このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。
 |
NO.1775(2006年2月20日号)
|
丸紅テクノシステムが装置発売
プラズマ利用の高効率鋳造処理
押湯量7割削減、歩留り大幅向上
丸紅テクノシステム(東京都千代田区、鈴木治樹社長)はイスラエルのNetanya
Plasmatec社が開発、プラズマを使ったアルミなどの鋳造高効率化技術の日本市場における独占的な開発・販売権を取得し、このほど本格的な販売を開始した。
この技術はプラズマ鋳造処理工法(Plasma Treatment Casting、略称PTC工法)と呼ばれ、既存の鋳造設備に特殊な装置を取り付けて使用する。昨年末に国内の自動車メーカーに第1号機を納入しており、シリンダーヘッド、ブレーキキャリパー、ピストンなどの自動車部品業界をターゲットに、今年度10台の販売を見込む。
従来の重力鋳造、砂型鋳造では、歩留りの悪さに加え、引け巣、ブローホール、介在物・偏析の存在、粗い粒子の生成などによる製品品質の低下が問題となっている。新技術はこれらを解消、製品歩留まりアップとともに、生産性の改善、品質向上などを狙ったもの。
重力鋳造や砂型鋳造は重力を利用して鋳型内に溶湯を充填させる方法。さらに押し湯を使うことで鋳型の細部にまで溶湯が流れるようにするとともに、内部欠陥の少ない鋳造製品に仕上げる。
PTC工法はこの押し湯の代りにプラズマを使用するもの。溶湯を鋳型内に注湯した後、凝固するまでの間に、特殊な電極から発生する強力なプラズマアークを回転させながら溶湯に照射。これにより、溶融金属中に極めて強い撹拌力と機械的な圧力が発生して結晶粒を微細化する。アルミのシリンダーヘッドを重力鋳造で製造する場合、従来型の鋳造で60μm程度の結晶粒がPTC工法では40μm程度にまで微細化される。その結果、凝固した金属は偏析の少ない均一な組織となり、鋳造品の機械的性質を向上させるという。
シリンダーヘッドなど大型部品の鋳造では押し湯の量を70〜90%削減させることが可能。押し湯が少なくなることで鋳造品重量も減少するため、溶解炉・保持炉の溶解効率もアップ、溶解エネルギーのロスを少なくして熱効率を高める。鋳型内での凝固時間も短くなるためサイクルタイムも改善、生産性の向上につながるとしている。
Netanya Plasmatec社はプラズマの応用製品を開発しているベンチャー企業。今回のPTC工法は、同社が世界で初めて実用化に成功した技術。これまでに欧米で10社を超える実地検証が行なわれ、うち自動車会社数社で量産用に導入されている。日本でも製法特許を取得済み。
PTC装置の開発・製造は熱処理設備メーカーのエコム(静岡県浜松市、高梨允社長)が担当する。丸紅テクノシステムは、エコムが独自の新型加熱システムを軸に開発した次世代型熱処理設備とPTC装置を組み合わせて、鋳造工程から熱処理までの一貫ラインとして提案していく。
低圧鋳造への適用も可能なPTC装置もNetanya Plasmatec社と共同で開発を進めており、2〜3年以内の実用化を目指している。
東洋エコーと東洋AFPが合併
東洋アルミエコープロダクツに
東洋アルミニウムは1日、4月1日付で100%子会社の東洋エコー(資本金1億円、大阪市中央区、羽室耕一社長、従業員82名)と東洋アルミホイルプロダクツ(資本金1億円、大阪市中央区、冨岡祥浩社長、従業員数68名)を合併、新会社「東洋アルミエコープロダクツ梶vを設立すると発表した。資本金は2億円で、社長には冨岡祥浩氏が就任する。合併は東洋エコーを存続会社とする吸収方式で行ない、東洋アルミホイルプロダクツは解散する。従業員数は約150名で、合併に伴う人員削減は行なわない。
東洋エコーは日用品用の業務用品の分野で、また東洋アルミホイルプロダクツは日用品用の家庭用品及び業務用品の分野で事業を展開してきたが、市場の成熟化や消費の多様化、中国を中心とした海外からの安価な製品の参入などにより競争が激化、経営環境が厳しさを増している。このため、両社を合併することで保有する経営資源を集中、東洋アルミグループの日用品事業の収益力向上を図ることにしたもの。
なお、合併2社の05年3月期決算は、東洋エコー:売上高50.69億円、経常利益2.09億円、当期純利益1.19億円、東洋アルミホイルプロダクツ:売上高89.31億円、経常利益7.24億円、当期純利益4.21億円。
アイシン精機
北海道にAlダイカスト新工場
800d9台・500d11台、年1万d
アイシン精機は3日、北海道苫小牧市にアルミダイカスト製品を生産する新工場を建設すると発表した。今年2月末予定で、苫小牧市字柏原に新会社「アイシン北海道株式会社」を設立する。資本金は4億9,000万円で、アイシン精機の100%出資。07年4月の生産開始予定で、オートマチックトランスミッション用バルブボディや、エンジン部品のウォーターポンプ、オイルポンプなどのアルミダイカスト製品を製造する新工場を建設する。
工場の規模は敷地面積約20万u、建屋面積約2万2,000u。08年度までに溶解炉2基、ダイカストマシン800d9台、500d11台の計20台のほか、加工ライン、組付けラインを導入する。投資額は建屋、設備、移設費用などを含めて約100億円。従業員数は08年度で約400名を見込んでいる。売上は08年度で約90億円を計画している。
苫小牧市にすでに92年11月までに土地を取得済みで、北海道の進出要請を受けて、同土地を活用して新工場を建設するもの。苫東地域は優秀な人材が多く、今後大きく発展する期待が持てることも進出を決めた理由となった。
同社は得意先の増産対応と事業体単位での生産の再編を狙いに、生産体制の強化や効率化を進めている。アルミダイカスト事業は同社の主要事業の一つで、国内でのグループを含めたアルミダイカストの生産量は、05年度の約18万dから08年度には約22万dまで拡大が見込まれている。このため、アルミダイカスト製品の主力生産拠点である西尾工場(愛知県西尾市)の第二拠点として新工場を設立し、生産能力の増強を図る。生産品は物流コストなどを考慮して中小型の製品とし、西尾工場の生産量の1割程度に相当する年間約1万dを生産移管する。
神鋼のアルミ・銅3四半期連結
売上2260億円、営業利益173億円
神戸製鋼所のアルミ・銅関連事業の05年4〜12月期連結決算は、売上高2,260億500万円、営業利益173億3,400万円となった。前年同期実績の開示はない。
国内向けの飲料用アルミ缶材が堅調に推移したほか、電子材料用銅板や磁気ディスク用アルミ基板も引き続き好調を維持。ただ、銅管では欧州エアコン市場が伸び悩むなど、一部の分野で需要の陰りが見られるという。
通期予想については、現時点では昨年10月発表の売上高2,900億円(前期比2.5%増)、営業利益200億円(18.3%増)の見通しの変更はない。
なお、神戸製鋼は、鉄鉱石、石炭、アルミ・銅地金など主要原材料の大幅変動に対応するため、今年度から鉄鋼関連、電力卸供給、アルミ・銅関連事業のたな卸資産の評価方法を従来の後入先出法から総平均法に変更。これに伴い、4〜12月期連結営業利益1,576億1,600万円及び経常利益1,280億7,700万円は従来の方法に比べそれぞれ、181億6,500万円増加した。大半が鉄鋼部門だが、アルミ・銅部門における影響額は明らかにしていない。
リョービの4〜12月期ダイカスト
営業利益48.8億円、24%増に
リョービの05年4月〜12月期連結決算は、前年同期比6.6%の増収、営業利益、経常利益はそれぞれ、23.7%、21.5%の増益となった。ダイカスト事業が国内自動車メーカー向けに堅調に推移、売上高が825億6,100万円、同5.0%増となった。利益面でも、アルミ材料価格の急騰があるが、原価低減などにより営業利益は48億8,200万円、同23.7%増となった。売上高営業利益率は5.9%で、0.9ポイントアップした。
通期見通しは売上高1,685億円(前期比6.7%増)、営業利益129億円(同19.1%増)、経常利益130億円(同15.0%増)、当期利益77億円(同17,0%増)で、昨年11月発表の予想と変わらない。アルミ価格急騰による利益圧迫があるものの、営業利益、経常利益は4期連続の増益になるとともに、過去最高を更新する。
アーレスティの4〜12月連結
7.8%増収、経常利益16.9%増
アーレスティの05年4〜12月期連結決算は、売上高は前年同期比7.8%の増収、営業利益、経常利益はそれぞれ、10.9%、16.9%の増益となった。当期純利益は、投資有価証券売却益4億3,700万円を特別利益に計上したことで、25億5,600万円、同92.3%の大幅増となった。
ダイカスト部門は、自動車メーカーの新車投入による国内需要及び好調な輸出に支えられて四輪車中心に受注量が増加、9.9%の増収、16.9%の営業増益となった。アルミニウム部門は販売量の拡大施策展開の効果により、ダイカスト用合金地金の受注量が増加、22.8%の増収となったが、原料不足・原料高騰による単価上昇の販売価格への転嫁が遅れたことで19.9%の営業減益に。
また、完成品部門は売上高が32億4,600万円(前年同期比29.2%減)、営業利益1億7,700万円(同40.6%減)の大幅減収減益となった。ただ、四半期毎の売上高推移では、05年第1四半期8.4億円(前年同期11.65億円)、第2四半期8.6億円(15.13億円)に対し、第3四半期は、半導体やIT関連の大型物件の受注があり、15.4億円(19.09億円)と上向きに転じた。
大紀アルミの4〜12月期連結
16%増収、24.6%営業減益
大紀アルミニウム工業所の05年4〜12月期連結決算は、前年同期比15.5%の増収となったものの、営業利益、経常利益はそれぞれ、24.6%、42.3%の大幅減益となった。
アルミ二次合金地金売上高は同13.7%増、商品・原料・工業炉売上高は同21.0%増。大紀アルミ単体のアルミ二次合金地金生産販売数量は同11.7%増の20万4,000d、同実績は同18.0%増の411億6,100万円。
自動車メーカーからの好調な需要に支えられ、販売数量は引き続き堅調に推移した。ただ、収益面ではアルミ価格相場の急激な上昇を背景に製品価格改定を上回る原料価格の上昇となったことに加え、持分法適用関連会社の操業開始に伴う影響もあり、減益を余儀なくされた。
通期予想は昨年11月発表と変更はない。今年1月以降は急速な価格改定が期待されることで、収益改善を見込んでいる。
05暦年アルミ建材生産、6%減
サッシ7.7%減、EX3.4%減
経済産業省統計により日本サッシ協会がまとめた05暦年の金属製建具生産・出荷速報によると、アルミ建材合計の生産量は38万3,615d、
前年比6.4%減、出荷量は42万6,854d、同4.6%減となった。
内訳ではアルミサッシの生産が26万4,700d、同7.7%減、出荷が30万18d、同5.0%減。木造用が生産10.3%減、出荷3.5%減、ビル用が生産4.2%減、出荷7.1%減。
また、ドアは生産が3.9%減、出荷が1.5%減、エクステリアは生産が3.4%減、出荷が4.5%減となった。
三菱マテの4〜12月アルミ事業
2.2%増収、39%営業減益に
三菱マテリアルの05年4〜12月期連結決算は、売上高8,173億5,600万円(前年同期比13.6%増)、営業利益502億7,900万円(同33.6%増)、経常利益631億2,600万円(同61.5%増)となった。
セグメント別では、アルミ事業部門は売上高1,062億100万円(同2.2%増)、営業利益37億8,800万円(同39.4%減)の大幅減益となった。
アルミ缶事業は、昨年10月の北海製罐(現、ホッカンホールディングス)と事業を全面統合し、ユニバーサル製缶を設立した影響により販売数量は前年同期を上回った。ただ、アルミボトル缶の販売が低調に推移したことに加え、販売競争の激化に伴う価格下落と、金属価格高騰による製造コスト増で増収減益となった。
また、アルミ圧延品は、板類の販売が順調に推移したものの、自動車関連向けを除く、一般機械向け押出品などの販売が低調に推移。原料高に伴う製造コストの増加が響いた。
三和シヤッターの4〜12月期連結
三和シヤッター工業の05年4〜12月期連結は、前年同期比3.3%の増収、7.2%の営業減益、7.4%の経常減益となった。営業利益は前年度に自然災害による大幅な需要増があった影響でマイナスとなったものの、製品価格の引き上げ、生産性の向上や経営コストの削減で、増収・純利益増となった。
通期予想は売上高3,160億円(前期比4.9%増)、営業利益180億円(同4.6%増)、経常利益168億円(同0.7%増)、当期利益96億円(同3.3%増)で、昨年11月発表と変わらない。
住生活Gの4〜12月連結決算
住生活グループの05年4〜12月期連結決算は、前年同期比6.2%の増収、同7.3%の営業増益、同10.6%の経常増益となった。
通期予想は、売上高、経常利益は昨年11月発表予想と変わらないが、希望退職実施に伴う割増退職金232億円を始め、再就職支援金や工場再編費用を特別損失として計上するため、当期純利益は前回予想の350億円から下方修正となった。
白銅、新社長に井上取締役昇格
(白銅は7日開催の取締役会で、4月1日付で井上薫取締役執行役員が社長に昇格するトップ人事を決めた。北村文夫社長は取締役相談役に退く。東証一部上場、郡山工場開設などの重要案件が一段落したのを機に、若返りを図る。
井上薫氏(いのうえ・かおる):1980年甲南大学経営学部卒、81年日立クレジット入社、84年白銅入社、01年取締役、02年取締役執行役員。55年7月1日生れ、50歳。大阪府出身。
東洋アルミの人事異動
(2月1日)情報システム部長兼務、袖岡英治・取締役エンジニアリングセンター長(八尾)兼安全監査室長▽内部監査室長(情報システム部長)豊岡和博▽検査役兼務を解く、上田雅通・経営企画部長(大阪)兼内部監査室担当部長、経理部担当部長、総務部担当部長▽内部監査室担当部長兼務、福井康司・コアテクノロジーセンター技術管理室長兼安全監査室担当部長、経営企画部(大阪)担当部長▽内部監査室担当部長兼務、吉田昌弘・総務部長兼安全監査室担当部長。
【機構改革】全社レベルでの内部統制システムの整備・運用のため、経営会議の下に内部監査室を新設。
YKK APのスライディングドア
「コンコード」に新デザイン5種
YKK APはこのほど、スライディングドア「コンコード」に06年新デザイン5種類を追加、発売した。同商品は、玄関ドアや玄関引戸がそれぞれ持っているデザイン性や機能などのメリットを融合させたもので、05年4月から発売している。ビルトインガレージのエントランスを始め、道路からの距離が近いために外開きドアが使えなかった場所にも対応が可能。
商品展開は、外光を取り込むことができる大きなガラス袖部が付いた「袖付タイプ」と、外からは通常のドアのように見えるよう袖部を外壁で仕上げた「内引込みタイプ」の2種類。価格は写真の商品で41万7,900円。
「中低層ビル用ファサード商品」
スリムな高意匠性実現、新日軽
新日軽はこのほど、デザイン性・機能性およびコストパフォーマンスに優れた中低層ビル用ファサード商品「RMiシリーズ」の品揃えとして、「RMi-S(スクリーンタイプ)」を新発売した。大型の開き窓を組み込んだほか、さらなるスリム化を図ることでデザイン性をより向上、凹凸のないシンプルなマリオンを可能にした。
主な特長は、@見付寸法はマリオン・無目ともに60oで、開閉窓もマリオンと同じ見付内に納まるA高さ2700oの大型可動窓の組込みが可能Bガラス溝幅30o・40oの幅広い開口を用意、複層ガラスなどの高性能ガラスへの対抗も容易。
写真中央は、大型開き窓(幅1000o×高さ2700o+FIX窓幅100o×高さ300o)のイメージ画像。
古河スカイ、秋葉原に本社事務所移転
古河スカイは本社事務所を移転する。新住所は「〒101-8970東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDX12階」。電話は代表で03-5295-3800。新事務所での業務開始は2月20日から。
SUSとフィル・カンパニー
青空駐車場の上部空間を活用
SUS(静岡県静岡市、石田保夫社長)はこのほど、不動産開発のフィル・カンパニー(東京都千代田区、松村方生社長)と共同で、狭くて不整形な土地にアルミフレーム構造材を使って空間を構築、店舗やオフィスなどとして利用する「フィル・パーク」事業を開始すると発表した。青空駐車場の使用されていない上部空間に着目、駐車場上部に仮設的な建築物を建てることで、駐車場としての機能は維持しつつ、新たに設けたスペースを事業用不動産として貸し出していくもの。建物の構造材にはSUS製のアルミフレーム構造材「tsubomi」を組み合わせて使用する。第一弾として、06年3月中旬に東京駅八重洲口にある青空駐車場の上部にショールームが竣工する。
初年度4,500万円の売上げを見込み、3年後には売上8億円の事業に拡大。将来的に、都内で数百カ所の「フィル・パーク」稼働をめざす。
トステムリフォームコンテスト
「グランプリ」にイズミ工務店
トステムはこのほど、「2005リフォームマジックコンテスト」の入賞作品を決定した。応募昨年437件の中から、「グランプリ」のほか、「部門大賞」3点、「特別賞」1点、「部門優秀賞」16点、「エリア賞」29点の計50点が入賞した。
このコンテストはリフォーム支援組織「リフォームマジック」の会員工務店を対象に、同社およびTOEX、INAX、旭トステム外装の商品を使用したリフォーム施工例の中から選ぶもの。
グランプリに選ばれたのは、「S邸(岐阜県郡上市)」を施工した泣Cズミ工務店(岐阜県郡上市)。高度なプランニング力とデザイン力のバランスの良さに加え、完成度に対する総工事金額のコストパフォーマンスの高さが評価された。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
|