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NO.1836(2007年5月14日号)
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中国・瀋陽周辺のアルミ押出企業‥‥‥‥‥‥撫順飛利Al材
製錬の撫順Al厰系、年商4億元
6基・年1.5万d、トステム大連にも
中国遼寧省の石炭の町・撫順市に立地する飛利アルミ材はアルミ製錬の老舗撫順アルミ厰の子会社。6基の押出機を持ち、07年は50%増の1.5万dの生産予定。工業材で日本企業との提携も視野にある。以下李旭東副社長による同社の現況と方針。
撫順飛利アルミ材(Fushun Feili Aluminium Materials)の会社設立は96年9月で、中国のアルミ製錬で草分けの撫順 厰の経営多角化の一環として設立。所在地は瀋陽〜撫順高速道路で約70`の撫順経済開発区で、近くには東西7`・南北2`、深さ500mという巨大な石炭の露天堀で知られる撫順炭鉱がある。撫順アルミ厰はこの石炭火力発電の電力でアルミ製錬を行い、飛利アルミ材を含めて製錬・押出一貫体制を築く。
カタログによると工場規模は敷地5万3,685u、建築面積2万2,882u、これまでの総投資額は1,520万米j。従業員数は420名。
生産体制は金型製作・押出・表面処理・各種塗装・切断加工・一部サッシ加工の一貫体制。ビレットは親会社から供給を受け、押出機は6台を持つ中堅クラス。内容は2500d1基、1650d1基、880d2基、660d2基。表面処理は陽極酸化皮膜(年産能力1万2,000d)、粉体塗装設備(同3,000d)、木目調粉体塗装設備(同3,000d)、アルミ板用フッ素カーボン粉体塗装設備(5万u)など。設備は台湾製が主で、宇部興産など一部日本製も。
生産量は06年が1万dで、07年は50%アップの1.5万dとなる見込み。年商規模は06年が3億元で、07年は4億元を大きく上回る見通し。国内向けと輸出は各1/2で、工場内を歩くと国内向けにはトステムの中国子会社トステム大連のパレットもあった。輸出は韓国が中心で、伊藤忠商事、三谷伸銅、トステム、山田建築など日本企業にも輸出したことがあるという。
用途別内訳は建材用50%、工業用50%で、工業用は電機30%、自動車10%、その他10%。また、品種別内訳は形材80%、管10%、棒5%、その他5%。
「当社はアルミ製錬企業を親会社に持つので、原料調達に全く問題はない。各種合金材の生産を特徴としており、6063系はもとより、6N01、5083、3000系なども押している。同時に親会社を含めてアルミの歴史が長いので技術的な蓄積があり、優位性も高い。また、00年と02年に新たな粉体塗装設備を導入し、需要家の要請に応える体制を充実した」(李副社長)
「中国政府は国を挙げて省エネ・断熱建材に取り組んでいるので、今後押出機の増設を視野に入れながら断熱アルミ形材に注力する。日本には個人的な友人もいるので関心があり、今後有望な市場と考えている。日本企業との合作にも関心があり、どの分野で提携するか検討を進める」
三菱アルミの上期販売計画
前年比板3%増、押出3%減
三菱アルミニウムは4月24日、07年度上期の販売計画を発表した。それによると、板(箔地を含む)・押出合計の月平均販売量は1万5,873d、06年度上期比1.7%増、同下期比8.6%増を見込んでいる。内訳では板が1万3,400d(前年度上期比2.5%増/同下期比10.7%増)、押出が2,473d(2.5%減/1.4%減)の計画。箔は1,743d(0.8%増/1.5%増)を予想している。
【板】06年度下期実績は1万2,102d、05年度下期比1.8%減に。缶材・輸送熱交は堅調であったが、輸出・箔地がマイナスとなった。
07年度上期は、缶材が前年同期比横ばいにとどまるが、輸送熱交材・PS板・エアコンフィン材などの増販を計画している。
【押出】06年度下期実績は2,509d、前年同期比1.7%減に。自動車熱交材、一般機械材が若干の減少となった。07年度上期はトラック材、二輪・乗用車材の大幅減を見込む。
【箔】06年度下期実績は1,717d、前年同期比6.1%減となった。包装材は堅調に推移したものの、産業資材・日用品・容器向けが減少した。
07年度上期は、輸出は減少するものの、コンデンサの好調および軟包向けの堅調が続くと予想している。
昭電、中国・大連の熱交事業強化
現地合弁会社に55%出資
月産6万台に倍増、新型製品も立ち上げ
昭和電工は4月24日、中国のカーエアコン用熱交換器メーカー、大洋昭和汽車空調(大連)有限公司(大連市大連経済技術開発区、右井巧董事長)への出資比率を現在の35%から55%に引き上げて連結子会社化すると発表した。併せて、生産能力を倍増、新タイプの熱交換器「NRTV」の生産を開始する。
大洋昭和汽車空調は4月に資本金を現在の800万米jから1,510万米jに増資、昭和電工が約78%を引き受ける。増資後の出資比率は昭和電工55%(増資前35%)、香港グランドオーシャン社25%(同40%)、大連冷凍機股 有限公司20%(同25%)。また、大洋昭和汽車空調は増資資金710万米jを主要設備の増強と工場建屋改築などの設備投資に充当。月産能力を現在月3万台から07年末までに約6万台に倍増、増設設備の一部はNRTVの生産に充てる。同熱交換器はロールフォーミング技術の採用により従来品に比べて約20%の高性能化を実現している。
昭和電工は小山、米国(オハイオ州)、チェコ、タイにカーエアコン用熱交換器の生産拠点を持ち、現在のコンデンサー生産能力は月約80万台。
中国では04年11月、大洋汽車空調工程(大連)有限公司に出資して、熱交換器事業に参入。昭和電工の技術による高性能熱交換器を生産し、中国のフォルクスワーゲングループなどに販売している。従業員数は195人、売上高は07年予想で1億700万元。今回の能力増強により、現行ユーザー向けに加え、中国生産を拡大している日系自動車メーカー向けにも供給する。
軽金属学会春期大会5月10日開催
富山国際会議場で、講演発表156件
軽金属学会(会長=小林俊郎豊橋技術科学大学副学長)は5月10日〜12日、富山国際会議場・富山市民プラザにおいて第112回春期大会及び定時総会を開催する。
156件の講演発表の他、37件のポスターセッション及び3分間スピーチが予定されている。
講演発表の内訳は、▽複合材料・発泡材料:8件▽組織制御:22件▽変形及び塑性加工プロセス:4件▽粉末冶金:4件▽腐食&表面改質:17件▽マグネシウム:27件▽溶解・凝固・鋳造:13件▽チタン:4件▽形状付与加工:14件▽力学特性:14件▽テーマセッションT「非平衡組織をもつ高強度軽金属基材料の展望」:14件▽同U「中強度アルミニウム合金の材料物性」:15件。
合金協会次期会長に山本大紀社長
新任副会長に川上日軽MCA社長
日本アルミニウム合金協会は4月18日開催の理事会で、次期会長に大紀アルミニウム工業所の山本隆章社長(写真)の就任を内定した。5月16日開催の第33回通常総会で正式決定する。
なお、副会長には新たに川上耕二日軽エムシーアルミ社長が就任するほか、青柳勝サミット昭和アルミ社長が留任する。
07年のマグネ総需要予測
4.8万d・2%増、2年連続最高
ダイカスト、3%増の1万d大台へ
日本マグネシウム協会は4月20日、06暦年のマグネシウム需要実績と07暦年の見通しを発表した。
06年の総需要は前年比2.3%増の4万7,019d。2年ぶりにプラスに転じるとともに、04年の過去最高を更新した。内需が4万6,008d、前年比0.9%の微増にとどまったものの、輸出が1,011d、同2.6倍に急増した。07年の総需要は06年比2.4%増の4万8,150dを予想。自動車向けの安定した需要を背景に、ダイカスト向けが初の1万d大台乗せとなる。
06年の需要は、66%を占めるアルミ合金添加材がアルミ生産の回復もあり、3万808d、同2.1%増となった。構造材向けのマグネ合金は1万2,377d、同0.4%の微増にとどまった。ダイカスト向けは9,930d、同3.1%増と着実に伸びたものの、射出成形(チクソモールディング法)向けは1,261dで、同19.4%の減少。量産製品である携帯機器が海外に移行しており、フル操業にあるものの、厳しい状況となった。「その他合金」に分類されている展伸材向けは3.8%増の1,091dで、徐々に拡大する傾向にある。
07年は構造材向けが2.6%増の1万2,700dを見込む。ダイカストは1万200d、2.7%増と安定した伸びを予測している。
リョービの7年3月期連結業績
経常益161億円、22%増に増額
リョービは4月19日、07年3月期業績の修正見通しを発表した。連結では表のとおり、売上高は今年1月発表の予想を36億円上回る。ダイカストは日米の自動車メーカー向けが好調。印刷機器も欧州、米国、アジア向けに伸長しており、住建機器もパワーツール、建築用品がともに増加する。増収は3期連続。
売上増に加え、原価低減効果により経常利益は前回予想に比べ4億円上方修正。5期連続の増益で、過去最高を更新する。
なお、単独修正予想は売上高1,546億円(前期比22.3%増)、経常利益143億円(同28.9%増)、当期純利益82億円(同21.5%増)。前回予想をそれぞれ、26億円、8億円、1億円上回る。
業績が予想を上回るのに伴い、期末配当金は2円増配の12円(06年3月期10円)とする。
中国で日中表面処理規格会議開催
複合皮膜規格協議進展、概ね合意
軽金属製品協会と中国有色金属標準化技術委員会は4月16日〜18日の3日間、中国・鄭州市で「第4回日中表面処理規格会議」を開催した。
日本からは軽金属製品協会の菊池哲専務理事を団長に、矢島勝司(産業技術総合研究所)、宇野清文(三協立山アルミ)、大田裕(YKK AP)、山川仇鋼(新日軽)、日野田悠二(軽金属製品協会技術アドバイザー)、佐藤信幸(同技術部長)の各氏が参加。中国側からは全国有色金属標準化技術委員会の范順科氏を団長に、葛立新氏、朱祖芳氏など17人が出席した。
同会議では冒頭、范団長が歓迎の挨拶を述べたが、その中で昨年の中国のアルミ形材生産が400万d近くになったことを明らかにした。また、中国のアルミサッシ需要は「まだまだ旺盛で当分急速な成長が続くだろうが、問題はエネルギー事情と環境問題である」と指摘した。
一方、日本側は、ISO/TC79(軽金属技術委員会)/SC2(陽極酸化アルミニウム)の幹事国に日本が正式に承認されたことを報告。さらに、一部日中共同提案を含む日本の新規提案が今年9月開催のパリ会議で審議される見通しであることを伝えた。中国側は共同提案している複合皮膜規格案を早期にISO規格にしたいとの強い希望を表明したという。
日中両国の規格についての審議は複合皮膜の適用範囲、試験方法の共通化など双方の試験研究の結果を基に討論、その後議事録を作成した。「複合皮膜規格については若干、積み残した問題があるが、今回の会議でほぼまとめることができた」(軽金属製品協会)という。
なお、韓国は今回の会議には参加しなかったものの、日中と協調して国際標準化活動に参加する意向を表明している。このため、今後は日中韓3国の協力関係を強め、SC2の活動を進めていくことを確認した。
2月のアルミDC生産1.2%増
単価9%上昇、金額10%増
経済産業省の非鉄金属製品統計によると、2月のアルミダイカスト生産量は9万916d、前年同月比1.2%増となった。金額ベースでは同10.3%増の533億6,300万円。d当り平均単価は58.69万円で、昨年2月の53.86万円に比べ9.0%上昇した。
需要分野別では83%を占める自動車向けが7万5,801d(前年同月比2.1%増)・418億8,000万円(同12.3%増)となり、引き続き牽引役を果たした。d当たり単価は55.25万円で、1年前の50.22万円からは10.0%のアップとなった。
一方、二輪車向けは4,420d(同2.8%減)・29億6,900万円(同4.0%減)と1年前の水準を下回った。d当たり単価は67.17万円で前年同月の67.99万円からは1.2%下落。電気機械向けは数量ベースでは2,151d、同16.3%減となった。ただ、金額は22億8,900万円、同4.7%増に。d当たり単価は106.42万円で、昨年2月の85.03万円に比べ25.2%の大幅上昇となっている。
06年度カラーAl出荷、2.7%増
非建設用は7%増で過去最高
日本アルミニウム協会のまとめによると、06年度のカラーアルミ出荷量は2万7,981d、前年度比2.7%増となった。プラスは3年ぶり。
建設資材は4,764d、同14.9%減となった。一方、需要の83%を占める非建設資材が7.2%増の2万3,217dと、過去最高である03年度の2万1,688dを3年ぶりに更新した。住宅設備機器向けは引き続き2桁のマイナスだが、電気・機械機器向けが14.8%増となった。
東京モーターショー、10月開幕
乗用車・二輪車と商用車、合同で
日本自動車工業会は4月19日、「第40回東京モーターショー2007」の概要を発表した。千葉市・幕張メッセで10月26日(金)〜11月11日(日)の17日間開催する。プレスデーは10月24日、25日の2日間、特別招待日(開会式)は10月26日、一般公開は10月27日から。
テーマは「世界に、未来に、ニュースです。」。これまでは乗用車・二輪車と商用車は別々に毎年交互に開催していたが、今回からは合同で隔年の開催となる。
現時点での出品参加予定は世界11カ国・1地域から4政府・1団体・242社。出品者総数は前回05年の乗用車・二輪車ショーに比べ2社増える。来場者数は前回実績の151万人以上を見込む。
大紀ア、07年3月期業績上方修正
大紀アルミは4月24日、07年3月期業績見通しを上方修正した。連結決算は売上高1,693.79億円(前期比51.6%増)、経常利益65.05億円(同133.0%増)、当期利益29.49億円(同108.7%増)となる。アルミ価格相場の高騰により製品価格が上昇、売上高は昨年11月発表の予想に比べ199.79億円上乗せとなる。経常利益は2.35億円上方修正された。
なお、役員退職慰労引当金4.59億円を特別損失として計上するため、当期純利益は予想より2.61億円減額される。
日信工業、インドに生産拠点
日信工業は4月24日、インド・デリー近郊に生産会社を新設すると発表した。二輪・四輪用ブレーキ部品の他、四輪向けアルミブラケットを生産する。
工場の規模は土地12万u、建屋5,000u。投資額は16億円。従業員数は約60名。08年10月から稼働を開始する。2010年に約20億円の売上を見込む。
軽金属学会がセミナー開催
自動車用アルミボディシート材
軽金属学会は6月8日午前10時〜午後4時45分、日本大学理工学部駿河台キャンパスにおいて第82回シンポジウム「自動車用アルミニウムボディシート材の最前線」を開催する。
主な内容は、▽自動車用ボディシート材の現状と今後−−鉄鋼材料(日産自動車・勝倉雅人)▽同−−アルミニウム合金材料(神戸製鋼所・櫻井健夫)▽アルミニウムボディシート材の高強度化と熱処理(東京工業大学・里達雄)▽自動車におけるアルミボディシートの成形加工技術(ホンダエンジニアリング・神田寛達)▽ボディシート材の成形性(曲げ性、プレス成形性)評価(理化学研究所・林央)▽温間異周速圧延による6000系アルミニウム合金の成形性改善(古河スカイ・小松原俊雄)▽ボディシート材の接合−−FSW、レーザ接合(住友軽金属工業・熊谷正樹)。
参加費は正・維持・協賛学協会員1万5,000円、非会員2万5,000円。問合せ・申込みは電話03-3538-0232まで。
06年度圧延品出荷0.9%増
板類1.5%増、押出0.2%増
日本アルミニウム協会が4月25日発表した06年度のアルミ圧延品生産・出荷統計によると、板類は生産が前年度比1.5%増、出荷が同1.4%増となった。ともに2年ぶりのプラス。主力の缶材が微減となり、輸出も減少したが、電気機械、自動車を含む輸送機械、一般機械、卸・小売業向けなどが好調に推移した。
押出類も生産が0.2%増、出荷が0.5%増で、ともに2年ぶりのプラスを記録した。需要の6割強を占める建設向けを始め、自動車、一般機械向けが好調であった。
板・押出の合計では生産0.9%増、出荷1.0%増で、ともに2年ぶりに前年度実績を上回った。
箔出荷、0.7%減
箔は生産が0.6%減、出荷が0.7%減に。マイナスは生産が2年連続、出荷が4年連続。主力のコンデンサー向け(4万1,935d・前年度1.8%増)を含む電気機械向けが5万5,878d・4.5%増と好調。半面、日用品向けが1万5,763d、12.6%減となったのに加え、輸出も9,043d、10.9%の落ち込みとなった。
神鋼の07年度単独設備投資額
1100億円、アルミ・銅150億円
神戸製鋼所は4月24日、07年度の設備投資額(単独、工事ベース)が06年度見込みの960億円に比べ15%増の1,100億円になると発表した。1,000億円を超えるのは92年度の1,780億円以来、15年ぶり。
部門別内訳は、▽鉄鋼:840億円(06年度見込み700億円)▽アルミ・銅:150億円(同140億円)▽その他:110億円(同120億円)。
アルミ・銅部門の主な投資案件は長府製造所の銅板関連で、冷間調質圧延機更新15億円(総投資額18億円)、めっきライン新設7億円(同7億円)など。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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