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NO.2142(2013年7月22日号)

LIXILプロダクツカンパニーが方針
競争力No.1、顧客価値No.1目指す
9種のBU・GBUで業績責任体制へ

貝IXIL は7月9日、4月1日付で設立したプロダクツカンパニー(LPC)の発足の狙いや経営方針を明らかにした。社内を業種別に9つのBU・GBUに分け、その トップが業績責任を負う。そして各々世界市場で競争力No.1・顧客価値No.1の物づくり体制を構築する。

 この日の会見には川本隆一 代表取締役上席副社長執行役員プロダクツカンパニー社長以下、9種のビジネスユニット(BU)長、グローバルビジネスユニット(GBU)長が全員出席(写 真)した。建材から住設まで住宅一棟分の多種多様な製品を保有する同社だが、業種別に縦割りにユニット化することで全体の整合性を保った。
 新体 制の狙いについて、川村副社長は@顧客・市場から見た適切な戦略的ビジネスユニット(SBU)に再編、ASBUオーナーシップ制(業績責任制)、Bマーケ ティング戦略の2面化(BUMと統合M)、C重複機能を集約したシンプルな組織、D顧客サービス及び市場の変化に対する迅速な対応─などが目的という。
 LIXIL は中計の中でビジョンとして「住生活産業におけるグローバルリーダーになる」を掲げる。その中でLPCの経営ビジョンは「<世界を変えるイノベーション 力>と<市場をリードするマーケティング力>を発揮して、グローバル視点で競争力No.1、顧客価値No.1のモノづくりカンパニーとなる」に設定した。
  またLIXILは競争戦略として「専門事業の深掘りと総合化・統合化により、品揃え・機能・価値全てにおいて、専業メーカーを圧倒する競争戦略を展開して 成長する」を標榜する。一方LPCは各BUの事業戦略として「各BU別の戦略ポジションを明確にし、各BUが持つ競争力・優位性を最大限に発揮できる重点 戦略を実行し、収益性を大きく改善する」を掲げる。
 業種別のBU・GBUは表の通り。サッシ・ドアGBUやエクステリア・タイルBUのように既 に国内シェア50%超の業種もあれば、外壁・構造体BUやインテリアBUのように業界3番手以下の業種もある。また新規事業として住設機器や建材の制御装 置を担当するデバイスBUや、これからの飛躍が期待される太陽電池の創エネBUも設置された。これら9つのBU・GBUがLIXILグループを支えるプロ フィットセンターであり、成長エンジンとなるわけで、そのトップの責任は重い。(注)表の年商規模は12年度のLIXIL国内事業の売上規模を示した。


昭和電工の高橋会長
シンガポールが国家勲章授与

HD事業の積極的な投資を評価
  昭和電工は7月9日、高橋恭平会長がシンガポール政府から12年度の「The Public Service Star (Distinguished Friends of Singapore)」を授章されたと発表した。同日、大統領官邸においてTony Tan大統領から高橋会長に勲章が授与された。同章はシンガポールの経済成長に貢献した産業人に授与される国家勲章。
 同社は1972年からシン ガポールで事業展開するが、高橋会長が社長だった05〜10年の間に、主力製品のバードディスク事業においてシンガポールに大型投資を実施。07年に子会 社の昭和電工HDシンガポール(SHDS)に世界最大規模の工場を竣工するとともに、研究開発機能を強化した結果、SHDSは同社の基幹工場に成長。ハー ドディスク事業はSHDSを中心にグローバルの4拠点から世界最高水準の高品質製品をいち早く市場投入した結果、外販メーカーとして世界トップシェアの地 位を確立、世界のハードディスクドライブの約3台に1台は同社のメディアが搭載されるに至っているという。
 シンガポール政府は高い研究開発レベルを基盤に、1980年代からハードディスク産業を育成、振興する。今回の授章は昭和電工がこの政策をもとに積極的に投資を進め、技術革新と雇用創出に貢献したことが評価された。


三菱アルミが積極投資
米TMXとタイMMAXに押出機
熱交用押出多穴管の需要増に対応

  三菱アルミニウム(半沢正利社長=写真)は7月10日、熱交換気用アルミ押出多穴管を製造する米国とタイの関連会社に、押出機各1基を増設すると発表し た。北米及び東南アジアは自動車生産台数が毎年4〜6%増加し、冷暖房用空調設備のアルミ化も進展、それら熱交用アルミ押出多穴管の需要増に対応する。
  米国のTHERMALEX.INC(以下TMX社、アラバマ州モンゴメリー市、12年度年商規模約60億円、三菱アルミ100%出資)は現在押出機5基及 び付帯設備を保有し、年約1万dの押出多穴管を生産する。今回宇部興産製3,000d・ビレット径8インチ押出機1基と付帯整備を増設する。但し老朽化の 著しいNo.1押出機1基を廃棄するので、押出機保有台数は5基と従来と変わらない。生産能力は年約1万3,000dに30%アップする。
 タイ のMUANG-MAX(THAILAND) CO,LTD(以下MMAX社、バンコク市郊外、12年度年商規模約30億円、三菱アルミの出資比率は現地法人分17%を含め50%)は、現在押出機2基 及び付帯設備を持ち、年間約4,800dの押出多穴管を生産する。今回宇部興産製3,000d・ビレット径8インチの押出機1基及び付帯設備を導入する。 これにより保有押出機数は3基となり、押出多穴管の生産能力は年約7,200dに50%アップする。
 操業開始はTMX社が14年11月、MMAX社が14年8月の予定。投資額はTMX社が約9.5億円、MMAX社が約7.9億円の17.4億円。


日本フルハーフが発売
アルミ製コンテナデータセンター

即運用開始できるオールインワン31F型
  日本フルハーフはこのほどオールアルミ製コンテナデータセンターを開発、受注を開始した。同社は1967年から海上コンテナを製造、生産量はピーク時年間 1万台の実績を持つ。このISO国際規格海上コンテナの製造技術と、これまで培ってきたアルミ加工技術を活用して開発した。
 データセンターは各 種のコンピュータ(メインフレーム・ミニコンピュータ・サーバーなど)や、データ通信などの装置を設置、運用することに特化した施設。三大都市圏に集中し て設置されていたが、東日本大震災の揺れによる建物の破損、大規模停電などによって運用が長時間停止したことから、それら種々のリスクに対する事業継続計 画(BCP)の一環として地方分散型や移動型へのシフトが進む。
 新製品は11年に参考出展した20フィート型の試作品を一回り大型化した31 フィート型。一般的な建屋型データセンターと比べて設置コストが少なくて済み、運用開始までの期間を短縮できる。国内の大型トラックやトレーラーなどに搭 載して移動できるなど、既存インフラを活用できる。
 特徴は@移動型なので機動性がよい、Aデータセンターに不可欠な設備である10本の19イン チラック、80kW空調、電源、監視制御機構、消火設備をオールインワンし、極めて利便性が高い、B外気温度がマイナス20度から40度までの幅広い環境 下での屋外設置が可、Cコンテナの天井・床で固定する専用ラックを装備など。
 PUE(データセンター全体の消費電力に対するIT機器の消費電力 の割合)は1.1〜1.4を達成する新空調装置を開発、搭載した。同時に移動用のエアサスペンショントレーラを開発、移動中の振動を大幅に抑制するので、 IT機器のビルトイン後でも輸送が可能。コンテナ本体はコンプレッサ以外直流電源で対応する。
 去る6月に千葉県・幕張メッセ国際展示場で開催された「INTEROP・Tokyo2013」に初出展した。同展示会はインターネットとデジタルメディアの専門イベントで、ネットとメディアの最先端機器と技術、サービスを一堂に集め、展示発表する。


TDYが東北6県15会場で
「暮らし快適ecoライフフェア」

ノーリツとダイキンを加え5社で
 TOTO・DAIKEN・YKK APのTDY3社は7月5日から8月4日まで、東北6県15会場で「暮らし快適ecoライフフェア」を共同開催する。今回はTDY3社にノーリツとダイキンが加わり、5社共同となった。
 住宅関連メーカー5社が水・木・風・太陽光・炎・お湯・空気など自然の力を活かした、省エネ性能や快適性、清掃性などをさらに向上した商品を一堂に展示、広く紹介する。
 【TOTO】発売20周年を迎えたタンクレストイレ「ネオレスト」、超節水・節電機能とキレイ除菌水を搭載した「ネオレストハイブリッドシリーズ」、8月発売の最高級システムバス「シンラ」など。
 【DAIKEN】会津のブランド認定を受けた「和紙畳」によるインテリア提案。耐震改修用壁材「かべ大将」、スタイリッシュ家具「Misel」など。
 【YKK AP】窓リフォーム専門店の「MADOショップ」東北エリア80店と連携し、窓やドアの困りごとの解決法を窓診断を加えて提案。
 【ダイキン】空調機専業として「ネットゼロエネルギー住宅」を提案。省エネ大賞を受賞した「新型ルームエアコンうるさら7」などを展示。
 【NORITZ】省エネ性の高い高効率型給湯器「エコジョーズ」、石油給湯器「エコフィール」を中心に、安全性を高めたガスビルトインコンロを展示。


ライトメタル表面技術部会
9月9日に例会と工場見学

 ライトメタル表面技術部会は9月9日、第301回例会と、「グローバルに貢献するアルミ材工場」の見学会を以下の要領で開催する。
 〔日時〕2013年9月9日(月)14:00〜17:00
 〔会場〕古河スカイ製板事業部深谷工場
 〔集合場所〕JR深谷駅改札出口前広場
 〔集合時間〕9月9日(月)13時30分
 〔プログラム〕@深谷工場と技術研究所の概要説明、A講演「高密着性アルミニウム板(KO処理)の特徴と利用」、長谷川真一氏(古河スカイ)、B講演「各種機能性アルミ材の特性とその用途例」、前園利樹氏(古河スカイ)、Cアルミ圧延工場の見学
 〔定員〕30名
 〔参加費〕ライトメタル表面技術部会普通会員無料(1社2名まで)、同資料会員2,000円、表面技術協会会員4,000円、同シニア会員2,000円、一般1万5,000円。
 〔申込〕ライトメタル表面技術部会事務局上野宛(ueno912@sfj.or.jp)、fax03-3252-3288


自動車向け圧延品出荷
12年度26万9,494dで0.3%増

熱交用1.1%減、13年1〜3月2ケタ減
  日本アルミ協会はこのほど12年度における二輪車を含む自動車向けアルミ圧延品の出荷実績をまとめた。それによると総出荷は26万9,494dで11年度 比0.3%の微増となった。注目されるのが第4四半期(1〜3月)の出荷量で、国内自動車生産の低迷から、3ヵ月間連続2ケタマイナスとなったこと。
 詳細は表の通りで、構成比43.9%で最大の熱交換器は11万8,333dで1.1%減、同41.7%の乗用車向けは0.8%の微増に留まった。堅調に推移したのがトラック・バス向けで、3万55dで7.3%増となった。


アルミ圧延品の稼働率
12年度は76.9%で1.9%低下

押出が75.4%で4.6%の大幅減
  日本アルミ協会はこのほど12年度におけるアルミ圧延品の生産能力と稼働率をまとめた。それによると12年度の生産能力は板・押出併せ253万6,614 d、実生産は195万1,515dとなり、稼働率は76.9%となった。これは11年度78.8%比1.9%のダウン。
 このうち板類の生産能力 は149万1,540dで11年度比1.1%減となり、実生産116万3,361dの稼働率は78.0%となり、0.1%の低下。また押出類の生産能力は 104万5,074dで2.9%増となり、実生産78万8,154dの稼働率は75.4%となった。11年度の80.0%比では4.6%の大幅低下。


四国化成が募集
第20回施工作品コンテスト

 エクステリア・塗り壁材の四国化成工業(香川県丸亀市、田邊博臣社長)は8月30日の締め切りで、第20回施工作品コンテストの作品を募集する。最優秀のシコク大賞には賞金50万円が授与される。特に「シコクらしさ」が活かされた施
工例を期待するという。
  同コンテストは住宅や店舗の内外装、住宅EX/景観EXなど幅広いジャンルから優れた施工作品を募集する。シコクの特徴でもある自然素材の塗り壁や舗装材 と、金属系EX製品の組合せた施工例など、同コンテストは提案力の高い作品が集まることでEX業界でも高い定評がある。
 応募部門は@「アートウォール」部門、A住宅EX部門、B景観EX部門、C内装材部門、D外装材・舗装材部門の5種類。節目となる20回目の今回は第20回記念賞として「エリア大賞」を新設。営業部7エリアから各1点が選出される。


タテヤマアドバンスが発売
スタンドサイン「ADO-V」シリーズ

  三協立山・タテヤマアドバンス社(三村伸昭社長)は、非電照式のスタンドサイン「ADO-Vシリーズ」を開発、発売した。電照式スタンドサインの外形寸法 をそのまま採用し、本体はアルミフレームと表示パネルのシンプルな構成とした。照明を必要としない案内板や店舗・オフィスのエントランスなど、屋内・屋外 を問わず使用できる。
 特徴は@薄型・軽量=アルミフレームとアルミ複合板で構成する本体は厚さ33oの薄型、Aスリムでシンプル=側面部は「逆 T字型」のシンプルな形状、B安全設計=本体の上部コーナー部には樹脂部品を採用、安全性を向上。表示パネルの飛び抜けを防止するため、本体フレーム上部 両側に外れ止め金具を設定、C設置場所=重量は12〜13sと軽量で、設置や移動が簡単。キャスターを標準装備する。
 表示パネル寸法が幅465o×高さ1,275oの「ADO-V30A」(13s、4万8,000円)と、幅465o×高さ1,075oの「ADO-V40A」(12s、4万6,500円)の2種がある。


三協立山がトップ交代
山下取締役の社長就任を内定
「腹の据わった人物」、藤木氏は会長

  三協立山は7月12日、同日開催の取締役会で、山下清胤(きよつぐ)取締役三協マテリアル社社長が社長に就任し、藤木正和社長が会長に就くトップ人事を内 定したと発表した。8月末の定時株主総会とその後の取締役会で正式決定。交代理由は「経営体制の強化」だが、68歳の藤木社長から59歳の山下取締役へ若 返りの意味もある。両首脳は記者会見し、次のように述べた。
 【藤木社長】4年前に社長に就任した時、当社の業績は最悪で大変な状況だった。それ 以降信用の回復や財務の改善などに必死に取組み、13年5月期は何とか世間並みの会社に戻すことができ、私自身所期の目的を達成したと感じている。当社は これから新しい顔に挿げ替えて前向きに動く必要があり、かねて次代を担う人に経営を任せたいと考えていた」
 「山下取締役は経営企画統括室長時代、当社の将来を見据えた『長期VISION2020』を策定した責任者。その実現に向けて全力で取組んで欲しい。一緒に仕事をしてきたが、冷静で何事にも動じず、腹の据わったところがよいと思った」
  【山下取締役】「業績が改善してやっと普通の会社になったが、不透明な経営環境下、このまま一本調子で伸びていくのは難しい。当面は川村・藤木路線を継承 するが、VISION達成に向け方向性を明示し、細目を実行していく。建材・マテリアル・商業施設の3事業会社が総合力を発揮できるよう総力をあげたい」
  【山下取締役の略歴】▽1977年3月、京都大学工学部を卒業、三協アルミ入社、商品開発部・技術開発企画室・企画開発室・経営企画室などを歴任した後、 ▽05年8月、管理統括室人事部長、▽06年6月、総務部統括室人事室部長、▽07年9月、経営企画統括室経営管理室部長、▽11年8月、取締役経営企画 統括室長、▽12年6月、取締役執行役員三協マテリアル社社長。
▽1954年1月18日生まれ、59歳。富山市小見出身。


絶好のタイミングの社長交代

  【寸評】まさに絶好のタイミングのトップ交代だ。藤木社長は12〜13年の目覚しい業績改善と30円配当で花道を飾ることができるし、後任の山下取締役に とっても、主力のビル建材の受注残が大きく伸びているので、ここ1〜2年の業績悪化は考えられないからだ。経歴で分かるように山下取締役は製品・技術開発 畑の育ちで、ここ数年は管理・企画のヘッドワークを担当。
 三協立山の歴代社長はビル建材営業系が多かったが、山下取締役は営業経験はそれほど深 くない。建材やマテリアルの営業は必ずしも論理では割り切れない清濁併せ呑む度胸や頭の下げ方が大事といわれるが、藤木社長から「腹の据わった人物」と太 鼓判を押されているので、その点、心配無用のようだ。
 この日の東京・信濃町の明治記念館で開催の記者懇談会では、意中の後任者を発表して肩の荷を降ろした藤木社長がいつも以上の笑顔で多弁だった。これに対して、山下取締役は記者団に取り巻かれてやや緊張気味の表情。


三協マテリアル社社長に岡本氏

  【三協立山のその他の役員人事】8月27日付▽取締役副社長執行役員(専務)、三協アルミ社社長蒲原彰三、▽常務取締役執行役員三協マテリアル社社長兼財 務経理統括室担当(常務取締役財務経理統括室長兼情報システム統括室長)岡本誠、▽情報システム統括室長、常務取締役経営企画統括室長兼経営監査部担当庄 司美次、▽監査役(顧問)市山久一、▽顧問(監査役)深川務


大和製罐の12年度業績

7.8%の減収、当期純利益半減
  大和製罐の12年度業績は7.8%の減収となり、各利益は大幅に減少し、最終の純利益はほぼ半減した。主力のコーヒー向けスチール缶が、コーヒーのアルミ ボトル缶化などで落ち込んだ。最近の官報で告示した。売上高は1,759.95億円で7.8%減、営業利益5.94億円で43.4%減、経常利益 10.43億円で11.2%増、当期純利益1.28億円で50.6%減となった。同社は缶詰用空缶・コーヒー用スチール缶のウェイトが高いが、ともにアル ミ缶化が進展、減収減益要因となった。営業利益の減益はここ3期連続だが、ただ過去の蓄積で自己資本比率は70.2%と高く、利益剰余金も2,091億円 を計上するなど財務内容は極めて健全。


図・表・写真は本誌でご覧ください。