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NO.2150(2013年9月23日号)
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三協立山の山下新社長が初会見 「VISION-2020」実現が私の使命 消費税増税後の谷間は想定より浅い
8月27日の株主総会で就任した三協立山の藤木正明会長、山下清胤社長は9月12日、都内のホテルで初会見した。山下社長は自ら策定した「長期ビジョン-2020」の実現に向け、道筋を示し実行するのが私の使命と抱負を述べた。以下要旨。
【藤木会長】7月12日の決算発表の席上代表者交代を公表し、その理由を申し上げた(「軽金属ダイジェストNo.2142」参照)が、今もその思いは変わ
らない。また建材の三協アルミ社社長に蒲原彰三副社長、アルミ・マグネ外販の三協マテリアル社社長に岡本誠常務取締役がそれぞれ就任したが、従前通りのお
引き立てを願いたい。 【山下社長】基本的には藤木路線を踏襲する。当社は過去に業績が低迷し、財務体質を毀損する事態に至ったこともあったが、
藤木会長の尽力で普通の会社並みに戻ることができた。業績不振時には内部留保を積み上げざるを得ない「守り」の経営だったが、業績が改善したいま、軸足を
「攻め」にも移したい。 それを具体化したのが「長期VISION-2020」である。従来「3ヵ年中期計画」を経営の基礎に置いたが、3ヵ年で
は従来の延長線でしか先を見られない。このため将来のあるべき姿を内外に示したのが「VISION」で、私の役割はその達成に向け道筋を付け、実行するこ
とだ。当社は12年6月に事業会社3社を経営統合し「三協立山」に移行したが、その経営統合も3社の技術力のさらなる融合や地金調達など重複を避けた効率
化など、「VISION」実現に向けた施策だった。「VISION」では3つの課題を掲げた。@建材事業では「改装・リフォーム事業の強化」、A非建材事
業の強化、B海外展開─である。これらの施策を実行するための道筋を作ることが私の第一の使命と心得ている。
「トン幾ら」から「1個幾ら」へ
住宅・ビルとも今後新設が減少し、ストックの改装・リフォームに移行するのは明白。流通もそちらにシフトする。ただ快適な住環境を求めるユーザーに対応す
るのは新築も改装も同じで、商品力を充実することが大事だ。建材流通を尊重するのは従前通りだが、完成品出荷の「窓」について、当社も決断する時が来よ
う。リフォーム流通は「一新助家」が中心で、現状580店を組織する。量より質が問題で、成功事例を拡大していく。 一方、マテリアル事業は技
術・ニーズの多様化という点では裾野が広く、当社の未開拓の分野も多い。また精密加工などより付加価値を高めると同時に、組立加工も自社で行い「トン幾
ら」の市場から「1個幾ら」の世界に転じたい。精密加工設備の導入も進める。不得意な技術などでは外部企業との提携の考えもある。 商業施設のアドバンスは上海に生産拠点を構える。従来は日本向けのコスト低減効果が狙いだったが、日本の小売業が多数進出するいま、高品質資材の現地生産・販売・サービスも企図する。
海外展開も課題の一つだが、同業他社に比べまだ売上が少ないのが実情だ。ただ建材事業では台湾において高層マンション用サッシで成果も上りつつある。商業
施設のアドバンスは中国に進出済みで、小売業が米国・欧州に進出すればそれにも柔軟に対応していく。マテリアルの海外展開はこれからで、まずは売り先の確
保が先決。その上で単独、提携、買収など案件によって判断していく。 「VISION」には消費税増税前の駆け込み需要とその反動、大震災後の復興需要などはある程度織り込み済みだ。 ただ、2020年東京五輪の決定は想定外のプラス材料となった。いま駆け込み需要の反動減が懸念されるが、五輪招致の実現もあって反動減の谷間は想定よりも浅くなるのではと思う。復興需要が本格化するにはまだ時間がかかろう。
りそな銀行が優先株を譲渡 不二サッシ株を野村證券へ
財務健全化と配当体制へ地均し 不二サッシは9月5日、同社が発行する第3種優先株式の株主であるりそな銀行が、同株式を野村證券に譲渡したと発表した。野村證券は9月6日から同株式を普通株式に転換を始めた。
不二サッシは財務体質強化の一環として主力銀行のりそな銀行と協議して第3種優先株式150万株、第2種優先株150万株を発行済み。今回、野村證券に譲
渡したのは第3種。第2種についてはりそな銀行が引き続き保有するが、譲渡については市場環境や不二サッシの財務状況を総合的に勘案した上で、引き続き検
討するという。 不二サッシはここ3期連続して増収増益をマーク。目下主力の建材事業の競争力強化、成長が期待されるリニューアル市場への積極的な取り組み、アルミ加工・精密加工事業の拡販、LED事業・環境事業など成長分野の育成などを盛り込んだ中期3ヵ年経営計画を推進する。 そのなかで配当体制の確立も大きな経営課題で、それを実現するには第3種・第2種優先株の普通株式への転換が先決だった。今回の措置は配当体制への地均しといえる。
YKK APが人気玄関ドアを充実 新断熱玄関ドア「ヴェナートS」 スリム枠と業界初のセットバック納り
YKK APはこのほど戸建て住宅用断熱玄関ドア「ヴェナート」に、新機種「ヴェナートS」を加え、9月から全国発売した。売行き好調の断熱玄関ドアにさらにデザインと業界初の機能を付加、同業他社とのさらなる差異化を図った。14年度販売目標は5億円。
「ヴェナート」は外から鍵穴が見えない防犯性や意匠性が好評のハンドル一体型電気錠「スマートコントロールキー」を標準搭載する業界最先端の断熱玄関ド
ア。ドアの施解錠が「ピタットKey」や「ポケットKey」でできる斬新さもあって、業界でいま一番売れている玄関ドア(「建材情報No.394号」を参
照)という定評。 スマートドア「ヴェナートS」は、@「センターピボットヒンジ」構造とし、扉には鍵穴も丁番も見えない高デザイン、Aドア枠の先端を極限まで細くした「スリム枠」の採用、B業界初の「セットバック納まり」などさらに進化させた。 住宅外観で主流のベーシックからモダンスタイルに対応、シンプルなデザイン8種を揃えた。カラーは木目柄5色とアルミ系柄2色の全7色。基本性能は耐風圧性S-2、気密性A-4、水密性W-2、断熱性D-2〜D-3。本体価格は36万6,450円(片開きドア)から。
貝IXILチームが初優勝 木造耐力壁ジャパンカップで
「ITAMADO2」で、耐震部門賞も LIXIL
は9月10日、NPO法人の建築フォラムが主催し、日本建築専門学校(静岡県富士宮市)で開催された「第16回木造耐力壁ジャパンカップ」において、14
チームによるトーナメントを勝ち抜き、初優勝したと発表した。耐震評点も同時に評価され、最も高い壁に贈られる「耐震部門賞」も併せ受賞。 受賞
対象はLIXIL・東京大学大学院木質材料学研究室・キダテ設計事務所の3者が共同開発した「ITAMADO2(イタマドツー)」。「ITA(板)」と
「MADO(窓)」で構成された部屋の間仕切壁。国産ヒノキ材の「板」の間に5つの「窓」を組み込むことで強度を保ちながら通風や採光など開口部に必要な
機能を併せ持つ。正面からビスが一切見えないなどデザインにも拘った。 同カップは規定の仕様で木造耐力壁を製作し、足元を固定した状態でどちらか一方の壁が破れるまで引き合う、水平荷重への強さを競い合うイベント。LIXILの参加は昨年に引き続き2回目。
日本サッシ協会が統計を修正
(一社)日本サッシ協会はこのほど、9月8日付で発表した13年上期(1〜6月)の金属製建具実績・確報に誤りがあったとして再発表した。修正統計は別表
の通りで、サッシ・ドア・エクステリア・室内建具のアルミ建材は生産が前年同期比9.3%減、出荷が3.7%増、出荷金額が4.5%増と堅調に推移した。
生産が落ち込んだのはタイ大洪水で大被害を受けたトステムタイが復旧し、日本からタイへの生産移管が進展したことによる。出荷はビルサッシが横這いとなっ
たものの、住宅サッシ・ドア・エクスリア・建具は伸びた。これは新設住宅着工数が消費税増税前の駆け込み需要などで好調に推移していることを反映した。 ちなみにアルミ建材のd当り平均単価は147万100円で、前年同期の145万8,500円比1万1,600円・1.0%の上昇。このうち住宅サッシは148万200円で、同144万3,100円比2.2%の上昇。 一方、スチール建材の生産・出荷は、主力のシャッターはほぼ横這いとなったものの、ドア・サッシが低調で前年割れとなった。
貝IXILがH.C.R展に出展 UデザインのEX・トイレなど
LIXILは9月18〜20日、東京ビッグサイトで開催された「国際福祉機器展(H.C.R2013)」に出展した。同展はアジア最大規模の総合福祉機器展で今回が40回目。アジアを代表する福祉機器関連企業500社以上が出展した。 LIXILは「ひとりにいい、みんなにいい」をユニバーサルデザインのコミュニケーションワードとし、エクステリア・玄関からトイレ・浴室の水周り品など幅広い製品を展示した。同時に取付位置や組合せ、空間の広さやスペースの取り方、動線、暮らし方なども提案した。
3R推進団体連絡会が提出 「より良い3R推進への課題と方向性」
見直し審議の環境省・経産省・農水省に
容器包装の3Rを推進する8団体で構成する「3R推進団体連絡会(幹事長・宮澤哲夫PETボトルリサイクル推進協議会専務理事)」は9月9日、容器包装の
より良い3R推進への課題と方向性を示した研究報告書を環境省、経済産業省、農林水産省に提出した。同連絡会は市民・自治体・学識者・事業者など関係者に
呼びかけ、自主的に開催した「容器包装3R制度研究会(座長・石川雅紀神戸大学教授)」が3年間にわたり検討してきた容器包装3R制度に関する課題と方向
性を示したもの。報告書の主たるテーマは以下の3点。 T:責任分担そもそも論=容器包装リサイクルについて消費者・行政・事業者が担うべき責任と役割は何か。それぞれの責任と役割分担及びその評価するための視点などの整理を行った。 U:プラスチックの再商品化手法=現状の材料リサイクル優先は妥当か、現行のリサイクル手法の方策は合理的か。@環境負荷の低減、A資源の有効活用、B再商品化に要するコスト、C消費者から見た分かりやすさ、という4点の評価基準を踏まえて整理を行った。 V:
包装容器リサイクル制度におけるEPR(拡大生産者責任)=事業者の費用負担を増大させるだけで、社会的コストの最小化や環境配慮設計に繋がるのか。社会
的コストの最小化につながる容器包装の3Rを推進するために、制度上、EPR政策にどのように応用することが有効かを検討。但し合意に至る整理はできな
かった。
四国化成が大型新製品2種 アルミシステム塀とGルーム
本体パネルに厚さ120oも登場
アルミエクステリア(EX)大手の四国化成工業はこのほど、アルミシステム塀「アートウォール」にボリューム感のある120p厚タイプや、多様な化粧材を
加えて市場に再投入した。また住宅EX「F.リード」にフラットデザインの「憩(いこい)」を揃え、商品力を強化した。 「アートウォール」はア
ルミパネルを芯材とし、表面を塗り壁材などで化粧する複合構造の乾式工法塀。先の東日本大震災で住宅のコンクリートブロック塀が数多く倒壊・破損したのを
教訓に軽量で地震の揺れに強いアルミシステム塀を開発した。特徴は@軽量なので地震に強く、安全性に優れる、Aブロックでは不可の高さ2.4mが添木なし
で可、B柱とパネル構造なので施工が簡単─など。 従来アルミパネル本体は厚さ60o1種だったが、今回120oを揃え、高尺塀に対応した。また
仕上げ材としてテクスチャーが施された成形シートを接着剤で貼り付ける「デザインシートAW」、薄く加工した天然石をタイル状にユニット化した「デザイン
ストーンAW」を加えた。 「F.リード憩」は庭と室内をつないで新たな生活空間を創造するガーデンルーム。前面パネルを開放できる「ルーフタイプ」、広々とした空間の「キューブタイプ」、オープンスタイルの「テラスタイプ」の3種を加えた。
7月板類・押出類の細目別出荷 缶材4ヵ月ぶり増、箔地10%増
押出類は建設用10.8%増と絶好調
日本アルミ協会は7月におけるアルミ圧延品(板類・押出類別)の細目別出荷をまとめた。板類では構成比37.9%の缶材は1.6%の微増。「7月のビール
系飲料の出荷は3.3%増となったが、薄肉化などでそれを下回って低調。コーヒー向けボトル缶の増加が寄与」。また同12.4%の自動車用は前年がエコ
カー補助金の復活で高水準にあったため、12ヵ月連続でマイナスだったが、その幅は6月の10.5%減から7月1.5%減に縮小した。輸出は中国・東南ア
ジア向けなど全般的に低調で4ヵ月連続の減少。同9.8%の箔用はコンデンサ用の回復などで10.0%増と2ケタ増を記録。 一方、押出類は同
64.0%を占める建設向けが10.5%増と2ケタ増加。消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあって6月の新設住宅着工数が8万3,704戸で15.3%
増と大幅に増加したのを反映し、需要は好調に推移する。同16.5%の自動車用は12ヵ月連続のマイナスだが、マイナス幅は6月の9.9%減から1.4%
減に縮小した。新設住宅着工数は7月も8万4,459戸、12.0%増、年率換算97万5,000戸と好調を持続する。
7月のアルミ箔の細目別出荷 総出荷8,672dで7.1%増と復調
コンデンサ用19.7%増、食料品5.1%増 日本アルミ協会はこのほど7月のアルミ箔の生産、出荷をまとめた。生産は9,077dで7.2%増となり、23ヵ月ぶりのプラス。出荷は8,672dで7.1%増とプラスに反転した。
細目別出荷は表の通りで、構成比25.4%を占めるコンデンサ用は2,202dで19.7%増と好調に伸びた。しかし、4月の2,922dをピークに4ヵ
月連続の前月比マイナスで、「需要は弱含み」という。同21.5%のその他電機も13.9%増と2ケタ増を記録した。同29.1%と最大需要分野の食料品
は飲料用が大きく伸びて、5.1%増と「持ち直しの動きが見られる」と解説する。ただ本格的な需要回復に至るかはいま少し様子見が必要。
7月アルミ圧延品の生産・出荷 板2.7%増、押出6.7%増と回復
日本アルミ協会はこのほど7月のアルミ圧延品の生産・出荷をまとめた。それによると板類は生産が10万5,740dで前年同月比0.2%減となり、4ヵ月
連続減、出荷は10万4,704dで2.7%増と4ヵ月ぶり増加に転じた。押出類は生産が7万3,324dで4.7%増、出荷が7万4,834トンで
6.7%増となり、ともに3ヵ月ぶりプラスに転じた。アルミ圧延品合計では生産が17万9,064dで1.8%増、出荷は17万9,541dで4.3%増
となり、ともに9ヵ月ぶりにプラスとなった。
アイジー工業が発売 次世代デザイン「ブレンダスタ」
アイジー工業はこのほど売れ筋の金属サイディング「ガルフィーユSLIM-i」に新柄「ブレンダスタ」を加えて発売した。「繊細な質感」と「斬新さ」を追求した「融合から始まる次世代デザイン」という。販売目標は年15万u。
「ガルフィーユSLIM-i」はサイディング同士のつなぎ目が目立たない細い嵌合式目地で、外壁面全体が一体感のある仕上がりを実現。新製品は表面デザイ
ンの緻密な表現にこだわり、従来にない繊細な質感を実現。すなわち石積みとタイルの風合いを融合したことにより、一つのデザインに曲面・平面・傾斜面・直
線が折り重なった斬新なデザインが誕生した。モダンな住宅スタイルに幅広くマッチする。 サイズは総幅422o×働き幅385o×長さ3,800o×厚さ15o。カラーは全4色。坪当り重量は12s。縦・横張り兼用。設計価格は坪当り1万3,860円(u当り4,200円)。
貝IXILが9月オープン 情報発信拠点「LIXIL:GINZA」
総合住生活企業LIXILは9月2日、住生活文化をめぐるLIXILの情報発信拠点として、東京都中央区銀座通り京橋3丁目に「LIXIL:GINZA」
を開設した。1981年に伊奈製陶(現INAX)の東京ショールーム、文化活動の「伊奈ギャラリー」を開設、32年を経過。今回、ショールームが移転した
のに伴い、企業・文化活動の拠点に変身した。 「LIXIL:GINZA」は1〜2階のフロア構成で、1階はレセプションフロアとしてINAX商
材による空間展示や映像、資料によるLIXILの活動の紹介スペース。2階はギャラリースペースとし、生活文化の多様な豊かさをいまに生かす巡回企画展
や、先進的なアーティストによる現代美術個展、焼き物個展などを開催する。また1階には建築・インテリア・デザイン関連の蔵書1万2,000冊を数える
「LIXILブックギャラリー」も併設する。
【貝IXILの組織改正と役員人事】9月1日付、グローバルカンパニー内にグローバルマーケティング本部を新設し、マーケティング戦略と企画・展開を担当。▽執行役員グローバルマーケティング本部長、大泉裕樹
タテヤマアドバンス社が出展 「SIGN&DISPLAY SHOW」
三協立山・タテヤマアドバンス社(三村伸昭社長)は9月19〜21日、東京ビッグサイトで開催する第55回サイン&ディスプレイショーに環境に配慮した
LEDサインなど5点を出展する。同ショーは看板・施設サイン・ディスプレイ業界の最新技術や商品の情報提供・認知の場として同業界の有力企業が出展す
る。 同社の出展品は@LED光源の外照式サイン「アドビュー」(仮称)、ATCF面板と省電力LED光源を使用したファサードサイン「AD
PACK」、BFFシート・ウオールタイプの「アドフレックス180LED─U・130LED─U」、C6月発売の非電照式スタンドサイン「ADO─Vシ
リーズ」、D突出しサイン「ADO─200シリーズ」。他にも参考出展する。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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