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NO.1714(2004年11月29日号)

古河スカイ・小山鋳鍛工場
鍛造設備を全面集約、日光を移転
大中小4基体制、油圧で世界最大級に


 古河スカイ(加藤仁社長)は05年7月をメドに、日光鍛造工場の設備を小山事業所鋳鍛工場に移転、集約する。同工場は航空機材、半導体・液晶製造装置用部材など大型製品から、小型精密製品まで幅広い需要に一元対応できる体制が整う。

 移設するのは日光鍛造工場の3000d水圧鍛造プレスで、これを油圧式に改造する。これにより小山鋳鍛工場は1000d、3000d、5000d、新稼働した1万5000d油圧プレスの4基体制となり、油圧鍛造工場としては国内最大、世界でも最大級の大型工場に変わる。
 小山鋳鍛工場では現有1000d1基、5000d1基を保有していたが、去る10月の国内最大の1万5000dプレス導入にともない、鍛造専用工場(延床面積約8,470u)を新設した。これは既設建屋(3,900u)に4,570uを増築した。
 一方、日光鍛造工場には3000d、2000d、1000dの熱間水圧プレス各1基を保有していたが、このうち3000dプレス1基を小山に移設。残り2基は廃棄する。
【1.5万d超大型機も操業開始】
 古河スカイのアルミ鋳鍛造部門の売上高は年間約60億円で、内訳は鋳造14億〜15億円、鍛造45〜46億円。事業の選択と集中を進めてきた中で、鋳物は石膏金型による自動車用精密鋳造部品に特化するとともに、量産品の主力生産拠点をベトナムに移管、国内は研究開発主体のマザー工場に移行しつつある。一方、鍛造事業も同業他社がメカニカルプレスによる自動車部品量産化を目指すのに対し、自社の固有技術を生かす油圧プレスを中心とした高機能品に特化、量産品は関連会社の東日本鍛造に委託するなど事業体制の見直しを進めている。古河スカイは設備投資の大半をアルミ板の福井工場に集中投入してきたため、鋳鍛事業の設備の近代化や新設投資が遅れていたが、ここにきて超大型プレスの導入、小山工場への設備集約など一気に体制整備が進展する。
 増設した1万5000dプレスは、最大ストローク2,500o、テーブル寸法4×3b。現有の5000dプレスがそれぞれ700o、2×2bであるのに比べ、2〜3倍の大型部材の鍛造が可能。型打ち鍛造、自由鍛造の両方に対応可能なほか、3本のシリンダー(各5000d)の稼働・圧力制御によって、加圧力は300dから1万5,000dまで自由にコントロールできるなど汎用性が高いことが特徴。最大重量6dまでのスラブのハンドリングが可能なドイツ・グラマ社製の最新マニプレーターも導入した。「10年、20年先の需要まで見据えた最新設備で、アルミの油圧鍛造工場としては鉄を含めても日本最大級」(福島洋二鋳鍛工場長)。
 現在の生産能力は月120dで、航空機用部材、
液晶製造装置用大型材などでフル生産にある。1万5000d増設と3000dの移設で、生産能力は3.5倍に増加、月間400dとなる。
 既に、これまで1000d、5000dプレスで生産していた製品の一部を1万5000dプレスで鍛造しており、1シフト操業で稼働率は6〜7割に達している。航空機向け出荷が本格化する07〜08年には3直フル稼働を見込んでいる。


8月の軽圧品設備稼働率85.9%
板類87.8%、押出類83.6%
 日本アルミニウム協会によると、8月のアルミ圧延品設備稼働率は85.9%となった。7月に比べると15ポイントの低下ながら、前年同月比では6.1ポイントの上昇。
 品種別では、板類の稼働率が87.8%で、前年同月比6.6ポイントアップ。生産能力が11万8,670d、0.5%減となる一方で、生産量は10万4,134d、7.6%増となった。ただ、今年の7月に比べると18.0ポイントの落ち込みで、6ヵ月ぶりに100%を下回った。
 一方、押出類の稼働率は83.6%で、前年同月比5.5ポイントの上昇。生産能力が9万7,621d、2.3%減になる中で、生産量は8万1,652d、4.7%増となった。今年の7月の稼働率に比べると11.3ポイントの低下。


昭和電工HDトーレス社
台湾で新体制発足の祝賀会
 昭和電工が04年7月、傘下に吸収した台湾のHDメーカー・トレースストラージテクノロジー社は11日、大橋光夫昭和電工社長、ジェフリー・クー台湾中国信託商業銀行董事長など関係者約130名の出席のもと、現地で新体制のオープニングセレモニーを開催した。同社は同日付で社名を「昭和電工HDトレース社」に改称した。
 昭和電工は高品質HDの生産・供給体制を整えるため、03年に三菱化学・シンガポールHD事業を買収、04年に台湾・トーレス社への技術供与・資本参加を行なうなど積極的な供給能力増強を進めている。トレース社の場合は資本金の66.6%を取得し、80ギガバイトHDの生産技術を供与しするとともに、デスクトップ型パソコン用HDの供給拠点として拡充、将来的には小径HDの技術移転も行なう。
 昭和電工グループはHDの世界シェア25%を握る最大手だが、今年末までに千葉工場月産420万枚、シンガポール同350万枚、台湾同300万枚、計同1,070万枚体制に増強、世界最強の地位を不動のものにする。


神鋼の中山アルミ・銅CPが方針
連結営業益170億、前倒し達成
収益力強化、鉄に次ぐNo.2へ

 神戸製鋼の中山裕之専務アルミ・銅カンパニープレジデントは12日、決算概要・当面の見通しについて、「今年度連結は中計目標を1年前倒しで達成。次期中計では収益力をさらに強化、鉄鋼に次ぐNo.2の事業部門にしたい」と述べた。以下、会見要旨。

 04年9月期決算は連結で売上高が1,459億円(前年同期比18.8%増)、営業利益が85億円(同18.1%増)の増収増益となった。自動車、IT向けの好調に加え、ボトル缶用缶材や、猛暑の影響でエアコン向けフィン材、銅管の販売数量が大幅に増加。価格改善も目標としていた水準にほぼ近い線まで実現した。下期は半導体向けなどで若干調整局面があろうが、ドラスチックな落ち込みはないと見ており、通期で売上高2,850億円(前期比17.5%増)、営業利益170億円(同13.9%増)を計画。「03〜05年度連結中期経営計画」における目標を1年前倒しで達成しよう。
 アルミ板フル生産、高水準横ばい
 今年度のアルミ板販売量は32万2,800d、前年度比0.8%増を見込んでいる。
 缶材出荷量は17万7,300d(前年度18万2,600d)の予想。国内は14万3,600d(ボディ材10万d、エンド材4万3,600d)で、前年度実績の13万8,500dに比べ3.7%増となるが、輸出は3万3,700dで前年度の4万4,000dから26.7%減らし、その分を国内に振り向けている。来年度の輸出は1万5,000d程度とさらに減らす計画である。
 飲料アルミ缶出荷量は03年度実績174億缶に対し、今年度は178億缶にとどまるが、その中でボトル缶は19億缶から26億缶に37%増える。神鋼は缶材全体では30%程度のシェアだが、ボトル缶向けでは70%程度を占めている。
 また、一般材は14万5,600d、前年度比3.9%増を見込んでいる。熱交材、フィン材、印刷板など、自動車パネル材を除いてフル生産にあり、ほぼ横ばいで推移している。そのうち厚板は上期で月2,200d程度の出荷量。下期は半導体・液晶関係で若干の落ち込みを予想するが、受注残が相当あるので、ほぼ2,200dの水準で推移しよう。印刷板は月2,000d程度、箔地は月約1,000dの出荷量である。
 自動車パネル材の出荷量は今年度で月約950d。今年の国内市場は約1万dで、神鋼のシェアは約5割と見ている。適用車種が増えており、05年は市場規模が3万dに増える中で、当社の出荷量は月約1,500d、06年には同1,900dを予想している。鍛造品の自動車足廻りのサスペンションも絶好調で、現在月27万〜28万個規模のフル生産にある。
【押出は工場レイアウト改善でコスト減】
 押出は月4,000d近く生産しているが、収益面では同業他社に比べ見劣りがする。カンパニー単体利益の内訳でも、アルミ板約60%、鋳鍛、銅板条のそれぞれ15〜16%に対し、押出は数%にとどまっている。このため、長府製造所ではこの下期から工場レイアウトの改善に着手した。大同軽金属へ小径押出棒の生産設備を移管したほか、不要な設備の廃棄により横持ちがなくスムーズに流れるように変更。人も仕掛品も減り、相当のコストダウン効果を上げつつある。
 カンパニーの資産規模・資本金などでアルミ・銅は鉄鋼に続いているが、収益面では見劣りする状況が続いていた。ここに来て、何とか一人前ではないが、少しは胸の張れる形になってきた。早く、名実ともにNo.2のカンパニーに育て上げたいと思っており、私の在任中にその実現に向けた具体的な未来図を描きたい。


昭和電工社長に高橋専務が昇格
大橋氏は会長、構造改革にメド
 昭和電工は16日、05年1月4日付で高橋恭平専務(写真下)が社長に昇格するトップ人事を発表した。大橋光夫社長(写真上)は代表権を持つ会長に就く。05年を最終年とする事業構造改革が1年前倒しで達成できるメドが付いたのを機に、新社長のもとで06年からスタートする次期経営戦略を策定、実行に移す。
 同日午後、大橋社長は高橋専務とともに記者会見し、社長交代の理由として「97年3月に就任してからの8年弱は当社にとって大変な時期で、苦しい状況を何とかくぐり抜け、これまで這い上がってきたというのが実感だ。お陰様で成長戦略3ヵ年経営計画は1年前倒しで達成できる見通しとなったが、真の一流企業を頂とすれば、現在はまだ3合目か、せいぜい4合目。06年1月からスタートさせる新中期経営計画は重要な意味を持ち、今後1年間新社長のもとで策定して推進させるのがベストと判断した」と述べた。
 さらに、高橋専務を後継者に選んだことについては、「社長就任の記者会見で『当社はぬるま湯に漬かっている』と発言したが、今は社員は緊張感と危機感を持ち、収益に対する執念が強くなるなど会社のカルチャーは変わった。高橋専務は汗を流すことを惜しまず、自ら実行し、率先垂範する人物。人望が篤く、強い統率力、指導力もあり、昭電の今後にとって重要な資質を持つ」とした。
 一方、高橋専務は「この8年間で昭和電工は大きく変わり、大橋社長が目指してきた頂が何とか見えてきた。社内の力を結集して社会に評価される昭電グループに成し遂げるのが私の責務と考えている」と述べた。さらに、事業戦略について「個性派化学をさらに深化させる。情報・電子、ファインケミカルなど成長部門は攻めの経営、石油化学などはしっかりと守る。アルミは汎用製品から、ショウティック、感光ドラム、熱交換器など機能を売り物にする分野に注力していく」との考えを明らかにした。
 高橋恭平(たかはし・きょうへい):1968年3月東大経済学部卒、昭和電工入社▽70年10月軽金属管理部▽77年8月ベナルム出向(ベネズエラ駐在)▽81年8月昭和軽金属出向▽86年11月昭和電工総合企画部▽02年3月常務取締役兼常務執行役員、石油化学事業部門長兼石油化学事業企画部長▽04年3月専務取締役兼専務執行役員、戦略企画室担当兼IR委員会委員長。44年7月生まれ、60歳。神奈川県出身。


日軽金の中間連結と通期予測
増収増益、通期経常益205億円
圧延品が絶好調、建材加工は苦戦
 日本軽金属の9月中間連結業績は、アルミナ・地金・板・押出の素材系が大幅増収増益をマークした。加工系、特に建材は増収大幅減益となったものの、全体では経常利益100億円の大台に乗せ、まずまずの成績となった。ただ、減損会計を導入し減損損失21.60億円を計上したため、最終利益は8.5%の増益にとどまった。
 部門別売上高・営業損益は右表の通りで、売上高はアルミナ・化成品が凝集剤、半導体・電子材料向けローソーダアルミナが好調で、地金も自動車向けが伸び、売上高は8.4%増。特に圧延品は板がコンデンサー用箔地、液晶製造装置用厚板などで大幅に伸び、押出も自動車用とIT向け形・管・棒が絶好調で、20.9%の増収、2.63倍の営業増益と記録的な改善となった。
 加工製品・関連では東洋アルミのアルミ箔・PP、電解コンデンサー電極箔、自動車用鋳物・鍛造品は受注量が増大したが、トラックアルミ架装、冷凍・冷蔵庫用パネルは前年同期を下回った。また、建材は住宅用が順調だったものの、ビル用の需要不振と販価下落が大きく、39.0%の営業減益となった。
 下期も経済環境に大きな変動はなく、通期売上高5,500億円、経常利益は205億円と久々に200億円台に乗せる見込み。なお、主要子会社の業績は上表の通り。


三和シの9月中間連結決算
営業48%・経常75%の増益
 三和シヤッター工業の04年9月期連結中間決算は大幅増収増益となった。欧州のノボフェルム(NF)社、ベニックスの新規連結や為替変動の影響を除くと2.7%の増収。通期では売上高2,960億円(前期比18.2%増)、営業利益170億円(17.0%増)、経常利益162億円(17.4%増)、91億円(27.8%増)を予想。新規連結会社2社を除くと4.3%増収、13.7%営業増益で、売上高・利益ともに期初予想を上回る。
 今年度は第二次3ヵ年計画の初年度に当たり、海外売上高比率40.6%(00年度比7.7ポイントアップ)、海外営業利益比率38.9%(00年度はマイナス21.9%)、国内シャッター売上比率18.9%(同5.1ポイント減)と「グローバル化・脱シャッター化」が一段と進展する。
 三和単体の上期決算は期初予想に比べ、売上高で19億円、営業利益で7億円上回った。台風などに伴う軽量シャッター(7億円強)や流通倉庫など向けの重量シャッター売上げが伸びた。通期では売上高1,570億円(2.7%増)、営業利益100億円(16.8%増)、経常利益108億5,000万円(15.1%増)、当期利益62億6,000万円(29.8%増)の予想。重量シャッターやドアなどビル建材受注残が増えていることに加え、軽量シャッターの好調が下期も続く。鋼材値上がりはコストダウンと値戻しで吸収、営業利益は期初予想を12億5,000万円上回る。
 一方、国内子会社の業績は124億円、前年同期比11%増。間仕切のベニックスの新規連結で増収となったが、ステンレス子会社の減収が大きく、期初予想は5億円の未達。ただ、営業損益段階ではステンレス子会社が赤字ながら予想に比べ改善したほか、昭和フロントなどが好調に推移したことで8,000万円の黒字を達成した(前年同期は7,700万円の赤字)。通期では売上高277億5,000万円(前期比17.0%増)、営業利益5億1,200万円(同67.3%増)を見込む。
 なお今年3月に起きた自動回転ドア事故の影響は、売上高で20億円以下(三和本体約8億円、三和タジマ10億円)、利益で9億円以下(三和4.5億円、三和タジマ4億円)の減収減益となり、当初見込みを下回る。


昭電・アルミの通期連結営業益
10億円下方修正の120億円に
 昭和電工が16日発表した05年3月期の第3四半期連結決算によると、「アルミニウム他」の売上高は615億1,300万円(前年同期比10.0%増)、営業利益29億4,800万円(同7.9%増)となった。アルミ地金は数量・販売価格ともに上昇。圧延品及びショティックは数量増により、押出は価格上昇で増収となった。一方、熱交換器は自動車向け需要の低迷により北米・国内向けが低調に推移。アルミ缶も猛暑の影響を受けて数量は増加したものの、価格が低下した。
 この結果、04年1月〜9月までの累計では、売上高は1,758億7,900万円(前年同期比1.6%増)、営業利益92億7,300万円(同16.0%増)を計上。
 通期での予想は売上高が2,320億円、前期比0.7%増で、前回予想を40億円を上回るものの、営業利益は3.5%増の120億円と計画から10億円の下方修正となった。


「素形材産業技術賞」表彰
経産大臣賞にアーレスティ
 (財)素形材センター(濃野滋会長)は11月の「素形材月間」行事の一環として、第20回素形材産業技術賞の受賞者を以下の通り決定、12日に機械振興会館(港区芝公園)で開催された記念式典において表彰式を行った。
【経済産業大臣賞】▽NI鋳造法による自動車向け足回り部品の開発(アーレスティ・赤瀬誠氏、他)【経済産業省製造産業局長賞】▽鋳造同時拡散接合工法によるFCDハウジングの開発(福島製鋼・佐藤一広氏、他)【素形材センター会長賞】▽超高真空ダイカスト法によるサスペンションメンバの開発(トヨタ自動車・水野慎也氏、他)▽アルミニウム半凝固鋳造法によるディスクブレーキキャリパの開発(アイシン高丘・初山圭司氏、他)▽鋳造・鍛造・切削用鉛フリー銅合金(Cu-Si-Zn系合金)の開発(三宝伸銅工業・大石恵一郎氏、他)▽アルミダイカスト製家具の開発(リョービ・藤井達也氏、他)▽ダイレクト真空鋳造法による高品質大型鍛造用鋼塊製造技術の開発(日本鋳鍛鋼・中野義一氏、他)▽超低PM大型商用車用セラミックフィルタの開発(日立金属・大坪靖彦氏、他)。


富山合金が受賞「TPM優秀継続賞第一類」
 富山合金(富山県新湊市)はこのほど、(社)日本プラントメンテナンス協会(佐々木元会長)が実施する2004年度PM賞において「TPM優秀継続賞第一類」を受賞した。同賞はTPM活動によって生産性の向上や品質の向上に大きな成果を上げている企業を表彰するもの。表彰式は12月17日、パシフィコ横浜で行われる。
 同社は97年10月にTPM優秀賞第二類、00年11月にTPM優秀賞第一類を受賞。その後TPMパートUセカンドステージ活動を精力的に進め、その成果が認められて今回の受賞に至った。


電化皮膜工業のマグネ陽極酸化
神奈川工業技術開発大賞を受賞
 第21回神奈川工業技術開発大賞(主催・県と神奈川新聞社)の表彰式がこのほど川崎市内で行われ、電化皮膜工業(神奈川県大和市、秋本政弘代表取締役)が開発した「環境に配慮したマグネシウムの表面皮膜形成技術」が奨励賞を受賞した。この賞は、県内の中堅・中小企業が開発した優れた技術や製品を対象にしたもの。
 マグネシウムの耐食性、耐摩耗性を高める表面処理はこれまで、クロムや溶剤が使用されており、環境面で問題があった。従来アルミなどに行われている陽極酸化をマグネに適用する方法も試みられているが、耐摩耗性、耐食性などに難がある。
 電化皮膜が開発した技術は、クロムやマンガンなどの有害物質を含まず、金属アルコキシドアセチルアセテート金属錯体などを含む水溶液を用いた陽極酸化により表面皮膜を形成する方法。形成された酸化皮膜は光沢はないものの、十分な耐食性、耐摩耗性を持ち、処理時間も従来法に比べて3分の2に短縮される。リサイクルの際にも、酸化皮膜は約650〜700℃の溶融マグネシウム槽の中で酸化物として槽の表面に浮いてくるため簡単に除去することが可能。
 この技術により、自動車、携帯電話などマグネ合金の使用範囲が広がり、軽量化により省エネに寄与する。とくに、表面粗さを1〜2μmに抑えることで摺動部への使用も可能となり、レース用オートバイのシリンダーにも採用されている。
 なお、この表面処理技術は「Mg White」の商標で製品化。表面光沢を有する「Mg Light」も販売されている。


全国自動ドア協会が30周年式典
和田会長が新市場・用途開発を強調
 全国自動ドア協会は16日、東京・港区のホテルに関係者約100名を招いて、同協会創立30周年記念式典と祝賀会を開催した。当初4月に開催予定だったが、自動回転ドアによる死亡事故で約半年間遅らせ、秋の開催となった。席上、和田友一会長(写真)は次のように挨拶した。
 「当協会は第一次石油ショック直後の1974年に、自動ドアの健全な普及と発展を目的に設立、その後バブル時代には正会員27社、賛助会員12社を数えたこともあった。失われた10年によって正会員は12ブランド19社、賛助会員は6社に減少した。しかし、この30年で普及率・設置台数とも世界一の自動ドア大国に育成した協会の役割は極めて重要であった」
 「国内で稼働している自動ドアは約250万台、国民的な必需品といえる。国内市場はやや頭打ちにあるので、今後防火ドア・遮煙ドア・防犯ドアなど新市場・新用途開発を進め、消費者ニーズに応えていく必要がある。特に大型自動回転ドア事故を教訓に、安全性向上活動も欠かせない」


図・表・写真は本誌でご覧ください。