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NO.1716(2004年12月13日号)

日本製鋼所
1万d超の鍛造プレスで攻勢
部材の大型鍛鋼品から一貫供給


 日本製鋼所(JSW)は古河スカイに1万5000dの油圧鍛造プレスを納入したが、長年にわたる大型プレスの設計・製造実績と、フレーム類など一体大型構造部材製造の世界トップ級の製造技術を武器に、超大型プレス市場での需要取り込みを狙う。

 古河スカイに納入したプレスは型鍛造・自由鍛造の双方に対応可能だが、型鍛造で1万dを超えるのはわが国で初めて。アジアでも最大級である。JSWが全体のエンジニアリングおよび品質保証を担当し、詳細設計と製作を小島鉄工所が行った。
 JSWは大型鍛造プレスでは長年の設計・製造経験を持つ。1万dを超える油圧鍛造プレスのこれまでの納入実績は、米国向けに1万2000d、2万8000d、3万5000d(4万USd)の3基がある。また、今年5月、フランスに4万dプレス用の大型鍛造部材を納入した。同プレスはエアバスA380用部材の製造に使われる。テーブルサイズは古河スカイの4×3bと同程度で、チタン、ニッケル合金を主力に、一部アルミの鍛造も行う。
 同社は昨年10月、総投資額約25億円で、室蘭製作所にある自由鍛造用1万dプレスを常用1万1000d、最大1万4000dに能力アップを図った。基礎はそのままにプレス本体構造物をリニューアルしたもので、唯一、世界最大の600d鋼塊の鍛造が可能な設備である。
 油圧鍛造プレスの場合、大きな加圧力を受止めるためにフレーム類は一体鍛鋼品で高強度・剛性を持つことが要求される。例えば、4万dプレスでは長さが22bのタイロッドと呼ばれる太い鋳鋼棒を一体で鍛造する技術が必要で、世界で可能なのはJSWだけという。
 海外における1万dを超える超大型油圧プレスとしては、ロシアにテーブルサイズが5×6bの、世界最大の7万5000dプレスがある。フランスには旧ソ連製の6万5000dプレス1基がある。また、米国に2基、英国に1基、5万dプレスがあったが、老朽化しており、現在稼働中かどうかは不明。いずれも、政府・軍が発注して、民間に払い下げたプレス。
 スクリュープレスではオーストリアに世界最大の3万1500dプレスがある。また、2万8000d級のプレスが米国、ロシアなどに3基あるという。ドイツのアルミ鍛造メーカーは最大で3万dのプレスを設置、アルコアも1万dを超えるプレスを保有している。
 さらに、自由鍛造用油圧プレスでは中国に1万2000dプレスがあり、現在1万4000dを製作中。
 大型プレスからの撤退が相次いだ中で、現在1万dを超える大型油圧鍛造プレスの製造が可能なメーカーは、国内ではJSWの他、三菱長崎機工、川崎油工、小島鉄工所など。また、海外ではドイツのメーカー2社が有力メーカー。
 現在、JSWには1万dを超えるプレスについては新規の引き合いはないものの、「今後も1万dを超えるようなプレスは世界中で毎年1〜2台の需要は見込める。JSWとしては設計から入るのが2年に1回、部材供給も含めれば2社程度の需要を取り込む」としている。


上期Al製品総需要216.8万d
6%増、7年ぶり過去最高更新
 日本アルミニウム協会のまとめによると、04年度上期のアルミ製品総需要は216万8,439d、前年同期比6.4%増となった。上半期ベースでは3年連続のプラスになるとともに、これまでの過去最高である97年度上期の213万3,866dを7年ぶりに更新した。輸出が13万2,419d、同7.3%減となったものの、内需が203万6,020d、同7.4%増と好調で需要を押し上げた。
 製品別では電線が14.8%減となったのを除いて、各部門とも前年度上期実績を上回った。主力の圧延品は3.9%増となった。板類出荷は3年連続で過去最高を更新。一方、押出類は2年連続のプラスだが、過去最高である97年度上期を17.3%下回る水準。ダイカスト、鍛造品は自動車軽量化の流れに乗って、それぞれ10.3%、13.3%と2桁の伸びを確保した。
 用途別では、需要の35%を占める輸送向けが7.9%増と好調で全体を牽引。一般機械向けも8万4,565d、15.1%増と2桁の伸びに。土木建築は35万1,056d、0.6%増と伸び悩んだ。


10月の圧延品出荷3%減
11カ月ぶり前年実績割れ
 日本アルミニウム協会が発表した10月のアルミ圧延品生産・出荷速報によると、板類は生産が12万2,109d、前年同月比0.8%増と14カ月連続のプラスとなったが、出荷は11万7,600d、同3.4%減と6カ月ぶりのマイナスに転じた。輸出のマイナス基調に加え、内需も主力の缶材、印刷板、船舶、建設向けなどが減少した。
 板・押出の合計では、生産が21万5,353d・0.4%減、出荷が20万9,213d・3.2%減に。ともに11カ月ぶりに前年同月実績を下回った。
 押出は生産が9万3,244d・2.0%減、出荷が9万1,613d・3.0%減で、ともに11カ月ぶりのマイナスを記録。特需に沸いた前年の反動でトラック・バス向けが大幅減となったのを始め、ほぼ全分野で横ばい、ないし若干のマイナスとなった。また、箔も生産が1万2,910d・4.0%減、出荷が1万2,908d・5.5%減で、ともに5カ月ぶりのマイナスに転じた。


10月アルミ二次地金・合金出荷
0.2%減、9カ月ぶりマイナス
 日本アルミニウム合金協会が発表した10月のアルミ二次地金・同合金地金需給統計によると、生産は8万6,103d、前年同月比1.1%減、出荷は8万6,439d、同0.2%減となった。マイナスは生産が8カ月ぶり、出荷が9カ月ぶりのこと。
 出荷の部門別内訳は、▽鋳物:2万2,148d(前年同月比2.2%減)▽ダイカスト:4万5,902d(1.6%増)▽板:6,670d(1.6%増)▽押出:6,166d(3.4%減)▽鉄鋼:2,464d(13.9%減)▽合金地金メーカー向け:3,066d(4.1%増)▽輸出:23d(15.0%増)。


上期アルミホイール生産5.9%増
輸入1.9%増、乗用車6.6%増
 日本アルミニウム協会・車輪委員会がメーカー16社の自主統計としてまとめた04年度上期のアルミホイール生産・販売実績によると、国内生産は737万3,029個、前年同期比5.9%増となった。上半期ベースでのプラスは4年ぶり。また、海外現地子会社および協力会社からの輸入量は155万6,708個、同1.9%増で、供給量合計は892万9,737個、同5.2%増となった。
 国内生産を種類別に見ると、乗用車用は702万5,570個、同6.6%増と好調だった。トラック・バス向けも6万5,339個、同73.7%増と大幅に伸びた。一方、販売合計は891万8,897個、同8.8%増となった。


大手ダイカスト事業の9月中間決算
アーレスティ、2割営業増で突出
リョービ5%減益、東理化は赤字拡大
 ダイカスト大手3社の04年9月期中間決算が出揃った。連結の事業収益で営業増益となったのは20.5%増を記録したアーレスティのみ。リョービは価格低下で4.7%の減益、東京理化工業所(上場会社は持株会社東理ホールディングス)は赤字幅が拡大するなど収益格差が広がった。
【リョービ】連結決算は4.7%営業増益、11.5%経常増益を達成した。純利益は、前期にあった特別利益が今期は計上されないため、減益となった。
 連結ベースで見ると、ダイカスト事業は、北米子会社の売上が減少したものの、国内自動車メーカー向けの拡大で補い、1.2%の増収に。ただ、価格の低下をコスト削減などで吸収しきれず、4.7%の営業減益となった。営業利益率は4.7%と、前年同期に比べ0.3ポイント低下した。
 連結通期は前期比0.5%の減収、同6.3%の営業減益、3.0%の経常減益を計画。ダイカスト事業は米欧子会社の生産減を見込んでいる。
【アーレスティ】京都ダイカスト工業との合併及び日本精密金型製作所など新規連結子会社の増加もあり、9月中間連結は41.3%の大幅増収に。損益面でも46.3%の営業増益、58.0%の経常増益を達成。純利益は減損会計の早期適用により45.2%の減益となった。
 ダイカスト部門は43.1%の増収に。四輪車部品は国内向けが微増となったことに加え、輸出の好調で20.7%増加。また、二輪車向けは合併効果により98.1%増となった。収益面では、ユーザーからの厳しい値下げ要請と価格競争の中、生産性の改善を中心とした原価低減活動が寄与し、20.5%の営業増益となった。営業利益率は7.5%(前年同期8.9%)。
 地域別セグメント状況は、▽日本:売上高399億3,600万円(前年同期277億3,400万円)、営業利益28億8,400万円(同23億200万円)▽北米:売上高53億7,200万円(同46億3,000万円)、営業利益4億6,200万円(同3億1,200万円)▽東南アジア:売上高4億900万円、営業利益6,400万円。
【東京理化工業所】ダイカスト事業は9.7%の減収になる一方、営業損失幅は前年同期の1億2,000万円から2億6,800万円に拡大した。主力製品である汎用エンジン部品の海外生産シフトや、一般産業部品の生産調整が継続。収益面では、厳しいコストダウン要請に加え、メッキ製品を始めとする高品質を求められる製品の製造コストを販売コストに反映させる時期が遅れたため。計量器事業もプロパンガスメーターの不需要期が続く中、競争激化で営業赤字に。


古河アルフレックス9月中間決算
工場移転負担、通期経常益1億円
 古河アルフレックス(旧・古河鋳造、松澤元紀社長)の04年9月期中間決算は、売上高54億500万円(前年同期比横ばい)、営業・経常損益は小山への工場移転に伴う一時的なコストアップにより、8,000万円の欠損となった。通期では売上高113億円、経常利益率1%前後を狙う。
 上期売上高は期初計画の49億円を上回った。ディーゼル車排ガス規制区域が1都3県から拡大したことで、トラック関連が期半ばから増産に転じた。低迷していた建材部門(フリーアクセスフロア)も、半導体関連の主要ユーザーの大型物件投資により7億5,900万円、前年同期比33%増と順調に売上を伸ばした。
 下期売上高は59億円を計画。トラック関連の需要や、PDP用シャーシ、エスカレーター部品、建材部門の増加を見込む。5月からスタートした新工場への移転は9月末に完了。操業正常化を早期に実現するとともに大幅な原価低減を実施、下期には黒字化を狙う。通期では経常利益率1%前後の達成を見込む。


YKKの9月中間連結決算
建材事業営業利益、41%増
 YKK(吉田忠裕社長)の04年9月中間連結決算は、売上高は前年同期比横ばいながら、営業利益、経常利益はそれぞれ、13.9%増、22.7%増となった。当期純利益は、前期に含まれていたYKK APの繰延税金資産の一括計上32億円の特殊要因がなくなったことで、ほぼ前年同期並みにとどまった。
 事業部門別に見ると、建材事業売上高は1,720億1,900万円、前年同期比0.9%増と伸び悩んだ。国内の住宅建材事業の直販体制強化やリモデル需要の取り込みを推進したものの、ビル建材事業の受注低迷が響いた。ただ、事業構造改革による原価低減などにより営業利益は61億6,000万円、同40.7%増と大幅に伸びた。
 通期では売上高3.9%増、営業利益0.5%増、経常利益3.9%増を見込む。当期純利益はYKK APの繰延税金資産の一括計上133億円がなくなることに加え、減損処理約25億円の計上で47%減となる。


日本アルミの9月中間連結
4億円経常損、通期1億強黒字
 日本アルミの04年9月中間連結決算は、売上高72億3,000万円(前年同期比1.4%増)、営業損失1億7,000万円(前年同期は2億2,900万円の欠損)、経常損失4億400万円(同4億4,100万円の欠損)、当期損失4億1,300万円(同4億4,700万円の損失)となった。
 事業別に見ると、工業製品は、海外向け冷凍コンテナー部材などの増加により売上高が39億7,800万円、前年同期比3.0%増となったが、原材料価格の高騰の影響もあり、営業利益は2,600万円と、前年同期に比べ4,000万円減少した。
 また、建材製品は売上高が32億5,100万円、同0.4%減。輸送関連製品は拡販したものの、不採算の新築ビル用建材からの完全撤退が響いた。ただ、営業損益は3,700万円の利益と、前年同期の9,900万円の欠損から改善した。
 通期では売上高178億円(前期比4.7%増)、経常利益1億2,000万円(前期は3億800万円の損失)、当期利益1億円(同6億円の欠損)と黒字転換を見込む。


白銅の9月中間単体決算
営業益13.9億円、71%増
 白銅の04年9月中間単体決算は、売上高131億3,500万円(前年同期比27.4%増)、営業利益13億8,500万円(同70.7%増)、経常利益14億900万円(同73.1%増)、当期純利益7億2,300万円(同53.8%増)と、大幅増収増益を達成した。半導体・液晶製造装置向けアルミ厚板、ステンレス厚板が好調に推移した。
 通期では売上高258億円(前期比15.9%増)、経常利益26億9,600万円(同33.3%増)、当期純利益14億1,800万円(同34.7%増)を見込む。半導体、液晶製造装置市場は下期から受注増加のペースが緩やかになると見ている。1株当たり配当は8円増配の42円を計画。


九州三井アルミの9月中間決算
営業益3.3倍、高純度Al73%増
 九州三井アルミニウム工業(川井洋一社長)の03年9月期中間決算は、前年同期比50.2%の増収となった。営業利益、経常利益、当期利益はそれぞれ、3.3倍、3.5倍、6.9倍と、大幅増益を達成した。
 素材事業売上は47.8%増。アルミ電解コンデンサー箔用高純度アルミの販売数量が7,630d、同73.4%増と市場回復を上回る伸びとなった。ビレットも大手ユーザーからの受託生産拡大により、1万5,100d、同28.0%増となった。
 また、半導体機器事業売上も、産業ロボット用大型砂型鋳物、半導体製造装置部品などの急激な需要増を受け、65.0%増となった。
 通期では売上高28.9%増、経常利益38.4%増、当期利益3.5倍の予想。素材販売数量は16.7%増の5万2,000dを見込む。


宇部興産のアルミホイール事業
05年度の黒字化実現に向け改革
 宇部興産・アルミホイール事業の05年3月期売上高は338億円と、当初計画を8億円上回り、03年度実績の328億円に比べ10億円の増収となるものの、収支トントンを計画していた営業損益は23億円の赤字となり、前年度の9億円から欠損幅が拡大する。
 同社のアルミホイール事業はユーモールド(山口県宇部市)、メイソン(米国オハイオ州)、サーニア(カナダ・オンタリオ州)の世界3拠点に生産工場を持つ。昨年、メイソンで労働争議が発生したのを引き金に、北米2工場の生産性が悪化。また、大口径品など高難度製品の量産技術が確立していないことも生産性低下の要因となっていた。
 メイソン工場は今年1月、労働争議が解決したものの、見込んでいた生産性の回復が大幅に遅れたことや、フル操業を行ってきた中で追加コストが発生。また、サーニア工場も高難度品の収率が上がらないことで収益が悪化した。
 このため、4月以降、営業・販売・技術面のグループ横通し体制を構築。サーニアには日本からの技術応援を強化して収益率の改善に努め、下期以降黒字傾向にある。メイソンも受注の適正化による生産調整を行う中で収益改善を図っている。
 さらに、05年1月に日本の統括会社ウベオートモーティブ(宇部興産100%出資)と生産会社ユーモールド(ウベオートモーティブ100%子会社)を吸収合併。生産・販売・技術の機能を一元化、北米事業の建て直しを一層強力・効率的に行う体制を構築する。これにより、05年度には営業損益段階での黒字化を狙う。


元旦ビューティーの中間決算
経常損3億円強、通期1億円黒字
 元旦ビューティ工業の05年3月期9月中間連結業績は、売上高29.47億円(前年同期比0.9%増)、営業損失2.41億円(前年同期4.74億円の損失)、経常損失3.14億円(同5.28億円の損失)となった。減損会計を導入して26.61億円の特別損失を計上したため、最終損益は29.67億円の損失と前年同期の5.50億円から損失幅が拡大した。
 売上高内訳は、▽金属横葺屋根材5.45億円(同12.6%増)▽金属縦葺屋根材6.64億円(同2.5%増)▽その他屋根材1.11億円(同20.6%増)▽その他製品5.45億円(同6.0%増)▽請負工事10.81億円(同8.6%減)。
 通期見通しは売上高80億円(前期84.25億円)、経常利益1.00億円(同1.06億円の損失)、最終損益26億円の損失(同1.23億円の損失)。


トステムがコンパクトキッチン
 トステムは、ワンルームマンションや狭小住宅、二世帯住宅のセカンドキッチンに最適な省スペース型のコンパクトキッチン「レミア」(写真)をフルモデルチェンジし、12月1日から発売した。
 女性を意識したデザイン性と使いやすさを両立。カウンターの下を全てフリースペースとする「オープンフロアプラン」を用意したほか、扉に赤や青などのアクセントカラーを追加、全3シリーズ・12色とした。間口サイズは90〜195cm。価格はI型・間口180cmのベーシックプランで24万100円〜27万6,300円。


TOEXがエクステリア施工コンクール
 TOEXはこのほど、「第27回エクステリア施工コンクール」を実施し、全国2,468店の販売工事店から応募のあった3,755作品の中から、金賞4点、銀賞6点、銅賞14点、第27回特別賞4点の計28作品を表彰した。
 金賞作品は、▽門まわりまたは車庫まわり単独部門:樺|本造園グリーンネットワーク(大阪府吹田市)▽トータルコーディネート部門:ガーデンピア21(兵庫県加古川市)=写真▽ガーデン部門:加々見園(静岡県三島市)▽エクステリアリフォーム部門:安行造園梶i埼玉県川口市)。


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