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NO.2161(2013年12月16日号)

新生「BBSジャパン」がスタート
ワシマイヤーを前田工繊が支援
社長に森山氏、名門復活へ全力投球

民事再生途上にあったアルミ鍛造ホイールのワシマイヤーは12月1日、「BBSジャパン」として再出発した。地元北陸の前田工繊が100%出資して再建を主導するもので、新たに就任した森山明社長は「BBSブランド」の浸透・拡販に全社一丸になると檄を飛ばした。

  新体制となったBBSジャパンは同日付で森山社長が以下の声明を発表。「ワシ興産、ワシマイヤー及びその完全子会社の日本BBSの3社は、ワシマイヤーを 存続会社として合併を完了した。ワシマイヤーは同日付で商号を『BBSジャパン(BBS Japan CO LTD)』に改称した。今後とも顧客の『BBSブランド』に対する期待に応えられるように、また親会社の前田工繊グループの新たな事業の柱になれるよう に、全社一丸となって事業に邁進する所存である」
 ワシマイヤーの再建に当っては小野グループがスポンサーに名乗りを上げるなど、途中に紆余曲折があった。今回地元財閥系で好業績の前田工繊の完全子会社となり、小野色を一掃したことで内外ともにスッキリした形で再スタートした。
  「新生BBSジャパン」は資本金1億円で、前田工繊の100%出資。経営陣は会長に前田工繊の前田征利社長が就任、常勤役員として森山明社長、取締役に西 雄市本部長(品質保証・小矢部工場管掌)、野坂訓正技術開発本部長(高岡工場管掌)、山本長蔵営業本部長、西田高通管理本部長がそれぞれ就任した。本社は 富山県高岡市福田六家525に置き、事業内容は「自動車用軽合金鍛造ホイールの製造・販売」で、従前と変わりはない。
 再建を主導する前田工繊は 福井県坂井市春江町に本拠を置く土木資材・建築資材の地元大手で、東証一部に上場する。資本金は16.8389億円。直近の13年9月期の連結業績は売上 高199.06億円、営業利益24.12億円、営業利益率12.1%、自己資本比率62.4%の地方企業ながら超優良企業。
 前田工繊は100% 子会社の「BBSジャパン」の設立に関して、以下のコメントを発表済み。「当社グループはインフラの整備・維持に関わる企業として、環境資材事業と産業資 材事業を2本柱とする。今後のグループ成長のためM&Aを検討していた俎上にワシマイヤーが上った。同社は国内最大の高剛性・高品質アルミ鍛造ホイール メーカーであり、著名なBBSブランドも持つ。当社にとって同社の高度なモノづくりのノウハウと知名度の高さは非常に魅力的であり、当社の新たな事業の柱 になり得ると判断した」


神戸製鋼の金子常務が年男談
仕事上のKW「誠実」「逃げない」

 神戸製鋼アルミ・銅事業部門の金子明常務執行役員(副事業部門長兼企画管理部・原料部担当=写真)は12月2日、会見し、来年満60歳の年男を迎えるに当って感想を要旨次のように述べた。
  〔年男の感想〕特別な感慨はないが、14年は当社のアルミ・銅事業にとっては極めて大事な1年になる。すなわち自動車用アルミパネル板の中国・生産拠点と して「神鋼汽車材(天津)有限公司」を設立、工場建設に200億円近い巨費を投じるからだ。業績に少しでも改善できるように全力で取組み、成果が得られる 一年にしたい。
 〔思い出に残る仕事〕1998年に人事労政部に異動して以降、厳しい人事労政施策の実行に関わったこと。良い思い出ではないが、 人事の仕事に奇手も妙手もなく、誠心誠意逃げずに向き合うことだと肝に銘じた。同時に「逃げない」ことは人事の仕事に限らないことも改めて学んだ。
  〔趣味〕山歩きとジョギング。山歩きは会社の同僚に誘われてはじめ、年数回のテント山行きと自宅に近い丹沢山系へ出かける。05年年末には東南アジア最高 峰(4,095m)Mtキナバルにも登頂した。ジョギングは50歳になって単身赴任した神戸で、散歩から始まって走るようになり、時々各地の大会にも参加 する。


不二ライトメタルがホンダと試作
耐熱Mg合金でトライアルバイク

 次世代マグネ合金の 「KUMADAI耐熱マグネ合金」の研究開発、事業化を推進する不二サッシグループの不二ライトメタル(熊本県玉名郡長洲町、中重健治社長)は、このほど 本田技研工業と提携、マグネ合金部材を搭載したトライアルバイクを製作し、実証・評価試験を開始した。当面はレース用トライアルバイクへの採用を目指す が、将来的には一般のオートバイへの採用も視野に入れて開発を進めるという。
 「KUMADAI耐熱マグネ合金」は熊本大学の河村能人教授によっ て開発された高強度・高耐熱性を有するマグネ合金。ホンダの熊本製作所オートバイ部と不二ライトメタルが連携し、「KUMADAIマグネ合金」製のチェー ンアジャスターと、一般マグネ合金製のアンダーガードを搭載したトライアルバイクを製作。トライアルバイクとは定められたコースを如何に早く、減点なく走 行できるかを競うバイク競技のためのレース用二輪車。マグネ合金部品を採用することで車体の軽量化が可能となり、スピードアップが可。


13年度の自動ドア生産予測
14万5,000台で4.3%増に

  全国自動ドア協会は11月下旬、13年度上期における自動ドアの生産実績と、13年度通期の生産予測を発表した。「公共投資における震災関連予算の執行 と、民間需要の緩やかな回復基調が継続し、建設投資は被災三県と関東地区で堅調に推移する。消費税増税前の駆け込み需要は限定的」という。自動ドアはエン ジンケース、フロント開口部三方枠などにアルミ形材を多用する。
 14年度上期(4〜9月)の生産実績は合計6万6,542台で前年同期比0.1%の微増。内訳は国内向け5万8,468台で1.7%増、輸出向け8,074台で10.4%減。
 14年度通期(4〜3月)の生産予測は14万5,000台で前期比4.3%増。内訳は国内向け12万7,000台で5.8%増、輸出向け1万8,000台で±0%。自動ドアは建設資材の一部品として年度末の完成が多く、下期集中型という。


三協立山・三協アルミ社
バリアフリー仕様の車止め

 三協立山・三協アルミ社はこのほど、車止め「ビポールBPシリーズ」に「上下式バリアフリー仕様」を品揃えし、発売した。車両の進入を制限し、安全性に配慮した空間を構成する。
  従来の地中埋設の上下式車止めはポールを地中に収納した際、10o程度の段差が生じ、車進入時に衝撃があったり、車椅子の通行の邪魔になることがあった。 新製品はポール収納時に地面とフラットな状態となり、通行時の引っかかりを解消した。「ビポールBP」には上下バリアフリー式・取外し式・固定式の3種が ある。
 特徴は@従来地面から突出していたガイドカバーを地面下に埋め込み、段差をなくしたのでスムーズな通行が可。除雪作業などの邪魔にならな い、A交換ポールを用意、車との接触でポールが破損した時の取替えが容易、Bポール上部に反射板を標準装備、夜間の視認性を高めた、C上下式・取外し式に はプレートキーによりポールのロック機構を備え、いたずら防止に配慮─など。
 参考本体価格は直径48.6o×高さ690oで1万4,900円(税・搬入費・取付費含まず)。


10月の軽圧品市況
3地区とも全品種前月据置き

 全国軽金属商協会市場調査委員会はこのほど、10月の軽圧品市場調査結果を発表した。それによると東京・大阪・中部地区の3地区とも6種全品種が前月据置きとなった。これで4月以降半年間の横這い推移が続く。
  岩田龍一市場調査委員長(白銅東日本営業部長)は「アルミ地金の海外相場は地金の生産コスト割れから下値は固いと推測される。需給においては中国の増産傾 向に歯止めが掛からず、世界全体でも供給過多の状況が続く。そのため在庫は過去最高水準が続き、地金の相場上昇の兆しは見えにくい状況にある」とコメント した。


アーレスティの高橋社長が所信
中・印のDCの収益改善が急務
今後の増産投資は身の丈に合わせて

  アーレスティの高橋新社長(写真)はこのほど13年度通期の業績見通しと、グローバル展開するアルミダイカスト事業の現状と今後の見通しを明らかにした。 同社長は「国内のダイカスト事業は東海工場への集約完了で採算性が格段に向上した。問題は増産投資を実施中のインドと中国・合肥で、生産性の向上や品質改 善などによる業績の好転を急ぐ」と述べた。以下発言の要旨。
 〔13年度通期業績予想〕売上高1,235億円で16.6%増、営業利益35.5億 円で2.559倍、経常利益27.5億円で2.865倍、当期利益41億円(前期1.67億円の損失)に上方修正した。売上高は国内が好調で、アジアが当 初計画より減少するものの、大幅な増加を見込む。経常利益は国内が東海工場への集約が完了し、加えて消費税増税前の駆け込み需要で自動車販売が好調なこと から大幅な増益を見込む。最終利益が膨らむのは浜松工場跡地売却益22億円、投資有価証券売却益8億円を特別利益に計上するためだ。配当は創業75周年記 念配5円を含め、年14円とする。
 〔ダイカスト国内〕売上高609億円(前期606.30億円)、営業利益29億円(6.01億円)。13年4 月に浜松・豊橋工場を東海工場に集約を完了。この結果、重複生産を解消、生産性が向上するなど収益が大幅改善。駆け込み需要などで自動車生産も増加するた め、ダイカスト製品の需要減も少なくて済む。
 〔ダイカスト北米〕売上高330億円(228.86億円)、営業利益9億円(7.44億円)。売上 高は101億円の増加だが、約1/2の52.20億円が為替の影響。販売は順調に増加。営業利益は販売増で13.2億円の増益効果があったものの、13年 8月に竣工した増設で償却負担が9.10億円増加。下期以降生産増により収益性は改善に向う。
 〔ダイカストアジア〕売上高233億円 (167.36億円)、営業利益△3.50億円(△5.21億円)。操業10年を過ぎた広州は極めて順調で収益性も高いが、新規投資の中国・合肥、インド の業績が悪く、為替差損も7.79億円発生して赤字解消はならない。売上は為替の41.40億円増を含め中国が40%増、インドが20%増。中国が想定よ りも悪い。収益では合肥もブレークイーブンが見えてきた。またインドは想定以上に販売価格が安い。生産増・コスト低減・生産性向上を進め、14年度には水 面に顔を出すのではないか。
 〔東風日産向けエンジンブロックの出荷〕日系自動車各社はエンジンブロックは重要保安部品として、内作が一般的。その製品を中国・合肥で生産、東風日産に月産1.3万個納入することができたという意味は大きい。三菱その他の自動車各社からの引き合いもある。
  〔今後の海外投資〕14年7月にはインドの工場拡張工事を完了する。また9月には中国・広州の隣接地での工場建設第2期工事を竣工する。問題はその後。自 動車部品の受発注は新車売出しの2〜3年前に決まるわけで、15年以降の受注がどうなるか、読みにくい面もある。当社は鋳造から加工、仕上げ、サービスま で一貫提供できる数少ない企業であり、その規模は世界でも5指に数えられると自負する。この業界はメガサプライヤーはなく、当社もメガサプライヤーになる 気はないが、自動車各社とはWin・ Winの関係でありたい。今後の増産投資は判断が難しく、有利子負債残高や自己資本比率などを勘案しながら、身の丈に合った規模としたい。


企業「ゆるキャラ」BEST100
YKK AP38位、三協アルミ71位

 11月下旬、埼玉県羽生市で開催された「第4回ゆるキャラサミット」において、アルミ・建材関連企業3社の「ゆるキャラ」がBEST100位に入った。一番人気は日本コープ共済生活協同組合連合会(千葉県)の「コーすけ」。
  全国から1,580キャラクターが出場。そのうち企業その他部門の参加は335社。アルミ・建材関連ではYKK APの「MADOショップ」のキャラクター「窓辺のマドレーヌ」が38位に、クリナップの「クリ夫」が64位に、三協立山・三協アルミ社の「ハピちゃん」 が71位にそれぞれランクされた。
 このイベントには2日間で45万人が来場するとともに、全国47都道府県及び海外6カ国から1,580キャラクターが出場。「マスコット最多集合世界記録」を達成、ギネスブックに認定された。
アルミ業界・アルミ建材を代表する「業界ゆるキャラ」の登場を待ちたい。


TDY・東京SR1周年説明会
来館者13.2万人、コラボ大成果

グリーンリモデル診断活用店5千店へ
 TOTO・大建工業・YKK APのTDY3社は13年12月5日、東京・新宿のTDY東京コラボレーションショールーム(SR)において、開設1周年記者説明会を開催した。以下3社の首脳による説明要旨。
  〔YKKAPの神波秀一執行役員営業本部長、写真左〕TDY3社の旗艦SRを開設して1年を経過、年間入場者は総合来館9.6万組を含め、13.2万組 (TOTO7.1万組・大建2.2万組・YKK AP3.9万組)に達した。来館者の35%が新築、65%がリモデルに関心があった。全国4会場で「グリーンリモデルフェア」を開催したが、総動員数は 7.67万人で、目標の6万人を28%上回り、リモデルへの関心の高さは予想を上回るものであった。
 〔大建工業の億田正則代表取締役専務執行役 員、前頁・写真中央〕2020年には65歳以上の高齢者が3,600万人(2010年2,900万人)、高齢化率29.2%(同23.1%)に達する。そ れら高齢者予備軍は虚弱化した時に70%近くが自宅に留まりたいという。したがって浴室・トイレ・洗面所・寝室・窓・玄関・廊下・階段など住宅各部位を改 修する「リモデル市場」は極めて大きい。3社共同で「より長く、快適な自宅での暮らしに備えるリモデル」を提案する。
 〔TOTOの古部清取締役 専務執行役員、前頁・写真右〕3社は02年からグリーンリモデルを提唱し、10年には「グリーンリモデル診断」をスタートした。この診断を活用したリモデ ル店は12年度2,204店から13年度849店増加し、合計3,053店になった。また実施件数は12年度累計2万2,771件から13年度2万 9,776件に増加した。2年後には5,000店に増やす。一方3社は共同購買などコスト低減を図るが、14年度は3社で計50億円を削減したい。


昭和電工、機能部材の稲泉氏が執行役員に
アルミ事業部門Topに高橋氏
大橋氏は最高顧問、坂井氏が代取

 昭和電工は12月2日、14年3月下旬付の役員人事を内定したと発表した。ポイントは坂井伸次昭光通商社長が代表取締役副社長に就任し、代表取締役3名体制とすることと、同社中興の祖大橋光夫相談役が最高顧問に就任すること。アルミ事業部門の役員も大幅に異動する。
 アルミ関連ではアルミ事業部門管掌の白石俊一常務執行役員が退任し、昭和アルミ缶常勤監査役に転じる。その後任には高崎完二執行役員社長特命担当(写真上)が就任する。また稲泉淳一アルミ機能部材事業部長(写真下)は執行役員に昇格。
  高橋氏は1984年3月に宇都宮大学大学院工学研究科を卒業して昭和アルミに入社。以来一貫して熱交事業部の技術・生産を担当し、白石常務執行役員と同様 に熱交生まれの熱交育ち。現職は社長特命担当となっているが、これは昭和電工が熱交事業をケーヒンに売却、ケーヒンはケーヒン・サーマル・テクノロジーを 設立して継承したが、高崎氏は同社の副社長として事業譲渡をスムーズに行った。1958年10月29日生まれの55歳。
 執行役員に就任する稲泉 氏は、1982年3月に神戸大学経営学部経営学科を卒業して昭和電工に入社。本社・工場の総務・人事畑を歩いたあと、01年10月にアルミ事業部門に転 じ、以来アルミ事業部門の企画を担当した。13年1月に機能部材事業部長として初めてラインのトップに転じた。1958年6月23日生まれの55歳。
  【昭和電工の役員人事】3月下旬付。本誌関連▽アルミ圧延品事業部・アルミ機能部材事業部・アルミ缶事業部管掌(社長付特命担当)、執行役員高崎完二、▽ 執行役員、アルミ機能部材事業部長稲泉淳一、▽昭和アルミニウム缶常勤監査役(常務執行役員アルミ圧延品事業部・アルミ機能部材事業部・アルミ缶事業部管 掌)、白石俊一。


13年度上期のアルミ総需要
197.1万dで0.1%減と低迷

圧延品・DC低迷、用途別は建設健闘
  日本アルミ協会はこのほど12年度上期の製品別・用途別のアルミ総需要をまとめた。それによると輸出を含む総需要は197万822dで0.1%の微減とな り、半期200万d突破はならなかった。このうち内需は187万6,807トンで0.3%の微増、輸出は9万4,016dで7.1%減となり、輸出不振が 足を引っ張った。
 それを製品別に見たのが表Aで、構成比49.7%と約1/2を占める圧延品は97万8,660dで1.8%減、同24.4%と 約1/4に達するダイカストは48万561dで1.6%減となり、主要2製品が不振だった。鋳造品、電線、輸入製品などは伸びたものの、焼け石に水の状 態。
 また用途別に見たのが表Bで、構成比41.1%と大口の輸送は81万716dで1.2%減、11.4%の食料品は0.5%減と低迷した。堅 調に推移したのが建設で、消費税増税前の駆け込み需要や金利の先高感などから新設住宅着工戸数が大きく伸びたことを反映、サッシ需要が好調に伸びた。同 11.8%の金属製品もコンデンサ需要の回復で箔用などが増加し、1.7%増となった。


10月の二次合金地金統計
出荷は7.49万dで実質5.2%増

  日本アルミニウム合金協会はこのほど10月におけるアルミ二次合金地金の生産・出荷・統計を発表した。それによると生産は7万4,951dで実質7.0% 増、出荷は7万4,914dで同5.2%増と堅調に推移した。但し10月から豊通スメルティング、兜ス安、潟Jサイの3社が会員となり、生産・出荷量は3 社分が加わって増加し、伸び率は生産が12.4%増、出荷が10.6%増なった。但し不連続性が生じたため、表記の伸び率は3社分を除いて比較した実質伸 び率とした。
 生産は連続4ヵ月、出荷も連続2ヵ月のプラスを継続する。
 用途別の出荷量は別表の通りで、構成比54%のダイカストは主 要出荷先の自動車が消費税増税前の駆け込み需要で活況にあることから、4万830dで4.3%増、同28%の鋳物も同様の理由で5.4%増と好調に推移し た。脱酸材が中心の鉄鋼は粗鋼生産の伸びから31.7%増となった。


三協立山・三協マテリアル社が納入
「ななつ星in九州」にAl内装材
三次元接合など高難度技術が決め手

  三協立山・三協マテリアル社(岡本誠社長=写真)は12月4日、同社のアルミ押出・加工・組立技術が、「ななつ星in九州」の車内内装材に採用されたと発 表した。設計段階から参画し、木組みに求められる高い精度と意匠をアルミ形材で表現する技術構築・提案を行い、設計者の求める高品質製品を提供した。
 「ななつ星in九州」は九州一周ができる豪華寝台列車で、著名なデザイナーの水戸岡鋭治氏が設計。10月15日から運行が始まると、新聞やTVが特集を組んで伝えるなど人気が沸騰した。
  特徴はアルミ材を使用しつつ細部まで木の風合いに拘った内装仕上げ。具体的な取組みは@突き合せ接合部の隙間なしの実現、A難度の高いアール形状の格天井 の接合を三次元加工で実現−など。アルミ材の表面に木材を薄くスライスしたシート(つき板)を貼ることで木の風合いを再現。技術ポイントは以下の通り。
 @最適な断面形状の提案=設計段階から参画したことで、起型物件として最適な形状を提案。
 A美しい切断加工面に仕上げる加工法=アルミ形材に木製シートを貼り付けてあるので切削油の使用が不可となったため、切断速度の調整やシートの剥がれ防止のマスキングなどでクリア。
 B高精度な角度切断技術による接合=角度公差0.1度の角度切断により、隙間なし突合せ接合を実現。また取付ビスが外から見えない専用接合部品を開発。
 Cアール形状の格天井=難度の高いアール形状の格天井の接合を、三次元加工で実現。


図・表・写真は本誌でご覧ください。