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NO.1917(2008年12月15日号)


新中央工業/ワールド・アルマイト
アルマイト電線の量産技術確立
自動車電装用などに本格発売へ

 ワールド・アルマイト(東広島市志和町)はアルマイト電線の量産技術を確立、本格的な受注活動を開始する。銅線などと比べ軽量で、被覆材を使わないアルミ単一材のためリサイクルも容易。各種マグネットワイヤーや自動車電装品向け拡販を狙う。

 ワールド・アルマイトは精密機械加工・プレス加工の新中央工業(東広島市八本松町、中西忠彦社長)のグループ企業で、アルマイト処理を手がける。アルマイト電線は導体であるアルミ線の表面にアルマイト(陽極酸化皮膜)処理をしたもの。アルマイト層は電気を通さない絶縁体のため、内部に導電性を持たせたまま、外側は不導体となり、樹脂やエナメルなどで被覆しなくても電線、ハーネスとして使用することが可能。軽量なうえに、高温・多湿、腐蝕環境において利用できる。加えて、回収された廃電線は被覆材を含まないアルミだけのためリサイクル性にも優れる。
 アルミやアルマイトは鉄や銅と比べて熱中性子の低吸収性が大きな特徴。同社は大学附属の原子力研究施設から医療用の中性子加減速装置の磁場発生用コイル向けにアルマイト電線の供給依頼を受け、同分野へ参入。07年には独自の製造装置を自社開発して供給した。
 同社はアルマイト電線を自動車部品、機械部品、制御やセンサー関連のモーターやコイルのマグネットワイヤーとして拡販。さらに、一段の軽量化が迫られている自動車の銅製ワイヤーハーネス(組み電線)の代替需要を狙う。既にサンプル出荷を行っているが、自動車メーカー、家電メーカーから引き合いが寄せられているという。
 現有製造装置はコイルからアルミ素線を巻き戻しながら、アルマイト槽中に送り出して連続的に処理、再度コイルに巻き取るもの。現在、線径1oのアルミ線に10μmのアルマイト層をつけているが、巻き取り装置などの一部改造・調整で0.5〜2oの線径にも対応可能。アルマイトの膜厚も自在に調整できるとしている。巻き取り装置の自動化で生産性を高めるほか、アルマイトの絶縁抵抗をさらに高めるため、クラックの発生しにくいアルマイト処理法の開発なども進める。


10月の二次地金・合金出荷11%減
ダイカスト向け14.6%の大幅減に

 日本アルミニウム合金協会がまとめた10月のアルミ二次地金・同合金地金の需給統計によると、生産は9万683d、前年同月比10.4%減、出荷は9万1,182d、11.1%減となった。マイナスは生産が5ヵ月、出荷が3ヵ月連続。2ケタの減少はいずれも99年1月(生産が12.7%減、出荷が11.8%減)以来、9年9ヵ月ぶり。
 部門別出荷は、▽鋳物:2万5,034d(前年同月比9.1%減)▽ダイカスト:4万9,345d(14.6%減)▽板:6,337d(3.3%減)▽押出:5,392d(2.6%減)▽合金地金メーカー向け:2,745d(3.2%減)。需要の54%を占めるダイカスト向けは14.6%減と、8月の7.1%減、9月の4.9%減に続く前年同月実績割れとなった。


上期のAl製品総需要220.7万d
0.5%増、構成比4割の輸送1.3%増

 日本アルミニウム協会によると、08年度上期のアルミ製品総需要は220万7,237d、前年同期比0.5%増と、僅かながら2年ぶりのプラスになるとともに、過去最高である06年度上期の220万7,968dに迫った。輸出が12万661d、2.5%増と底堅く推移したのに加え、内需も208万6,576d、0.4%増となった。
 製品別では電線、粉、輸入製品を除いて前年同期実績を上回った。用途別では需要の40%強を占める輸送向けが1.3%増となった。一方、土木建築は同7.2%減と引き続き落ち込んだ。


10月の圧延品出荷、5.4%減
板類3.2%減、押出類8.6%減

 日本アルミニウム協会が発表した10月のアルミ圧延品生産・出荷統計によると、板類は生産が11万6,740d(前年同月比1.6%減)、出荷が11万4,906d(同3.2%減)となった。マイナスは生産が7ヵ月ぶり、出荷が2ヵ月ぶり。
 箔地、フィン材を含む民生用電気、卸・小売などがプラスとなったものの、缶材、印刷板を含む金属製品、輸送用機器、建設など広範囲にわたってマイナスとなった。輸出も9%減と減少した。
 押出類は生産が7万8,685d(同9.0%減)、出荷が7万8,251d(同8.6%減)。ともに21ヵ月連続で前年実績を下回った。
 過半を占める建設向けに加え、自動車部材、一般機械器具などがマイナスとなった。
 板類と押出類の合計では生産が19万5,425d(同4.7%減)、出荷が19万3,157d(同5・4%増)で、ともに2ヵ月ぶりに減少した。
コンデンサー向け箔、14%減
 箔は生産が1万1,811d(同5.6%減)、出荷が1万1,270d(同10.8%減)。ともに2ヵ月ぶりのマイナス。
 分野別出荷では、食料品向けが3,120d(同2.6%減)、日用品が1,142d(同18.1%減)と引き続きマイナスを記録。加えて、コンデンサー向けが3,472d(同14.4%減)と5ヵ月ぶりに前年実績を下回ったことが響いた。


TOEXがEX施工コンクール

 TOEXはこのほど、「第31回エクステリア施工コンクール」を実施した。全国2,540店の販売工務店から昨年を570点上回る5,498点の応募作品があり、TOEX大賞をはじめ、約200の入賞作品を表彰した。
 「門まわり・車庫まわり」「自然浴ガーデン」「エクステリアリフォーム」「新商品」の4部門それぞれの金賞受賞作品の中から、「TOEX大賞」には「新商品部門」のDプラザ名西店(愛知県愛西市)が選ばれた。


丸紅が2008〜10年新地金需給・相場予想
09年も需要低迷し53万d供給超
LME3ヵ月、1700〜2500jの展開

 丸紅の軽金属部地金課(石橋豊課長)はこのほど、「2008年〜10年におけるアルミ新地金需給バランスとLME相場見通し」を発表した。それによると、09年は一部減産があるものの、西側諸国を中心にした需要の低迷で、需給バランスは若干改善するものの、引き続き53万dの供給過剰を予測。需要の回復は10年以降としている。
【08〜09年需給】世界のアルミ新地金需要は08年見込みが3,886.2万d、前年比2.9%増と07年の伸び率9.8%から急減速する。西側需要は2,313.0万と前年実績(06年比2.3%減)横ばいにとどまる。北米は07年の10.9%減に続き、5.4%減を見込む。牽引役の中国の需要も1,354万d、7.7%増と、07年の34.8%増から伸び率が縮小する。
 一方、世界の供給量は08年9月以降、年産ベースで222万d、うち中国で134万d程度の減産実施があるものの、08年は4,011.9万d、07年比5.4%増となる。その結果、需給バランスは125.7万dの供給過剰と、07年の31.7万dの供給過剰から大幅に緩むと予想している。
 09年は世界需要が3,998.2万d、08年比2.9%増と引き続き低迷を見込む。地域別内訳では北米が628万d(08年比0.2%減)、日本が225.6万d(同1.0%減)とマイナス基調が続き、西欧も711.8万d(同0.6%減)と08年の1.2%増からマイナスに転じる。中国も1,451.8万d、7.2%増にとどまる。ただ、西側供給量は北米を中心とした大規模減産継続で2,069.6万d、08年比1.0%減と減少。中国の供給量も1,442.6万d、同4.1%の伸び率に鈍化することで世界供給量は4,051.6万d、同1.0%増となる。その結果、需給バランスは08年に比べタイトとなるものの、53万dの供給過剰が続く。
【10年は需要回復で供給超34.6万dに改善】2010年は新規製錬プロジェクトが予定通りに立ち上がることで、世界供給が4,274.1万d、09年比5.5%増と増える。しかし、世界的な景気回復に伴い、世界需要は4,239.4万d、同6.0%増と伸びが加速。供給過剰幅は34.6万dと徐々にタイト感が増していくと予測している。
 LME3ヵ月物の見通しは足元の08年10〜12月は安値1,700〜高値2,450jの値動き。「LME在庫が既に170万dを超え、近々200万d突破を予想されているような状況では相場は早急には上がらない」としている。09年は下値が1,700jと変わらないものの、高値は2,500jと若干高めに推移すると予測。
 2010年はタイト感が増していくことで、2,000〜2,800jのレンジでの展開になるとしている。


YKK中間、建材21億円の営業損
国内市場環境厳しく6.8%減収

 YKKの08年9月期中間連結は前年同期比5.2%の減収。ファスニングは海外を中心に堅調に推移したが、為替変動の影響を受けた。建材も国内の厳しい市場環境で6.8%の減収となった。
 営業利益は29.0%の減益。国内建材事業が売上減少をもあり21.45億円の営業損失を計上。ファスニング事業も為替変動の影響を受けた。一方、中間純利益は前年の制裁金仮納付額242億円の特損計上がなくなったことでで大幅増となった。
 なお、棚卸資産の評価法変更に伴い、営業利益は従来法に比べ13.81億円(うち、建材8.13億円)減額となった。
 YKK APの単体の9月中間決算は売上高が1,501.21億円(前年同期比6.8%減)、営業損失35.62億円(前年同期は10.90億円の利益)、経常損失34.29億円(同6.40億円の利益)、純損失19.40億円(同3.51億円の利益)となった。
 通期では売上高3,232億円(前期比5.8%減)、経常利益15億円(同657.6%増)、当期純利益2億円(同110.5%増)と、黒字転換を見込んでいる。


文化シヤッターがベトナム進出
12月末にハノイに「BUNKA-VIETNAM」
当初シャッター月100連、ドア同500枚

 文化シヤッター(茂木哲哉社長=写真)は11月28日、ベトナムにシャッター・ドア製造の100%子会社を08年12月末までに設立すると発表した。海外子会社は初めて。新会社はハノイ市の第二タンロン工業団地(Thang Long Industrial ParkU)に工場用地を取得、09年5月に工場建設に着手し、2010年1月から生産を開始する。
 同社は08年4月に駐在員事務所を開設、ベトナム政府と連携しながらセミナーや展示会を開催するなど進出準備を進めてきた。08年10月に同工業団地1.86ha(167×111.7m)の用地取得仮契約に調印。ベトナムは今後建物における防火基準の制定など市場の成長が期待されることからハノイ郊外での量産工場建設に踏み切った。
 新会社は「BUNKA-VIETNAM社」で、資本金は580万USj(約6億円)。文化が100%出資する。社長には伊藤均氏(海外部ベトナム準備室長、56歳)が就任する。社員は当初約70名。工場規模は建屋面積8,200uで、投資額は土地・建物・生産設備を含め約6億円。生産品目はシャッター及び鋼製ドアで、生産能力は当初シャッター月100連、ドア同500枚で、年商規模は初年度3億円。2015年にはシャッター・ドアとも10倍に拡大する。
 一方、販売は現地進出の日系企業の工場などローカル需要に対応する方針で、日本への輸出は予定にないという。販売会社や販売ルートなどについては現地の市場調査を勘案しながらこれから順次決めていく。
 茂木社長は今後の海外展開について「次期中計では事業領域の拡大が主要テーマの一つ。中国を含めグローバル化を勉強中」という。


「エコウッド」の株式33%を取得
「テクモク」を素材から一貫生産

 文化シヤッターはこのほど木材・プラスチック再生複合材の梶uエコウッド」(福岡県北九州市、資本金3億円)の株式33%を取得した。これにより完全リサイクルが可能な環境建材として拡販を計画する廃木材・廃プラスチック複合材の「テクモク」について、素材から最終製品まで一貫生産体制を整えた。この種の複合材は樹脂加工メーカーからの素材調達が一般的だが、文化は販売強化策の一環として敢えて素材まで自社グループ生産する。
 「テクモク」の素材は51%廃木材木粉、49%廃プラスチックの木・樹脂複合人工木材。特徴は@資源循環型社会に適応A天然木の経年変化の反り・割れ・腐蝕がないBシロアリを寄せ付けない防蟻構造C耐朽性・耐候性に優れ長期間メンテナンスフリーD接着剤にホルムアルデヒドを使用しない安全設計−などを特徴とする。端材や廃材はProduct to Productの完全リサイクルが可。エコマーク認定を取得済み。
 これを素材にデッキ・フェンス・テーブル・ベンチ・門扉・多機能ポスト・パーゴラ・ルーバースクリーンなど13種のガーデンエクステリアに商品化して発売済み。いま社会ニーズの高い環境対応の切り札商品として販売強化を図る計画で、08年度2億円からスタート、09年度8億円、10年度12億円、11年度16億円を計画する。
 従来同社は素材についてミサワ系企業から調達していた。今回「エコウッド」が実施した第三者割当増資を全株引き受けて筆頭株主となり、自社グループによる一貫生産・販売体制を構築した。


10月のアルミ建材出荷、0.4%減
サッシ住宅7%増、ビルは10%減

 10月のアルミ建材生産・出荷速報(室内建具を除く)によると、総生産は2万8,706d、前年同月比4.1%減、総出荷は3万4,589d、同0.4%減となった。
 内訳ではサッシの生産が1万9,605d、同5.4%減、出荷が2万4,084d、同1.5%減。ビル用は生産が12.7%減、出荷が10.4%減と引き続き2ケタの落ち込みが続いている。一方、住宅用は生産が2.8%増、出荷が6.7%増とプラスに転じた。


トステムが宮崎にショールーム

 トステムは6日付で「トステムショールーム都城」(宮城県都城市太郎坊町6083-1)をオープンする。同社のショールームとしては宮崎県では2番目、国内では77番目。展示面積は約308u(約115坪)で、展示点数は76点。
 キッチン、バスルーム、洗面化粧台、サッシ、玄関戸、引戸、内装建材、外壁材、エクステリアなど家づくりに必要なほとんどの部材の実物を1ヵ所で確認することが可能。高齢者世帯の割合が多い地域性を考慮し、ユニバーサル設計の住宅に適した「玄関引戸」などの展示を充実させた。また、台風が多い地域でもあり、手軽にリフォームできる「窓シャッター」なども数多く展示する。


TOEXが歩行補助手すりに投入
色弱でも識別しやすいカラー

 TOEX(福田功社長)はこのほど、握りやすくて手の平にかかる負担の少ない卵形のビームを搭載するなどユニバーサルデザインを細部にまで徹底的に追求した歩行補助手すり「サポートレールUD(ユニバーサルデザイン)」に、色弱の人でも識別しやすいカラーUDタイプを新発売した。
 色弱の人でも識別しやすいカラーとして、アースネイビーとライムライトイエローを採用しており、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)による「カラーユニバーサルデザインマーク」の認証を取得した。
 価格は写真のアースネイビー・フロントビーム2段の連続基礎用標準価格で3万4,650円/m。初年度1,000万円の売上を狙う。


三協立山アが高断熱樹脂サッシ
高性能の3枚ガラスと組合わせ

 三協立山アルミはこのほど、「高断熱の樹脂」と「高性能のトリプル(3枚)ガラス」を組み合わせた、住宅用高断熱樹脂サッシ「アルペンPL・トリプルアルペン」を北海道・東北地区限定で新発売した。
 トリプルガラスは両面Low-Eガラスを使用し、最高基準H-5を上回る高い断熱性能値を実現。熱伝導率の低い樹脂サッシとの組合わせで結露の発生を大幅に低減して快適な室内環境を作り出す。また、樹脂形材の断面を大きくするとともに、補強材などで強化することで、瞬間最大風速50m/秒・耐風圧性能S-3(160)等級にも耐えられる構造を実現。さらに、ダブルタイト構造と框が枠を覆う形状により、A-4(2)等級の気密性能と遮音性能T-1(25)等級を確保した。
 窓種は引違い窓、たてすべり出し窓、外開き窓、ドレーキップ窓、すべり出し窓、Fix窓、両袖片引き窓、勝手口ドア、テラスドアを設定した。


三協・立山HDの役員人事

(12月1日)専務取締役(常務取締役)経営企画統括室長・駒方米弘。


三協立山アルミの執行役員人事

(12月1日)営業開発担当(ビル建材本部長)常務執行役員・吉村顕▽ビル建材本部長(ビル建材本部副本部長兼営業開発担当)執行役員・三島哲文▽マーケティング本部コストリダクション担当(マーケティング本部副本部長兼住宅商品部長)執行役員・袋俊男。


昭電アルミ事業部門長に白石俊一氏

〈09年3月下旬〉常任顧問(代表取締役専務執行役員アルミニウム事業部門長、1月5日付で特命事項担当)佐藤龍雄▽取締役、1月5日付で執行役員アルミニウム事業部門長(執行役員ショウティック事業部長)白石俊一=写真〈1月5日付〉▽シニアコーポレートフェロー(執行役員)副事業部門長兼熱交換器事業部長・右井巧▽コーポレートフェロー、圧延品事業部長・尾野元英▽同、工機センター長・佐伯稔▽ショウティック事業部長(ショウティック事業部兼開発部長)照田伸二▽ショウティック事業部生産・技術統括部長(ショウティック事業部)三浦伸▽ショウティック事業部開発部長(ショウティック・ヨーロッ社長)橋本巖▽ショウティック・ヨーロッパ社長(ショウティック事業部開発部)佐藤正広▽押出機能材事業部(昭和電工大連有限公司総経理)松本勇一▽総経理(昭和電工大連有限公司)猪川克彦。










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