このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。

NO.1689(2004年06月07日号)

熱間鍛造のティエフオー
CAEで設計から量産まで一貫体制
05年度国内アルミ化率50%へ


 TFOは構造解析・鍛造シミュレーションにより、製品設計から試作、量産、品質管理までの一貫した体制を構築する。米国に続いてタイにも進出、世界3極に生産拠点を設けることで、自動車生産のグローバル化に対応する体制も整えた。

 熱間鍛造専業大手、ティエフオー(東京都板橋区小豆沢、戸谷克昌社長)はCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)を取り入れた製品設計から量産までの総合的なシステムを構築、6月から本格稼働する。製品設計から試作、量産、品質管理までの一貫体制を自社内に構築することで、短納期で高品質のコストパフォーマンスに優れたアルミ鍛造製品を提供、自動車メーカーの採用拡大につなげる。
 導入したシステムは、まず製品・製造開発段階で構造解析プログラム「Marc」により、自動車メーカーから提示された基本構造データをもとに、要求スペックとコストの両面から製品の最適形状を検討。さらに、作成された形状から鍛造シミュレーション「Super Forge」により、金型方案の検討と鍛造工程の設計を行う。試作金型による試作鍛造品は、品質部門で各種試験・実験により要求品質に対する検証を実施。一連の流れで得られたデータをフィードバックして部品の要求水準を満足することにより、量産の運びとなる。
 自動車メーカー各社は構造解析、鍛造シミュレーションなどによる製品の形状設計を協力会社に任せる動きを強めており、「提案型製品開発体制」の有無が受注の決め手になる。大手軽圧メーカーでは構造解析・鍛造シミュレーションの導入は進んでいるものの、「鍛造専業では初めてではないか」(戸谷社長)。
 同社は従来、四輪・二輪向け鉄系鍛造部品が主力であったが、積極的な設備拡充と生産技術開発により、サスペンションなど乗用車足回りのアルミ鍛造部品の受注・生産量が右肩上がりで伸張。国内生産拠点の福島工場(西白河郡)では、アルミ鍛造部品の受注増に対応するため、2500d、3300dのナックルプレス各1基を増設するとともに、熱処理工場を新設。北米でも、将来のアルミ鍛造工場建設に備え、01年9月米国現地法人TFO TECH(オハイオ州)の隣接地に約14万6,000uの工場建設用地を確保。自動車メーカーのアルミ足回り部品の採用動向を踏まえた上で、06年にも具体的な工場建設計画を決定する。
 一方、タイには昨年5月、資本金7,500万バーツ・100%出資で現地製造会社「TFO Tech(タイランド)」を設立。バンコクの南、アマタナコン工業団地内に総額7億円を投じて工場を建設した。敷地面積約1万9,500u、工場建屋面積約3,900u。今年3月に4000dクランクプレスが稼働を開始、8月に同じくクランクプレス1600d1基を増設する。日系自動車メーカー1社向けに鉄製クランクシャフトを月200d規模で量産を立ち上げたが、需要が極めて旺盛で、引き合いも活発なことから、将来、プレス2基で500d程度にまで引き上げる考え。また、アルミ鍛造品の需要動向を見ながら、アルミ鍛造品の生産も検討する。
 福島工場のアルミ鍛造品生産能力は月約300dあり、昨年度の生産実績は平均250d。現在、大手自動車メーカー2社向けに乗用車用足回り部品18点を量産しており、生産量は200d以上に上っている。今年は新規部品の量産が立ち上がることで、生産量は300dに達し、3300dプレスは2直でフル操業となる見込み。
 同社の04年3月期売上高は国内が約55億円、米国が4,700万米jで、グループ売上高はかねてからの目標である100億円大台乗せを達成した。今期は国内、米国ともに5%程度の増収を見込んでいる。国内売上高のうち、アルミ鍛造品の占める割合は02年3月期22.9%、03年3月期30.5%、04年3月期38.9%と拡大。世界3極の生産体制により、06年3月期のグループ売上高を120億円、国内でのアルミ化率を50%に引き上げる。


不二サッシがトップ交替
新社長にプロパーの嵯峨専務
営業強化の切札、門田氏は相談役

 不二サッシは20日、同日開催の取締役会で社長に嵯峨明代表取締役専務執行役員営業総括本部長を内定したと発表した。営業畑出身の社長は同社で初めて。門田三郎社長は相談役に退く。6月29日開催の株主総会後の取締役会で正式決定する。

 門田社長は社長5年の任期途中での退陣。やや意表をつく社長交替だが、同社長は「会社再建中期計画の最終年度04年3月期に連結・単体とも黒字化し、再建社長としての私の役目は終わった。04年度から新3カ年計画の実施に入るが、当社の最大課題は営業の強化。嵯峨専務は営業の大ベテランでその期待に応えることが出来よう。また、不二サッシ育ちの人が社長になることで内外の気分を一新、銀行管理会社のイメージを一掃したかった」と淡々と語った。また、相談役に退くことについて「取締役としてボードに残るとどうしても2頭政治に陥るし、後任社長がやりにくい」ときっぱり。
 後任の嵯峨専務は1964年、法政大学経済学部を卒業、不二サッシ工業(現不二サッシ)入社。93年取締役大阪支店長、99年常務営業本部副本部長、03年代表取締役専務営業統括本部長と西日本を中心にビル建材営業一筋。去る5月6日に門田社長から次期社長を申し渡され、一晩熟慮した上で受諾した。長身痩躯の一見大学教授風の紳士だが、熱くなって部下を叱りとばすこともしばしば。しかし、カラッとして後に残らないので叱られやすいと社内の評。即断即決即実行の行動派で、部下の面倒見の良い親分肌でもある。
 ▽1941年6月5日生まれ、62歳。兵庫県洲本市出身。趣味は営業で鍛えたゴルフで、80台前半のシングル級の腕前。アルコールはもちろんカラオケもシングル級。


不二サッシが「新中計」を策定
06年度営業利益率6%、累損一掃
 不二サッシはこのほど、04年度〜06年度の「新中期経営計画」を策定した。同社は01年度から「経営3ヵ年計画」を推進。最終年度の03年度は@売上原価率:82.4%(計画目標値85%)、A販管費比率:13%(同11%)、B有利子負債圧縮額:173億円(同142億円)を達成。販管費率は2%の未達だが、適正利潤を確保するために売上を抑えたことによるもの。販管費は111億円と、目標の124億円を上回る水準に削減。また、黒字転換目標についても、03年度には単体最終損益でも黒字を計上するなど、目標をほぼクリアした。
 新中期経営計画はこうした実績を踏まえたもので、単体における「経営目標」として、@04年3月末の繰越欠損金138億円の一掃A売上高1,000億円への回復B売上高原価率83%、販管費率11%、営業利益率6%C有利子負債/キャッシュフロー10倍以下(04年3月末650億円の負債額は500億円以下)−−を掲げた。
 この目標を実現するために@グループ再編を通じ、各事業の最適化と効率化Aビルサッシの営業力を強化して量の拡大を図るB中低層市場への全社的な取り組みC住宅建材部門の黒字化(04年度黒字化を狙う)D非サッシ部門の売上拡大E効率的な生産体制の確立F労務体質の改善による経費削減G有利子負債を500億円以下に圧縮H自己資本の増強−−などを実施する。


日本ダイカスト協会新会長
松澤古河鋳造社長が就任
 (社)日本ダイカスト協会は20日、ホテル日航東京で通常総会を開催、新会長に松澤元紀古河鋳造社長(写真)を選任、27日付で就任した。副会長は白鳥進治アイシン軽金属社長(新任)、西村仁プログレス社長(同)、浦上浩リョービ社長(再任)、鴻上光宣光軽金属工業社長(同)、高橋新アーレスティ社長(同)の各氏。また、前会長の磯貝光之アイシン軽金属顧問と前副会長の小野田元東京理化工業所名誉会長の両氏は顧問に退いた。
 松澤新会長は1932年2月生れ、53年慶大法学部卒、古河鋳造入社、87年取締役、93年常務、00年代表取締役専務、01年6月社長。


ダイカスト大手の04年3月期
リョービ連結は2桁の増益達成
 ダイカスト専業大手3社の04年3月期連結決算が出揃った。リョービは減収ながら、2桁の増益を達成。アーレスティは経常・当期利益で減益、東京理化工業所は引き続き赤字計上を余儀なくされた。
【リョービ】減収ながら2期連続の営業増益、経常利益・当期利益の過去最高更新となった。ダイカスト事業は売上高が1,063億800万円(前期比1.3%減)、営業利益61億4,800万円(同8.4%増)、売上高営業利益率5.8%(前期は5.3%)。国内外で自動車向けが堅調であったものの、円高の影響で減収に。ただ、利益面では、プライスダウンの影響があったが、「経営健全化計画」推進によるコスト削減や業務改善が寄与した。期末配当7円50銭を実施する。復配は5期ぶり。
 今期は連結・単体ともに減収・減益予想。ダイカストは国内自動車メーカーの生産減、米欧の子会社の生産減に加え、為替の影響を懸念。
【アーレスティ】ダイカスト部門は昨年10月に京都ダイカスト工業と合併したことにより売上高が681億6,600万円(前年比16.7%増)となった。主力製品である四輪部品は自動車メーカー各社の新型車投入により需要が旺盛だったものの、円高などの影響で営業利益は57億300万円(同3.2%増)にとどまった。売上高営業利益率は8.4%(前期は9.5%)。アルミニウム部門は売上高が33億9,700万円(同13.1%減)。自社製品の集約・効率化による原価低減で営業利益は1億9,900万円(同12.4%増)となった。完成品部門は、売上高が51億100万円(同26.6%増)。建材部門は、IT関係の設備投資の増加や京都ダイカスト工業子会社の近代都市開発との統合によるシナジー効果もあり、売上高が増加。営業損益は前期の1億4,600万円の損失から5,800万円の黒字に転換した。
 地域別セグメントの業績は、国内は売上高675億4,500万円(同18.5%増)、営業利益51億8,900万円(同6.2%増)。米国は外貨ベースでの売上高は増加したものの、為替の影響により円貨ベースの売上高は91億1,900万円(同2.8%減)となったが、原価低減などにより営業利益は7億1,800万円(同16.2%増)に。
【東京理化工業所】04年3月期は3期連続での営業損失、5期連続での経常損失に。ダイカスト事業は売上高89億5,900万円(前期89億5,900万円)、営業損失4億8,700万円(同3億9,000万円)を計上。2輪車の新機種の立上げ増加及び4輪車部品、船外機部品の堅調な受注があったものの、原材料の高騰や各ユーザーのコストダウン要請が一段と強まり、赤字幅が拡大した。


三和シヤ連結、29%経常増益
今期も2桁の増収・増益予想
 三和シヤッター工業の04年3月期連結は、営業・経常利益ベースで3期連続の増益を達成した。第二次3ヵ年計画初年度に当たる今期も2桁の増収増益を計画。「グローバルな規模で利益が拡大する段階に入ってきた」(高山俊隆社長=写真)。なお、決算説明に先立ち、高山社長は回転ドアの事故について、「グループを挙げて死亡事故の真実を真摯に受け止め、全力を上げて一層安全な製品作りに最優先に取り組む」との決意を表明。04年3月期の役員賞与を返上することを明らかにした。
 前期決算はステンレス事業を除いて各部門とも順調に推移。単体では住宅向け軽量シャッターは低調だったが、ビル向け重量シャッターやマンションドア、窓シャッターなどが好調。
 今期連結は、▽売上高:2,880億円(前期比15.0%増)▽営業利益165億円(同13.5%増)▽経常利益156億円(13.0%増)▽当期利益83億円(同16.5%増)と2桁の増収増益を計画。単体では、0.1%増収、2.2%営業増益、0.2%経常増益を予想。
 回転ドアの売上規模は年間約3〜4億円で、販売自粛による直接的な影響は軽微。ただ、ブランドイメージダウンによる影響として、ステンレス事業を含めて約40億円(三和シヤッター本体で30億円、三和タジマで10億円)の売上減少、約15億円の営業利益減少を見込む。
 一方、ステンレス子会社を除く他の子会社は、昭和フロントを始め堅調な業績を持続。国内子会社全体では、03年度売上高237億円(前期比3,2%減)、営業利益3億600万円(同47.9%減)に対し、今期は売上高274.3億円、営業利益3.61億円の予想。欧州ノボフェルムが年間ベースで寄与する。米国ODCも12.6%の営業増益を見込む。


住軽前期連結、27%経常増益
今期19%増、最終益も58%増
 住友軽金属の04年3月期連結は18.7%営業増益、26.6%経常増益を達成した。当期利益は連結子会社の日本アルミが特損を計上したことで予想を12億6,000万円下回った。
 単体の板販売量32.6万dは過去最高。自動車、IT関連などが好調な内需が前期比約4,000d増加。その分、2割強を占める輸出を抑制、約1,000d減となった。押出は建材向けが約600d減少したものの、注力している自動車など非建材が好調。「その他部門」ではコンデンサ箔の売上が55億円強と前期比8億円増加した。
 03年度末の有利子負債残高は単体で2,033億円(前期比120億円減)、連結で2,600億円(同133億円減)。
 日本アルミ、9.3億円の最終損
 日本アルミの04年3月期単体は売上高が160億500万円(前期比9.0%減)、営業利益9,500万円(同78.3%減)、経常損失2億9,600万円(前期は5,700万円の利益)、当期損失9億3,100万円(同5億9,700万円の損失)。新築ビル用建材の最終受注物件が大幅な赤字を計上したことに加え、工業製品の大型物件が今期にずれ込んだため、売上が減少。管理職の早期退職に伴う特別退職金4億8,300万円の計上も響いた。


住友軽金属社長に桝田専務昇格
得意分野でグループ競争力強化
 住友軽金属工業は25日開催の取締役会で、桝田和彦専務(写真)が社長に昇格するトップ人事を内定した。藤井總明社長は代表権のある会長に就く。6月29日開催の株主総会後の取締役会で正式決定する。25日夕方、桝田専務は藤井社長とともに、都内のホテルで記者会見に臨んだ。
 藤井社長は桝田専務を後継者に指名した理由として、「当社の経営改善は未だ途上にある。継続性という意味合いでも、改善策を策定し、実行の中心的役割を果たしてきた桝田専務が適任であると判断した」ことを挙げた。さらに「ものの見方に偏りがなくバランス感覚があり、経営トップとして重要な資質を備えている。管理・企画畑を主に歩んできたが、99年のメモリーディスクからの撤退も事業部門長として取り組んだほか、アルミの営業部長も務め、日本トレールモービル(現日本トレクス)で取締役経理部長として勤務するなど関連会社への出向経験もある。単なる経営スタッフではなく、企画力、実行力を併せ持つオールラウンドプレーヤーである」と評価した。
 在任5年の任期途中での交替だが、「当社及び主要関連会社における経営トップの若返りを図るためには、後継者の年齢を考えるといまがぎりぎりだろう。社長就任時から経営改善の前途にある程度目鼻が付いたらできるだけ早く交替しようと思っていた」と述べた。
 一方、桝田専務は「藤井社長在任の5年間は半世紀近い当社の歴史の中で、非常に大きな変化を遂げた時期である。選択と集中により“伸びきった”多角化事業から撤退するなど事業再構築を実施。01年度からの中期経営計画はキャッシュフローを生み出して多額の有利子負債を減らし、財務体質の強化・自己資本の充実を図ることを第一に進めてきた」「お陰様で、03年9月中間で半年前倒しで累損を一掃、剰余金を計上することができたが、ストックではまだまだ脆弱な面があり『新中期経営計画』では引き続き、有利子負債を圧縮し、事業資本を充実させていく」と述べた。さらに「ただ、これまでは投資を極端に絞り込んできた。環境の変化に対応して競争力を付けようとすれば、前向きの投資も必要。新中計でこの2つの課題をバランスを取りながら実行していくのが私に課せられた使命である。とりあえずの目標は、06年度決算での経常利益を連結、単体とも03年度実績から倍増させることである。各社の経営資源を最大限に有効活用することでグループ全体の競争力を強化していく」と抱負を語った。
 また、「藤井社長在任の5年間で当社のパラダイムは大きく変わった。昔はデパートのように、何でもかんでも数量で業界首位になるということに価値観を置いてきたが、これからは各社の得意分野の棲み分けというのが業界のあり方であろう。得意分野の競争力、真の技術開発力を付けてお客様にいろいろな提案ができる体制がこれからのポイントになる」と述べた。
【桝田和彦氏(ますだ・かずひこ)の略歴】1965年慶応大学商学部卒、住友軽金属工業入社▽92年企画調査部長▽93年軽金属第一部長▽96年取締役▽99年常務▽01年専務。42年(昭和17年)4月24日生まれ、62歳。兵庫県出身。


住軽商事社長に野世溪氏
日本アルミは渡邉氏が就任
 住友軽金属は主要関連会社のトップ交替人事も内定した。住軽商事社長には野世溪精住軽金専務取締役生産本部長・名古屋製造所長(写真・上)が6月18日付で就任する。草木迫学社長は顧問に退く。
 また、日本アルミ社長には6月29日付で渡邉一史住軽金専務取締役営業本部長(写真・下=6月1日付で住軽金副社長・日本アルミ顧問)が就任する。加藤靖弘社長は特別顧問に退く。


サッシ協会理事長に要明立山社長
「防犯普及と住建流通の適正化」
 日本サッシ協会とカーテンウォール・防火開口部協会は21日、定時総会を開催し、新理事長・会長に要明英雄立山アルミ社長(写真)を選任した。
 総会後の記者会見で、要明理事長・会長は「今年度の新規事業として、4月に『防犯性能の高い建物部品目録』が公表されたが、末端の消費者まで浸透するように広報・普及活動を積極的に進めるとともに、住宅サッシ建材の流通適正化に取り組む」と抱負を述べた。流通の適正化では、まず見積積算の透明化が課題で、今年度は各社バラバラの帳票類の標準化を図るほか、会員各社の営業担当者を対象に研修会を開催する。
 さらに、「国際化への対応の一環として、ISO/TC162への取り組みを進める。幹事国を引き受けることで、日本に適用される場合に不可欠な水密試験規格の追加認定を強力に求めていく考えで、中国とも技術交流を図りながら協力していく」と語った。
 なお、「日本サッシ協会設立50周年」、「カーテンウォール・防火開口部協会設立40周年」の記念式典を開催。業界・協会活動振興への貢献に対して、吉田忠裕YKK AP社長の経済産業大臣賞を始め、手島康博手島製作所社長、牛頭憲治協立サッシ社長ら9氏が表彰された。


大紀アルミ連結、59%減益
原料高騰・製品安で採算悪化
 大紀アルミの04年3月期連結は、売上高754億4,100万円(前期比0.6%増)、営業利益11億200万円(同59.1%減)、経常利益11億4,900万円(同58.8%減)、当期利益5億8,800万円(同56.2%減)を計上。自動車向けが好調で生産・販売重量は増加したが、原料価格が高騰、利益が圧迫された。
 部門別売上高は、アルミ二次合金地金が602億1,400万円(前期比0.2%増)、商品・原料・工業炉152億2,700万円(同2.2%増)。単体でのアルミ二次合金地金の生産実績は419億300万円、販売数量は23万2,000d(同0.4%減)。
 今期は、売上高871億円(前期比15.5%増)、経常利益19億円(同65.3%増)、当期利益10億2,000万円(73.5%増)を見込む。単体でのアルミ二次合金地金の販売数量は24万7,000d(同6.8%増)を計画。自動車メーカーの堅調な需要に支えられ、製品及び原料の価格差も徐々に回復基調にあり、収益改善を見込む。


リニアモータ採用の電動引戸
静音化・価格4割安、文化シ
 文化シヤッターは、主に病院や福祉施設などの出入り口向けに使用するバリアフリー対応のスチール製電動引き戸として、駆動部にリニアモータを採用して静音化と操作性の向上を実現した「カームスライダー・リニアモータ式電動タイプ=写真」を商品化した。6月1日より首都圏地区において先行発売する。
 従来の電動タイプとは異なり、磁石とコイル間の磁力を利用して扉を開閉するリニアモータを採用。その結果、減速ギアやドライブベルトが不要となり、開閉時の扉の走行音が37dBと同社従来品に比べて10dB以上低減。夜間や早朝に扉を開け閉めする際でも静かな操作を可能にした。
タッチスイッチやセンサ方式などの起動部品を不要としたほか、これまでは現場で取り付けを行っていた電動機構を工場で組み込んで出荷する方式にしたことなどにより、従来の電動タイプに比べて約40%の低価格化を実現した。
 標準価格は有効開口1,000o×有効高さ2,100oで34万7,000円。初年度1億5,000万円の売上を狙う。


図・表・写真は本誌でご覧ください。