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NO.2076(2012年3月19日号)

住友電工が開発
高耐摩耗性の高機能フッ素コート
Al合金などで滑り性も飛躍的向上

住友電気工業と住友電工ファインポリマーはこのほど、樹脂中最高レベルの耐摩耗性と滑り性を両立させる「高機能フッ素コート」を開発したと発表した。前処理なしでもアルミ合金などに高い接着力を持たせることが可能で、サンプル出荷を開始した。

 新開発のコーティング技術はフッ素樹脂としてポリ・テトラ・フルオロ・エチレン(PTFE)を使用する。ポリエチレン(PE)の水素をすべてフッ素に置き換えたもので、アルミ合金などの基材上にPTFEをコーティングした後、電子線を直接照射する。その結果、基材とPTFEの接着性が高まり、PTFEの炭素原子同士も架橋されるため、PTFEが基材から剥がれにくくなるという。
 これまで、基材とPTFEの接着性が必ずしも十分ではなかったうえに、PTFE自体も主にフッ素原子同士の弱い分子間力で結合していたため、摩耗に弱いという課題を抱えていた。
 高機能フッ素コートはプライマー、エッチングなど処理が不要。硬度はPTFEと同等だが、PTFEはもともと滑り性に優れる物質なので、新開発の技術により、耐摩耗性と滑り性を両立させることを可能にした。
 同コーティング技術を適用した板材サンプルでは、汎用の摺動材であるポリアセタール(POM)や超高分子PE、機械的物性に優れるスーパー・エンジニアリング・プラスチックのポリ・フェニレン・サルファイド(PPS)やポリ・エーテル・エーテル・ケトン(PEEK)などと比較しても、極めて高い耐摩耗性を示した。
 アルミ合金、鋼、SUS、銅、耐熱プラスチックへの接着が可能だが、強力な接着力が要求される場合はアルミが最適で、鉄・銅などは防錆対策を行う必要があるという。高機能フッ素コートは、プレスなど複雑形状の機械加工が可能だが、シャフトなどプレス品以外の製品の検討も進めている。


国際協力銀、丸紅に9,100万j融資
加アルミ製錬権益6.66%追加取得

 国際協力銀行(JBIC)は9日、丸紅が100%出資するカナダ子会社Marubeni Metals & Minerals (MMM)との間で、9,100万米jを上限とする貸付契約に調印したと発表した。民間金融機関との協調融資を行うもので、融資総額は1億3,000万米j。
 既報の通り、丸紅は同資金により、MMMを通じてリオティントアルキャン、ノルスクハイドロなどのアルミメジャーと共同で出資しているカナダ・ケベック州のアロエッテ・アルミ製錬プロジェクトで6.66%の権益を追加取得する。
 これにより丸紅の権益保有比率は13.33%に増加、年間7万6,000dのアルミ地金を販売する権利を持つことになる。


1月のアルミダイカスト生産
7.87万d、前年同月比7.6%増

 経済産業省の金属製品統計によると、1月のアルミダイカスト生産量は7万8,684d、前年同月比7.6%増となった。プラスは6ヵ月連続。
 用途別では自動車向けが8.3%増、二輪車向けが18.7%増と好調な反面、一般機械、電気機械向けは前年同月実績を下回った。


1月のサッシ出荷、2.0%減
住宅用0.3%増、ビル用4.9%減

 日本サッシ協会がまとめた1月のアルミ建材生産・出荷統計によると、総生産は2万9,158d、前年同月比19.2%増となった。総出荷は2万7,963d、横ばい。出荷金額は409億4,900万円で、d当たり平均単価は146.4万円と、前年の145.5万円に比べ0.6%アップした。
 このうちサッシは生産が1万8,545d、25.0%増、出荷が1万7,526d、2.0%減。出荷金額は267億7,600万円で、1.4%減。単価は152.8万円と、1年前の151.8万円から0.7%上昇した。
 サッシの内訳では住宅用は生産が48.2%増、出荷が0.3%増。出荷金額は0.6%減で、単価は前年同月の143.2万円から1.0%ダウンの141.8万円となった。一方、ビル用は生産が0.5%増、出荷が4.9%減、出荷金額は2.2%減となった。単価は167.3万円で、昨年1月の162.7万円に比べ2.8%高くなった。


LIXIL
小矢部工場増強、総投資額93億円
押出機3基・表面処理1ライン増設

 LIXILは8日、北陸地域におけるアルミ建材の生産体制の再編を目的に、小矢部工場(富山県小矢部市)に溶解から押出、表面処理までの一貫工程で新しく設備を設置し、13年4月以降順次操業を開始すると発表した。総投資額は93億円。高岡工場(富山県高岡市)は建屋および生産設備が老朽化していることから閉鎖するが、小矢部工場の増設ラインが本格稼働するまで一部ラインでの生産を継続する。
 小矢部工場はビル建材の一貫生産工場として1992年に操業を開始し、現在はビル用サッシ、住宅用サッシ、エクステリアの北陸地域の生産拠点として製品を供給している。3月末時点での敷地面積は17万6,550u、建築面積は9万4,858u。
 今回、鋳造ラインでは溶解炉を1炉新設し、既存溶解炉とリプレースする。押出機は現在の4,400d1基から3基増設し4ライン体制とする。増設する押出機のうち1基は高岡工場から移設する。また、表面処理ラインは1ライン増設し、2ライン体制とする。
 なお、高岡工場閉鎖後のアルミ建材一貫生産工場は、小矢部工場の他、下妻工場(茨城県下妻市)、前橋工場(群馬県前橋市)、久居工場(三重県津市)、有明工場(熊本県玉名郡長洲町)、タイ工場(タイ)となる。


1月自動車向けアルミ製品出荷
12.8万d、前年同月比7.7%増

 1月の自動車(二輪車を含む)向けアルミ製品出荷量は12万7,749d、前年同月比7.7%増となった。プラスは6ヵ月連続。
 製品別では、ホイール向けが21.7%減、鍛造品が0.2%の微減となったのを除いて、各項目ともプラスを記録。とりわけ、乗用車、トラックバス向け圧延品と二輪車向けダイカストは2ケタの伸び率となった。


三菱ア子会社MAパッケージング
家庭用浄水器の店頭販売で連携

 三菱レイヨンのグループ会社である三菱レイヨン・クリンスイは13日、三菱アルミニウムの子会社であるエムエーパッケージングと連携、家庭用浄水器「クリンスイ」関連製品の拡販を図ると発表した。
 クリンスイ社はこれまで、デパートやスーパー、家電量販店などで、「クリンスイ」の拡販に注力してきた。今回連携することでスーパー、ホームセンター、ドラッグストアなどの量販店向け生活雑貨に強いエムエーパッケージングの持つ販売網を活かして店頭市場での販売を拡大する。一方、エムエーパッケージングは「クリンスイ」関連製品の販売を手がけることで、商品ラインナップの拡充を図る。


軽圧品流通市況、東京52S板のみ5円安

 全国軽金属商協会・市場調査委員会(神商非鉄・石田友左委員長)がまとめた2月末の軽圧品流通市況調査によると、東京地区では52S板が前月比5円/s安となったものの、残り5品種は変わらずの結果となった。大阪・中部地区は全6品種が横ばいであった。
 今年1〜3月のNSP地金価格は220円と、昨年10〜12月期比20円安。ただ1月末までに東京地区ではアルミ大板・快削棒・63S形材の3品種が30円安となったのに対し、56S棒は25円安、アルミ小板・52S板は20円安にとどまっていた。大阪・中部両地区は全6品種が30円安であった。


YKK APが外装CWを施工
シンガポールの超大型高難度物件

YKK APはこのほど、シンガポールで建設した超大型コンドミニアム「Reflections at Keppel Bay」の外装カーテンウォール(CW)施工を完了したと発表した。
 同建物は世界的に著名な建築家ダニエル・リベスキンド氏がデザインした独創的な意匠の建築物。YKK APは6棟あるタワー棟の外装CWの工事を担当。タワー棟はそれぞれ異なる湾曲を持ち、上の階に行くのに従って細くなる形状に異なる色調のガラスとアルミパネルをランダムに配したデザインが特徴となっている。
 YKK APが施工したのは6つのタワー棟(41階建・3棟、24階建・3棟)を覆う外装CW(2万ユニットで構成、施工免疫7万1,400u)とアルミパネル(エレベーターシャフト、スカイブリッジ底面など覆う2万7,600u)など。各タワー・各階で異なるCWユニットの設計・製造は高度な技術を要するが、出荷・施工で厳密な管理を行うことで、膨大な施工量でありながら、タワー6棟のほぼ同時施工を実現したという。


住軽金、アルミ販売加工会社合併

 住友軽金属工業はこのほど、連結子会社であるSKコーポレーション(SKC、愛知県安城市、川渕秀昭社長、資本金3.01億円)は完全子会社であるSKスリッテイング(SKS、同、同)を4月1日付で吸収合併すると発表した。
 SKCおよびSKSは自動車向けアルミ部材を中心とした高品質・高機能素材の販売及びスリット加工を行っており、住軽金は11年4月に光洋マテリカからSKC株式の51%を取得し連結子会社化した。今回、SKCおよびSKSを製販一体の会社に集約することで、ユーザーへのサービスおよび競争力の強化を図る。


三和シヤッター/タジマが製作
「東日本大震災復興祈念文鎮」

 三和シヤッター工業は東日本大震災から一年を迎えるにあたり、被災地の一日も早い復興を祈念して「東日本大震災復興祈念文鎮」を制作した。 甚大な被害を受けた陸前高田市にある国の名勝「高田松原」に唯一残った「奇跡の一本松」をモチーフにグループ会社の三和タジマがデザイン、南部鉄を用いて岩手県奥州市で作った。寸法は縦10p・横6.5p、重さ約500g。


日軽金グループOBの美術展
「第29回ネオ・マルシェ展」開催

 今年で29回目を迎える日本軽金属グループOBによる美術展「ネオ・マルシェ展」が4月9日〜15日の日程で開催される。会場はギャラリーくぼた本館(東京都中央区京橋2-7-11、電話03-3563-0005)、時間は11時〜17時30分(最終日は14時30分まで)。なお、開催初日の9日17時から会場でオープニングパーティーが行われる(入退場自由)。


三協立山アルミ
外装防音ルーバーの品揃え強化

 三協立山アルミはこのほど、防音機能を持つ外装ルーバー「トーンスクリーン」に吸音材を増量し防音機能を高めた「TNS-3」と、建物外観の意匠統一に配慮した「TND-1」をラインナップした。
 「TNS-3」の構造はアルミ形材+吸音材(ポリエステル不織布吸音・断熱材)+アルミ板材(メッシュ付き)。標準パネル「TNS-1(下向きタイプ)」に比べて開口率を25%から16%に減少させるとともに、吸音材を増量して防音機能を向上させた。参考価格は18万円/u。また「TND-1」はアルミ形材製。防音効果を必要としない部位で、建物外観の意匠統一を図りたいという要望に応える製品。参考価格は10万円/u。


LIXIL住生活財団最終公開審査会
「国際大学建築コンペ」

 LIXIL住生活財団は4月27日午後1時30分〜5時30分、国連大学ウ・タント国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)において、「国際大学建築コンペ」の最終公開審査会を開催する。
 同コンペは「次世代サステナブル住宅 イン 大樹町/北海道)」をテーマに、寒冷地の過酷な気象条件かつインフラ基盤の弱い北海道大樹町に建設する次世代サステナブル住宅の建築プランを募るもの。地域特性を活用して、世界の最先端の技術を導入、また北の大地特有の冬の雪、春から夏にかけての樹木、農作物の壮大な景観とマッチする住宅を建設し、省エネ効果のデータをもとに、技術的な有効性を検証する。
 参加大学は中国、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、スイス、フィンランド、ノルウェー、日本(慶應義塾大学、東北大学)の世界9ヵ国・12大学で、一次審査により上位3校が最終公開審査会に進出する。審査は世界的に著名な建築家 である隈研吾委員長のほか、東京大学 野城智也教授(工学博士)、筑波大学貝島桃代准教授(建築家)の両委員が務める。
 定員360名。入場無料だが、事前にインターネットからKENCHIKU会員登録が必要。URL https://www.kenchiku.co.jp/compe_regi/login/input.php。締切は4月15日。申込多数の場合は抽選。


LIXIL「ショールーム仙台」
東北地域初のオープン

 LIXILは17日、東北地域初の新設ショールームとして「LIXILショールーム仙台」(仙台市青葉区中央4-6-1)をオープンした。展示面積約1,720u(約520坪)で、トステム・INAX・サンウエーブ・TOEXブランドを中心に住まいに関する商材を総合的に見ることができるワンストップショールーム。
 LIXILの総合力を活かし、住まいの空間をトータルコーディネートした3つの「ライフシーン展示」のほか、節水・節電・断熱・調湿・清掃性などさまざまな実験による体感を通して、気持ちよく暮らすためのヒントを見つけることができる「カイテキ・ラボ」などを用意。耐震や省エネなど、今後の住宅に求められる最新の設備機器・建材を展示、東北エリアの復興に貢献する。


日本マグネシウム協会講演会
「マグネ加工の課題─要望」

 日本マグネシウム協会は3月28日10〜16時40分、東京都中小企業会館(中央区銀座2-10-18)において講演会「マグネ加工の課題─主要需要分野からの要望」を開催する。主な内容は▽ものづくりの原点(科学技術交流財団・三輪謙治)▽自動車部品マグネ化の課題(日産自動車・板倉浩二)▽鉄道車両部材マグネ化の課題(東日本旅客鉄道・藤野謙司)▽曲げ成形におけるマグネの課題(ツツミ産業・下川養雄)▽ダイカスト成形におけるマグネの課題(筑波ダイカスト工業・小河原和夫)▽構造物のマグネ化の課題(茨城県中小企業振興公社・樋口修)▽一次電池マグネ化の課題(ユーエムエー・鈴木千慶)。参加費は会員1万5,000円、非会員3万円。問合わせ・申込みは電話03-3538-0230/FAX0240まで。


日本サッシ協会と防火開口部協会
「第12回積算資格認定試験」実施

 日本サッシ協会とカーテンウォール・防火開口部協会は「第12回積算資格認定試験」を行うことになり、このほど実施要領を発表した。
 積算認定資格は「アルミ1・2・3、スチール1・2・3」で、受験資格は両協会会員企業に所属する者及び推薦する者。
 事前講習会を以下の通り、3日間・8地区で開催する。@2012年5月10日:東京・福岡A5月15日:札幌・名古屋・広島B5月17日:仙台・大阪・金沢。試験は6月14日、事前講習会と同様の全国8ヵ所で実施する。募集人員は350名。
 申込書受付期間は4月2日〜16日。合格発表は8月1日。問合わせは日本サッシ協会積算資格認定事務局まで(電話03-3500-3446、Fax3477、E-mail:gsp31705@nifty.com)。なお、「受験要領」は日本サッシ協会ホームページに掲載。


神鋼の高橋アルミ・銅事業部門長
代表取締役副社長に

(4月1日、アルミ・銅事業部門)代表取締役副社長(専務取締役)アルミ・銅事業部門長高橋徹▽事業部門付(営業全般、アルミ板事業、鋳鍛事業の担当)専務執行役員下村良介▽常務執行役員アルミ板事業担当(執行役員)真岡製造所長兼設備部長佐藤孝彦▽営業全般・鋳鍛事業担当兼原料部長(押出事業・銅板事業担当兼銅板営業部長)執行役員柴田順行▽執行役員押出事業・銅板事業担当、長府製造所長藤井拓己▽銅板営業部長(アルミ板営業部長兼容器材営業部長)杉浦淳雄。下村良介専務執行役員は6月下旬に退任、顧問に就任する。


昭和電工の人事異動

(3月16日)アルミニウム事業部門圧延品事業部堺事業所生産・技術統括部長(同事業部営業部長)御所名健司▽アルミニウム事業部門圧延品事業部営業部長(出向・昭和アルミニウム缶本社企画管理部)藤丸一男▽生産技術本部SPS改革推進室長(同生産技術室)上山伸英▽退任、昭和電工生産技術本部生産技術室(昭和電工HDマレーシア社長)藤原英則▽昭和電工HDマレーシア社長(昭和電工HD事業部門生産・技術統轄部小山生産センター長)本間逸郎


YKK APの人事異動

(3月31日)退任(上席常務生産本部業務統括)叶井幸男▽退任、4月1日付けで生産本部東北事業所再構築推進部長(執行役員生産本部東北事業所長)高橋信義▽退任(専門役員監査室長)富樫登(4月1日)代表取締役副会長(代表取締役副社長生産・技術担当)吉ア秀雄▽生産本部東北事業所長(生産本部長)上席常務川崎将弘▽事業本部副本部長兼中部統括支店長(同窓事業部長)上席常務長谷川智▽生産本部技術統括(同黒部事業所長兼黒部製造所長)上席常務稲場俊一▽事業本部関西統括支店長(同住宅建材事業部長)常務山地慎一郎▽生産本部長(事業本部東京住宅建材統括支店長)常務松谷和男▽常務(執行役員)生産本部九州事業所長永田正隆▽同(同)経営企画室長岩渕公祐▽事業本部窓・住宅建材事業部MADOショップ推進室長(同関西統括支店長)執行役員水上巌▽執行役員生産本部黒部事業所長兼黒部製造所長(生産本部素材技術部長)新関文夫▽執行役員事業本部窓・住宅建材事業部長(YKK APアメリカ社住宅事業部長)八木繁和▽執行役員事業本部東京住宅建材統括支店長(YKK APインドネシア社社長)永木公三▽専門役員常務、事業本部ビル建材第一事業部CWデザイン統括竹田昭彦▽専門役員、情報
システム部長中島隆利


不二サッシの人事異動

(3月12日)中四国支店長(関東支店新潟営業所)猪俣直路▽中四国支店(中四国支店長)高松正博


三菱樹脂の機構改革、4月1日付
軽金属と先端素材両事業部再編

 三菱樹脂は4月1日付け機構改革で、軽金属事業部と先端素材事業部を「アルミナ繊維・軽金属事業部」と「炭素繊維事業部」に再編成する。
 現在の先端素材事業部を構成するアルミナ繊維事業および炭素繊維事業はこの数年間飛躍的に伸長、今後も両事業ともに用途開拓によりさらなる事業拡大が期待できる。このため、より機動的な事業運営体制とすることを目的に、炭素繊維事業を単一事業部とするとともに、アルミナ繊維事業を共通生産拠点(直江津)を持つ軽金属事業部と統合し同一事業部で運営する。


LIXILとタイ木質ボードメーカー
環境素材の高品質化で技術交流

 LIXILは15日、木質ボードメーカーであるタイのパネル・プラス社 (Panel Plus、タイ・バンコク)と環境素材「バガスボード」の高品質化を目指す技術交流を開始したと発表した。
 同技術交流を通して、再生資源を活用した環境素材「バガスボード」のF☆☆☆☆(Super E0)適合のほか、先進的な品質基準をクリアできるよう高強度化、軽量化、耐水性向上などを進める。
 パネル・プラスはタイ製糖大手、ミトポンシュガーグループの一員で、約20 年前からグループ企業から廃出されるサトウキビの絞りカスを原料とした「バガスボード」を製造販売。その高い技術力とグループ企業と連携した専門的な管理システムで、食品副産物の有効活用という環境ビジネスモデルを構築している。


神鋼がチタン生産能力増強

 神戸製鋼所は8日、チタン事業における航空機分野(合金チタン)・一般産業分野(純チタン)双方の生産能力を増強すると発表した。総投資額は日本エアロフォージ(Jフォージ)への出資金15億円を含め75億円。
 高砂製作所(兵庫県高砂市)の「新リングミル工場の建設」と「大型鍛造製品用熱処理・検査設備の導入」に加え、100%出資会社である神鋼特殊鋼管(山口県下関市)でチタン溶接管ラインを増強する。
 12年11月稼働予定の「新リングミル工場」によりリングミルの生産能力は現行の約2倍となる。大型鍛造品は昨年3月に日立金属と共同で設立したJフォージに型打鍛造された大型鍛造品の下工程となる熱処理・検査設備を導入する。処理能力・航空機需要家の要求スペックに適合した最新鋭の設備になる一方、生産能力は従来の約3倍となる。チタン溶接管は今回の増設により、溶接管製造能力は約25〜30%向上する。


図・表・写真は本誌でご覧ください。