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NO.1873(2008年2月4日号)
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権田金属工業
Mg合金薄板材の量産工場稼働
600o幅対応、09年上期に月10d
権田金属工業(神奈川県相模原市、権田源太郎社長)の双ロール鋳造法によるマグネ合金薄板材の量産工場が操業を開始した。現在、AZ61材・板幅400oを主にサンプル出荷を進めており、09年3月をメドに月産10d体制を目指す。
新工場は本社敷地内に専用棟を新設したもので、鉄骨造2階建て・延床面積900u弱。07年4月に設備の設置が完了、テスト操業を経て昨年12月から本格的なサンプル出荷を開始した。加熱炉、双ロール鋳造機、圧延機、研磨機など一連の設備を導入した。現状の設備で600o幅まで製造可能な設計となっている。
同社はマグネ合金薄板を作る製法として双ロール鋳造法(GTC:ゴンダ・ツインロール・キャスティング)を開発。マグネ合金の溶湯を直接鋳造機の水平ロール間に流し込んで瞬時に凝固させ、鋳造板を30m/分と高速で引き出す方法で、急速冷却により等軸の細かい結晶粒径の鋳造板ができる。鋳造板の製造範囲は、板幅400o・板厚2.0〜6.0o。圧延と組み合わせることで研磨板で板厚0.5〜1.5o、板幅400oの薄板の製造が可能。型打ち鍛造の素材としても利用できる。
AZ31以外にも製造が難しいとされるAZ61、AZ91、AM50、AM60等の合金も鋳造・圧延を可能にしているが、現在、量産開発に取り組んでいるのが強度や耐食性の点でAZ31よりも、成形性の点でAZ91よりも優れているAZ61。
昨年7月から一部サンプル出荷を開始、12月以降本格化した。現在、ノートPCなどOA機器の筐体向けを始め、機構部品も含めて10件近く性能評価を受けている。早ければ、2月から機構部品で一部量産がスタートする見込み。シートの他、単重40〜50sのコイルも製造可能で、2月末からテスト納入を開始する予定。来年3月ぐらいまでには月産10d体制を目指す。併せて、1年後をメドに600o幅の薄板材のサンプル出荷も開始。板幅1,000oの製造もトライする。
12月の板出荷、前年比横ばい
押出11%減、箔は1%増に
12月のアルミ圧延品生産・出荷統計によると板類は生産が10万6,207d(前年同月比2.6%減)、出荷が10万5,000d(同0.0%減)。ともに2カ月連続のマイナス。主力の缶材(同6.9%減)、自動車部材(同4.5%増)を含む輸送用機械器具等が好調な一方、箔地、建設、卸・小売りなどが減少。
押出類は生産が7万8,659d(同11.3%減)、出荷が7万7,566d(同11.4%減)。ともに11カ月連続のマイナス。需要の59%を占める建設向けが14.9%減となったのを始め、自動車部材(同1.8%減)、精密機械(同10.4%減)、一般機械(同13.5%減)など広範囲にわたって減少した。
また、箔は生産が1万1,000d(同6.6%減)、出荷が1万1,574d(同1.3%増)。生産のマイナスは4カ月連続。一方、出荷は3カ月連続のプラス。主力のコンデンサー向けが3,805d(同14.5%増)と好調。輸出も815d(同20.2%増)と好調だった。
11月Alダイカスト生産、5%増
1月以来の累計で102.5万dに
経済産業省の非鉄金属製品統計によると、07年11月のアルミダイカスト生産量は10万2,407d、前年同月比5.4%増となった。10月の10万6,183d(前年同月比10.0%増)に続いて10万d台に乗った。金額ベースでは同9.9%増の615億1,900万円。d当たり平均単価は60.07万円で、1年前の57.63万円に比べ4.2%アップした。
需要分野別では84%を占める自動車向けは8万6,423d(前年同月比6.4%増)・489億2,000万円(同11.2%増)となり、引き続き牽引役を果たした。d当たり単価は56.61万円で06年11月の54.15万円からは4.5%上昇した。
なお、1〜11月の生産累計は102万4,816d(前年同期比3.6%増)。1カ月を残して前年1年間の実績102万587dを上回った。
日箔の4〜12月期連結決算
利益は通期目標を超過達成
日本製箔の07年4〜12月期連結決算は、売上高224.68億円(前年同期比6.2%増)、営業利益9.64億円(同171.4%増)、経常利益9.39億円(同170.9%増)、純利益5.47億円(424.2%増)となった。特殊箔の需要堅調、アルミ地金価格の下げ止まり及び日用品事業の再構築などが寄与した。 通期予想は、売上高276億円(前期比0.6%増)、営業利益10億円(同224.8%増)、経常利益9.6億円(同250.6%増)、当期純利益5.7億円(前期は100万円の欠損)。07年11月発表の予想である売上高276億円、営業利益8億円、経常利益7.60億円、当期純利益4.50億円に比べ利益が上方修正された。
07暦年圧延品生産、1.6%減
板1%増・押出5%減・箔2%減
07暦年のアルミ圧延品生産・出荷統計によると、板・押出合計では生産・出荷ともに前年比1.6%減と2年ぶりのマイナスになった。
板類は生産が1.1%増と3年ぶりのプラス。出荷が1.2%増で2年連続のプラスとなった。過去最高は04年(生産140万2,885d、出荷141万2,048d)。主力の缶材、自動車部材を含む輸送用機械器具などが前年比プラスを記録したものの、金属製品、電気機械器具、一般機械器具、建設、卸・小売りなど広範囲にわたって減少。内需はマイナスとなったが、輸出の増加でカバーした。
押出類は生産が5.1%減、出荷が5.2%減。ともに2年ぶりのマイナスだが、過去最高である96年実績(生産125万122d、出荷124万7,413d)をともに2%程度下回った。自動車部材がプラスとなったものの、出荷の過半を占める建設向けの大幅なマイナスが響いた。
また、箔は生産、出荷ともに2年ぶりのマイナス。主力のコンデンサーを含む電気機械向けが好調であったのに加え、輸出も増加したものの、食料品向け、日用品向けのマイナスが響いた。
アルミ協会正副会長が市場動向
板類は輸出・車関連が下支え
押出は建設向け減少がさらに拡大
日本アルミニウム協会は1月25日、定例会見を開催した。席上、桝田和彦会長(住友軽金属工業社長=写真)と田宮進副会長(サン・アルミニウム工業社長)は足元の需要動向などについて次のように述べた。なお、石山喬副会長(日本軽金属社長)は急用のため、欠席した。
【板と押出の動向】 板類の動向は昨年後半からの傾向に変わりなく、伸びているのは自動車関連と輸出で、建材の減少や市況品や店売りなど“底辺の需要”の落ち込みをカバーしている。
押出類は、引き続き改正建築基準法の施行に伴う影響を受けているが、ここに来て特にひどくなったという感じがする。住宅着工件数は昨年8月、9月は4割ぐらい減少したが、その中で落ち込みが激しかったのは高層マンション。着工からサッシが施工されるまで4〜6カ月ぐらいのタイムラグがあり、戸建て住宅、低層住宅に続いてその影響がここに来て出始めた。従って、まだまだこのマイナスは続くと思う。また、12月に自動車向けの出荷が1.8%と若干のマイナスになったのは多少気に掛かる。サブプライム問題の影響で、高級二輪車の対米輸出が急減したことの影響かもしれない。
【箔の動向】 箔は全体の出荷がほぼ横ばいの中で、コンデンサーと輸出が伸びているが、輸出も大半がコンデンサー向け。食品向けはアルミの価格高騰で一部が他の素材に切り替わった影響もある。また、日用品は、ホイルで従来の12μmから11μmに薄肉化されたのに加え、一部国内メーカーが生産拠点を中国に移転したことの影響もあり、4〜12月期では前年同期比16%の減少となったが、下げ止まるのか、さらに落ち込みが続くのかは明確でない。
相良日本マグネ協会会長が強調
「環境対策でMgの優位性明確に」
日本マグネシウム協会は1月24日、東京・銀座の三笠会館で賀詞交歓会を開催した。関係者約100名が参加、冒頭、相良達一郎会長(写真)があいさつに立ち、要旨、次のように述べた。
「07年の世界のマグネ需要は自動車向けダイカストの着実な増加により約47万dに拡大すると見込まれ、環境対策の必要性から構造部材への利用も期待されている。半面、昨今の地金価格の大幅かつ急激な上昇が需要の拡大にブレーキをかけたと思われる」
「ただ、マグネ合金分野では新幹線N700の荷物棚支持材にわが国初めて難燃マグネ合金が採用されるとともに、日産GT-Rのシリンダーヘッドカバーやオイルパンに耐熱合金が採用されるなどダイカスト需要の普及がみられた」
「協会は自主行動計画として2010年末までにSF6ガスの1事業所当たり排出量を500s以下として約75%の削減を目指すとともに、マグネの活用によるエネルギー消費削減を通じて地球温暖化対策に貢献できるよう努力する。そのために、LCAによりマグネ製造にかかるエネルギーや利用による省エネ効果など、マグネの持つ優位性を明確にする。合金から合金へのリサイクルは不純物の分離や除去などハードルの高い技術が必要だが、実現への糸口を探りたいと思っている」
製品協会の白岩会長が年頭所信
09年度に公益法人化を目指す
軽金属製品協会の白岩二郎会長(写真)以下正副会長は1月23日、東京・赤坂の同協会で年頭会見し、08年度の強化事業や新規事業方針を明らかにした。この中で、同協会は「将来的に公益法人を視野に入れ、09年度に法人化を目指す」という。
以下新年度の方針。
【全体】今年12月に新公益法人制度がスタートするのに合せ、「社会と産業界に貢献する協会」に見直す。外部の専門家や関係機関と連携し、より実効性のある事業を展開する。09年度に法人格を取得する計画。
【建材関連】同協会に蓄積した知的財産のデータベース化を急ぐ。また、09年度に改正告示されるアルミ陽極酸化塗装皮膜JISH8602改正準備や説明会を展開する。
【表面処理】今年6月にロンドンで開催予定のISOTC79/SC2の幹事国として、軽金属技術委員会(TC79)・陽極酸化アルミ分科会(SC2.)において国際標準化を推進する。日中アルミ表面処理規格会議には韓国も加える。
【家庭日用品・はしご脚立】はしご脚立は既に策定済みの協会基準適合マーク「Aマーク」の普及を急ぐ。IH調理器は関係団体と連携し、安全のための協会基準を策定する。
製品協会が粉体塗装で新組織
「クオリコート・ジャパン」設立
軽金属製品協会は6月の予定で、「クオリコート・ジャパン(NA)」を設立する。日本でも普及が始まったアルミ粉体塗装に関して、欧州で先行するクオリコート認証制度に参加し、塗装業者・塗料メーカー・処理メーカーなどを認定する。
アルミ粉体塗装は欧米では幅広く普及するが、日本では陽極酸化皮膜が先行して本格普及はこれから。大気汚染の原因となるVOCを含まない環境に優しい塗装方法として、目下設計事務所・ゼネコンの注目を集める。
クオリコート認証制度は1986年に欧州で確立され、現在世界35カ国で実施されるアルミ建材塗装製品の品質認証制度。同協会は07年10月にクオリコートのゼネラルライセンスを取得するとともに、チューリッヒのクオリコート本部に参加を表明した。NAは日本での認証作業を行う機関で、同協会と日本パウダーコーティング協同組合と協力しながら運営する。
昭和電工堺アルミが精製炉増設
高純度Al塊、6割増の月1600d
昭和電工は1月25日、製造子会社の昭和電工堺アルミ(大阪府堺市、尾野元英社長)が建設を進めてきた高純度アルミ塊新精製炉が完成したと発表した。
昭和電工堺アルミは昭和電工が販売するアルミ電解コンデンサー向け高純度アルミ箔を生産。今回、精製炉を1系列増設したことで高純度アルミ塊の精製能力は現行の月1,000dから1,600dにアップ。これにより、アルミ塊の社内調達率が従来の約70%から90%に引き上げられるとともに、高純度アルミ箔の生産能力も月1,500dから1,800d超に増強される。
昭電、高純度アルミ箔RM値上げ
昭和電工は1月30日、コンデンサー用高純度アルミ箔の圧延加工賃を引き上げると発表した。値上げ幅(s当たり)は高圧箔50円、低圧箔と陰極箔が40円。4月1日出荷分から実施する。
日本金属が3カ年中計を策定
Mg、新商品・海外展開で大幅増販
日本金属(坂東武郎社長)はこのほど、08〜10年度の「中期3カ年経営計画」を発表した。
その中で、マグネシウム合金は本誌1871号で既報の通り、周辺加工技術を利用した商品開発を進めるとともに、海外マーケットへの積極的な展開などによる需要喚起で大幅な増販を目指す。
2010年度における経営指標目標として、売上高700億円(07年度見通し650億円)、経常利益49億円(同34億円)、売上高経常利益率7.0%(同5.2%)、D/Eレシオ0.75(同1.31)を掲げた。
アカオアルミグループが統合
アカオアルミグループ(赤尾由美代表)は3月21日付で、グループ会社8社を統合した。アカオアルミ(東京都練馬区旭町)を存続会社に、▽アカオアルミ販売▽アガタ軽金属▽足利アルミ▽サンレイアルミ▽和光アルミ▽陽光アルミ▽サンエイド――の7社が合併した。
住生活Gの4〜12月期連結決算
住生活グループの07年4〜12月期連結決算は、ホームセンター事業が伸長したものの、住宅用建材などが減少し前年同期比0.7%の減収に。損益面では販管費の削減などに努めたが、市場競争の激化や資材価格の高騰により営業利益は同13.0%のマイナス。負ののれん償却額の減少など営業外収益の悪化により、経常利益は同21.5%の減少となった。
セグメント別では、住関連事業は2.8%の減収、営業利益は14.8%減に。一方、ビル関連は5.0%の増収、17.2%の営業増益となった。
通期では表の通り、07年11月発表の予想を変えていない。
アルコニックス
台湾に100%子会社設立
アルコニックス(正木英逸社長)は1月22日、4月1日付で台湾子会社の「アルコニックス台湾」を設立すると発表した。資本金は60万米j(約6,600万円)で全額アルコニックスが出資する。本社は台北市に置き、総経理にはアルコニックス社員の神保和典氏が就任する。
新会社は台湾地区における各種非鉄製品および原料を中心とした輸出、輸入、三国間および国内販売などの営業を行う。これまで、台湾地区における業務の一部を株主である双日の台湾子会社に委託していたが、自前の拠点を設けることで業務の拡大と事務処理の効率化を図る。
なお、台湾法人の設立により、同社の海外法人は、米国、シンガポール、香港、タイ、中国(上海・北京)、ドイツ、マレーシア――を含めて7カ国・9拠点となる。
リフォーム用玄関ドア刷新
「スピーディ」、新日軽
新日軽はこのほど、リフォーム用玄関ドア「スピーディ」の品揃えを充実、より幅広いリフォームプランに対応可能とした。
同リフォーム用ドアは既存の枠をそのまま使う専用工法により施工期間はわずか1日。今回、単体片開き・両開きタイプ、特大の額縁の追加により、間口・納り対応の幅を拡大した。
ドア本体は、同社最新のドア商品である断熱タイプの「FACE」、一般タイプの「リベールV」「リベールVフォリオ」の中から選択可能。最新のドアに一新することでデザイン・断熱性・防犯性をグレードアップすることができる。
価格は写真の取替え例で本体価格41万9,000円。初年度販売目標は2億円。
収納網戸「しまえるんですα」
安心設計で取外し簡単、トステム
トステムはこのほど、安心設計で取り外しも簡単な玄関・勝手口用横引き収納網戸「しまえるんですα(アルファ)」を新発売した。
戸先に埋め込んだマグネットで隙間なくピッタリと閉まる。網戸が外れにくくしたことで衝撃や強風にも強く、3階以上の中高層階でも使用可能。網はプリーツ形状のため、使わないときは縦框に収納。網戸本体が簡単に取り外せるため、手軽に水洗いができるほか、物置などへの収納も可能。
価格は3万500円〜4万円。初年度10億円の販売を狙う。
軽金属製品協会が実習セミナー
「ヨウ素利用アルマイト技術」
軽金属製品協会試験研究センターは2月22日午前10時〜午後4時、同センター取手試験所(茨城県取手市戸頭9-18-3)で「ヨウ素利用アルマイト技術実習セミナー」を開催する。
内容は、【講義】▽ヨウ素によるアルマイトの機能化(千葉工業大学教授・高谷松文)▽アルミ製品の抗菌処理について(ECO-KS技術士事務所所長・鈴木清隆)▽アルマイト製品の潤滑処理について(軽金属製品協会試験研究センターアドバイザー・前嶋正受)【実習・特性評価】▽ヨウ素化合物電析含浸実験▽機能性解析(抗菌性/潤滑性)。受講料は製品協会会員2万8,000円、一般3万5,000円。問合せ・申込は取手試験所まで(電話0297-78-2511/FAX2278)。
日軽金が製品安全・品質保証統括部
日本軽金属は1月28日付で、同社および子会社の日軽パネルシステムが断熱パネルの一部の製品について過去に防火材料認定仕様と異なる仕様の製品を販売したことに関し、再発防止と製品の安全性確保のため、日軽金およびグループ会社の全事業部門を「横断」した組織として、社長直轄の「製品安全・品質保証統括部」を新設、統括部長に加藤彰常務執行役員を充てた。
併せて、製品安全・品質保証統括部の行動計画として、@製品安全管理の計画的、継続的な強化・推進、A新製品・新規事業実施時の業務プロセスの品質監査の実施、Bグループ会社の全生産拠点の品質監査の実施、C品質管理に関する権限を明確にしたルールの整備――を実施する。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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