|
このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。
 |
NO.1639(2003年06月09日号)
|
東京農工大学
通電加熱アルマイト触媒体を開発
アルミと発熱金属層をクラッド
東京農工大は耐熱アルミクラッド材を用いた通電加熱アルマイト触媒体を開発した。耐熱性に優れるうえに、触媒反応器の急速な立ち上げが可能。家庭用燃料電池向けの水素を製造するメタン水蒸気改質器などの触媒体として実用化研究が進展中。
東京農工大学工学部の亀山秀雄教授らはこのほど、1,000℃までの高耐熱性を持つ「通電加熱アルマイト触媒体」を開発した。アルミ圧延材と異種金属層を圧着成形したアルミクラッド材の表面に陽極酸化処理を施した後に、触媒金属を担持させるもの。約660℃のアルミニウムの融点以上の高温下でのアルマイト触媒体の使用とともに、触媒反応温度まで急速に昇温させることが可能。石川島芝浦機械と共同で、家庭用燃料電池向けに都市ガスから水素を取り出すメタン水蒸気改質器用触媒体としての実用化研究が進められている。
東京農工大が試作したのはFe・Ni・Cr合金層をアルミ材で挟み込んだアルミクラッド材。土台金属層の厚さは約80μmで、ニクロム線と同じ素材。通電することで発熱し、触媒体を反応温度まで加熱する働きをする。アルミ層は約40μm厚の3000系合金アルミ箔。クラッド材は通常の圧着成形で製造可能だが、表面アルミ層は公差が1μm以下と膜厚が高精度に均一であることが要求される。
成形したアルミクラッド材は約500℃で焼成した後、表面のアルミ層が完全に酸化アルミニウム(アルミナ)になるまで陽極酸化処理を行なう。処理過程で表面アルミ層と土台金属層の合金成分が相互に拡散し合うことで境界面に「傾斜合金層」が形成、アルミナ層と発熱合金層が密着した強固な接合を実現する。さらに、アルミナ層は水和処理・焼成により、直径が2〜4nm(ナノ・b=10億分の1b)の微細な孔が多数空いた多孔質のため柔軟性があり、温度変化に伴う土台金属層の伸縮に追従して剥がれにくくなるなど、優れた耐熱性を持つ。250℃から800℃までの昇温・降温を5,000回繰り返す耐熱性試験をクリアした。
完成した通電加熱アルマイト担体に様々な触媒を担持させてアルマイト触媒体とする。都市ガスの主成分であるメタン(CH4)水蒸気改質反応ではニッケル触媒を担持させるが、ニッケル塩とアンモニア混合水溶液に含浸させた後、500℃で3時間焼成して触媒を完成させる。
メタン水蒸気改質器では、メタンガスと水蒸気を混合して750℃程度に加熱することでニッケル触媒により「CH4+H2O→CO+3H2、CO+H2O→H2+CO2」の反応が進み、最終的に水素を取り出す。表面アルミナ層が多孔質となっているため、通常の粒状触媒に比較して僅かな量でも高い活性を示し、ニッケル触媒の量は10分の1程度で済む。さらに、通電加熱によりアルミナ表面温度は、室温から800℃まで7〜8秒で急速に昇温。改質器を直ちにスタートアップさせることが可能になる。
東京農工大ではクラッド材メーカーと協力して、高品質なアルミクラッド材の低コストでの量産化を目指す。また、通電加熱アルマイト触媒体として、燃料電池に使用する水素製造用のメタン、メタノール、エタノールなどの水蒸気改質反応器を始め、VOC触媒燃焼分解装置、CO選択酸化反応器、脱臭反応器、ディーゼル排ガス(NOx)処理用触媒−−など、各企業と共同で様々な用途開発を進めていく考え。
なお、軽金属製品協会を始め、協会会員会社により、アルマイト触媒技術の量産化技術を確立するために設立された(株)アルミ表面技術研究所には農工大TLOを通じて、アルマイト触媒生産技術の独占的使用許諾が与えられている。
4月の板・押出出荷、4.8%増
箔2.5%減・13ヵ月ぶり落込み
日本アルミニウム協会がまとめた4月のアルミ圧延品生産・出荷統計(速報)によると、板類は▽生産:11万9,940d(前年同月比5.7%増)▽出荷:12万2,030d(同7.4%増)となった。生産のプラスは11ヵ月連続。3月には3.2%減と7ヵ月ぶりにマイナスを記録した出荷もプラスに転じた。引き続き、印刷板、乗用車部材、真空装置向けの厚板材やIT・OA機器向け、輸出が好調に推移。年度末需要の平準化で3月には大幅減となった缶材もプラスとなった。
また、押出類は、▽生産:8万2,381d(同2.9%増)▽出荷:8万338d(同1.0%増)。ともに8ヵ月連続でのプラスとなった。主力の建設向けの低迷を乗用車用部材、IT・OA機器向けの堅調な需要がカバーした。
はくは、▽生産:1万2,290d(同0.8%減)▽出荷1万2,053d(同2.5%減)。生産、出荷ともに、マイナスは13ヵ月ぶり。
02年度自動車向け出荷15%増
缶材2%減、建設向け3%減
2002年度の板類出荷量は133万6,893d、前年度比6.6%増と2年ぶりにプラスに転じたが、過去最高である2000年度の134万8,453dを0.9%下回る水準。押出類の出荷量も100万1,092d、同1.9%増と2年ぶりのプラスだが、96年度の過去最高127万7,702dに比べ21.6%減の水準にとどまった。
需要部門別では、缶材が42万6,510d、2.2%のマイナスとなったものの、自動車向けが25万4,243d・15.3%増と2桁の伸びを確保。電子通信装置向けも4万2,574d、20.7%増と大幅に伸びた。半面、建設向けは板材が2.4%増となったものの、押出は64万1,940d、3.4%減とマイナス基調を脱しなかった。
アーレスティの「NI鋳造法」
サスペンション部品で初採用
アーレスティは23日、富士重工業の新型「スバル・レガシィ」に同社独自開発の鋳造法「NI鋳造法(New Injection Method)」によるサスペンション部品が採用されたと発表した。採用された部品は後輪サスペンションのアッパーリンク(ターボエンジン車)。従来は鋳鉄製で1,840gの重量があったが、NI鋳造法によるアルミ化で1,155gと37%の軽量化を実現した。NI鋳造法による部品の採用は初めて。
NI鋳造法は、アルミダイカストの生産性を維持しつつ、鍛造並みの剛性や信頼性を持つ工法。金型内に注入される溶湯アルミの熱伝導を抑制する粉体離型剤を金型表面に塗布。さらに、溶解炉から直接金型へアルミを充填し高圧下で凝固させることにより、製品内部の品質を均一化し、微細な組織を持つ剛性・信頼の高い製品を実現する。
アーレスティはNI鋳造法の拡販を進めるとともに、高真空ダイカストや半凝固ダイカストなど新しい工法の開発をさらに進め、自動車の軽量化ニーズに対応していく考え。
ダイカスト大手3社の決算
自動車向け好調で収益急回復
ダイカスト専業大手3社の03年3月期連結決算は、リョービ、アーレスティの2社が大幅増益を達成。京都ダイカスト工業も経常・最終損益で前期の赤字から黒字転換した。
【リョービ】連結セグメントではダイカスト事業売上高は1,077億6,100万円・前期比8.7%増、営業利益56億6,900万円・同2.9%増に。日米の自動車向けに売上げを伸ばしたものの、プライスダウンなどもあり利益の伸びは小幅にとどまった。売上高営業利益率は5.3%と前期に比べ0.3ポイント低下。ただ、全社的な収益は、ダイカスト事業の売上げ増、「経営健全化計画」実行の効果、コスト削減などにより大幅増益に。
今期は日米ともに自動車向けが減少すると予想。プラズマテレビ、道路灯、オフィス家具など自動車以外への用途拡大を積極的に進める。
【アーレスティ】連結セグメントでは、ダイカスト部門売上高は584億3,600万円、前期比11.9%増に。主力の車両部品は国内需要が低迷したものの、輸出が好調。厳しい値下げ要請と価格競争の中で生産性の改善を中心とした原価低減活動を積極的に推進、営業利益は55億2,600万円、同61.2%の大幅増に。一方、アルミニウム部門は販売量の減少により売上高は39億1,100万円、3.1%の減収に。原価低減活動を推進したものの、営業利益は1億7,700万円、11.1%の減益に。完成品部門も売上高は40億2,800万円、25.2%の大幅減収に。特に建材部門は建設工事不況による影響を受け、営業利益は前期の3,200万円の黒字から1億4,600万円の赤字に転落した。
所在地別セグメントでは、日本は売上高569億9,300万円(前期比6.0%増)・営業利益48億8,400万円(53.6%増)、米国が売上高93億8,300万円(19.3%増)・営業利益6億1,800万円(40.8%増)。
なお、今年10月1日で京都ダイカスト工業を吸収合併するが、今期連結見通しに対する影響額は、売上高200億円、営業利益5.4億円、経常利益3.8億円、当期利益3億円。
【京都ダイカスト工業】自動車・電気通信機器関連の受注が堅調に推移、連結でのダイカスト事業売上高は147億9,400万円、前期比14.8%の増収に。営業損益は前期の1億2,200万円の損失から1億1,400万円の黒字に転換。アルミ鋳物製品・樹脂成形品等のその他事業も、主力の自動車関連の好調により売上高は26億3,600万円、16%の増収に。営業利益も2億400万円、前期比2.6倍になった。一方、内装工事はクリーンルーム工事がかげりを見せ、売上高は19億7,200万円、28.8%の減収。営業損益は前期の8,300万円の利益に対し、800万円の赤字計上となった。
スカイアルミ、経常利益4.6倍に
スカイアルミニウムの03年3月期決算は0.2%の増収ながら、80.8%の営業増益、経常利益4.6倍の大幅増益となった。採算重視の観点からコスト競争力のない分野から撤退するなど商品構成の変化に加え、「筋肉質の会社・財務体質の強い会社」を目指して実施してきた設備投資の効果が寄与した。
日立金属MPFにIMA優秀賞
カシオ向けマグネ合金製筐体で
日立金属の子会社である日立金属エム・ピー・エフは、カシオ計算機の薄型デジタルカメラ「エクシリムEX-S3」(写真)に採用され、現在量産出荷中のプレスフォージング製法によるマグネシウム合金製筐体が2003年度の国際マグネシウム協会(IMA)年間最優秀設計賞を受賞したと発表した。IMAの年間優秀賞(Awards of Excellence)は、マグネシウム合金を素材として活用した顕著な製品設計、製法、用途開発に与えられる賞。プレスフォージング製法によるマグネ合金製筐体が持つ薄肉、高剛性、高表面品質、高歩留まりという特徴により、製品薄さ11.7o、世界最軽量72g、高剛性、ヘアーライン加工による高意匠を実現したことが評価され、カシオ計算機とともに受賞した。
プレスフォージング製法はマグネシウム合金展伸材を加熱して、熱間曲げ・鍛造・絞りを同時に行う成形法。0.6oの薄板を局部的に鍛造し、0.4〜0.5oにさらに薄くするとともに、加工硬化により耐変形能を向上させることでボス、リブ出しも可能。総合歩留まり90%以上の技術を確立、薄肉でも安定した供給が可能としている。
古河鋳造、小山市に工場を移転
古河電小山事業所の遊休地活用
古河鋳造(松澤元紀社長)は26日、現在、川崎市幸区塚越にある工場を、筆頭株主である古河電工の小山事業所(栃木県小山市土塔560)内に移転すると発表した。移転先の敷地面積は約1万坪強。鋳造品事業の縮小に伴い遊休化する小山事業所の土地や建物、インフラ設備などを活用する。今年秋に着工、来年3月から年末にかけて順次、移転する。
新工場の設備規模はダイカスト鋳造機13台、加工設備12ライン。現有設備のうち3550〜2000d機4台を始めとする全自動化マシンは移設。現有の17台に比べて台数は減るものの、勤務体制の変更や全自動化マシンの操業により現行並みの生産能力を確保。将来的に、需要動向を見ながら、大型マシンの増設も検討する。
現・川崎工場の敷地面積は約7,700坪。周囲は住宅で環境問題による操業上の制約が多いうえに、手狭で将来の事業拡大も困難になることから、工場移転を計画していた。なお、本社(営業部及び業務部の一部)は川崎市内に置く。
軽圧3社の3月期業績
IT・車向け好調で利益急回復
“リストラ”効果もフルに顕現
軽圧3社の03年3月期決算は、IT・自動車関連の需要回復に加え、事業再構築・リストラ効果によるコスト削減がフルに寄与、各社とも大幅な増益となった。
【日本軽金属】03年3月期連結業績は減収ながら大幅増益を達成。物流費22億円、労務費15億円など販管費74億円の削減が大きく寄与した。
セグメント別の内訳では、メタル・化成品が売上高815億円(前期比3.9%減)、営業利益49億円(同11.5%減)。板・押出製品はIT及び自動車関連が堅調に推移し、売上高は584億円・7.6%増、営業損益は前期の6億2,000万円の赤字から10億2,700万円の黒字に転換。加工製品も、コンデンサ用電極箔などのIT関連と自動車関連が好調に推移し、売上高は2,042億円・1.7%の減収ながら、営業利益は111億円・16.2%の増益に。建材製品は厳しい市場環境の中で売上高が1,700億円、3%の減収となったが、営業利益は59億円と前期の3.3億円から黒字幅が大幅に拡大した。
新日軽の03年3月期連結業績は売上高が1,698億円・1.6%の減収ながら、営業利益51億円(前期は23億円)、経常利益12億円(同100万円)と大幅に好転。
なお、主要子会社の連結業績は(単位:億円)、▽東洋アルミ:売上高692(前期673)、営業利益46(22)、経常利益46(25)、当期利益26(15)▽日本フルハーフ:407(396)、14(17)、10(14)、5(10)▽理研軽金属:58.9(63.0)、4.5(0.6)、3.2(▲0.6)、5.2(▲8.0)。
今期のセグメント別予想は、▽メ・化:売上高800億円・営業利益55億円▽板・押出:600億円・15億円▽加工製品:2,000億円・120億円▽建材1,700億円・60億円。板・押出が49%の増益となるのを始め、メタル・化成品の収益も回復。加工製品も増益基調を維持する。
中期計画では06年度連結経常利益230億円が目標。「今後3年間、毎年30億円ずつ積み上げて達成、5円配当を実現する」(佐藤薫郷社長)。
【住友軽金属】単体は板販売数量が前年比6%増となったが、半分以上が缶材、フィン材などの輸出増によるもの。内需は缶材が微増にとどまったが、コンデンサ向けを中心に箔地が前年比3割近い伸びになるなど急回復。一般材も自動車、IT向けが大きく伸び前年比約8%増に。熱交用パネル材も増加した。押出は自動車向けに管・棒が好調。形材は熱交関係は伸びたものの、建材関係が不調。25億円の営業増益は、ロールマージンの低下による影響が110億円あったものの、数量増と30億円強のコストダウンで達成。
豪州のメタル会社SLMA、住軽商事、住軽アルミ箔、日本トレクス、岩井金属工業、日本アルミなど子会社はすべて黒字を達成するなど好調。04年3月末で一掃を目指す累損も21億円と前期の60億円から大幅に減少。単体有利子負債残高も2,733億円と前期末に比べ174億円圧縮。今期末目標は2,640億円だが、150億円程度さらに前倒しで削減する。
今期は数量ベースで、アルミ押出、伸銅品は横ばい、板は1%増の予想。10億円のコストダウンに加え、値上げ効果がフルに寄与する。
【神戸製鋼アルミ・銅】03年3月期連結決算ではアルミ圧延品の販売量は、ボトル缶向け缶材の堅調に加え、自動車向けや、IT関連需要の回復による半導体製造装置向けの厚板材の増加で前期比プラスに。ただ、製品売上高は増加したものの、アルミ地金関連事業の撤退により売上高は3.3%減に。製品販売量の増加に加え、約40億円のコスト削減効果で営業利益は44億円増益に。
今期は、建設向けや缶材で大幅な伸長は期待できないものの、板・押出ともに自動車向けの需要が着実に増加していくことから全体では前年度を上回ると予測している。
INAXトステム・ホールディングス
潮田洋一郎氏が副社長退任
INAXトステム・ホールディングスは6月27日の株主総会後の取締役会で、潮田洋一郎取締役副社長の副社長退任を決める。水谷千加古社長によると「昨年末から体調を崩し、1ヵ月ほど入院、目下回復基調にあるものの当分の間は非常勤取締役的な立場になる」という。洋一郎副社長はトステムの創業者潮田健次郎INAXトステム・H会長の長男として、水谷社長の最有力後継者として見られていただけに、今後の後継者選びに微妙な影響がありそう。
なお、同社の代表取締役はトステムから潮田健次郎会長、飛田英一副会長、INAXから水谷社長、伊奈輝三副会長の4人制だった。しかし、伊奈副会長が地元常滑市の商工会議所会頭に就任するため、取締役として残るものの代表副会長を返上する。従って同社の代表取締役はトステム2名、INAX1名の3名体制になる。
Al木材複合カーテンウォール
天然木の暖かさ表現、不二サ
不二サッシはこのほど、構造体をアルミとスチールとし、木部分を装飾材とした全く新しいタイプの「アルミ木材複合カーテンウォール」(写真)を開発した。販売開始は7月1日。初年度販売目標5億円。
耐風圧強度をアルミとスチールで負担、木材は装飾材と位置づけることで高層階への取り付けでも基本断面を大きく変えることなく可能に。外部面に接するアルミ方立材、無目材へ熱伝導率の低い特殊ポリウレタン樹脂を注入することで、高い断熱性能を実現、アルミと木材の接触面に発生する結露を抑えた。取り付け工程での作業性、取り付け後のメンテナンス性に優れている。意匠的にも外部にアルミの持つシャープさを、内部に天然木集成材の美しい木目と質感の暖かさを表現。
古河電の今年度アルミ製品売上
26.8万d、1.1%減の予想
古河電工の03年3月期におけるアルミ製品販売は、飲料缶材、自動車向け押出材が好調に推移したが、今年度は各品種とも前年度比マイナスの予想。缶材はボトル缶増と酎ハイ向けなどのアルミ缶増があるが、ビール・発泡酒需要の減少とPETボトル化の進展で横ばい。箔地はコンデンサー箔が微増となるが、全体では横ばい。自動車熱交向けは板・押出ともに、国内生産台数の減少によりマイナス予想。一方、押出では感光ドラムなどOA分野向けで増加基調が続くとしている。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
|