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NO.1900(2008年8月18日号)
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戦略的基盤技術高度化支援事業
経産省、48件の研究開発計画採択
アルミ関連で金型、鋳造、鍛造など6件
今年度は金型技術で10件、鋳造技術分野で7件、めっき技術で6件など計48件の研究開発計画が採択された。本誌関連の主要事業(計画名/法認定事業者/研究開発の要約)は次の通り。
【鋳鉄金型によるアルミダイカスト法の開発】(埼玉県・児玉鋳物)アルミ鋳造時に使用される鋳鉄部品に耐溶損性を付与するために、通常行う窒化処理やセラミック皮膜などの高価で高度な表面処理方法に替わり、高度な装置・技能を要さない低コストの方法を開発する。表面部の皮膜処理だけでなく、母材の一部にも特殊な処理を施すことにより、アルミ溶湯による鋳鉄部品の溶損・寿命低下を抑制する技術の実用化を目指す。
【アルミ基複合材鋳物のハイブリッド砂型低圧鋳造法の開発】(埼玉県・田島軽金属)アルミ基複合材鋳物は、従来材料を超える優れた特性を持つ新素材であり、機械装置の構造部材へ適用することで装置性能が大幅に向上し、装置産業の国際競争力強化に役立つ。このため、従来、難鋳造材として多くの課題を持つアルミ基複合材を鋳造性良くかつ高い生産性で鋳造するために、砂型鋳造に低圧鋳造原理と高周波押湯加熱技術を適用して高度化した革新的な鋳造法を実用化する。
【炭窒化チタン焼結体によるアルミ押出ダイスの機能性と耐久性の向上】(愛知県・シンテクノ)自動車エアコン用アルミ扁平チューブの押出成形は超硬合金製ダイスで加工されるが、アルミ材とのスベリが悪く、表面粗さが粗いという問題がある。スベリの良い新材料である「炭窒化チタン焼結体」の適用が要望され、材料組成の再検討、表面処理、微細化、焼結法、微細加工技術の研究開発により耐酸化温度500℃以上を達成する。
【環境・コスト低減に対応した、光輝性アルミ合金鋳物製造技術の開発】(岡山県・光軽金属工業)自動車用アルミホイールでは、大口径化や高強度・高靭性の薄肉軽量化とともに、装飾用クロムめっきなどの環境負荷物質を使用しない、低コストで高機能な製品が求められている。環境に配慮し、めっきに替わる機械的及び化学的表面加工による光輝処理が可能な新規材料・製造プロセスを開発し、従来品より高強度・高靭性を持つ、低コストで軽量化した製品を提供する。
【自動車部材向けアルミ合金高速恒温鍛造技術の開発】(福岡県・戸畑ターレット工作所)環境問題から自動車の軽量化ニーズは一層強まっている。軽量素材となるアルミ合金の恒温鍛造技術が確立されているが、加工速度が極端に遅いため、大型複雑形状・少量生産品に適用が限られている。このため量産品に必要な高速鍛造加工に伴う高繰り返し衝撃に耐える非接触金型加熱法を開発するとともに、加工過程での再結晶化による部材の高強度・高靱性化を図り、アルミ合金を用いた高速恒温鍛造技術を開発する。
【自動車車体駆動系&家電用、超大型中空Al合金LPD鋳物の開発】(神奈川県・コイワイ)自動車・二輪の大型強度部品であるタンクフレーム、サスペンションメンバーなどの複雑な曲面形状を有した中空構造品を、プレスや溶接することなく一体成形する技術のニーズがある。大型ディスプレイに代表される家電品にも同様のニーズがあるが、適切な加工技術がない。
このため、コイワイの有する独自の試作鋳造技術、カーメーカーの要素技術と産総研、理研、早稲田大学の解析技術・特許を結集し、革新的金型低圧鋳造技術を確立する。
08年上期のAl二次合金出荷
56.3万d・0.3%の9年ぶり減
日本アルミニウム合金協会がまとめた08暦年上期のアルミ二次地金・同合金地金生産出荷統計によると、生産は前年同期比0.3%増の56万1,186d、出荷は同0.3%減の56万3,301dとなった。生産のプラスは半期ベースでは02年上半期以来13期連続、上半期ベースでは2000年上半期以来、9年連続。一方、出荷のマイナスは半期ベースでは01年下半期以来13期ぶり、上半期ベースでは99年以来9年ぶり。
部門別出荷量では、主力のダイカストが前年同期比1.1%減となったのをはじめ、押出、合金地金向け、輸出がマイナスとなった。
また、6月単月では生産が9万7,386d(前年同月比0.5%減)、出荷が9万7,427d(同0.9%減)となった。マイナスは生産が2カ月ぶり、出荷が4カ月連続。出荷の部門別内訳は、▽鋳物:2万5,906d(前年同月比1.7%増)▽ダイカスト:5万4,188d(同2.5%減)▽板:6,576d(同3.6%増)▽押出:5,451d(同3.3%減)▽鉄鋼:2,514d(同9.4%増)▽合金地金メーカー向け:2,792d(同4.6%減)。
なお、08年4月から一部事業所が追加されて時系列的に不連続となったため、前月比・前年同期比は調整済みの数値となっている。
神鋼アルミ・銅の第1四半期連結
営業利益21億円・72%減
神戸製鋼所の08年4〜6月期連結決算におけるアルミ・銅事業の業績は売上高1,138億円(前年同期実績1,167億円比2.5%減)、営業利益21億円(同74億円比71.6%減)の増収減益となった。耐用年数変更に伴う減価償却費負担増14億円を除いた営業利益は35億円(前年同期は在庫評価益影響10億円を除くと64億円)。
上期見通しは売上高2,200億円(前年同期2,328億円比5.5%減)、営業利益30億円(同140億円比78.6%減)。地金価格が当初見通しを上回る高水準で推移したことで5月の前回見通しに比べ売上高は50億円上方修正に。アルミ圧延品は缶材が堅調に推移しているほか、液晶製造装置向けも回復している。一方、半導体分野の調整局面が続いていることで電子材料用銅板条の需要回復が遅れている。なお、減価償却費負担増30億円を除いた今上期営業利益は60億円、前年同期の営業利益は在庫評価益影響45億円を除くと95億円。
越の車用アルミ精密部品製造
4割増の年1千万個に増強、古河ス
古河スカイはこのほど、自動車用アルミ精密鋳造部品の製造拠点であるフルカワスカイ・アルミナム・ベトナム社(ホーチミン市、岩田匡弘社長)が09年3月稼働予定で生産能力を増強すると発表した。同子会社はディーゼルエンジン用ターボチャージャー部品を製造しており、08年度の720万個から1,000万個に約39%能力アップをする。鋳造機を1基増やして6基体制とする他、付属設備も増設する。投資額は約200万米j。
古河スカイは、02年に同鋳造部品の製造を開始して以来、順調に生産を伸ばし、07年度には02年度比4.6倍の760万個(ベトナム550万個、国内210万個)を生産し、世界シェア約33%とトップを占めた。08年度は前年度比31%増の約1,000万個(ベトナム720万個、国内280万個)を計画。ベトナム増強後の09年度には国内を含めて1,200万〜1,300万個の生産量を見込んでいる。
2010年度以降も需要のさらなる伸びが期待されており、今後も状況を見ながら設備増設を行っていく。
昭和電工がs20円以上値上げ
コンデンサー用高純度アルミ箔
昭和電工は7月31日、コンデンサー用高純度アルミニウム箔の価格改定を行うと発表した。圧延加工賃分としてs当たり20円以上を値上げする。実施は10月1日出荷分から。
同社は今年4月に圧延加工賃を含む製品価格値上げを行ったが、その後も燃料(灯油、ガス)や圧延油・洗浄油、物流費などのコストが引き続き上昇。原料である高品位アルミ地金価格のプレミアムも今後値上りが見込まれるなど、自助努力による対応は限界を超えているため、一部を製品価格に転嫁する。
住生活Gの第1四半期連結
営業利益57億円、46%減
住生活グループの08年4〜6月期連結は前年同期比4.6%の減収、営業利益、経常利益はそれぞれ同46.3%、52.7%の減益となった。営業損益段階での当期の特殊要因として、償却資産の耐用年数の変更で減価償却費増4億円、棚卸資産の基準変更に伴い2億円の計6億円が利益減につながった。
セグメント別では、住宅関連は2.1%の減収、30.8%の営業減益に。ホームセンター事業は伸びたものの、持家着工減の影響が大きく減収。営業利益は価格改定などを実施したものの、売上減とコスト増が大きく減益に。ビル事業は15%の減収、営業損益は赤字幅が拡大した。ニッタン防災設備、トステム鈴木シャッターが好調なものの、着工減によりサッシ、INAX住設機器が大幅減。利益は売上減とコスト増が大きく響いた。
通期予想は売上高1,130億円(前期比2.4%増)、営業利益500億円(同39.9%増)、経常利益520億円(同37.9%増)、当期純利益270億円(同52.5%増)を計画。5月発表の数値を変えていない。
リョービの第1四半期連結決算
DC部門3%増収・営業益22%減
リョービの08年4〜6月期連結決算は前年同期比2.0%の減収の一方、営業利益、経常利益はそれぞれ53.2%、51.9%の大幅減益となった。
主力のダイカスト事業は国内自動車メーカー向けが堅調で3.4%の増収となった。しかし、コストダウンの推進、生産性の向上などに努めたものの、原材料価格の高騰や減価償却費の負担増で営業利益は22.4%減となった。
通期見通しは表記の通りで、今年5月発表の予想を変えていない。
08暦年上期アルミ建材出荷9%減
サッシは住宅12%減、ビル8%減
08暦年上期のアルミ建材統計(速報値)によると、総生産量(室内建具を除く)は14万8,894d、前年同期比9.9%減、総出荷量は17万2,312d、同9.0%減となった。
このうち、サッシの生産量は9万9,566d、同11.1%減、生産量は11万7,973d、同10.2%減に。内訳では住宅用は生産が12.1%減、出荷が11.7%減、ビル用は生産が9.9%減、出荷が8.0%減となった。
TOEXが新ガーデンルーム「GIMA」
折戸式全天候型、20年の技術集大成
TOEX(東洋エクステリア、福田功社長)はオールアルミ製新ガーデンルーム(GR)「GIMA・ジーマ」(写真)を新発売した。新機構の折戸を採用、全開・全閉が可能で快適なガーデンライフを楽しめる。同社は1989年にGR「エクシオール」を発売したこの業界のパイオニアだが、その後20年の技術蓄積を新製品に結集した。初年度販売目標は1,400台、7億円。
新製品はアルミ形材製の柱・梁桁・垂木、ポリカーボネート板の屋根材、フロートガラスとアルミ形材による折れ戸で構成する簡易構造物。テラスやデッキの上に設置してガーデンライフを楽しんだり、家族団欒の場に利用する。同社は経営理念の自然浴の一環としてこの分野の市場開拓を推進、この20年間に14機種・7万台を販売した。
「GIMA」の特徴は新機構の折戸パネルを採用、全開・全閉はもとより側面開・前面開・片寄せ開など季節や気候に応じて自由開閉できること。折戸のパネルはフロートガラスを採用して高級感を醸し出した。価格帯は83万8,320円から。
奈良保常務取締役営業本部長は「当社は自然の恵みを採り入れた豊かでくつろぎのある生活、『自然浴生活』を提案してきた。GRの販売は年4,000台程度・年商約51億円で推移するが、新製品を初年度1,400台、次年度1,500台販売することで市場拡大を図る」という。
三和HD第1四半期連結営業損失
のれん償却前で7億円、5億円増
三和ホールディングスの08年4〜6月期連結は売上高が前年同期比比11.2%減、営業損益、経常損益は赤字幅が拡大した。ただ、のれん償却15億円の影響で営業利益は大幅減益となったが、のれん償却前では7億円の赤字と、5億円の減益。三和シヤッターはマンション・ドアなどが落ち込み売上高は251億円・6.2%の減収となったが、売価アップとコストダウン努力により営業損失はのれん償却前で0.4億円の改善となった。
通期見通しは5月発表の予想と変わらず。ただ、のれん償却前では営業利益が176億円(前期比10.8%増)、経常利益179億円(同11.6%増)を見込んでいる。
東罐第1四半期、営業益7%増
中間10億円下方修正、21%減
東洋製罐の08年4〜6月期連結は売上高2,012.06億円(前年同期比1.1%増)、営業利益110.14億円(同7.2%増)、経常利益123.49億円(同9.9%増)に。このうち、包装容器関連事業は売上高1,731.97億円、同0.6%増となったものの、原材料価格やエネルギーコスト高騰の影響で76.04億円、同15.5%減となった。飲料用空缶の売上は前年同期比プラスに。
アルコール飲料向けは、ビールや発泡酒向けが減少したものの、ビール風アルコール飲料向けで「aTULC」の受注が好調に推移したことやチューハイ向けの伸長があり、大幅に増加した。
9月中間決算予想は売上高4,000億円(前年同期比2.5%増)、営業利益140億円(同20.8%減)、経常利益150億円(同22.7%減)、純利益70億円(同39.1%増)。売上高は前回予想と変らないが、営業利益、経常利益は10億円下方修正に。スチール、アルミ、プラスチック材料、原紙などの原材料価格及びエネルギーコストの高騰が期初予想を上回る水準で推移しているため。
東罐、軽量缶蓋を国内で製造販売
米クラウンとライセンス契約締結
米クラウン社は7月24日、東洋製罐とアルミ飲料缶用の軽量缶蓋「スーパーエンド(Super End)」を日本国内で製造・販売するためのライセンス供与契約を結んだと発表した。クラウン社が特許を取得している独自の缶蓋形状は通常の飲料缶蓋よりアルミの使用量が10%少なくて済み、軽量化につながる。「202径」と「206径」が商業生産され、「204径」製品も開発中。
これまでにクラウン社から同缶蓋のライセンスを取得している企業は昭和アルミニウム缶(06年4月)のほか、アムコア・パッケージング(豪)、ナムパック、メタル・コンテナー・コーポレーション、アンホイザーブッシュなどがある。
クラウン社を含むライセンス取得企業はこれまで1,500億枚以上の「スーパーエンド」を生産。その結果、3万7,000dのアルミ使用量と自動車5万5,000台の年間排出量に相当する30万d余りの温室効果ガスが削減されたとしている。
軽金属製品協会・取手試験所
圧力なべのSG認定委託試験開始
軽金属製品協会・試験研究センターはこのほど、(財)製品安全協会と「家庭用圧力なべ及び圧力がま」のSG認定基準試験の委託契約を締結、取手試験所(茨城県取手市戸頭9-18-3、電話0297-78-2511)での試験を開始した。
圧力なべのSG基準はこの4月に改定され、より緻密な試験が必要になっている。
同試験所は一昨年に日用品の試験を本格的にスタート。なべ、フライパン、ケトルなど、JISに基づく品質試験を行ってきた。同時に、ISO9001の取得、JNLA試験所認定(今年度取得予定)など、試験所としての信頼性向上に取り組んできた。今回、こうした実績が評価されて、SGの委託検査機関に認められたもの。
アルミ鍛造技術会が9月5日開催
旭テック横地工場見学と技術講座
アルミニウム鍛造技術会(小野宗憲会長)は9月5日午後1時15分〜4時35分、旭テック・横地事業所テクニカルセンター(静岡県菊川市東横地)において、技術講座「アルミニウム製品の強化法」と「工場見学会」を開催する。
内容は、【技術講座】▽会社概要説明(旭テックアルミ事業本部事業部長執行役・落合啓一)▽アルミ合金鋳物への冷間強加工による特性改善(旭テック技術統括部製法開発センター・山田徹)▽自動車用アルミ部材の強化技術動向(本田技術研究所四輪開発センター上席研究員・牛尾英明)▽アルミニウム半凝固鋳造法によるブレーキキャリパの開発(アイシン高丘技術開発部部長・村山富幸)【工場見学】▽横地工場概要説明(旭テックアルミ工場長・山田邦博)▽工場見学▽質疑応答。12時45分東海道新幹線掛川駅南口集合、15時10分掛川駅解散。
参加費は会員1万円、一般1万5,000円。申込は電話070-6576-3095、FAX03-6416-0504まで。
文化がスリムなSUSフロント
オフィス内のガラス間仕切用
文化シヤッターはこのほど、枠の形状をスリムにして意匠性を高めた、オフィス内のガラスパーティション向け中空枠ステンレスフロント「リブレイド・ガラスパーティション」を新発売した。 独自のロール成形技術により見込み幅を38oにスリム化。さらに、中空構造としたことで枠を軽量化、施工性も高めた。オフィスの他、ホテルなど大型施設の浴室やシャワーブースのガラス間仕切、マンションエントランスの光壁(ガラスに蛍光灯を入れて明るさを演出するガラス壁)などの用途を狙う。
価格は開口幅4m、高さ2.5m・ヘアライン仕上げ、両袖枠付両開き強化ガラス扉(下枠タイプ)で102万8,000円。07年10月発売の見込み幅50oの「リブレイド」と併せ、3億円の売上を目指す。
宮本会長が連日陣頭指揮
茨城Mg工業会が県フェアに出展
茨城県は7月30〜31日の両日、東京ビッグサイトで「いばらぎ産業大県フェア2008」を開催した。茨城県のものづくりの産業力を首都圏に向け広くPRするとともに、技術力の高い中小企業などにビジネスチャンスを創出するのが狙いで、企業及び大学・研究機関など180社が出展した。
本誌関連の出展は、アルミモノリス触媒を用いたVOC処理装置と触媒応用製品のアルミ表面技術研究所(取手市)、アルミ合金板製トランクケースの石川トランク製作所(東京都品川区)、精密プレスの大貫工業所(日立市)、アルミダイカストの栗田アルミ工業(土浦市)、金属加工の神戸製作所(北相馬郡)、精密プレス加工の島田製作所(常総市)、アルミダイカストの瀬谷製作所(日立市)、板金加工のダイイチ・ファブ・テック(水戸市)、アルミ加工のマカベアルミ(桜川真壁町)、マグネシウム加工の前島工業所(かすみがうら市)、プレス加工の山野井精機(つくばみらい市)−など。
注目されたのは茨城マグネシウム工業会のブース。同工業会は県内のマグネ産業振興を目的に板金・ダイカスト・鋳造・溶接などの技術を持つ中小44社による企業連携体。出展はマグネ合金のホイール、歯車、ボルトナット、脚立、眼鏡ケースなどで、宮本隆会長(宮本製作所社長)が笑顔を振り撒きながら陣頭指揮を執っていた。
軽金属製品協会調査団が視察
欧州のクォリコート認証工場
軽金属製品協会は日本パウダーコーティング協同組合と連携して、クォリコート・ジャパン設立に向けた準備を進めて来た。今後、運用に当たっての細部を詰めて11月頃にも設立の運びとなる予定。軽金属製品協会は、クォリコート・ジャパン設立準備の一環として、スペイン、イタリアのクォリコート認証工場の視察と審査員の研修を目的に調査団を派遣した。
訪問日程は6月8日〜13日。訪問した企業は次のスペイン3社とイタリア2社
【スペイン】@ALUMITRNS S.A社:押出機4台を保有する形材生産メーカーで、縦吊り粉体塗装が2ラインある。「パウダー・オン・パウダー」方式の木目仕上げを実施しており、化成処理にはノンクロメート処理を採用、AANODIZADOS AYUSO社:ALUMITRNS社の陽極酸化処理工場で、三次電解による着色を行っている、BANOLANSA社:スペイン最古の工場の一つに数えられる横吊りの陽極酸化処理工場と横吊りの粉体塗装工場。粉体塗装ラインは2ライン持っており、化成処理にはノンクロメート処理を採用している。
【イタリア】@VIV DECORAL PIEMONTE社:縦吊りの粉体塗装工場。化成処理にはクロメート処理を採用、AQUALITAL試験所:イタリアのクォリコートの試験所で、責任者のボイ氏はクォリコートの技術委員長。試験所の見学と規格に関する意見交換及び審査員の研修を受けた。また、VIV DECORAL PIEMONTE社見学の際にも、随所で審査員の心得を教えられたという。
軽金属製品協試験研究センター
通信教育「表面技術講座」開設
軽金属製品協会試験研究センターは「平成20年度アルミニウム表面技術講座(通信教育)」を開設する予定で、現在受講生を募集している。
内容は、@陽極酸化処理A硬質陽極酸化処理B皮膜品質評価−の3コース。『アルミニウム表面処理の理論と実務』のほか、サブテキスト、各講師のオリジナルテキストを使用。単元毎に毎月1回の課題レポート提出と講師による添削指導を行う。期間中に1泊2日の日程(皮膜品質評価は1日のみ)で試験研究センター内でスクーリングを実施する。
学習期間/募集締切りは、@陽極酸化処理:08年10月1日〜09年3月31日(6カ月)/9月12日A硬質陽極酸化処理:08年10月1日〜09年2月(5カ月)/9月12日B皮膜品質評価:09年2月1日〜6月30日(5カ月)/09年1月15日。
受講料はいずれも1名15万円(消費税、テキスト代、実習費用を含む)。その他に、陽極酸化、硬質陽極酸化ではスクーリングのための宿泊費、食事代、会場一部負担金など2万円、皮膜品質評価は5,000円が別途必要。問合わせ・申込は電話0297-78-2511/FAX2278、電子メールshiken@apajapan.orgまで。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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