘方針案を決めた。それによると賃上げ要求では02年に引き続きベア要求を見送り、賃金カーブ維持分として1.78%、4,750円を妥結の目安とすることにした。また、同時要求の一時金は生活保障分として健全経営企業は最低年間4ヵ月分(夏季分2.0ヵ月)、再建途上企業は同3ヵ月分(同1.5ヵ月分)とする。
執行部によると労働環境は極めて厳しく、今春闘の取り組みは「生活防衛と雇用の確保」を最優先せざるをえないという。このため、統一要求としてベア要求は掲げず、最低でも賃金構造維持分の確保、安定的所得の確保をのため統一要求を「賃金構造維持分」に設定する。
春闘日程は1月26〜27日に春闘臨時大会を開催、その後、要求ゾーン2月20〜28日、統一交渉日3月13日、集中交渉ゾーン3月18〜20日、集中解決ゾーン3月24〜28日に設定した。従って、ヤマ場は3月最終週になる。
全国アルミ労協の労働条件改善活動はここ数年、経営側に主導権が握られて他の産業との業種間格差が拡大するばかり。今春闘で顕著な成果が見られないとアルミ労協自体の存在意義が問われてくる。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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