このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。
 |
NO.1707(2004年10月11日号)
|
東洋アルミの今須社長が初会見
08年に営業益50%アップへ
箔は広幅4基体制、PP順次増強
東洋アルミニウムの今須聖雄社長は9月28日、記者会見し、同社の現状と今後の方針を明らかにした。同社長は03年6月に就任、今回初めて会見に応じた。以下その要旨。
【アルミ箔の設備と生産状況】箔圧延機は八尾工場に狭幅4基、広幅4基の計8基を保有する。年産能力は公称3万5,000d。かつて9基体制だったが、3年前に老朽化の著しい狭幅1基を廃棄処分した。広幅は量産品、狭幅は特殊品に使い分けているが、将来的には生産性向上・コスト低減の観点から広幅4基体制が望ましい。八尾製造所はプレーン箔と一部加工箔を生産。また、群馬工場は医薬品などGMP工場、食品パッケージなど加工箔をメーンとしている。
アルミ箔の03年度実生産は3万3,688d(日本アルミ協会統計)で、02年度3万2,831d比2.6%の増加となった。内訳は内需が3万d弱、輸出が約5,000d。内需の内訳は大まかに食料品20%弱、日用品30%弱、化学品30%強、コンデンサ向けなど電機20%強。コンデンサ向けが順調に回復、化学・食料品も堅調だったが、日用品はジリ貧状態が続いている。
【バウダー・ペーストの設備と生産状況】PP部門はアルミパウダーが日野工場、アルミペーストが新庄製造所。年産能力はPP全体で年産1万d体制で、パウダー・ペースト別の能力は公表できない。アルミペースト市場は自動車用の高級塗料向けが着実に増加、自動車用はペースト出荷量の60%、売上高で80%を占めるようになった。今後も国内向け・アジア向け輸出とも自動車用塗料用は増加する見通しで、ボールミルの増強、既存設備の自動車用への転換などで供給能力を確保する。
【中長期経営計画】社長に就任してすぐ「2008年ビジョン」を社員に示した。これは03年の営業利益(連結58億円)を08年に50%増(同87億円)にすることを基本とし、そのために社員一人ひとりが何をなすべきか考えて欲しいと要請したものだ。足元の課題をクリアすることで当社の将来が見えてくる。いま少し分かりやすく言うと、昔のように売上拡大で利益増を図ることはできないので、高付加価値品・高利益品にシフトすることで利益を確保していくが、その中で向こう5年間で利益を50%増やすにはどうすればよいか、自分で考えてくださいという主旨だ。具体的な数値目標などは申し上げられない。
なお、現状の社員数は706名で、他にパートその他約200名がいる。今後とも定年退職者の一部不補充など合理化努力を継続する。
【業績推移】04年3月期は増収増益(連結で売上高717.81億円・3.6%増、経常利益56.62億円・23.8%増)だったが、その要因はアルミ箔の需要増加による出荷量の増大、PP部門では高付加価値の自動車用の出荷増、新製品の販売増などによる。また、爪に火をともすような地道な生産性向上・コスト低減努力も寄与した。
04年度の業績見通しは上場企業でないので詳細を申し上げる必要はない。増収増益を計画しているが、上期は予算通りに推移する見通しだ。しかし、下期は原油価格上昇・諸資材の高騰・米国景気の後退など懸念材料がないわけではない。
【国際展開】アルミ箔は今やコンピュータ制御の設備が普及、どこで生産しても似たような品質が作れる。従って海外進出のメリットはない。海外産の追い上げには電子材料など高付加価値分野で先行することで対応する。PP部門は米国・欧州に子会社を持ち、欧米は対応済み。この子会社の詳細は公表できない。中国市場へは当面輸出で対応、現地生産化の考えはない。
【業界再編】現行7社体制は会社の数が多すぎて過当競争を招き、利益体質の確立が難しいという指摘は当然だ。業界再編はどの業界でも進んでいる。ただ当社と東海アルミ箔については株主の考えることで、当社が関与する問題ではない。
8月板出荷前年比15.9%増
缶材36%増、押出5.3%増
日本アルミニウム協会(野副明邑会長)が発表した8月のアルミ圧延品生産・出荷速報によると、板は生産が10万4,134d(前年同月比7.6%増)、出荷が10万9,914d(15.9%増)で、生産は12ヵ月連続、出荷は4ヵ月連続でプラスとなった。ともに8月としては過去最高を記録。主力の缶材は猛暑による需要増が続いており、昨年は冷夏の影響があったものの、35.5%の大幅増となった。自動車部材、印刷板、半導体・液晶製造装置向け厚板材なども好調。
また、押出は生産が8万1,954d(5.1%増)、出荷が8万1,560d(5.3%増)。ともに9ヵ月連続でのプラスとなった。主力の建設向けは力強さに欠けるものの、自動車部材、半導体・液晶製造装置向けが引き続き高水準で推移した。
箔は生産が1万1,173d(10.9%増)、出荷が1万1,401d(11.0%増)に。主力のコンデンサ向けが引き続き好調で、生産・出荷ともに3ヵ月連続のプラスとなった。
野副会長はこの結果について、「これまでのところ極めて好調に推移している。9月以降の見通しについては、原油価格高騰の影響など不安要因があり、慎重にウォッチする必要がある。ただ、季節要因で缶材が減る以外は、自動車、IT・半導体関連などについては今のところマイナス要因は聞いておらず、当分は現在の状態で推移しよう」と述べた。
「軽金属会6賞」を決定
小山田記念賞に本田技研
軽金属学会(佐藤薫郷会長)は9月17日開催の理事会で「軽金属学会6賞」を決定した。小山田記念賞には本田技術研究所、ホンダエンジニアリングの「大量生産車用アルミニウム部品低コスト化技術の開発」が選ばれた。表彰式は11月20日、東京工業大学大岡山キャンパスで開催される第107回秋期大会の席上で行われる。
【軽金属論文賞】▽「水素マイクロプリント法によるAl-Mg系合金中の水素の挙動解析」(長岡技科大・伊原智章/伊藤吾朗)▽「マグネシウムおよびアルミニウム軽合金におけるG.P.ゾーン形成条件の電子論的検討」(岡山大・飛田守孝/高尾和男/榊原精/竹元嘉利)▽電解コンデンサ用高純度アルミニウム箔の表面組織とエッチング挙動」(三菱アルミ・川井正彦/小西章/渡辺英雄、九州大・山田和広/梅崎智典/美浦康宏)【軽金属論文新人賞】▽「水素マイクロプリント法によるAl-Mg系合金中の水素の挙動解析」(長岡技科大・伊原智章)▽「高速フーリエ変換法を用いたセレーションの評価」(山梨大・古田昌伸)▽「Influence of Purity on the Formation of Cube Texture in Aluminum Foils for Electrolytic Capacitors」(九州大・高田尚記)【小山田記念賞】「大量生産車用アルミニウム部品低コスト化技術の開発」(本田技術研究所・福地文亮/林登/小川努、ホンダエンジニアリング・横山鎮/堀出)【高橋記念賞】▽リョービ・平田強▽Furukawa Automotive Parts(VIETNUM)・成田裕幸▽デンソー・伊東照尾▽旭テック・森下喜己【軽金属奨励賞】▽神戸製鋼・梶原桂「固溶・析出制御モデルによる純アルミニウムの品質安定化技術の開発」▽豊橋技科大・赤堀俊和「高生体融合性チタン合金の研究開発と高力学機能化に関する研究」▽住軽金・高橋昌也「アルミニウム合金の等温押出し技術に関する研究」【軽金属躍進賞】▽豊橋技科大・戸田裕之▽富山大・松田健二▽神戸製鋼・中井学。
ベナルム社株主総会無効確認
昭電佐藤専務がトップ会談へ
昭和電工が9月22日、明らかにしたところによると、同社が日本側株主6社を代表して今年7月6日に提訴したベナルム社株主総会の無効確認を求めた裁判で、9月13日に開かれた第一審裁判所は日本側株主の申し立てを却下する判決を下した。昭和電工はこれを不服として21日、上級審に上訴した。日本側株主は神戸製鋼所、住友化学、三菱マテリアル、三菱アルミニウム、丸紅、昭和電工の6社。
第一審の判決では、01年11月に施行された、ベナルム社の株式の80%を出資するベネズエラ政府機関・ガイアナ開発公団(CVG)の地位、権能を定めた「ガイアナ開発定款」が、商法やベナルム社の定款より優位であるとのCVGの主張を認めた。ベナルム社は定款で「定款の変更にはCVGだけでなく、日本側株主の出席及び賛成が不可欠である」と規定しており、昭和電工は「この規定に沿わないCVGの単独採決を有効と結論づけた」「CVGがマジョリティを持つ合弁企業の場合は、株主間の合意事項をCVGの一存で希望通りに変更できることを意味しており、少数株主としては到底受け入れられない決定」と反論している。
一方で、日本側株主は、ベナルム社より今年7月に要請を受けた@高騰したフレートの一部負担A年間9万dの出荷期間の延長−−については、一部検討に応じざるを得ないと判断している。
こうした事態の打開を図るために、日本側株主を代表して、昭和電工の佐藤龍雄専務アルミニウム事業部門長とCVG総裁が10月初旬に現地でトップ会談を行う予定。
神戸製鋼・真岡製造所
年産33万d、現有設備フル稼働
需要増には缶材輸出抑制で対応
神戸製鋼所は9月22日、真岡製造所(所長=高橋徹アルミ・銅カンパニー執行役員)を報道関係者に公開。高橋所長は「缶材の輸出を抑制、自動車用パネル、フィン材など国内一般材を増やすプロダクツミックスの見直しで需要増に対応する」と述べた。
【03年度出荷33万d、缶材57%】
アルミ・銅カンパニーの03年度単体売上高は2,095億円。生産拠点別の構成比では、真岡が64%を占め、長府製造所(アルミ押出加工品及び銅板)、大安工場(アルミ・マグネ合金鋳鍛造品)がそれぞれ、27%、9%となっている。工場敷地面積41万u、建屋面積18万u。月産能力は熱延が4万3,000d、冷延が3万4,000dで、95年以来大きな変化はない。人員は社員730名、構内外注700名の計1,430名。
同工場の03年度出荷量は33万d。月平均出荷量2万6,970dの内訳は、缶材が1万5,540d(うち、輸出3,750d)で57%を占め、次いで▽一般材2,250d▽フィン材2,120d▽PS版2,030d▽厚板1,650d▽自動車材1,260d▽自動車熱交1,140d▽箔地970dとなっている。
【厚板月産能力、2500dへ1割アップ】
現有設備での生産能力は製品ベースで約36万d。溶解能力は年間60万dに対し90%強の操業率で余力がある。「今後5〜6年ぐらいは量的拡大を追うような大きな設備投資は実施しない。需要増には缶材輸出の抑制やプロダクツミックスの入れ替え、缶材用タンデム冷間圧延機を一部、国内一般材の生産に転用することで対応可能」(高橋所長)。
需要が旺盛な厚板の月産能力は約2,200dで、実生産量は2,000d強。約500dが大安工場向け、残りは半導体製造装置用など店売りが中心。今年4〜6月をピークに納期遅れは若干鎮静化しているが、生産効率のアップなどにより来年から月2,500dに能力増強を図る。
缶材用タンデム機を一般材にも転用
全体のバランスの中で一番ネックとなっているのが薄板ライン。今年、冷延機にAFCを設置したが、さらに来年末までに、導入時期が最も早い圧延機について、0.1o厚までの冷延スピードを現在の600b/分から2倍に引き上げ、能力増強を図る。
さらに、現在3万d規模の缶材輸出を減らして、国内向け缶材や一般材を増やす。03年度における缶材の生産量は14.2万d(02年度14万d)で、内訳はボトル缶材3.2万d(同2.5万d)、ボディ材6.5万d(同6.5万d)、エンド材4.5万d(同5.0万d)。国内シェアは30%以上、また大和製罐向けの3ピース缶、三菱マテリアル・武内プレス向けの2ピース缶の2種類を手がけるボトル缶用では約70%のシェアを誇る。
昨年12月神鋼アルコアアルミを吸収した缶材工場にある2タンデム6段冷間圧延機は、従来、3〜4パスが必要であったホットコイル2o厚から0.2o厚への薄肉化がボディ材は1パスで、エンド材は中間焼鈍を挟んで2パスで可能な設備。すでに月1,000d程度規模で、フィン材の粗圧延・中間圧延を行っている。
【仕上熱延モーターを順次更新】
1974年に導入した熱間仕上4タンデム4段圧延機のモーター3基を順次更新する。直流から交流に変えるとともに、容量を現在の3,000kWから4,500kWに引き上げる。今年末に巻き取り部に近いスタンドのモーターを更新。以後、1年おきに残りの2基を更新する。投資額は1基目が制御盤などを含めて8億円、3基総額では15億〜16億円規模となる。
熱間仕上圧延の現在の能力は4万〜4万3,000d。モーター更新による能力増は1,000d程度で、劣化更新、安定供給、信頼性向上が狙いである。「ホットは劣化更新を行えば、ロール交換、熱待ちなどで生産性を上げることで、現在30%程度ある設備のダウンタイムを短縮、1割程度の生産量アップは可能」「ただ、自動車用パネル材は今後大きく増えてくると、4〜5年先には洗浄など精製ラインの能力が足りなくなる可能性があり、増設が必要になろう」(高橋所長)
現在、アルミ・銅カンパニーの減価償却額は80億円弱で、設備投資額は7割程度にとどまっている。「これまで少し我慢しすぎていたので、減価償却額の9割程度にまで引き上げるが、品質対応が主で、量を追いかける投資は行わない」
【来年度出荷、缶材の構成比は47%に】
今年度の生産量は33万dでほぼ前年度比横ばい。国内が増える半面、缶材の輸出を昨年度比1万d以上抑えており、来年度も1万d以上減らす考え。総生産量は当面、33万d±1万dぐらいの水準で推移すると見ている。また、現在は缶材が6割を占めているが、「来年は一般材が53%、缶材が47%程度と逆転しよう」。国内では欧州向け輸出が好調なエアコン用フィン材や自動車パネル材を中心に生産量を増やす。
自動車パネル材の国内シェアは「5割程度」と見ており、出荷量は上期の月850dから下期には1,000d規模になる。03年でトヨタのハイブリッドカー「プリウス」の生産量が上がっていることが大きい。
古河鋳造が社名変更
「褐テ河アルフレックス」に
古河鋳造(松澤元紀社長)は10月1日付で本社及び工場の移転を完了したのに伴い、社名を「株式会社古河アルフレックス」に変更した。アルフレックスは「Aluminum」と「Flexibility」の造語で、環境への優しさ(リサイクル可能)と、同社のビジョンである躍動と柔軟性を表現。「従前の鋳造技術に囚われず、アルミの持つ無限の可能性を追求して新しい技術の創出を目指す」としている。
なお、新本社の住所は「〒210-0015川崎市川崎区南町1-1日本生命ビル10階、電話044-222-9231」。また、小山工場は「〒323-0811栃木県小山市大字犬塚129-2、電話0285-21-2391」、小山第二工場は「〒323-0804栃木県小山市大字萱橋字野合1188-73、電話0285-49-0516」。
豊田通商
中国にアルミ合金・溶湯合弁2社
広州では大紀アルミが25%出資
豊田通商(古川晶章社長)は9月27日、中国広東省広州市と吉林省長春市にアルミ溶湯・再生塊生産の合弁会社を設立し、ともに05年初頭から稼働を開始すると発表した。中国での自動車産業の現地生産活発化にともない、日系自動車メーカーによるアルミ原材料の需要拡大が見込まれるため新会社を設立した。
広州では8月13日、大紀アルミニウム工業所(山本隆章社長)および広州汽車グループと合弁で、アルミ合金地金・溶湯生産会社の「広州捷士多アルミ合金有限公司(GAST)」を設立した。資本金は400万jで、豊田通商が50%、大紀アルミが25%、広州汽車集団零部件有限公司(広州汽車工業集団有限公司の100%子会社)が25%出資。董事長には山内直登豊田通商取締役が就任した。従業員数は24名。合弁会社は約9億円を投じて年産能力2万2,000dの工場を建設、5年後の売上高は約35億円を計画している。
また、長春では7月22日、中国第一汽車グループと合弁で「長春通利アルミ合金科技有限公司(CAST)」を設立した。資本金は255万j。豊田通商が70%、中国第一汽車集団公司の100%子会社である長春一汽総合利用有限公司が25%出資した。董事長には同じく山内直登豊田通商取締役が就任、従業員は19名。約6億円を投資して年産能力1万2,000dの工場を建設、5年後に売上高約25億円を見込む。
豊田通商は、インドネシアスラバヤ近郊(IST)の他、大紀アルミなどと合弁で米国セントルイス(MOST)、ポーランド(POLST)でアルミ溶湯・再生塊生産会社を運営。大紀アルミはマレーシア(アマルガメイテッド・アルミニウム・アンド・アロイズ)、タイ(ダイキ・ニッケイ・タイ)でもアルミニウム合金地金および溶湯の生産で進出している。
トヨタ自動車は広州汽車集団および第一汽車集団と合弁で、それぞれ広州と長春に自動車用エンジンの生産工場を設立済み。豊田通商の合弁拠点はアルミの溶湯供給を需要家の隣接地で行うことで、素材供給のコストダウンと環境負荷の低減を実現する。
新日軽が高級断熱玄関ドア発売
最高グレードの防犯性・機能性
新日軽はこのほど、高級断熱玄関ドア「ジェイイズム」を新発売した。アルミ(CB材)、木目柄、ガラスの異素材コンビネーションによる斬新なデザインに、最高グレードの断熱性能・防犯性・機能性を持たせた。
ガラス廻りの額縁やモールなどの装飾部分を極力取り除き、同社独自のCB素材(低光沢・マット調)と木調の面材(横目柄・縦目柄)、およびミストガラスそれぞれの質感を活かしたデザインコーディネートにより、流行のシンプルモダンを表現。また、K1.5仕様断熱性能・防犯性の高いディンプルシリンダー錠の標準装備、さらに業界初のドアクローザーのオプション採用など、同社では性能・機能ともに最高グレード。初年度6,000セットの販売を狙う。
関連労協の小川新会長が方針
業界正常化で政策・制度活動展開
まずサッシの取引慣行の是正から
去る9月6日の定期大会でアルミ関連労協の会長に就任した小川進不二サッシ労組委員長(写真)は24日、会見し、今後のアルミ産業の労働組合運動の取り組みについて次のように述べた。
「当関連労協はアルミ労協とJAM建材アルミ部会が組織統合、今年2月に新発足した労働団体である。新組織は言うまでもなくアルミ業界で働く者の生活の維持・向上を目的としたものであり、従来アルミ労協で進めてきた業界正常化の取り組みに加え、国の政策・制度に訴えることのできる強力な組織を目指したものである」
「実際、主力組合のサッシ各社は取引先のゼネコン、ハウスメーカー大手の値下げ要求に抗し切れず、値下がり傾向が強まっている。企業収益の悪化は労働条件の悪化に直結するわけで、まず、適正な利益を確保するため業界正常化を旗印に、取引慣行の是正を政策・制度面から実施できないかどうか、国会議員・学識経験者を交えて検討していく。同時に年3回程度の労使会議を復活させ、業界正常化に対する経営側の意識を高めるとともに、経営責任を追求していく」
「組織拡大も重要な課題。アルミ関連の未加盟大手組合に参加を呼び掛けていくが、YKK APなど一部からかなりの感触を得ている。このほか二次地金、箔の労組にも接触していく。今後、政策展開や未加盟大手への参加を呼び掛けるには、まず当関連労協の結束力・組織力がベースになる。加盟各単組の全面的な支援をお願いしたい」
吉田前会長は年金基金理事長へ
アルミ関連労協の吉田守前会長は5年の任期を全うした感想を「一番印象に残るのは、国内のアルミ製錬撤退に絡んで昭和52年に労使一体となって国会にデモ請願したアルミ産業危機突破大会だ。今年発足したアルミ関連労協の下地作りも大変だった。今後とも後輩の活動を見守っていく」と述べた。吉田氏は10月26日付けでトステム年金基金理事長に転じる。
不二サが連結納税制度導入へ
不二サッシは05年度から連結納税制度を導入することを決め、このほど承認申請を行った。連結納税対象会社は親会社である同社と、同社が発行済株式の100%を直接・間接に保有する子会社26社となる予定。
同社は現在、04〜06年度「中期経営計画」に基づき、グループ各社の結束をより強固なものとし、グループ全体の最適化と効率化を図る一体経営の実現を目指している。そのための基盤づくりとして、大証・福証に上場していた連結子会社の九州不二サッシを今年10月1日付で株式交換により完全子会社とする。今回の連結納税制度の採用は、一体経営の実現・連結経営強化の一環として、同社グループの実態に合った適切な納税の実現を図るのが狙い。
YKK APが集合住宅向けプロジェクト窓
YKK APはこのほど、昨春発売の集合住宅向け商品「R's」シリーズに、従来のスライディング窓に加え、室内外に開くプロジェクト系窓「R's 70PR」をラインアップした。
「R's」シリーズのコンセプトである『基本』『機転』を盛り込み、さらに操作性、安全性、メンテナンス性、意匠性など、同社オリジナルの機能を多数備えた。窓種バリエーションは、縦すべり出し窓、内倒し窓と、大開口へ対応したビューウインドウ(写真)の品揃え。初年度販売目標は1億円。
マグネ成形セミナー開催
「成形用Mg合金材料の進化」
日本マグネシウム協会は10月19日(火)午前10時〜午後5時、江戸東京博物館(東京都墨田区横網)で第6回マグネ成形セミナー「成形用マグネシウム合金材料の進化」を開催する。
内容は▽低環境負荷材料としてのマグネシウム合金、その現状と可能性(京都大学教授・馬渕守)▽マグネシウム薄板コイルの製造技術と諸特性(日本金属技術研究所所長・八代利之)▽MEL社のマグネシウム合金圧延材(森村商事・宗孝子)▽ティミンコ社のマグネシウム合金圧延材(ティミンコ社開発部長・スコット・ショック)▽マグネシウム合金押出材の製造と特性(三協アルミニウム工業マグネ事業推進室・向山準)▽最近のマグネシウム合金展伸材の特性(大阪冨士工業マグネ事業部長・清水亨)▽マグネシウム合金の鍛造成形による製品化事例−−マグネシウム軽量ペンチ(協同組合三条工業会専務理事・涌井清次)。
参加費は会員2万円、非会員3万円。問合わせ・申込みは電話03-3538-0230まで。
《訃報》
堀込聰夫氏(ほりこみ・としお=元不二サッシ社長)9月20日、胃がんのため死去、84歳。告別式は近親者のみで行った。後日、お別れ会を執り行うが、日取りなどは未定。喪主は妻の絢子(あやこ)さん。
堀込氏は大正9年6月生れ、東大法学部卒、元大蔵省理財局次長、元埼玉銀行(現りそな銀行)専務を経て、昭和53年不二サッシ工業及び不二サッシ販売社長就任、平成2年代表取締役会長、8年6月特別顧問に。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
|