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NO.1667(2003年12月22日号)
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MMCのセランクス
来春メドに鋳造能力を3倍に
「第7世代」液晶製造装置にも対応
Al・セラミック複合材料を使って、製造装置向け大型機構部品の製造を手懸けるセランクスは、液晶・半導体製造装置用部品の需要拡大を受けて、生産能力の増強を進めている。液晶用ガラス基板で第7世代の1.9×2.2bサイズに対応可能な生産体制も構築する。
太平洋セメントの100%子会社で、MMC(アルミ合金基複合材)専業メーカーのセランクス(山岸千丈社長、資本金4億8,000万円)は、液晶製造装置用部品の需要増加を受けてセラミック含有のアルミ合金インゴットから成形品を鋳造する設備を増強する。来年春の稼働予定で、生産能力を現在の3倍に引き上げるとともに、縦1.9×横2.2bの「第7世代」液晶用ガラス基板に対応した装置部品が製造可能な体制を構築する。液晶製造装置向けの供給拡大を背景に、05年3月期売上高は今年度比約9割増の38億円を見込む。
セランクスが量産を手がけているMMCは、アルミ合金に強化材としてセラミックを複合化させた素材。アルミ合金並みの軽量性と鋳鉄を上回る高剛性に加え、アルミ合金の半分以下の低熱膨張、アルミ合金を上回る高熱伝導性−−などが特徴。製造方法として「非加圧金属浸透法」と「鋳造法」を確立しており、「浸透法」はセラミック含有率が約70%で、セラミックのプリフォームに溶融アルミ合金を加圧せずに浸透させて製造。一方、「鋳造法」はセラミックの含有率が約30%のインゴットから従来鋳造技術を活用して成形する。
「浸透法」は、「鋳造法」に比べて剛性が高く、熱膨張率が低いことに加え、大型部品の製造が可能になったことで液晶・半導体製造装置向けにも需要が拡大。「浸透法」の生産拠点である仙台工場では昨年、大型加熱炉1基、大型加工機5台を増設、製品サイズで2b超×2b超の大型部品の製造を可能にしている。
一方、「鋳造法」も、「浸透法」に比べて剛性が劣るものの、大型材に適しており、液晶製造装置用部品として需要が前年比6〜7割増の勢いで拡大。このため、成形を委託している協力会社の鋳造設備をセランクスが資金を投じて増強する。
現在、液晶用ガラス基板の主流は第5世代(1.1×1.3b)だが、04年には第6世代(1.5×1.8b)の大型基板を使った液晶パネルの量産がスタート。さらに、韓国メーカーは第7世代(1.9×2.2b)基板による製造ラインの導入を計画している。このため、アルミや鋳鉄では要求される高精度の機械特性に対応できない製造装置向けに、MMC製部品の需要が拡大している。
同社の01年度売上高は9.6億円と00年度の14億円から落ち込んだが、経常黒字は確保した。ただ、02年度は売上高が13億円と回復した一方、大型化対応の開発費・設備投資負担で、赤字計上を余儀なくされた。今期は売上高20億円(浸透法と鋳造法の比率は3対1)、経常収支トントンの予想。04年度は売上高38億円(鋳造品が5割強)を見込み、黒字確保を狙う。
上期圧延品設備稼働率90.7%
板類96.1%、押出類84.3%
日本アルミニウム協会によると、03年度上期のアルミ圧延品設備稼働率は90.7%で、前年度上期に比べて4.6ポイントのアップとなった。
品種別では、板類が96.1%で、昨年度の上期に比べて2.8ポイント上昇。生産能力が71万5,620dと0.1%減少した一方で、生産量は68万7,391d・2.9%増となった。
また、押出類の稼働率は84.3%で、前年同期比6.2ポイントアップした。生産能力が59万9,626d・5.5%減となる一方で、生産量は50万5,409d・2.0%増と伸びた。
ダイカスト4社の9月中間決算
需要増も、厳しい値下げ要請
ダイカスト大手の9月中間連結ではリョービは印刷機器、住建機器の好調で増益に。アーレスティは減益、東京理化工業所は赤字幅は縮小したが、引き続き営業・経常欠損に。各社とも、ダイカスト部門は数量増の一方で、厳しい価格引き下げ要請で収益面では厳しい状況となった。
【リョービ】ダイカスト事業売上は515.01億円・前年同期比2.0%減に。排ガス規制でトラック向けが増加したが、北米向け自動車輸出用や米国自動車メーカー向けが減少。PDPなど非自動車分野にも用途を拡大したが、厳しい価格引き下げ要請をコスト削減で吸収できず営業利益は25.92億円・5.5%減に。
【アーレスティ】ダイカスト部門売上は287.89億円・6.7%増に。四輪車向け部品は内需が減少したものの、一部輸出の増加で6.2%増に。二輪車向けは5.3%減。ただ、原価低減活動を積極的に進めたが、厳しい値下げ要請と価格競争の結果、営業利益は25.52億円・2.4%減に。また、アルミニウム部門売上高は16.84億円(16.4%減)、営業利益は2.3%減の8,200万円に。販売価格の低下と原料価格の値上がりが響いた。フリーアクセスフロアなど完成品部門売上高は22.4%減の18.91億円、営業損益は1,800万円の赤字に(前年度上期は1,600万円の利益)。地域別セグメントでは日本が売上高277.34億円(2.6%増)・営業利益23.02億円(7.4%減)、北米が売上高46.30億円(5.5%増)・営業利益3.12億円(38.7%増)。
なお、京都ダイカスト工業のダイカスト事業は主力の自動車部品の受注が堅調で売上高は66.66億円・1.9%増となったが、損益は1,900万円の営業欠損で、前年同期の1,500万円から赤字幅が拡大。
【東京理化工業所】固定費圧縮・経費削減の一方、競争激化による価格低下が著しく、営業・経常損益段階で引き続き赤字に。有価証券売却益3.8億円の特別利益計上で最終黒字に(前年同期は6.9億円の赤字)。ダイカスト事業は売上高44億4,200万円・12.3%増に。主力製品の汎用エンジン部品の海外生産シフト、一般産業部品の生産調整による減少が続いているものの、新規四輪部品の本格生産、都市ガスメーターの増産が寄与。ただ、赤字幅は前年度上期の2億700万円から半減したものの、1億2,000万円の欠損に。
神鋼、光輝性付加のAl板材開発
キヤノンのデジカメボディに採用
神戸製鋼はこのほど、同社のアルミ板材がキヤノンのデジタルカメラ「IXY DIJITAL L」のボディに採用されたと発表した。高強度・高成形性とともに、新たに家電・精密機器外装材用として表面処理時の光輝性も付加したアルミ材。年度内に月間30d規模の量産体制を整え、今年度に数億円程度の売上高を見込んでいる。
今回採用されたアルミ板材は、基本材がマグネシウムを添加した5000系合金材。プレス加工による深絞り・張り出し成形性に優れ、デザイン性を重視した複雑な形状に加工することが可能。また、強度も高いことから成形後の変形が生じにくく、薄肉軽量化が実現できる。
さらに、合金成分の調整や不純物の抑制、冷間圧延工程までの素材製造において金属結晶組織を均一化することで、その後の表面処理において素材に起因する不具合の発生をなくす技術開発に成功した。その結果、アルマイト表面処理工程おいて白濁色から、光の反射率の高い白金のような色合いを出すことを可能にした。
宇部興産機械がチェコに設立
ダイカスト機のサービス拠点
宇部興産機械はこのほど、チェコにダイカストマシンのアフターサービス拠点「ウベ・ヨーロッパ・チェコ・サービスブランチ・オフィス」を開設した。04年5月のEU加盟を控えて、チェコ、ボーランド、ハンガリーなど東欧諸国へは日本からダイカストマシンの主要ユーザーである自動車部品産業の進出が活発化しており、新たに拠点を設けることで迅速なアフターサービスを提供する体制を整えるもの。
チェコのサービス拠点の運営は、ウベ・ヨーロッパ社(ドイツ・デュッセルドルフ)のスタッフが英国の大手エンジニアリング&サービス会社、Beck & Pollitzer社のチェコ法人と共同で行う。
三和シヤッターが第2次中期計画
日・米・欧・中の4極体制確立へ
06年度連結売上3,150億円
三和シヤッター工業は3日、「Quadruple Core Plan(QCP4極確立計画)」と銘打った第2次3ヵ年経営計画を発表した。骨子は動く金属建材の日米欧中の世界制覇。最終06年度には連結営業利益率8.0%のエクセレントカンパニーを目指す。
【住宅・ビル着工はプラス成長】
これは高山俊隆社長が発表した。同社長は「01〜03年度の第一次は20世紀の遺産処理など守り一辺倒の経営だった。04〜06年度の第2次は経営環境も改善する見通しで、内外で攻めの経営に転じる」と述べた。以下その要旨。
【基本方針】企業価値を創造し続ける、グローバルに通用する21世紀型企業グループを目指し、日・米・欧・中国(アジア)の4極で、「動く建材」分野において確固たる地位を築く。
【経営環境】日本経済はデフレ解消が遅れ実質経済成長率は1%内外で推移。非居住(ビル・店舗・倉庫・工場他)建築着工は都市再生・工場跡地利用の促進などで概ね堅調に推移。住宅着工も団塊ジュニアの盛り上がりにより05年度からプラスに。総じて01〜03年度よりは好転する。
【数値目標】別表の通り最終06年度は連結売上高3,150億円(04年度2,900億円、05年度3,020億円)で年率3.6%の伸びを見込み、営業利益130億円、営業利益率8.0%を目標とする。
【国内事業戦略】基本はビジネスモデル再構築による既存事業の利益拡大と、隣接事業領域への展開による成長。@IT活用(60億円を投資予定)により250名削減と同等の生産性向上A変動経費の上昇抑制(03年度305億円から06年度320億円)B営業所の集約と商品専業体制への転換C防犯・防災商品の強化D間仕切り・エレベータ事業の構築(50億円)EM&Aによる周辺事業の取り込み(150億円)−−など。
【米国事業】ODCはAccess System(ドア・開閉機)、Horton(自動ドア)、TODCO(車両用ドア)の3部門の再構築を終了、04年度以降拡販に転じる。売上高伸び率年6.8%、EBIT伸び率16.6%を予定。
【欧州事業】Novofermは自律的成長と併せサービス拡大を図り、売上高年率5.1%増を計画。工場統廃合を含めEBITを倍増。
【中国事業】@エレベータで中国進出のTissen Novofermにエレベータ用ドアを供給A設計拠点として100名程度の拠点創設BODCと組んで開閉機・ガレージドアの生産販売。シャッター事業は未定。
YKK AP中間、47%経常減益
YKKの04年3月期連結中間決算は、▽売上高2,889億8,500万円(対前年同期比44.1%増)▽営業利益244億8,000万円(23.6%増)▽経常利益212億2,800万円(10.3%増)▽中間純利益174億1,500万円(46.2%増)の大幅増収増益となった。02年10月からYKK APがYKKの完全子会社になり、連結対象となったことが主因。通期見通しは、▽売上高5,568億4,100万円(前期比17.6%増)▽経常利益290億400万円(40.5%増)▽当期利益185億5,500万円(37.9%増)。
また、YKK APの04年3月期単体中間決算は、▽売上高1,528億8,200万円(1.6%減)▽営業利益31億5,300万円(41.4%減)▽経常利益28億9,600万円(46.8%減)▽中間純利益46億8,700万円(7.2%減)。なお、今期から決算期は従来の1月から3月に変更。カッコ内の伸び率は02年7月中間実績との比較。売上高販管費比率が17.2%と02年7月期中間の14.4%に比べて2.8%ポイント上昇したことで営業、経常とも大幅減益となった。
通期予想は、▽売上高3,085億1,200万円(03年1月期3,067億1,000万円)▽経常利益57億1,400万円(60億8,600万円)▽当期純利益59億1,900万円(70億8,100万円)。
上期車用Al出荷69万d・4%増
乗用車圧延4.2万d・16%増に
日本アルミニウム協会のまとめによると、今年度上期の自動車向け(二輪車を含む)アルミ製品総出荷量は68万6,916d・前年同期比4.4%増となった。製法別では圧延品が13万1,990d・10.2%増で、その中で乗用車向けは4万1,827d・15.5%増となった。トラック・バス向けも排ガス規制を背景に1万8,478d・23.9%増と大幅に伸びた。
また、四輪車向けダイカスト製品は33万2,036d・4.6%増に。鍛造品は1万3,159d・15.4%増と引き続き2桁増を確保した。
IHI、アルミ圧延用箔ミルを受注
中国洛陽首龍アルミから20億円
石川島播磨重工(IHI)はこのほど、中国・洛陽首龍アルミ箔有限責任公司(劉全成会長、河南省偃師市)から、アルミ圧延用箔ミルを受注したと発表した。受注したのは粗ミル、仕上げミル各1基で、受注金額は約20億円。IHIが中国向けのアルミ圧延用箔ミルを受注するのは、02年8月の広西南南アルミ箔有限責任公司から受注したのに次いで2基目及び3基目となる。
今回IHIが受注した箔ミルはAFC(自動平坦度制御)システム、AGC(自動板厚制御)システムと圧延セットアップシステムを備えた、高速(2,000b/分)の最新鋭箔圧延機。洛陽首龍アルミは中国国内での今後のアルミ箔の需要増加を見込み、箔ミルを新設することにしたもの。05年8月の稼働開始を予定している。
神鋼商事と新日本工機が受注
南山アルミからアルミ面削機
神鋼商事と新日本工機(大阪市、山口久一社長)はこのほど、中国・煙台南山アルミ新素材有限公司(山東省滝口市、宗建波会長)からアルミスラブインゴット加工システムを受注したと発表した。同システムは新日本工機製で、スラブインゴット表・裏/両側面面削機、スラブ搬入/搬出テーブル、寸法測定装置、反転装置、切粉処理装置などで構成。神鋼商事が主契約者となり、05年1月までに機械設備を納入、試運転完了となる予定。受注金額は約10億円。
南山アルミは02年10月の設立で、資本金54億円。アルミ製錬事業に続き、川下事業への展開を図りつつあり、神鋼商事は今年7月にアルミ熱間圧延設備(鋳造−圧延−精製の一貫製造ライン)約70億円を受注した実績がある。
上期アルミホイール生産1.2%減
輸入3.3%増、TB用は6割増に
今年度上期(4〜9月)のアルミホイール生産・販売統計によると、国内生産は695万9,604d・前年度上期比1.2%減となった。上半期ベースでのマイナスは3年連続。上期の輸入量は152万8,392個・3.3%増で、国内生産と合せた総生産量は848万7,996個・0.4%減に。
上期の国内生産を種類別にみると、乗用車用は65万9,310個・2.2%減に。ただ、一体鍛造式は12万3,905個・24.0%増と好調が続いている。また、排ガス規制特需で、トラック・バス用は3万7,614個・59.5%増と大幅に増えた。
[三協アルミの主力5工場を見る]‥‥Dサンクリエイト
月1.6万枚・年商12億円、黒字化
最新の建材用アルミ鋳造自動化設備
従業員80名、設計開発は9名
サンクリエイト鰍ヘ三協アルミ、立山アルミへの建材用アルミ鋳物製品の生産会社として92年12月に設立された新鋭企業である。三協アルミの創業者、故竹平政太郎氏の「総合建材メーカーに飛躍するならアルミ鋳物は不可欠。10年先を見据えた最新工場を建設せよ」というお声がかりで建設された。資本金は2億円。株主構成は三協アルミ91.25%、立山アルミ6.25%、その他2.5%。事業内容はエクステリア及び内外装建材用アルミ鋳物製品の製造販売。
所在地は富山県東砺波郡福野町岩武新80-1。敷地面積は4万7,082u(約1万4,200坪)、建築延面積は7,616u(約2,300坪)。まだ操業11年目の若い工場だけに内外装は新しく、将来の増設に向けた敷地も十分に確保している。総従業員数は竹平和男社長以下約80名。内訳は社員70名、パート10名。アルミ鋳物の生命線ともいわれる商品設計開発に従事するデザイナーは9名で、このうち女子社員は4名。一部外注設計にも依存している。
アルミ砂型鋳物工場というときつい・汚い・危険の3Kの代表的な職場といわれ、若者に人気のない職種の一つ。事実、過去に見学したこの種の工場では砂煙で見通しが悪く、隅々には砂が山となって溜まっているケースをよく目にしたものだ。しかし、同工場は全くその気配もなく、一部を除いてマスクを掛けた作業者もあまりいない。各エリアごとにエアーダクトを設置、作業環境の改善を目的としたセントラルクリーナーを導入しているからという。
業界最大1,800×1,500o
主要設備は大型生型自動ライン、木型製作一貫ライン(CAD・CAM)、型交換装置、砂型造型機・鋳造ライン、製品加工ライン、砂処理プラントなど。製品設計から鋳造、機械加工、梱包・搬送まで総合鋳造自動化一貫ラインとなっている。溶解炉は時間当たり2d炉1基、これに3d炉1基、2d炉1基の保持炉2基が敷設され、自動注湯機から2口同時注湯で、砂型鋳造機に溶湯が注湯される仕組みとなっている。原料のアルミ二次合金はAC7A、AC3Aが中心で、そのほとんどを住友化学の100%子会社の住化アルケム、住友商事の両社から手当てしている。
砂型鋳造の基本技術はパートナーの宮木製作所から技術移転した。鋳造機の最大枠寸法は上枠270o・下枠270o×内寸法縦1,860o×横1,500o。生砂を使用する鋳造ラインとしては業界最大クラス。製品1枚当たりの最大重量は50s、平均重量は18s程度。生産能力は3直フル稼働体制で月産250d、現行実生産は1直体制同で80〜100dで、現状の人員配置では稼働率110%で推移している。製品数で換算すると日産200〜220回転、1日当たり800枚を生産、20日稼働で月間生産量は1万6,000枚前後。
マンション用自社ブランド品も
同社の実質的な運営責任者の宮崎信之常務取締役(写真)によると、製品の80%を三協アルミに、10%を立山アルミに供給、残り10%は自社ブランドによる自社販売という。自社販売は余力設備を利用して3年前から始めたもので、共同開発オリジナル製品として主としてマンションデベロッパー各社に提供。東京と大阪に営業マンを配して自社営業を展開しているもので、「マンション用門扉が好調」。業績推移について「バブル崩壊後は苦況が続いたが、この3年は年商11〜12億円で推移、黒字を維持している。今後30%のコスト低減が課題。この分野は中国が脅威といわれるが、一段のQCDの強化、スピードのある提案活動などにより、一部の汎用品を除き中国産輸入品に置き替わることは考えられない」と見ている。 (益満)
三和タジマ、生産子会社を統合
製販一体へ、年商140億円
三和シヤッター工業系列のステンレス建材、回転自動ドアの三和タジマは、生産子会社の田島順三製作所、吉田製作所を吸収、製販一体化する方向で検討を始めた。これは三和の高山俊隆社長が3日、第2次3ヵ年経営計画発表の席上、明らかにしたもの。同計画によると「04〜06年度の向う3年間において、ステンレス事業は利益体質の確立、拡大が不可欠。このため、関連3社の経営統合による効率的生産と生産性向上、減量経営によるスリム化、付加価値商品の提供力の強化を図る」としている。
三和シヤッターグループのステンレス建材事業は重点強化事業の一つ。名門田島順三製作所の営業資産を継承。03年度のステンレスカンパニーの売上計画は95億円で、収益面では若干の水面下。3ヵ年計画では06年度売上140億円、年率13.8%の大幅増収を見込む。「旧田島の年商ピークは240億円で、140億円は難しい目標ではない。当社も東西カンパニーに専業営業マン12名を配属するなど強化する」(高山社長)という。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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