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NO.1725(2005年02月21日号)
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三菱系MALCの島田社長がタイの現況
エアコン・車が好調、05年1割増
04年売上14.7億バーツ、54%増
三菱アルミのタイの販売会社MALC-THAI社の島田清志社長は1月末、バンコク市の同社で本誌記者と会見、同社及び関係2社の現況を明らかにした。タイはエアコン用フィン材、自動車熱交材とも大幅増産が続く。以下その要旨。
【MALC-THAI社の現況】96年3月、実質三菱アルミの100%子会社としてバンコク市に設立したアルミ製品の販売会社。三菱アルミが資本・技術提携する現地「VAROPAKORN社」の日系エアコンメーカー向けフィン材・プレコートフィン材の販売権、及び三菱アルミと現地押出メーカーの合弁会社で自動車用熱交材料を生産する「MUANG-MAX社」の総販売権を持つ。社員数は10名で、日本からの出向は島田社長以下2名。
タイは通貨危機後長らく景気が低迷したが、ようやく回復し、03年後半から高成長の波に乗った。因みにMALC-THAI社が関連するルームエアコン・パッケージエアコンは、タイ進出の日系エアコンメーカーなどの東南アジア向け・日本持ち帰り向け生産が好調。このため日系メーカーへのフィン材の納入量は03年月間300d、04年同550dと大幅アップし、05年度も10%増が見込める。
一方、自動車熱交用押出多穴管も、タイの自動車生産台数の増加によって急伸している。特にピックアップトラックが絶好調。最新データのタイの自動車生産台数は、04年92万8,081台、前年比23.7%の大増産。05年は109万8,750台と初めて100万台に乗る見通し。このためMALC-THAI社の自動車熱交材の販売も03年月間250d、04年同300dに2割アップし、05年はさらに10%増は確実。
この結果、MALC-THAI社の売上高は03年9.58億バーツから04年14.74億バーツに54%の増収を記録した。カーエアコン用フィン材・自動車熱交用多穴管の販売が各1/2の構成。
【VAROPAKORN PUBLIC社の現況】溶解炉、キャスター4基、冷間圧延機2基、箔圧延機2基、テンションレベラーやシャーなど仕上げ設備、フィン表面処理ラインなどを持つタイ有数のアルミ板・箔メーカー。生産能力は月間1,400d。生産品目は塗装フィン40%、ベアエアコンフィン15%、飲料キャップ材30%、その他15%。このうち日系企業向けは50%。販売量は03年9,748d、04年1万4,516d。04年早々にキャスター1基を増設、冷間圧延機も03年に近代化工事を実施、能力を増強。
三菱アルミは東南アジアに進出した日系エアコンメーカーへのフィン材供給拠点として、95年11月に13.3%資本参加するとともに製造技術を供与、96年3月にMALC-THAI社が日系メーカーへの独占販売契約を締結している。
【MUANG-MAX社の現況】97年6月にタイ最大のアルミ押出メーカー、MUANG-THONG社をパートナーとして、三菱アルミ50%、三菱商事16%、現地34%の出資比率で設立した自動車用アルミ押出熱交材料の生産会社。資本金は210百万バーツ、従業員は95名。98年12月に2,000d押出機1基が稼働、01年10月に2,000d押出機1基を増設、目下2基操業体制となっている。
生産品目はコンデンサー用・エバポレーター用アルミ多穴管・円形管。月産能力は340dで、目下フル稼働体制が続いている。設備増強も検討課題だが、三菱アルミは多穴管について米国・中国・タイに生産拠点を保有するので、状況を見ながら相互補完する方針だ。
東南アジアに自動車熱交用のアルミ多穴管生産設備を保有するのは三菱アルミ系のMUANG-MAX社(タイ)と古河電工系の古河インダールアルミナム(インドネシア)の2社。両社で市場を分け合っているといわれる。
佐渡島金属を完全子会社化
株式交換で、三井物産非鉄販売
三井物産の100%子会社である三井物産非鉄販売(資本金2億円、東京都中央区日本橋箱崎町、中西英一社長)は3月29日付で、76.16%出資している佐渡島金属(山本幸男社長、資本金3億7,500万円、大阪市中央区島之内)を完全子会社化する。三井物産非鉄販売と佐渡島金属が1月27日付で提出していた「事業再構築計画」が2月2日付で経済産業省より認定を受けたことに伴うもの。これにより、金銭による株式交換の特例、簡易株式交換の特例、及び登録免許税の軽減の支援措置を受けることが可能になる。事業再構築の実施時期は05年2月〜07年3月。
三井物産非鉄販売は今回の事業構造の革新に伴い、3月10日払込みで三井物産に対する第三者割当増資を実施し、増資全額(4億円)を資本金に充当して、資本金を6億円に引き上げる。
三井物産非鉄販売は三井物産から商権移管を進めており、売上高は04年3月期の約299億円から05年3月期は約880億円となる見込み。
佐渡島金属は今年で創業129年目を迎える関西地区を基盤とした非鉄金属関連の老舗問屋。04年3月期売上高が146億2,900万円にあるなど、業績はここ2期にわたり回復基調にあるものの、関西地区経済の地盤沈下もあり、事業環境は厳しい状態が続いている。
三井物産非鉄販売と佐渡島金属の業務は機能、商域、取扱商品においてほとんど重複部分なく保管関係にあり、将来的に種々のシナジー効果が期待できるとしている。ただ、当面は会社全体の組織統合はせず、営業面では両社のシステムの統合による顧客データベースの共有化、倉庫など流通インフラの相互利用、間接部門の業務合理化などにより生産性の向上を目指す。また、財務面では佐渡島金属の資金調達を基本的に三井物産からの調達に一本化することにより、資金効率の向上、金利の節減を図る。
04年カラーアルミ出荷4%減
建設16%減、非建設0.5%増
日本アルミニウム協会がまとめた04暦年のカラーアルミ出荷統計によると、総出荷量は2万8,536d、前年比4.0%減となった。マイナスは2年ぶりだが、過去最高である03年の2万9,714dに次ぐ水準。
内訳では建設資材が6,818d、前年比15.9%減と4年連続で前年実績を下回った。その中で屋根向けは921d、前年比23.1%の大幅減で、過去最高である95年の2,706dからは9年連続のマイナス。
一方、非建設資材は2万1,718d、前年比0.5%増となり、5年連続で過去最高を記録した。電気・機械機器向けが22.6%増の9,823dで、5年連続で記録を更新。輸送機器向けは1万435dで、史上最高となった03年に比べ3.0%減ながら、96年の1万662dに続く史上第3位。
大紀アルミの第3四半期連結
売上679億、営業益20.6億円
大紀アルミニウム工業所の05年3月期第3四半期(04年4月〜12月期)連結は、売上高679億2,600万円(前年同期比21.7%増)、営業利益20億6,700万円、経常利益22億4,200万円、純利益12億6,400万円となった。売上高以外の前年同期比較はなし。大手ユーザーである自動車メーカーの好調を背景に販売数量が堅調に推移、収益面でも引き続き良好な状況で推移した。
売上高の内訳は、アルミニウム二次合金地金512億700万円、商品・原料・工業炉167億1,800万円。また、大紀アルミ単体のアルミニウム二次合金地金生産実績は348億8,200万円、同販売数量は18万2,000dであった。
なお、通期見通しは売上高901億円(前期比19.4%増)、営業利益25億2,600万円(同129.2%増)、経常利益25億7,000万円(同123.7%増)、当期純利益14億円(同138.1%増)で、中間発表時の予想と変わりない。
住軽金の第3四半期連結決算
12%増収・21%営業増益
住軽金の05年3月期第3四半期(04年4月〜12月)連結は、売上高2,183億6,600万円(前年同期比12.1%増)、営業利益118億4,400万円(同20.9増)、経常利益63億8,600万円(同35.0%増)、純利益37億5,400万円(同67.8%増)となった。
アルミ圧延品部門では、主力需要分野である飲料缶向けをはじめ、自動車を中心とした輸送関連需要が好調に推移。伸銅品部門では、主力需要分野であるエアコン向けなどの需要が堅調であった。
通期見通しは売上高2,900億円(前期比7.9%増)、営業利益170億円(同18.5%増)、経常利益95億円(同32.5%増)、当期利益45億円(77.2%増)で、中間発表時の予想と変わらない。
日軽金第3四半期連結6%増収
営業益16%増・経常益24%増
日本軽金属の05年3月期(04年4月〜12月)連結は、売上高4,119億2,800万円(前年同期比6.0%増)、営業利益223億200万円(同16.4%増)、経常利益160億6,300万円(同24.2%増)、純利益91億600万円(同12.4%増)となった。
アルミナ・化成品、二次合金、板、押出及びパウダーペースト事業において、自動車・輸送関連分野、電機・電子関連分野での出荷が好調に推移。ビル建材が需要低迷により価格下落傾向にあるものの、全体では増収増益となった。
通期見通しは、中間決算発表時と変わらず、売上高5,500億円(前期比3.3%増)、営業利益295億円(同11.9%増)、経常利益205億円(同27.4%増)、純利益115億円(同0.2%減)。
三和第3四半期連結、27%増収
営業利益89億円・35%増に
三和シヤッター工業の05年3月期第3四半期連結(04年4月〜12月期)は売上高2,060億8,900万円(前年同期比26.5%増)、営業利益89億100万円(同34.9%増)、経常利益84億円(同46.7%増)、純利益50億4,100万円(同82.8%増)となった。
セグメント別収益は、▽ビル商業施設建材:売上高1,223億7,300万円(前年同期比16.9%増)/営業利益52億9,700万円(同33.2%増)▽住宅建材:679億400万円(同52.6%増)/22億3,400万円(同4.9%増)▽メンテ・リフォーム:117億7,400万円(同17.5%増)/11億5,400万円(同106.8%増)▽その他40億3,600万円(同7.0%増)/2億1,400万円(前年同期は6,900万円の営業損失)。
公取委が箔6社に立ち入り検査
「値上げ実施でカルテル」疑い
公正取引委員会は8日、アルミ箔の値上げめぐり、価格カルテルを結んでいた疑いが強いとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで、東洋アルミニウムや三菱アルミニウム、日本製箔など大手6社の本社など約20ヵ所のほか、業界団体のアルミニウム箔懇話会(東京都中央区)などを立ち入り検査した。
関係者によると、6社は02年と04年の2回、価格カルテルを結んで価格を引き上げた疑いが持たれている。
三菱マテが飲料缶で業界初
タイプVのEDPラベル
三菱マテリアルのアルミ事業カンパニー(馬場修一プレジデント)はこのほど、飲料用アルミ缶でEPD(Environmental Product Declaration)環境ラベルを取得したと発表した。今回の認証取得は日本の製缶業界では初めて。
環境ラベルは、ISOでタイプTからVの3つのタイプに分類されているが、今回三菱マテリアルが取得したEPD環境ラベルは、「タイプV環境ラベル」に分類されているスウェーデン発祥の環境ラベルで、EU各国で広く普及している。
日本では現在、タイプTのエコマークが普及しているが、第三者判定基準に基づく合否判定のあるタイプTと異なり、タイプV環境ラベルは製品の環境情報を定量的にまとめ、事務局(スウェーデンの事務局及び日本ガス機器検査協会)のホームページでその結果を公開するのが特徴。購入者や消費者が自ら環境影響を数値的に判断できるラベルとして、日本でも注目されている。
車用エンジンのオールAl化可能
名大がVB、シリンダに硬質皮膜
名古屋大学の篠田剛教授らの研究開発チームは、自動車用エンジンの小型化・オールアルミ化を可能にする「エンジンシリンダコーティング技術」を開発、同技術を利用した装置の製造・販売を行うベンチャー企業「有限会社サーモフォーミングテクノロジー」を設立した。科学技術振興機構(JST)は大学などの研究成果をベンチャービジネスに結びつけていくためのプレベンチャー事業を進めており、今回の設立も同事業による成果。
新会社は資本金300万円、本社所在地は愛知県豊田市。研究開発チームのメンバーが出資して、社長にはサブリーダーの村上秀樹氏が就任した。
自動車のアルミエンジンの95%程度はエンジンシリンダに鋳鉄ライナーを採用しており、エンジンの小型軽量化では難点があった。
篠田教授らが開発した技術は、耐摩耗性に優れた硬質材料を摩擦熱で塑性流動させながらシリンダ内面に圧着させ、硬質膜を成形する。エンジンの性能向上のみならず、鋳鉄ライナーを不要にすることで薄型になり、エンジンの小型化が図られ、オールアルミ化によるリサイクル性の向上を実現することができる。シリンダにとどまらず、メタル軸受けなどの分野でも用途が見込まれるなど市場性が大きいとしている。
新会社はこの表面改質技術及び改質装置の製造・販売を行い、5年後に5億円の売上を目指す。
傷・へこみに強いフローリング
表面に強化処理被膜、YKK AP
YKK APはこのほど、傷やへこみに強く、斬新なカラーとデザインを兼ね備えたフローリング「タフテクト」を新発売した。
へこみにくくするため、合板そのものの硬さを向上させたほか、オレフィンシートで覆うことで傷をつきにくくした。さらに表面を強化処理被膜加工したことで、「傷つきやすい」「へこみやすい」「掃除がしにくい」などのフローリングへの不満を一気に解消。床暖房にも対応し、表面に抗菌処理、裏面には防虫処理を行っている(写真)。
ブラック、ホワイトをはじめモダンインテリアを意識した全6色を用意。価格は2万3,000円/ケース(1坪)。初年度販売目標金額8億円。
住宅リフォーム作品コンテスト
大賞など57点入賞、トステム
トステムはこのほど、同社が04年5月1日〜10月15日に開催した「2004リフォーム暮らしUP!コンテスト」の入賞作品を決定した。「暮らしUP!リフォーム大賞」には、「H様邸」(キッチン部門)=写真=を施工した潟Aトリエ茅野(長野県諏訪市)が選ばれた。
同コンテストは、同社およびグループ会社のTOEX、INAX商品を使用したリフォーム施工物件の中から、施主の満足度を高め、その「暮らしUP」につながる様々なアイデアや工夫を施した作品を表彰するもの。今回は830件の応募作品の中から大賞のほか優秀賞3点、部門賞16点、エリア賞37点の計57点の入賞作品を決定した。
TOEXが春の新商品発表会
全国3会場で1.2万名の来場
TOEXは2005年春の新商品発表会「TOEX STYLE 2005」を開催する。4月1日から販売する新商品の早期の市場浸透及び受注拡大が狙い。関西、中京、関東の各地区において、エクステリア代理店、同専門店、建築工務店、ハウスメーカー、販売工務店などを対象に、3会場で1万2,000名の来場を予定している。
開催スケジュールは▽関西地区:インテックス大阪(大阪市、3月25・26日)▽中京地区:吹上ホール(名古屋市、4月8・9日)▽関東地区:幕張メッセ(千葉市、4月13・14日)。主要展示品は新商品群から約40機種(約100点)。
軽金属製品協会試験研究セ
「アルミ建材の表面処理」
中間法人軽金属製品協会試験研究センターは3月15日(火)午後1時15分〜5時、化学会館(東京都千代田区神田駿河台)において、講演会「国際化と性能規定化で要求されるアルミ建材表面処理」を開催する。
内容は、▽複合皮膜の国際標準化JISH8602の性能規定化(産業技術総合研究所・矢島勝司)▽住宅メーカーから見たアルミ表面処理に望むこと(積水ハウス技術研究所・池田法民)▽総合建築業から見たアルミ表面処理に望むこと(竹中工務店技術研究所・大澤悟)▽アルミ建材の新しい品質評価試験に関する研究(YKK・大田裕/ECO-KS技術士事務所・鈴木清隆)。
参加費は軽金属製品協会及び協賛団体会員1万円、一般1万5,000円。問合せ・申込みは電話0297-78-2511まで。
トステム建産振興財団講演会
「木造戸建の耐震・断熱改修」
トステム建材産業振興財団(潮田健次郎理事長)は3月10日(木)午後1〜5時、コンファレンススクェアM+10階大会議室(千代田区丸の内2-5-2)において、講演会「木造戸建住宅の耐震・断熱改修のすすめ」を開催する。
内容は、▽基調講演「改修による住宅性能の向上」(坂本功東大大学院教授)▽耐震リフォームについて(福濱嘉宏建築事務所)▽断熱改修について(石井宏住宅断熱コンサルタント・ICI所長)▽実践V地域における合板を利用した耐震断熱リフォーム(岡村博充岡村工務店社長)。
聴講は無料。問合せ・申込みは財団事務局まで(電話03-5626-1008)。
不二サッシの人事異動
(2月1日付)非常勤取締役・九州不二サッシ専務(取締役・常務執行役員東京支店長兼管理部長)田中昌弘▽非常勤取締役・不二サッシリニューアル社長(取締役・常務執行役員営業統括本部長兼ビル建材統括部長)大橋幸夫▽不二ロール工機社長(常勤監査役)岸本雅晴▽北海道不二サッシ社長(執行役員、関東支店長兼管理部長兼中低層建材部長)古川直久▽関西不二サッシ社長(執行役員・千葉工場長兼管理部長)高浪昭一▽上席執行役員・営業統括本部長、田中彰▽執行役員・東京支店長兼管理部長兼営業三部長、中重健治▽執行役員大阪支店長、宮城章吾▽ビル建材統括部長、榎本克英▽新規事業推進部長兼太陽光発電事業部長、都丸雅治▽東北支店長、高松正博▽関東支店長兼管理部長兼営業部長兼中低層建材部長、田村義弘▽横浜支店長兼建材G長、望月明▽千葉工場長兼管理部長、真木一夫▽大阪不二サッシ建材社長、上村修。
12月度の軽圧品流通販売量
東京地区前年同月比2.2%増
全国軽金属商協会がまとめた昨年12月の東京地区における軽圧品販売量・在庫量調査によると、板・押出合計の販売量は2万596dで、前年同月比2.2%増、昨年9月比6.8%減となった。
内訳では、板の販売量が1万4,374d。前年同月比では4.0%増ながら、前月比では8.6%減となり、昨年3月の1万7,556dをピークに減少傾向が続いている。また、押出の販売量は6,222d。前年同月比1.6%減、昨年9月比2.2%の減少となった。
一方、12月末における在庫量は板が1万2,052dで、前年同月比14.3%増。押出は4,485dで、同17.6%増となった。
今週のレポート‥‥04年度上期のビル改装需要
フロント含め258億円、6.5%増
外・内装改修が急伸、YKK AP首位独走
【窓改修は136億円、3.5%増】
ビル改装19社で構成する建築改装協会はこのほど、04年度上期におけるビル改装の各社別、用途別出荷実績をまとめた。今回から店舗・ビルのフロント改装も加え、従来の6用途から7用途に拡大した。それによると、7用途の総出荷金額は257.69億円となり、前年同期比6.5%増と堅調に推移した。新築ビル建材需要が04暦年12万6,951d(日本サッシ協会速報)で、前年比1.5%減少したのに比べ、改装市場は着実に拡大。因みにフロントを除外した従来ベースの出荷額は208.77億円、同4.9%の増加となる。
用途別では窓改修が135.84億円と全体の52.7%を占め、前年同期比3.5%増となった。窓改修では既存枠を残したまま施工するかぶせ工法が主流だが、簡易施工の持出し工法が同22.3%増と大きく伸びた。窓改修に次ぐのが今回から加わったフロント改修で、フロント改修は48.92億円で全体の19.0%を占め、前年同期比13.8%増となった。この分野はYKK AP、新日軽、不二サッシが強い。INAXトステムビルリモデリングはトステムがフロント改修を手掛けるので、同社には寄与しない。
【YKK AP・ITBR・新日軽・不二・三協で8割超】
フロント改修に続くのが金属パネル、ガラスカーテンウォールなどでビルの外観を一新する外装改修。同分野の上期出荷は26.36億円で同31.4%増と目立って増加した。期中大型工事の完工が寄与した。手摺り・面格子改修は16.84億円で同8.5%減、ドア改修も16.18億円で同3.8%減と低迷した。ドア改修は同協会がBL工法を開発するなど力を入れているが、まだ実績に反映しない。内装改修は1.87億円と市場規模は小さいが、43.8%増と伸び率は大きい。
企業別実績は表の通りでYKK APがシェア27.3%とトップを走り、第2位にINAXトステムBRが付ける。以下、フロントに強い新日軽、不二サッシ、三協アルミと続き、これら上位5社で市場シェア85%以上を占める。(益満健之)
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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