このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。
 |
NO.1906(2008年9月29日号)
|
電化皮膜工業
Al・Mgの化成処理、環境調和型開発
六価クロムフリーで高耐食性実現
電化皮膜工業はアルミニウム及びマグネシウム合金に対する化成皮膜処理で六価
クロムを使わない環境調和型処理の開発を完了、本格的な受注を開始した。従来処理に比べて、耐食性などに優れるほか、電子機器類に要求される低抵抗値も実現する。
電化皮膜工業(神奈川県大和市下草柳、秋本政弘社長)はアルミニウム合金及びマグネシウム合金向け化成皮膜処理で、環境負荷物質である六価クロムフリーの環境調和型手法の本格的な受注を開始。ユーザーの切り替えも活発化しつつある。欧州のRoHS(特定有害物質使用規制)規制に対応したが、いずれも従来のクロメート処理と比べ、同等ないしは、それ以上の耐食性を実現。電子機器に要求される低表面抵抗値を可能にする処理法も実用化した。
同社は06年8月、大和第二工場を拡張して、アルマイトラインを移設・大型化。大和工場の空きスペースに環境対応型のアルミとマグネの化成処理ラインを増設した。
アルミ合金用化成処理では、展伸材用としてノンクロメートの「ACF-62」のほか、六価クロムの代替として三価クロムを使用した展伸材及びダイカスト用の「ACF-300」と、ダイカスト専用の「ACF-D300」を開発した。
化成処理後、塗装を施したADC12材に対する塩水噴霧試験の結果、「ACF-D300」では2,000時間をクリア、「1,500時間保証」とするなど従来のクロメート処理である「アロジン処理1000」の240時間、「同1200」の600時間を大幅に上回る高耐食性を実現した。コストは従来の6価クロム使用に比べて1割アップ程度で今年初めから生産・受注が本格化している。
一方、マグネ合金の化成皮膜処理用ではマンガン系の「KD処理」法を開発。第一弾として低抵抗値よりも高耐食性が要求される分野向け手法として確立した。外観色が黄色系の「KD-Y」で塩水噴霧試験72時間をクリア。クロメート処理の「Dow7」に比べて同等ないし1.5倍の耐食性を持たせた。また白色系の「KD-W」で同24時間以上をクリアし、電子機器向けの低抵抗値処理である「Dow20」に比べ2倍の高耐食性を実現した。
同社は「KD処理」で、塩水噴霧試験48時間をクリアする一方、表面抵抗値が4探針で0.06mΩと0.1mΩ以下を可能にする方法も開発済みで、今後受注活動を進める。
8月軽圧品流通市況、東京15円高
地金分30円浸透、RMはバラツキ
全国軽金属商協会・市場調査委員会(白銅・水野智委員長)によると、8月末の軽圧品流通市況は東京地区で全6品種が前月末比15円/s高に。一方、大阪、中部地区はともに全6品種が変わらずの結果となった。
7月からの国内アルミ地金価格は30円のアップ。これに圧延メーカーのロールマージン値上げ30円が加わった。7月末の流通市況は東京が15円、中部が30円、大阪が25〜30円の値上がりとなっており、7月、8月では各地区とも30円の上昇。地金アップ分はほぼ浸透したものの、ロールマージンは業種、会社毎にバラツキがあり、引き続き交渉中のところが多い。なお、10〜12月期の地金価格は10円高の370円となる。
産総研が京大と共同で開発に成功
常温でプレス可能なMg合金圧延材
産業技術総合研究所は16日、京都大学と共同でアルミニウム合金なみの常温成形性を示す新マグネシウム合金圧延材を開発したと発表した。
開発した新マグネ合金は、マグネシウム−亜鉛系合金にセリウムなど微量の希土類元素を添加したもので、熱間圧延により作製する。汎用マグネ合金であるAZ31合金と大きく異なる集合組織を形成するため、アルミ合金なみの常温成形性(エリクセン値9.0)を示す。
一般にマグネ合金圧延材の常温成形性はアルミや鉄よりも極めて低いため、プレス加工では圧延材および金型を250℃以上に加熱し成形する必要があった。今回開発したマグネ合金圧延材を利用すれば、加熱装置を備えていない汎用プレス機でもプレス加工することが可能。従来と比較して飛躍的な低コスト・高生産性の実現が期待できるとしている。
7月のダイカスト生産量9.99万d
7.6%増、自動車向け1割増が牽引
経済産業省の非鉄金属製品統計によると、7月のアルミダイカスト生産量は9万9,893d、前年同月比7.6%増となった。金額ベースでは601億3,600万円、同5.4%増。
分野別では需要の85%を占める自動車向けが8万5,329d、同10.0%増と引き続き好調に推移。しかし、それ以外では一般機械が4,950d・同2.3%減、電気機械が2,297d・同15.6%減とすべて前年同月実績を下回った。
YKK AP、埼玉工場用地取得で契約
8.67万u、窓事業の製造供給拠点
YKK AP(吉田忠裕社長)は11日、菖蒲南部産業団地(埼玉県南埼玉郡菖蒲町大字台字南)の用地取得について、正式に埼玉県と契約を取り交わした。
用地面積は8万6,700uで、分譲価格は54億1,875万円。09年末に引き渡される予定。
YKK APは2011年稼働予定で、「窓」事業の製造供給拠点を設立する。
日本製箔が加工賃値上げ
プレーン・電解箔50円、加工箔5〜10%
副資材高騰・箔地加工賃値上げに対応
日本製箔の野口泰秀社長(写真)は11日、東京本社で会見し、プレーン箔・電解コンデンサー箔・加工箔・日用品のアルミ箔全製品の加工賃を10月出荷分から値上げすると発表した。加工賃の値上げは今年4月出荷分から実施したが、その後も副資材高騰が続いたうえに、箔地加工賃が大幅値上げとなるため、再度値上げを要請する。
対象製品と値上げ幅は、@プレーン箔:s当たり50円(率で7〜8%)、A電解コンデンサー箔:同50円B加工箔(PTPを含む):5〜10%、C日用品:10%。値上げ幅50円の内訳は箔地加工賃分20円、副資材分30円。
合わせて、アルミ地金価格の転嫁については、地金価格スライド制先はルールを適用、モノ価格先については個別打ち合わせとする。
同社は今年1月に「燃料油や圧延油、副資材価格および物流関連費コストアップ」を理由に値上げ交渉を行い、4月出荷分から@プレーン箔:50〜70円A電解コンデンサー箔:40円前後B加工箔・日用品:10%−の値上げを実現した。しかし、「値上げ転嫁後の4月以降も副資材が大幅アップとなり、下期も追加値上げを認めざるを得なくなっている。また、主原材料である箔地加工賃も下期から大幅値上げを受け入れざるを得ない状況」(野口社長)、「上期分のコスト上昇は合理化などで吸収するよう努力してきたが、10月以降の大幅コストアップは自助努力の範囲を超えており、事業の継続に支障をきたしている」「対応策を熟慮検討してきたが、安定供給を維持するためにはユーザーに負担をお願いせざるを得ない」(同)としている。
地金価格スライド制は6カ月平均価格を転嫁するもので、重量ベースで約7割のユーザーに適用。07年度下期の374円/sから08年度上期は322円と52円引き下げた。08年度下期は354円となるため、上昇分32円を価格転嫁する。
一方、モノ価格のユーザーの地金価格は350円〜370円。「ルール適用をお願いするが、地金価格が上下に極端に変動しない限り、地金分の値上げには触れず、加工費の是正だけを要請する」(同)という。
昭電、1.89インチHDで量産開始
記録容量は世界最大の120GB
昭和電工は11日、今年8月から世界で初めて第4世代の垂直磁気記録(PMR)方式による記録容量120ギガバイト(GB)/枚の1.89インチハードディスク(HD)の量産を開始したと発表した。現時点で、同サイズのHDとしては世界最大の記録容量。07年8月に量産を開始した80GB/枚のHDの磁性層に改良を加えて記録容量の拡大を図った。
同社は世界で唯一、1.89インチHDを量産するメーカー。今回の120GBのHDはHDDの一層の小型化と大記録容量化に寄与することで、携帯音楽プレーヤー、ハイビジョンビデオカメラ、小型ノートPC向けなどでの需要が見込まれている。
7月のアルミ建材出荷、2.3%減
住宅サッシ0.1%減、ビル6.9%減
7月のアルミ建材生産・出荷統計(確報)によると、総生産量は3万235d、前年同月比5.2%減、総出荷量は3万5,938d、同2.3%減となった。出荷金額は534億3,400万円、同4.2%減。d当たり平均出荷単価は148.7万円で、前年同月の151.6万円比1.9%の下落となった。
部門別出荷ではサッシの生産が1万8,718d、同5.9%減、出荷が2万3,019d、同3.0%減。住宅用サッシは生産が同3.3%減、出荷が同0.1%減と落ち込み幅が縮小。出荷単価は141.3万円で昨年7月の140.5万円からは0.6%アップした。
また、ビル用サッシは生産が同8.7%減、出荷が同6.9%減。出荷単価は167.2万円で、前年同月の174.2万円比4.0%下落した。
新日軽が一部鋼製EX製品値上げ
11月4日受注分から15〜20%
新日軽は10日、スチール製メッシュフェンスなど一部ガーデンエクステリア商品の上代価格を値上げすると発表した。対象商品はスチール製メッシュフェンス・門扉、スチール製自転車置き場、スチール製自転車ラック、スチール製ゴミ箱。値上げ率は15〜20%で、11月4日受注分から実施する。
世界的な需要増を背景にした鋼材価格の高騰に対し、生産性の向上、物流費・経費を含む各種コスト削減を実施。しかし、企業努力でのコスト吸収の限界を超えた厳しい調達状況となっているため、値上げに踏み切る。
アイシン精機
タイにエンジン部品の新生産拠点
11年度にAIダイカストから一貫生産
アイシン精機は16日、アセアン地域での生産拡大に対応するため、タイに第2の生産拠点としてアイシン・タイ・オートモーティブ・キャスティング(略称:ATAC)を設立すると発表した。同社は既にタイのサイアム・アイシンでブレーキ・車体・エンジン部品などの生産を行っているが、アセアンでの自動車産業の拡大に伴ない生産量が増加。今後も小型車エンジン部品などの需要拡大が見込まれるうえに、製品の高度化に対応して事業別生産体制を構築するため、サイアム・アイシンからエンジン部品事業を分離・独立し、事業拡大と競争力強化を図る。
新会社は今年9月に設立、資本金は16.81億タイバーツ(約54億円)でアイシン精機97%、豊通タイランド3%の出資。タイ・プラチンブリ県カビンブリ工業団地に工場を設ける。敷地面積21万3,700u、建屋延床面積5万u。12月から建屋の建設を開始し、09年後半にサイアム・アイシンから事業の移管を行い、同11月から生産を開始する。主な製品はタイミングチェーンケースやウォーターポンプ、オイルポンプなどのエンジン部品。2011年度にアルミダイカストから機械加工・組付までの一貫生産体制を構築する。
将来的には、グループ会社であるアイシン・エーアイの現地法人が生産しているマニュアルミッションなどの駆動系部品のダイカスト工程も含めてアルミ生産能力を増強、アセアン地域での生産体制を強化する。 従業員数は当初760名、2011年度で1,000名を見込む。2011年度売上高目標は40億タイバーツ(約128億円)。
川重が09年度末までに自社開発
時速350qの新型高速鉄道車両
川崎重工はこのほど、新型高速鉄道車両「efSET(イーエフセット)」(次頁写真)の自社開発に着手すると発表した。
開発する高速鉄道車両は、営業運転速度350km/時を実現、2009年度末までに開発を完了する。軽量ボディおよび空力デザイン適用による騒音、振動などの周辺環境への負荷を低減した環境に優しい車両とする。さらに、軽量ボディや平滑化により走行抵抗をして低減省エネルギー性能の向上させるなど、これまで国内の新幹線車両の設計で培った技術を適用する。
同社は1964年に営業運転を開始した0系新幹線から、最新鋭の新幹線車両に至る国内向け新幹線車両の設計・製造に永く携わってきた鉄道車両メーカーであり、高速鉄道車両の設計・製造に関する豊富な実績およびノウハウを有する。
また、2004年に台湾高速鉄道向け700T型車両、2006年に中国鉄道部向けCRH2型車両を納入した実績を持つ。
現在、アメリカ、ブラジル、ロシア、インド、ベトナムなどの国々が高速鉄道の具体的な新規建設計画を進め、世界中で今後20年程度の期間で10,000km前後の高速鉄道路線が増設される予定であり、これに応じた高速鉄道車両の需要が見込まれている。欧州の鉄道車両メーカーも自社開発の高速鉄道車両の開発・市場投入を進めている。川重は世界基準に沿った自社開発の高速鉄道車両により世界市場での受注獲得を目指す。
日本ダイカスト協会が「要望書」
コストアップで取引先各社に提出
日本ダイカスト協会(甲斐宏会長=写真)はこのほど、会長名で「ダイカスト製品の副資材及び物流関係費用の高騰について」と題した要望書を取引先企業に提出した。昨年来の原油・鋼材価格高騰の影響に加え、経済環境悪化に伴う受注減により、会員企業の経営が圧迫されていることに伴う措置。要望書の内容は次の通り。
「昨年来から急激な原油・鋼材価格が高騰していることに伴い、燃料、金型、各種副資材、物流関係費用等について大幅な値上がりが生じております。当協会会員企業では、従前から取引先各位からの値下げ要望に最大限お応えすべく絶え間ないコストダウンを努力に努めて参りましたが、さらに原油・鋼材高騰の影響によるコストアップ分の吸収を図るように生産合理化、省エネ活動等を推進して参りました。
しかしながら、これらの自助努力も限界に達しており、さらに経済環境悪化による受注量減少もあいまって経営が大きく圧迫される状況に至っております。こうした状況が長引くことは、当協会会員企業の経営基盤を揺るがすのみならず、取引先各位に対する製品供給に支障をきたす恐れがあることを憂慮しております。
つきましては、原油・鋼材価格高騰による燃料、金型、各種副資材、物流関係費用等の諸経費増加というダイカスト業界を取り巻く厳しい環境をご理解・ご賢察のうえ、当協会会員企業が取引条件等についてご相談に伺うことがあれば何卒十分な協議を行っていただけますようよろしくお願い申し上げます」
YKKセンターパークがオープン
黒部事業所内の一般開放施設
YKK(吉田忠裕社長)は10日、富山県黒部市の黒部事業所内に一般開放施設「YKKセンターパーク」をオープンした。創業100年を迎える2034年に工場の敷地が緑豊かな森になるように植樹を進めている「さくらの森」や「ふるさとの森」、YKKグループのものづくりの歴史を伝える「丸屋根屋根展示館」などで構成、黒部ならではの緑のパークを目指して整備した施設。
黒部事業所の「古御堂エリア」と吉田忠雄記念館や展示ホールがある「YKK50ビル」の大きく二つのエリアで構成され、敷地面積は12万2,700u。産業観光などで一般市民も楽しめる一般開放施設として整備。このうち、「YKK50ビル」周辺部分の7万6,600uがYKKセンターパークとなっている。
今週のレポート丸紅・軽金属部がMB会議報告
欧米Al需要、本格回復09年後半
09年LMEは2500〜3000jのレンジ
丸紅の軽金属部地金課は11日、9月8日〜10日にカナダ・モントリオールで開催された
「メタルブリテン会議2008年」の内容を速報として以下の通り(要約)報告した。同会議の参加者は600名超で、世界各国の生産者、需要家、トレーダーが集結した。
2009年にLME3500jの新高値も
【マーケット総括】08年前半は電力供給不足、価格高騰に伴う南ア・中国・NZ・北米・欧州での大規模な減産による「供給不安」を材料に相場は新高値の3,380jまで急騰した。だが、その後の欧米金融市場の一段の悪化により個人消費が低迷。住宅・自動車産業中心に減産を強いられ、欧米を中心に「需要減速」が鮮明となり、相場の焦点は「供給不安」から「クレジットクランチと需要減速」へ移行した。商品市場は株式急落ととともにリスク資産からの資金回避の動きから大幅な調整局面を迎えている。
欧米金融市場混乱の出口は依然見えず、今後の回復時期が焦点に。短期的には一段のダウンサイドリスクが残る一方、生産コスト割れの観点から下値は限定的であるとの見方で一致していた。
米国金融市場悪化に伴う個人消費低迷から住宅・自動車市場が急落、北米景気低迷が起因となり、欧州・日本・アジア市場までその余波が広がる悪循環に陥っている。アルミの主力需要先となる住宅・自動車市場の低迷が需要全体を押し下げる構図となっている。
中国は引き続き8〜9%の経済成長を継続する見通しだが、2007年までの12〜3%という伸び率からは鈍化する。北京五輪後の需要が懸念材料、現状国内在庫削減に終始、年末にかけて再度新規買いが入る見通しもあるが、足下は弱気。
日本は08年上期まで堅調に推移したものの、下期以降は主力の自動車市場の生産減見通しが台頭。住宅市場低迷も今夏の猛暑による缶材需要増で下支えされた格好である。自動車ほかの欧米向け輸出への影響が今後拡大すればダウンサイドリスクを抱える。
LME3カ月相場見通しは2008年:2,400〜2,800j、2009年:2,500〜3,000j(年平均2,700〜2,800j)。「短期はBearish、中長期はPositive」が大半。短期的にはWTIの動向と合わせファンドリクイデーション継続の可能性から2,400〜2,500jまでの下落余地がある。
しかし、そのレベルでは中国、北米・欧州製錬所で電力コスト高騰による生産コスト割れによるさらなる減産・閉鎖の可能性、需要家の買い待ちもあることから下値は限定的であるとの見方が大半を占める。一方、上値は2,800〜3,000jレベルまでの回復の可能性を示唆。中国からの新規買い、ファンド買い戻しの時期がポイントとしている。
中長期的にはエネルギー・電力不足、価格高騰による生産コスト高、欧米・中国他需要回復で2009年平均は2,800jレベル、3,000j回復後は新高値を更新し3,500jまで上昇するとの見方もあった。
中国の国内需要、足下ダウン
【中国需給】北京五輪後の需要は若干低迷するも08年もGDP成長率8-9%を維持する見通し。足下は需要減、積上がった在庫をDestockingする状況にあり、新規買いは小休止。
中国の生産コストに関しては16,000〜17,000人民元(約2,350〜2,500j)と想定、相場下落が長期化すれば、更なる減産、閉鎖が進む可能性もある。8月からの合金塊への輸出税15%課税により新規輸出は減少見込み。新たなValue added Productsへの生産移行には時間を要するため、今後アジア圏はタイト化する可能性もある。
北米は50万dの供給過剰
【北米需給】クレジットリスク増、景気低迷で個人消費が悪化。住宅市場低迷が長期化し、アルミは押出需要が前年比20%超の減少。圧延需要は航空機、缶材中心に堅調な推移を継続する一方、GM他ビッグ3、トヨタ他による減産で全体のセンチメントが悪化、北米アルミ需給は約50万dの供給過剰に陥る見通し。
北米需要は前年比10%程度のマイナス成長、更にMg、Mn、Si、Cuなどの価格高騰で生産コスト削減の観点からScrap、Offgradeの使用比率増で新塊需給緩和に拍車をかける。
一方供給サイドは電力価格高騰に伴うRockdale、Colombia Fallsの減産継続もあるが、その他追加減産のニュースはない。ロシア塊輸入は40万d規模で継続、供給過剰を拡大する。
09年もスクラップ需給、ロシア塊他の地金輸入の動向が需給の焦点に。仮にロシア塊輸入がゼロとなっても需要低迷続けば供給過剰解消されず。海外からの北米向けメタルは削減、欧州・アジア向けにシフトされる可能性はあり。
アルミナは中国供給過剰
【アルミナ】足下のFOB豪州価格は340〜360j/d。主因は中国国内需給緩和にあり、中国国内価格は2,900人民元(約425j)/CIF中国350jレベルまで下落していることが影響。中国国内の生産増、需要減に伴う国内需給が軟化、市場全体の価格を押し下げている状況。一方、生産コストは、原油・苛性ソーダ等など燃料価格高騰で下値も限定的としている。
電力価格高騰に伴う減産・閉鎖リスク
08年電力不足、及び価格高騰に伴い、南ア・中国・NZ・北米・欧州製錬所で相次ぐ減産が発表される。足下状況に改善は見られず、短期的に電力不足解消の可能性は低い。
更に09年以降北米・欧州では電力契約がExpireされる製錬所が控えており、それらの動向により一段の減産リスクは高まる。
中国国内の状況は不透明。国内電力価格上昇傾向にあることは間違いないもののCash確保のためにコスト割れでも生産継続する可能性も否めず判断は難しい。しかし、潜在的な供給リスク大であることは間違いない。
アーレスティの人事異動
(10月1日)執行役員豊橋工場長(豊橋工場主席)松下秀之▽執行役員アーレスティ栃木社長兼ATCつくば社長(アーレスティ栃木取締役工場長)小倉正巳▽Ahresty Wilmington Corp.Predident(豊橋工場長)野中賢一▽執行役員(経営企画部長)辻鶴男▽退任(執行役員アーレスティ栃木社長兼ATCつくば社長)河原崎光一朗▽同(執行役員Ahresty Wilmington Corp.Predident)坊野靖司
図・表・写真は本誌でご覧ください。
|