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NO.2101(2012年9月24日号)

電化皮膜工業
10月1日、「潟Aート1」に大変身
金属以外の「境界」にも表面処理

電化皮膜工業は10月1日付けで社名を「潟Aート1」に変える。金属にとどまらず、さまざまな「2つの面の境界」に最適な表面処理皮膜を提供する「アート」を究める企業をめざす。

 スマートフォンなどの電池の持続時間を長くするために、消費電力の小さい次世代メモリーとしてReRAMが期待されている。電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリーとしてフラッシュメモリーがあるが、書き換え回数に制限があるため高頻度に書き換える必要があるメモリーには利用できない。そのため、不揮発性でかつDRAMと同等の書き換えが可能なメモリーが待望されている。
 ReRAM素子は金属酸化膜を金属電極で挟んだシンプルな構造で、電圧駆動により高速応答するとともに、書き換えと読み出し時以外は電力を必要としない不揮発性メモリー。酸化タンタルと白金電極を用いたReRAMをスマートメーターなどに用いる計画も発表されている。しかし、これまで多くのReRAM候補材料が検討され、数多くの動作原理が提唱されてきたが、耐久性が実証されていないことや、動作原理が解明されていないなどが実用化の妨げとなっていた。
 今回の研究開発では希少元素に替えて、豊富にあるアルミの陽極酸化膜を用いたAlOx-ReRAMを作成。アルミ陽極酸化膜は膜の表面に規則的なナノ構造を有しており、ニッケルやタンタルなどの遷移金属の酸化膜を用いたReRAMと同様に、数ボルトの電圧印加で絶縁体から金属状態に変換、逆バイアスを印加すると金属絶縁状態に戻ることを利用したもので、動作原理も世界で初めて解明した。
 新たに作成したMIS構造(金属/金属酸化物の絶縁膜/p-Si半導体)のAlOx-ReRAMは従来のMIM構造(金属/金属酸化物の絶縁膜/金属)を有したAlOx-ReRAMに比べ、性能を不安定にする弱点であったオフ電流を従来に比べ1/1000以下に小さくすることも確認した。


中央精機がインドネシア第2工場
アルミホイール、年産50万個

 ホイールメーカーの中央精機(愛知県安城市、東幸雄社長)は10日、インドネシア西ジャワ州カラワン県に、インドネシアでは同社2番目の拠点となるアルミホイールの生産新工場を建設すると発表した。11月に会社を設立、14年1月から操業を開始する。
 新会社は「PT.Central Motor Wheel Jakarta Indonesia」で、資本金1,600万j。中央精機グループが100%出資する。工場はスルヤチプタ工業団地内に建設し、敷地面積約5万1,000u、工場面積約9,300u。従業員数約150名。年産能力は50万個。投資額は約25億円。
 同社はインドネシアにはアルミホイールの生産拠点として東ジャワ州パスルアン県でPT Central Motor Wheel Indonesiaを稼働。年産能力は300万個あり、全量日本向けに輸出している。
 インドネシアでは自動車市場が急成長しており、カラワン県ではトヨタ自動車の第2工場が13年初めに生産開始予定のほか、ダイハツ工業の新工場も12年末に稼働をスタートする。新工場はこれらの工場などに供給するが、新たな生産プロセスにより、新興国で求められる高品質で競争力のあるアルミホイールを提供可能にする。  なお、中央精機はアルミホイールの生産拠点として、日本国内が200万個、海外ではインドネシアの他、中国広東省の広州中精汽車部件有限公司が100万個、アメリカ・ケンタッキー州のCentral Motor Wheel of America,Incが180万個の生産能力を有している。


LIXIL、上期決算特損330億円
1,884名の希望退職実施で

 LIXILは10日、7月9日に発表した希望退職者募集に伴い、2013年3月期第2四半期決算で、特別損失として約330億円を計上すると発表した。約1,884名の応募者に対して、通常の退職金に割増退職金を上乗せして支払う。
 なお、連結業績予想については業況などを勘案して利益の見極めを行い、確定した段階で発表するとしている。


宇部興産機械と東洋機械金属
電動ダイカストマシンで開発協力

 宇部興産グループの宇部興産機械(山口県宇部市、岡田コ久社長)はこのほど、日立グループの東洋機械金属(兵庫県明石市、片山三太郎社長)と、電動ダイカストマシンの開発で協力することで合意した。
 両社は今年4月、ダイカストマシン生産における業務提携に合意し、両社の中国工場の相互利用による競争力ある油圧ダイカストマシンについて、今年度内の出荷開始を予定している。
 今回、日本国内市場を対象にした全電動ダイカストマシンの開発においても早期の市場投入や製品ラインアップの補完が可能など、多くのメリットが見出せることから開発協力の合意に至った。
 宇部興産機械は全電動ダイカストマシンの開発にあたり、Dsシリーズ機で豊富な実績を持つ東洋機械金属の協力を得ることにより、開発のスピードアップとダイカストマシンの電動化による新たな市場創出を狙う。開発・生産協力の一環として、宇部興産機械は電動型締機構を東洋機械金属から調達、自社開発の電動射出機構と組み合わせてダイカストマシンに搭載する。
 今回の協力体制による新しい電動ダイカストマシンとして、11月に開催される日本ダイカスト会議・展示会で型締力250dのプロトタイプマシンの発表を予定。以後、両社は型締力800dまでの電動ダイカストマシンのシリーズ化を図る。


ホンダが新開発
スチールとアルミのFSW接合技術
世界初、量産車の骨格部品に適用

 ホンダ(本田技研工業)は6日、スチールとアルミの異種金属を連続接合する技術を新開発、世界で初めて量産車の車両骨格部品であるフロントサブフレームに適用したと発表した。9月19日に発売予定の北米仕様の新型「アコード」から採用し、順次拡大していく。
 同技術は摩擦撹拌接合(FSW)技術を応用したもの。スチールに重ねたアルミの上から、加圧しながら回転ツールを移動させることで、スチールとアルミの間に安定した金属結合を新たに生成させて接合。従来のミグ溶接と同等以上の強度での接合を可能にした。
 サブフレームをアルミ化することで、従来のスチール製に比べ25%の軽量化を実現。さらにサブフレームとサスペンション取付部の構造変更により剛性を20%向上、運動性能を高めた。
 また、従来、FSWは大型装置を用いる手法が一般的であったが、ホンダはより汎用性の高い産業用ロボットを使ったFSW連続接合システムを開発し、量産車への適用手法を開発した。同システムはアルミとアルミの接合にも流用が可能で、フルアルミサブフレームの生産も同一仕様の接合システムで行うことができるという。
 なお、ホンダは高感度赤外線カメラとレーザー光を用いた非破壊検査システムも開発し、インラインでの接合部の全数検査も可能にした。


LIXIL・東大生産技研が共同実証
「窓の開け方で通風量約10倍に」

 LIXILはこのほど、東京大学生産技術研究所と共同でエネルギーマネジメントの実証実験を行っている「COMMAハウス」で、窓の設置位置と開け方によって、通常に比べ約10倍の通風量(換気量)が得られる「ウインドキャッチャー効果」を確認したと発表した。
 同実験では縦すべり出し窓を利用した「ウインドキャッチャー効果が得られる窓の開け方」と「同効果が得られない窓の開け方」とを比較。効果が得られる開け方は「外壁の一つの面内において、吊元の異なる複数の窓を開放して通風を行うもの」。一方、効果が得られない窓の開け方は「一つの面内で吊元が同一である窓のみを開放するもの」。実験では1時間当たりの通風量を比べた結果、ウインドキャッチャーが「あり」で399.3m3/h、「なし」で37.9m3/hと、およそ10倍の環境量が得られることを確認した。
 この結果を踏まえ、同社は省エネで快適に過ごすための最適な窓サイズ・種類・配置を提案する「通風・創風設計サポート」、「通風建具(ルーバードア/引戸)」や「通風玄関ドア」などの商品・サービスの開発を進める。


上期の板・押出輸出、11.6万d
0.4%減、輸入3.7万d・11%増

 財務省貿易統計による2012暦年上期の圧延品輸出・輸入実績がまとまった。輸出は板類(板・帯・円板)が9万9,219d・前年同期比3.7%減、押出類(棒形・管・線)が1万6,690d・25.5%増となった。板類と押出類の合計では11万5,909dで、前年同期の11万6,350d比0.4%減となった。
 板類の国別輸出ではタイ向けが2万1,437d、12.6%減となったものの、引き続き首位を占めた。中国向けも1万9,078d、2.1%減にとどまった。押出類の輸出ではマレーシア向けが5,619d・32.6%増となったほか、中国向けが6.1%増、タイ向けが62.5%の大幅な伸びとなった。
 一方、輸入は板類(板・帯)が2万8,056d・16.5%減、押出類(棒形・管・線)が9,220d・8.6%増。板類と押出類の合計は3万7,276dで、前年同期の4万2,095d比11.4%減を記録した。
 板類の国別輸入では前年同期でトップであった中国が4,466d、55.9%減と大幅に落ち込み、第3位に。一方、韓国、米国は0.7%、16.4%の伸び率となり、シェアで1位、2位を占めた。米国の輸入量5,326dのうち、航空機用は1,207dで、昨年上期の1,164dに比べ3.7%増となった。押出類の輸入では米国が3,278d、5.7%増となり、全体の35.6%を占めた。


上期箔輸出、2.55万d・21%減
輸入は1.5万d、中国1.2万d

 財務省貿易統計によると、2012暦年上期のアルミ箔(圧延箔・その他箔・裏張り箔)の輸出は2万5,520d・前年同期比20.5%減、輸入は1万4,618d・2.6%減となった。
 輸出の国別内訳では、昨年上期に1万302dとトップであった中国向けが6,828d、33.7%減と落ち込み、第2位に。一方、タイ向けは5.2%増の8,041d、シェア31.5%で首位になった。
 輸入の国別内訳では中国が1万2,189d、0.1%増で、シェアは83.4%と圧倒的な1位であった。


文化が高速シートシャッターの
「エア・キーパー大問迅M1」発売

 文化シヤッターはこのほど、高速シートシャッター「エア・キーパー大問迅シリーズ」に、コンパクトな納まりと施工時間の短縮を実現した「M1」タイプを新たにラインナップした。シリーズ全体で今年度30億円の販売を狙う。
 「大問迅シリーズ」は主に工場・倉庫などの開口部に設置され、スチール製電動シャッターの10倍以上の高速開閉と、本体のシートとレールがジッパーで結合された高気密設計が特長。熱損失が少なくCO2の削減効果のある商品として2010年に「エコマーク認定」を取得している。
 今回新発売の「M1」の納まりは、開閉機を上部の駆動ドラムに内蔵するチューブラモーターにしたことで、ボックスの高さが同社従来品と比べて17p、袖寸法が39.4pコンパクト化。また、ガイドレール内の巻き取り用カウンターウェイトを無くし、ガイドレールの幅も3.4p狭くした結果、開口部を最大限活用できるようにした。
 施工では、ボックス、ガイドレールともに躯体との取り付けを溶接レスにしたほか、配線ケーブルの接続をコネクタ化したことなどから施工時間も大幅に短縮した。定期的な点検や部品の交換に際しては製品の表面からの作業とボックス内の部品をユニット単位で交換できるようにしてメンテナンス性も向上させた。
 参考価格は開口2.5m×高さ3.5m、不透明シートの場合で161万3,000円。

植物・動物の「界面」も事業対象
 表面処理加工の電化皮膜工業(神奈川県大和市下草柳822-3、秋本政弘代表取締役=写真)は10月1日付で、「株式会社アート1」に社名変更する。秋本代表によれば、「今後多方面に事業を拡大していくとき、『電化皮膜工業』は『アルマイトとめっき』というイメージが強く、実態とそぐわなくなると考えて改名を決断した」という。
 新社名の「アート」にはまず、金属の一般的な処理はもちろん、難しい処理、めんどうな処理をさらにアップし、「職人が持つ技」を「美しさ、究極を求める技」にまで引き上げることを目指すとの思いを込めた。
 さらに、表面処理を「2つの面の境界(界面=フェーズ)」に施す処理と考え、従来の金属だけにこだわらず、「万物のフェーズ」に対して皮膜を提供する「技」を「アート」にまで拡大させる意味を含ませた。
 例えば、アルミと空気の境目にアルマイト処理を行うのと同様に、「動物の皮膚と空気の2つの面の境界」や「植物の葉と空気の2つの面の境界」で最適条件を見出し、それを提供可能な皮膜を作ることも新たな事業分野にする狙いも持たせた。 また、「1」は@何事にも1番であれ、A世の中で1つしかないオンリーワンの製品を作るという決意の他、「1番でなければ、1番になる努力をする」というコンセプトを持たせた。
第一工場に特殊硬質アルマイトの新設備
 同社は本社・第一工場のほか、第二工場(大和市下草柳864-2)、第三工場(大和市下草柳864-3)、深見工場(大和市深見東2-2-6)の生産拠点を持つ。それぞれの工場の設備内容と処理製品を見ると、第一工場はアルミ及びマグネの化成処理(三価クロム、六価クロム、六価クロムフリー)とマグネの陽極酸化を手がけている。
 第一工場では化成処理ラインを約4分の1程度縮小、空いたスペースに特殊硬質処理のアルマイト設備2ラインを新設する。槽の大きさ(L×H×W)は2000×1100×1300o及び2700×900×1000oで、10月中旬から稼働を始める。現在、第二工場で硬質アルマイト処理を行っており、すでに適応合金種を問わない特殊硬質アルマイト(SHA)があるが、第一工場の新ラインは皮膜硬さや耐磨耗性のレベルを高めた処理を可能にする。その一つがアルマイト処理が難しいアルミダイカスト材ADC12に対する硬質皮膜処理。皮膜厚さは20〜50μmを標準に、必要に応じて80μmまで可能。また、皮膜硬さは展伸材の規格であるHv350以上をクリアして、Hv400±10程度を可能にした。その他、新ラインでは数多くの特殊処理を計画している。
 同社はADC12については光沢皮膜処理の新技術も開発。アルマイト処理だけで光沢を出すことが可能で、「湯じわ、湯流れなど色ムラがなく、これまでのダイカストでは考えられないような光沢が得られる一方、深みのある渋い色も出せるようになった」(秋本代表)。
第二工場は大型加工品の処理も可能
 第二工場には硬質と染色アルマイトの処理槽も設けられている。槽サイズは2600×2200×1300o。幅が1300oと、通常のサッシ処理槽に比べて倍以上のため、板だけでなく、鋳物、削出し品、組み立て品など縦横のサイズが大きく、幅もある製品の処理も可能。「800s程度の鋳物に100μm厚程度の皮膜を付けている例もある」。
 その他、黒染色アルマイト用に槽サイズ2700×2200×1100oの設備が1ライン、普通アルマイト用に槽サイズ2800×1300×1100oの設備が1ライン、2500×2200×1100oの設備が2ライン導入されている。第二工場には深見工場にある硬質アルマイト設備も移管する予定。
 第二工場の隣接地に建築面積約70坪の2階建て建屋を含めて遊休化していた約250坪の土地を確保、第三工場として増設する。建屋を改修したうえで、「フェーズ」関連など新規事業を行う。


7月車向けAl出荷、14.4万d
前年比7%増、10年7月比4%増

 日本アルミニウム協会および経済産業省によると、7月の自動車向けアルミ製品出荷量は14万3,961d、前年同月比7.0%増となった。プラスは12ヵ月連続。10年7月の13万8,434d比では4.0%増であった。 
 製品別では圧延品が17.3%増となったのを始め、鋳造品、ダイカストはそれぞれ6.6%、5.1%の伸び率となった。一方、二輪車向けダイカスト、鍛造品は12.9%、14.7%のそれぞれ2ケタ減となった。


7月のAlサッシ出荷、3.1%増
住宅用1.4%増、ビル用7.3%増

 日本サッシ協会がまとめた7月のアルミ建材生産・出荷統計によると、生産は2万8,278d・前年同月比5.5%増、出荷は3万3,027d・5.5%増となった。出荷金額は487億9,500万円・8.2%増で、d当たり平均単価は147.7万円と、前年同月の144.1万円に比べ2.5%アップした。
 このうちサッシは生産が1万6,512d・3.1%増、出荷が2万218d・3.7%増。出荷金額は313億8,500万円・7.2%増となった。単価は155.2万円で、1年前の150.2万円からは3.3%上昇した。
 サッシの内訳では、住宅用は生産が3.2%減、出荷が1.4%増。単価は147.3万円と、昨年7月の141.1万円からは4.4%アップした。一方、ビル用は生産が11.2%増、出荷が7.3%増と好調。単価は166.7万円で、前年同月の164.0万円に比べると1.6%高くなった。


7月Alダイカスト生産、8.72万d
3.8%増、車向け7.77万d6%増

 経済産業省の金属製品統計によると、7月のアルミダイカスト生産量は8万7,245d、前年同月比3.8%増となった。プラスは12ヵ月連続。
 用途別では自動車向けが7万7,747d、5.8%増となったものの、その他は軒並み前年実績を下回った。とくに電気機械向けは14.5%の2ケタ落ち込みで、二輪車向けも12.9%のマイナスを記録。


アルコニックスが35%出資
中国・佛山の金属加工会社に

 アルコニックス(正木英逸社長)は12日、中国の恒基創富(佛山)金属製造有限公司の株式35%を取得したと発表した。恒基創富(佛山)金属製造はアルコニックスが15%出資する香港の恒基創富投資有限公司と、中国の恒基グループの広東恒基金属製品実業有限公司(広東実業)の合弁会社。主に中国に進出している日系自動車、家電メーカー向け金属加工製品の製造販売をしている。アルコニックスは製造会社に直接出資することで、新たな商流の創出を図る。
 今回、中国側パートナーである恒基グループは恒基創富(佛山)金属製造の設備増強のための増資を実施、アルコニックスが引き受ける。
 増資後の恒基創富(佛山)金属製造の出資比率は中国側パートナーである恒富09(恒基グループ経営幹部による投資会社)30%、広東実業35%、アルコニックス35%となる。アルコニックスは副董事長および董事を派遣する。


東洋機械が電動ダイカストマシン
普及戦略機「Ds-EXシリーズ」発売

 東洋機械金属(兵庫県明石市、片山三太郎社長)はアルミ・マグネ用電動ダイカストマシンの新シリーズ「Ds-EX」を開発し、受注を開始した。第1弾として型締力250dのDs-250EX、同350dのDs-350EXと500dのDs-500EXの3機種をラインアップ。年度内をめどに小型機と大型機の品揃え拡充を図る。国内マーケットに加え、新興国を含めた海外市場向けに普及させる。3機種合わせて初年度50台の販売を見込む。
 同社の電動ダイカストマシンは電動化が困難であった射出・型締・押出の駆動源を世界で初めてサーボモータ化。射出部に電動サーボモータと油圧アキュムレータの複合による射出機構を採用したことで、高い安定性と超高速射出を両立させた。
 同社製油圧機モデルに比べた特徴は@電力消費量を約70%削減、A作動油使用量が約1/2、Bドライサイクルタイムを約35%短縮、C電動サーボモータ化による繰返し精度の向上で鋳造品の品質安定に貢献、D電動サーボモータによる増圧多段設定が可能で、高品位な鋳造を実現。
 また、現行電動機モデルであるDsシリーズとの比較では@回転制御式油圧ユニットの搭載により省エネ効果と油圧中子用油圧ユニットの増設が不要、Aコンパクト設計で設置スペースが約7%縮小、B新射出機構の採用で、射出条件設定が容易に、C型締ユニットの剛性を向上させ、消耗品の長寿命化、安定生産に貢献、Dショートスリーブ対応の固定ダイプレートを標準搭載し、鋳造品の品質向上に貢献、E5インチのスイベル式コンソールBOXを搭載(従来は12インチ)で視認性、操作性を向上─などが特徴。
 同社は「Ds-EX」シリーズを電動ダイカストマシン普及の戦略機と位置付け、価格を競合他社を含む同等クラス油圧機に比べて1.3倍程度に抑える予定。
 11月8日からパシフィコ横浜で開催される日本ダイカスト会議・展示会に型締力350dの「Ds-350EX」を出展する。


古河キャステック「トケナイト」
アルミ溶湯への鉄分溶出を抑制

 古河機械金属グループの古河キャステック(東京都千代田区丸の内、本多幸一社長)はこのほど、アルミダイカスト製品の製造過程で生じるアルミ溶湯への鉄分溶出を抑制する特殊鋼「トケナイト」(特許申請中)を開発したと発表した。
 これまでアルミダイカスト製品製造設備の鋳物素材として使われてきた「ねずみ鋳鉄」に比べアルミによる鉄分溶損に対する耐性が強いため、アルミ溶湯への鉄分の溶出(コンタミ)量を1/1600まで抑制することが可能。その結果、アルミダイカスト製品の品質向上だけではなく、製造設備で使用される消耗部品の寿命も伸ばせることから、製造コストの削減にも大きく寄与する。また、濡れ性が悪いためアルミをはじく性能に優れているほか、温度変化にも強く、鋳物素材のため、あらゆる形状での製作が可能。
 従来、るつぼ、ラドル、ノロカキなどアルミダイカスト製造工程で使用する鋳物類に特殊なコーティングを施すことでアルミ溶湯の鉄分溶出を防いでいた。しかし、コーティング効果の持続性が不安定で、消耗部品の寿命延長も厳しかった。
 新開発の「トケナイト」は特殊な製造方法により素材表面にアルミ溶損に強い特殊皮膜を形成することで、アルミ溶湯内で鉄分の溶出を抑制。鋳物類の寿命を伸ばすことが可能になるため、生産効率の向上とコスト削減に寄与する。


「LIXILショールーム静岡」オープン

 LIXILはこのほど、中部地区で初の新設ショールームとなる「LIXILショールーム静岡」をオープンした。展示面積は約800uと、住設メーカーでは静岡県内最大級。年間1万4,400組の来場を目標としている。
 展示の特長として、家づくりのイメージを膨らませやすいように実際に住んでいるような感覚で商品を確認できる空間展示を充実。静岡県は健康な状態で長生きする健康寿命が高いという特徴を持つため、元気なシニア層に向けたリフォームの提案を積極的に行う。また、日照時間全国1位の同県に適した提案としてソーラーパネルを搭載したカーポート「ソラエル・ウィンスリーポートU」など最新の省エネ商品を展示。
 さらに、LIXILショールームとして中部地区では初めて、館内で消費する電力の一部に屋上に設置したソーラーパネルで発電した電力を利用するなど、建物全体の省エネ化を目指した環境配慮型ショールームとした。


三協立山が量販店・専門店向け発売
アルミショーケース「ルミグラス」

 三協立山・タテヤマアドバンス社は量販店・専門店向けアルミショーケース「ルミグラス」を新発売した。陳列商品を際立たせるためにデザイン性・機能性を追及したシャープでスタイリッシュなハイグレードタイプ。
 正面間口のフレームは柱幅が16o(引戸面25o)の納まり寸法で、より細く見える構造。フレームに専用のLED照明を組み込める構造により照明器具が目立たないようにした。


アルミ鍛造技術会が技術講座
我が国鍛造業界活性化への戦略

 アルミニウム鍛造技術会(櫻井久之会長)は10月12日午後1時〜4時30分、且R崎機械製作所(滋賀県湖南市)において工場見学会・技術講座「我が国鍛造業界の活性化に向けた戦略を考える」─その2を開催する。内容は以下の通り。
▽集合:JR近江八幡駅12時30分▽工場見学:山崎機械製作所本社工場(常務取締役山川恵則:会社紹介と成長戦略)▽潟~ヤジマの成長戦略:代表取締役社長宮嶋誠一郎▽技術に勝る鍛造業が活性化する方策と開発及びそのマネージメント(日本大学理工学部講師・関口常久)▽総合討論・質疑応答。参加費は会員1万円、一般1万5,000円。申込みはE-mail(aluminum.forging@gmail.com)またはFAX(048-754-1948)で。


アルミ協会・全国軽商会共催
「アルミニウム技術研修会」

 日本アルミニウム協会と全国軽金属商協会共催により、第51回「アルミニウム技術研修会」が開催される。開催日時/会場は、@東京:11月5日/きゅりあんA名古屋:11月7日/名古屋銀行協会B大阪:11月8日/OMMビル。時間はいずれも午後1時〜4時30分。
 内容は▽トヨタにおけるハイブリッド自動車と金属材料開発(谷澤恒幸トヨタ自動車金属・無機材料技術部金属材料室室長)▽アルミニウム関連企業の海外シフト(鈴木清隆ECO-KS技術士事務所所長)▽新幹線用アルミニウム製吸音パネルの開発(細川俊之古河スカイ技術研究所製品開発部機能製品開発室室長)▽LED電球用高放熱アルミヒートシンクの開発(城戸孝聡住友軽金属工業研究開発センター主任研究員)。
 参加費は1会場につき2,000円/名。申込は日本アルミニウム協会まで(電話:03-3538-0221、FAX:0233、Eメール:k-iida@alkyo.jp)。締切は10月12日(定員になり次第終了)。


丸紅がMBアルミ会議の概要報告
先行き不透明も、弱い需要予測
13年LME中心値、1,900〜2,400j

Metal Bulletin誌は9月12日〜14日、ロシア・モスクワで「アルミカンファレンス」を開催したが、丸紅・軽金属部は同会議の概要を「速報」として以下のようにまとめた。

横ばい予測で、過度な悲観的観測なし
【総括】
 昨年の会議における全体のセンチメントは「回復基調の頭打ち感および強い先行き不透明感からの悲観的観測」であったが、今年は「先行き不透明感が蔓延しているものの、過度な悲観的観測はなく、横ばいで推移するとの観測が支配的」というもの。引き続き協議中のEU圏内財政問題については、参加者は皆、これまでの協議過程からその根が相当深いことを認識しており、いつ終焉するのかという議論はなかった。また、FRBによる追加量的緩和についても、その効果をポジティブに主張する者も見られなかった。各参加者の関心は急上昇したプレミアムの動向、ウェアハウスディールの動向に集まっていた。
需要は北米・東南ア堅調、中国は減速感
【アルミ需要】
 北米は航空機、自動車の回復基調が継続。住宅セクターに関しては底入れ感が強いが、回復には時間がかかりそうである。財政出動による公共事業への投資は期待できないものの、民間の学校、病院、ホテル、都心のオフィスビルは回復基調にある。
 欧州では財政問題の影響によりスペイン、イタリア、ギリシャなど南欧では全般的に経済減速感が蔓延、ドイツなど北部での需要も減速感が高まっているとの見方も聞かれた。
 アジアは、日本はエコカー減税効果もあり、自動車は生産が回復したものの、減税終了後の動向が注目されている。缶材はペットボトル代替、PBブランド輸入により若干の落ち込み。建材は来年に震災復興需要が出てくるとの声もあり、前年比横ばいとの見方。韓国は足元、建材、自動車、電機いずれも減速感があり、苦戦中との声が聞かれた。中国はLME-SHFE間アービトラージ発生によりこれまでアルミ地金輸入が見られたが、国内では景気減速感が徐々に蔓延しており、ビレットなど半製品在庫が積み上がっている。東南アジアは経済成長が継続し、アルミ需要も順調に拡大。新興国は、とくにインドからの引き合いが強いとの声が聞かれた。
新規製錬計画通り進捗、中国も拡大継続
【アルミ供給】
 「今後のLME価格推移によっては、安定供給は不透明」との声が一部既存欧米、豪州生産者から聞かれた。中東、ロシア、インドでの新規製錬所建設は概ね計画通り進捗している。2013年以降、サウジアラビア/Ma'adenは商業生産開始、ロシアのBoguchansky、Taishetと大型製錬の立ち上げは継続する予定。中国については生産拡大が継続、供給調整は厳しいとの見方であった。
【需給バランス】
 先行き不透明感により、来年の力強い需要を予測する参加者はみられず、また今後のLME価格推移によっては既存スメルターでのさらなる一部減産、生産停止が予測されることから、具体的な需給バランスに言及する参加者はいなかった。ウェアハウスディールの台頭により、従来の需給バランスの考え方に疑問を呈する声も聞かれた。
【LME価格】
 相場については一部では2013年は平均2,200jまで上昇するとの声も聞かれたが、大方は「予測できない/予測が難しい」との見方。製錬コストを考慮するとさらなる相場の下落は減産につながるため、下値は限定的との見方が強い。一方、相場が2,100〜2,200jのレベルから上昇するか否か、また上昇する場合、どの程度上昇するかについては具体的な言及を避けた参加者が大勢を占めており、先行きは不透明。
【プレミアム】
 @LME価格安値推移による一部生産者の減産、A生産停止による現物マーケットタイト化、B低金利政策の長期化、C十分なコンタンゴを背景とする余剰地金のロックアップ継続、DLME倉庫の地金搬入者に対するインセンティブ高止まり、などを背景に、ウェアハウスディールは今後も継続。このため、流通アルミは限定的なことから、足元の高いプレミアムレベルは継続するとの見方が大勢を占めた。当該ディールに対し、「怪物(モンスター)。需要家ではないのに、今や需要家のような位置を占めている」と揶揄する声も聞かれた。プレミアムの上昇について過熱気味であるとの声も聞かれたが、下がる材料が見つからず、若干の調整はあるかもしれぬが、足元のレベルを維持するのではないかとの見方が多い。
【2013年LME価格、プレミアム予測】
▽LME相場(3ヵ月先物)中心レンジ=1,900〜 2,400j/d▽プレミアム=米国中西部:¢10〜12/lb、欧州(Duty Paid CIF Rotterdam):250〜300j/d、同(Duty Unpaid CIF Rotterdam):200〜250j/d、日本:230〜270j/d。


LIXIL「国際福祉機器展」出展
アジア最大規模福祉機器展示会

 LIXILは9月26日〜28日に東京ビッグサイトで開催される「第39回国際福祉機器展(H.C.R.2012)」に出展する。同展示会は出展企業500社以上のアジア最大規模の福祉機器の国際展示会。開催時間は10〜17時。入場は無料。
 LIXILは「ひとりにいい、みんなにいい」をコミュニケーションワードとして、エクステリア・玄関から、トイレ・浴室などの水回りまで、ユニバーサルデザインに配慮した幅広い製品を展示。取り付け位置や組み合わせ、空間の広さやスペースの取り方、動線なども同時に見ることができる。
 主な展示製品は▽エクステリア:フラットレール構造門扉「アウタースライド」▽玄関:玄関引戸「PGシリーズ木屋町・袖付2枚引」▽同:ベンチユニット(玄関ホール)「ウッディーライン(玄関収納)」▽階段・廊下:明るさセンサー付き足元灯「スポット灯」▽リビング:ノンレールサッシ「デュオPGタイプ」▽トイレ:タンクレストイレ「サティス」▽浴室:システムバス「グランデージ(Uタイプ)」▽キッチン:車いす・高齢者配慮キッチン「ウエルライフ」▽洗面化粧室:洗面化粧台「ミズリア(ニースペースタイプ)」。


図・表・写真は本誌でご覧ください。