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NO.1687(2004年05月24日号)
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SUSがアルミ押出に進出
15日に福島工場着工、10月稼働
建築構造材・FA装置素材一貫生産
アルミFA装置メーカーのエスユウエス鰍ヘ今月15日、アルミ押出の福島工場の起工式を行う。FA装置用及び事業化を計画中の建築構造材向けアルミ押出形材を一貫生産する計画で、主要設備の押出機と押出技術は平和アルミ製作所から導入した。
SUS(静岡市清水尾羽105-1、石田保夫社長)の福島工場は、所在地が福島県須賀川市大字大栗字高野前。敷地面積は4万7,425uで、延床面積5,505uの工場建屋を建設する。主要設備はアルミ押出機1基及び後工程の切断・穴明け・梱包などの加工工場。溶解鋳造設備は保有せず、ビレットを内外から購入する。また、表面処理については今後の検討課題という。当初の従業員は50数名を予定する。付設する事務所棟はいま建築業界に旋風を巻きおこしているオールアルミ構造のユニークなデザインを予定。
主要設備の押出機は昨年秋に自主廃業した平和アルミ製作所の2,350d(8インチビレット)1基を導入、押出技術も平和アルミの技術者5名を再雇用した。設備能力は月間約500dだが、当面200〜300dから立ち上げる。後工程の切断・穴明けなどの加工は自社の清水工場の技術を移転する。
SUSは先端各種事業工場の製造ラインのFA(ファクトリーオートメーション)装置メーカー。その素材としてアルミ押出形材を多用する。この業界では松下電器産業やソニーなど内外の著名企業を顧客に持ち、高成長を持続するベンチャー企業として知られる。
同社がいま最も力を入れているのがアルミ建築構造材。石田社長が軽量、加工性の良さ、リサイクル性、錆が発生せずメンテナンスフリーなどのアルミの特性に着目、次世代型の建築構造材として事業化を計画、アルミ業界の先頭に立って市場開拓を進めている。住宅や一般建物の柱、梁、床材などの構造材、壁材、その他の資材として、アルミ押出材を規格品化して提供しようというもので、既にモデルプラントとして戸建て住宅や事務所等などのオールアルミ構造の建築物を全国数ヵ所に建設、実証試験中。
福島工場はこれらFA装置素材、建築構造材のベースとなるアルミ押出材を自社設備によって一貫生産する。押出・加工・梱包までの一貫化によるコストダウン、品質管理の向上、リードタイムの短縮などが狙い。
アルミ建築構造材は今後の大型需要分野として自動車とともにアルミ業界がいま最も期待する分野。ただ、日本アルミ協会など業界自体のこの分野の用途開発に対する熱意はいまひとつ迫力がなく、スピードも鈍い。そこに異業種のSUSが参入、いわば既存のアルミ業界の既成概念を打ち破った形の独自の経営手法で事業化を推進しているもので、今後の同社の動向が注目される。
2月の自動車向け出荷、2.4%増
乗用車圧延12%増、鍛造16%増
日本アルミニウム協会がまとめた2月の自動車向け(二輪車を含む)アルミ製品出荷量は12万2,603d、前年同月比2.4%増となった。プラスは3ヵ月連続。
内訳は、▽圧延品:2万3,381d(前年同月比3.0%増)▽鋳造品:3万308d(7.9%減)▽ダイカスト:6万6,648d(7.2%増)▽鍛造品:2,446d(16.1%増)。
圧延品では、乗用車向けが7,845d、11.9%増と引き続き好調な半面、トラック・バス向けは2,974d、2.4%増と減速。熱交換器は1万1,028d、0.9%のマイナスで、ホイールも12.4%の2桁減となった。
03年度Al二次合金出荷0.6%増
2年連続プラス、DC向け3.2%増
日本アルミニウム合金協会がまとめた2003年度のアルミ二次地金・同合金地金統計によると、生産量は98万4,495d、前年度比0.3%増、出荷は99万1,560d、同0.6%増となった。ともにプラスは2年連続。
出荷の部門別内訳は、▽鋳物:25万4,137d(前年度比4.7%減)▽ダイカスト:51万9,601d(同3.2%増)▽板:7万5,850d(同1.5%減)▽押出7万4,947d(同2.6%増)▽鉄鋼:3万1,013d(同1.6%増)▽合金地金メーカー向け:3万5,737d(同3.4%増)▽輸出:275d(同19.1%減)。
なお、3月単月の生産は8万8,980d(前年同月比4.5%増)、出荷は9万154d(同5.2%増)。前年同月比プラスは生産が5ヵ月ぶり、出荷が2ヵ月連続。ダイカスト向けは4万7,855d(同7.4%増)。
古河電・軽金属部門3月期
122億円の営業利益を計上
古河電工の04年3月期連結決算は、光ファイバーなど「情報通信」の不振により32億円の営業欠損を余儀なくされた中で、「軽金属」は営業利益122億円と好調。LNGタンク、半導体・液晶製造装置向け厚板をはじめ、自動車用板材、箔地、缶材、押出の各分野とも販売数量が増加。一部品種のロールマージン値上げも寄与した。今期は137億円を見込んでいるが、「控えめな計画で、上回る公算が大」という。
同社は今年3月、03〜06年度中期経営計画「古河サバイバルプラン」を発表。「軽金属」の06年度営業利益目標は172億円で、「高付加価値品へのシフト、固有技術による差別化で利益拡大に重点を置き、古河スカイは名実ともに国内のリーディングカンパニーをめざす」としている。
今年度箔需要14.7万d、2%増
コンデンサは7%増の3.9万d
アルミニウム箔懇話会(会長=田宮進サン・アルミニウム工業社長)は12日、04年度のアルミ箔需要予測を発表した。
それによると、総出荷量は14万6,500d、前年度比2%増となる。00年度の15万3,693d、99年度の14万7,179dに次ぐ史上3番目の水準。内需は2%増の13万500d、輸出は1%減の1万6,000dを見込む。
需要牽引役のコンデンサ向けは03年度上期に前年同期比13%減となったものの、下期は21%増と急回復。今年度も、デジタル家電向け拡大に加え、自動車電装分野の需要増で、少なくとも上期まで現在の勢いが続くとして、通年度で7%増の3万9,000dを予想(過去最高は00年度の4万1,041d)。
一方、食品、化学品は横ばい、日用品は減少とここ数年の基調が続くと見ている。
輸出は包装用箔の落ち込みがあるものの、約半分を占めるコンデンサ向けの好調でカバーする。
なお、田宮会長は自社の値戻しの状況について、「プレーン箔はほぼ、4月出荷分から5〜7%値上げの有額回答を得た。加工箔、日用品は5月から値上げ交渉を進める」とした。
素材入手・加工依頼に協力
インターネット上で、協会
日本アルミニウム協会はこのほど、アルミ需要拡大事業の一環として、ホームページ上に「素材入手・加工依頼のご相談コーナー」を設けた。アルミニウム材料購入や技術サービスのルートを持たない潜在需要家が、新たにアルミ製品を円滑に開発できるように、協会の会員企業が中心になって材料や加工の相談に応じる。
5月中旬からシステムの試験運用を開始。当面は圧延大手6社が相談に応じるが、05年度以降、システムの改善とともに、参加会員企業の拡大を図る。
日本フルハーフの古河社長が指針
03年売上560億円、4年連続増益
温管車・トレーラー・補修部門を強化
トラックアルミ架装最大手、日本フルハーフの04年3月期業績は売上高560億円、経常益30億円強の大幅増収増益。トラック需要の急増による。今期は売上高490億円に減少するものの、原価低減によって経常利益は前期並みの31億円を目指す。
これは7日に古河隆社長が神奈川県厚木市の本社で記者会見、明らかにしたもの。以下同社長の発言要旨。
【04年3月期業績】日軽金の決算発表前のため詳細は公表できないが、売上高約560億円(03年3月期407億円)、経常益30億円強(同10億円)の見込み。大幅な改善だが、これはリストラによって体質が強化されたところに、1都3県で実施された排ガス規制強化によってトラック生産が03年度11万5,000台(02年度7万8,000台)に急増したことによる。トラックアルミ架装の当社の業界シェアは00年度21%から、03年度33%に上昇した。
また、アルミ形材使用量は03年度1万1,468dで、02年度の8,876dから大幅に増加した。この他、アルミ板使用量は3,500d程度ある。
【04年度見通し】トラック生産は8万5,000台程度に落ち込む。従って、売上高は490億円前後に減少するが、経常利益は31億円と前期並みを確保する。その根拠は「CR21」と名付けた全社原価低減活動の効果による。同運動は2年間で20%の原価低減を目標とするが、既にこれを上回る実績が上がっている。この他、材料費の購入価格引き下げや、生産6拠点による加工費低減などを進めている。
【主要政策】04年度は@温度管理車の拡販Aトレーラー事業の拡充Bサービス・補修事業の充実に取り組む。温度管理中小型車は比較的需要が堅調だが、当社の業界シェアは22〜23%と低い。これを3年程度で28〜29%に高めたい。
また、トレーラーもモーダルシフト化で今後需要が伸びると想定される。この分野は目下4社が入り乱れて競争が激しく、撤退を計画する企業もあるようだ。当社のシェアは目下25%だが、05年度までに28%に引き上げたい。
一方、サービス・補修部門は全国組織「日本フルハーフ会」84社を軸に、協力会社を含め186社で全国をカバーしている。CS向上の観点からこの部門をより充実する。
当社はいすゞ自動車と提携関係にあるが、他の4社とも等距離で協業化を進めている。また、大手ユーザーとの直販事業も強化したい。
【生産体制】現在の生産体制は厚木本社工場を核に全国6拠点がある。生産能力は03年度で2万6,000台程度だ。先頃フルハーフ九州を増強し、同社の生産能力を年産1,200台に倍増した。これで全国の供給体制が整ったので、大型投資は当分必要ない。
【海外展開】目下の焦点は中国。国内トラック大手4社は何らかの形で中国に進出、アルミバン車などの需要が高まっている。今年後半までに中国進出の骨格を決め、05年度早々には実現する。
INAXトステムHD、営業益倍増
10月新社名「住生活グループ」
INAXトステム・ホールディングスの04年3月期連結決算は、営業利益が前期比2.3倍となった。堅調な新設住宅着工を背景に、住宅サッシ、エクステリア、衛生陶器などが好調に推移。共同開発商品を投入したバスルーム、キッチンも大幅な伸びを達成。住宅部門営業利益は136%増に。ビル部門もトステム建鐵の新規連結寄与で26%の増益を確保した。今期は、資材価格上昇、新商品投入費用などコストアップ要因があるものの、海外子会社の利益貢献で増益を見込む。
なお、同社はINAXとトステムの経営統合が3年を経過したことで、10月1日付で「株式会社住生活グループ」に社名変更する。
【07年3月期、営業益800億円】
また、07年3月期には売上高1兆1,900億円、営業利益800億円の達成を狙う。営業利益率は05年3月期の4.7%から6.7%に高める。@トータルハウジングのさらなる推進、A主力事業分野での成長・シェアアップ、Bリフォーム市場での成長、C海外事業の展開(生産・販売)により売上を拡大。一方、海外生産シフトの推進、販管費の削減でコストダウンを図る。
三菱マテ、社長に井手副社長が昇格
三菱マテリアルは10日、井手明彦代表取締役副社長(写真)の社長昇格を内定した。西川章社長は代表取締役会長に就任する。6月29日の株主総会後の取締役会で正式に決定する。アルミ事業カンパニー関連の役員人事は、馬場修一常務執行役員プレジデントが続投するほか、新執行役員に白井啓一バイスプレジデントが就任する。
三菱アルミの社長に野副氏
多田社長は取締役相談役に
三菱アルミは10日、社長に親会社・三菱マテリアルの野副明邑副社長(写真)が就任するトップ人事を内定したと発表した。多田光男社長は取締役相談役に退く。6月30日の株主総会後の取締役会で正式に決定する。多田社長の就任時はマテリアルの西川章社長の抜擢人事だったため、内外ともに驚かせたが、今回は順当人事。なお、同副社長は99年から三菱アルミ取締役を兼務。
野副副社長は87年に生野工場長を務めるなどマテリアルでは加工品の技術畑出身。91年アルミ缶の岡山工場長に就任、その後アルミ缶中心の同社アルミ事業をリードしてきた。その間、リストラによるアルミ缶事業の大幅収益改善、伸銅品事業における神戸製鋼との合弁会社設立などに手腕を発揮した。また、業界団体のアルミ缶リサイクル協会理事長を数次にわたって歴任、アルミ業界人の知己も多く、親交も深い。
1962年、立命舘大学理工学部機械工学科を卒業、三菱金属鉱業(現三菱マテリアル)に入社。92年取締役岡山工場長、98年常務アルミ缶事業本部副事業部長、99年同アルミカンパニープレジデントを経て、02年副社長に就任。1939年9月20日生まれ、64歳。佐賀県出身。
三菱マテ、アルミCOは28.3%の減益
三菱マテリアルが10日発表した04年3月期連結業績によると、アルミ事業部門は売上高1,327億円(03年3月期1,319億円)、営業利益66億円(同92億円)の増収減益となった。アルミ缶は発泡酒の増税や冷夏などの影響を大きく受け、清涼飲料向け及びアルコール飲料とも販売が低調に推移、減収減益となった。連結子会社の三菱アルミは板類が缶材の需要減の影響を受けたものの、トラック向け押出品など自動車関連需要が急増したことから、好調に推移した。
昭電・アルミ部門の第1四半期
コスト削減で20%営業増益
昭和電工の04年第1四半期連結決算で、「アルミニウム他」部門は売上高が544億2,200万円(前年同期比6.8%減)、営業利益が30億2,800万円(同20.3%増)の減収・増益となった。押出はほぼ前年同期並み、圧延品、鍛造品などは販売数量が増加。一方、熱交換器は国内販売が減少し、アルミニウム缶も減収となった。ただ、コスト削減効果が顕現し、大幅増益となった。
2月の設備稼働率89.8%
板94.9%、押出83.7%
日本アルミニウム協会がまとめた2月のアルミ圧延品設備稼働率は89.8%と、前年同月に比べ2.9ポイント上昇した。
板類の稼働率は94.9%で、前年同月比2.5ポイントの上昇。生産能力が11万8,770d、0.4%減となった半面、生産量は2.3%増加した。押出の稼働率も3.2ポイントアップの83.7%に。生産能力が9万8,321d、2.3%減となった中で、生産量は1.7%増を記録した。
19日から「自動車技術展」
日軽金、旭テックなど出展
(社)自動車技術会は5月19日〜21日、横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜・展示ホールにおいて、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2004」を開催する。
主な出展企業は、乗用車・商用車メーカー各社のほか、部品メーカー(アイシン・グループ、旭テック、カルソニックカンセイ、コーレンス、住友電工、デンソー、豊田合成、トヨタ車体、日本軽金属、古河電工、ボッシュオートモーティブシステム、ユタカ技研、ほか)、材料メーカー(伊藤忠非鉄マテリアル、大同特殊鋼、パーカライジンググループ、ほか)など。
YKK APの蘇州工場が稼働
建材部品1,500種、世界戦略工場
07年度5000万米j、従業員400名
YKK APはかねて中国・蘇州市にアルミ・樹脂サッシ用建材部品工場を建設していたが、このほど完成、去る4月27日に現地で竣工式を行なった。同社が世界8ヵ国で展開する建材工場への部品供給を目的とした「世界戦略工場」で、07年度には約5,000万USjを販売する。
現地工場は「吉田建材・蘇州有限公司」(YKK AP SUZHOU CO.LTD、略称YKK AP蘇州社)として別会社で運営。所在地は江蘇省蘇州市蘇州工業園区星龍街458号。資本金は8,000万USjで、YKK APの100%出資。社長は里村光通氏。03年8月に総投資額8,000万jを投じて着工、このほど第一期工事が完成、稼働した。同社が生産する建材部品は日本・中国をはじめYKK APグループが世界8ヵ国で展開する建材工場に供給される。これまで主力だった国内の富山県・黒部建材部品工場は順次中国に生産移管する。
生産品目はアルミサッシ及び樹脂サッシ用建材部品。具体的には戸車・ハンドル・クレセント・丁番などで、その品目は1,500種に及ぶ。生産開始は04年4月で、04年の生産額は1,500万USjを見込み、4年後の07年度には5,000万jに拡大する。第一期の従業員数は約400名。
なお、YKK APは中国において樹脂サッシの大連YKK AP社、アルミサッシ一貫工場のYKK AP深せん社が稼働済みで、YKK AP蘇州社は3社目。これで華南・華中のアルミサッシ、華北の樹脂サッシ、部品工場が出揃い、中国全土に対する供給体制が整ったことになる。
大連YKK APが完成品供給
月産8千u、06年1万5千u
YKK APの中国における樹脂サッシの生産会社大連YKK AP社(Dalian YKK AP Co.Ltd、大連市大連経済技術開発区淮河西路31号、資本金2,500j、山口博之社長)はこのほど、樹脂サッシの組立て工場が完成、4月から完成品供給を開始した。販売計画は窓面積で初年度月間8,000u、3年後の06年には同15,000uに拡大する。同時に高品質の断熱窓を供給するため、複層ガラスの生産ラインも竣工、稼働した。
大連YKK AP社は01年7月に稼働。当初は樹脂バー材、部品、ガラスを加工店に供給し、そこで完成品化する計画だった。しかし、高成長のサッシ市場に粗悪な樹脂窓が流入し、一部に樹脂窓に対する不信感・不安感が高まるなど混乱していた。このため、同社は優良加工店を育成、加工・施工指導を強化して高品質・高性能の樹脂窓の供給体制を整え、自社で完成品化した。
東洋製罐とアサヒビール
東罐にナショ缶売却で基本合意
東日本のアルミ缶事業を強化拡大
アサヒビールと東洋製罐は4月28日、アサヒビールの100%子会社でアルミ缶製造・販売の日本ナショナル製缶(中山康生社長)の全株式を、東洋製罐に譲渡することで基本的合意に達したと発表した。同日基本合意書に調印、7月下旬に正式に譲渡する。アルミ缶業界は兼業2社、専業3社の5社体制だったが、実質4社体制となる。
アサヒビールは「第二次グループ中計で掲げる成長性と効率性に優れたグループ経営を推進するが、その中でコア事業の酒類事業・飲料事業、食品薬品事業に経営資源を投入していく。パッケージのアルミ缶事業はそれを本業とする東罐に譲渡した方が当社およびナショ缶にとってもベターと判断した」とコメントした。この譲渡話は第三者機関から持ち込まれ、両社協議のうえ最終合意に達したという。
一方、東罐は「金属缶製造事業における東日本地域のアルミ缶生産能力の増強が図られる。特に当社石岡工場とナショ缶石岡工場は隣接しており、経営資源の有効活用ができるほか、生産性向上や物流費削減などコストダウンも実現できる」という。同社はこれによりアルミ缶最大手の大和製罐に肩を並べる生産設備を確保した。
ナショ缶は国内のアルミ缶需要の増大に対応し、日本軽金属、米国ナショナル缶の合弁会社としてスタート。その後アサヒビールが全株式を取得、ビール業界で唯一のアルミ缶内作会社となった。今回再びパッケージ事業を本業とする東罐に譲渡するなど二転三転したが、ようやく落ち着くところに落ち着いた。現行の資本金は10億円、従業員は232名。03年12月期の業績は売上高174億7,300万円、営業利益2億300万円。三菱マテリアル、昭和アルミ缶など他のアルミ缶専業に比べ利益率はきわめて低いのが実態で、これから東罐の主導のもとで業績改善を行なう。
石岡工場の現有設備はアルミ缶製缶ライン4系列(500ml 1系列、350ml 3系列)と蓋ライン1系列を持つ。なお、資本系列を越えた今回の経営譲渡はアルミ缶材の調達先の変更など、一部業界構図を塗り替える公算もある。
原材料高騰の価格転嫁で陳情、サッシ協会など
日本サッシ協会、カーテンウォール・防火開口部協会、日本シヤッター・ドア協会の建材3団体はこのほど、建設3団体に対し、連名で「原材料等高騰に伴う価格改善のお願い」と題する陳情を行なった。鋼板などの顕著な値上がりをスムーズに製品販価に転嫁できるよう要望した。
3団体の調査によると、主材料の鋼板は03年来から数次にわたり計30%程度の値上がりという。また、アルミ地金、ステンレス、プラスチックなど多くの資材、副資材の価格上昇も顕著で、一部は品薄状態も生じ、「合理化など自助努力で吸収できる範囲を超えている」としている。特に中小企業の経営を圧迫している。
陳情先は日本建設業団体連合会(日建連)、建築業協会、全国建設業協会の3団体。ゼネコンなどへは個別に各企業から説明する。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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