このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。

NO.2185(2014年7月7日号)

本誌アンケート……アルミ押出機の設置状況と生産動向
国内は 1 基増・10基減で計193基
内需減想定し一段とスリム化進む

13年度の国内アルミ押出材の生産は5.5%増、出荷は5.6%増と堅調に推移した。構成比63%を占める建設用が消費税増税前の駆け込み「住宅特需」で6.3%増と伸びた。しかし14年度以降その反動減とさらなる海外シフトが想定され、建材中心に設備縮小が相次ぐ。

  本誌はこのほど国内アルミ押出企業を対象に押出機の設置状況(2〜3頁・表)及び生産動向(4頁・表)に関して、アンケート調査を実施した。それによると 国内押出企業は12年度末まで30社があったが、13年6月に三菱樹脂が撤退したため、1社減の29社となった。押出企業はバブル期には45社を数え、 07年度でも37社があった。しかしその後の建材の不振や自動車・産業機器各社の海外移転などで内需の右肩下がりが続いたため、13年度末では29社まで 縮小した。
 29社が保有する14年4月1日時点の押出機数は合計193基。前年同月の202基から1基増10基減となった。保有台数を時系列的に見ると09年度225基、10年度205基、11年度202基、12年度202基、13年度193基と減少が続く。
  日本アルミ協会の統計によると、13年度のアルミ押出材の生産は83万1,783dで5.5%増と堅調に伸びた。これを時系列的に見るとリーマンショック の影響で09年度71万4,358dまで落ち込んだ後、10年度78万5,909dで10.0%増、11年度81万2,350dで3.4%増、12年度 78万8,230dで3.0%減とほぼ横這い推移。
 13年度の出荷は83万5,661dで5.6%増と好調に推移した。この増加の最大要因は押 出材の総需要の63%を占めるサッシ・ドア・内外装材など建設用が52万8,312dで6.3%増と大きく伸びたことによる。注目されるのは量的には少な いものの船舶・鉄道車両・航空機の輸送機器向けで、出荷量は1万2,962dで22.1%増と大幅増。LNG運搬船向けや新幹線車両材の増加による。
  押出設備の増減を企業別に見ると、建材企業の動きが激しい。これは13年度こそ消費税増税前の駆け込み需要で新設住宅着工数が98万7,000戸・ 10.6%増と激増して建設需要が伸びたが、14年度以降その反動と少子高齢化から大幅に減少すると想定し、国内設備の縮小に動いているためだ。すなわち 貝IXILは高岡工場を13年9月に操業停止するなど6基を削減。但し12年3月に小矢部工場に2基増設して計3基とし、新鋭機にリプレース。同社はベ トナムにアルミ建材一貫工場を建設、海外需要に対応。
 YKK APは東北工場で1,360d機1基、九州工場で2,150d機1基を廃却、四国工場で13年9月に1基を増設して計1基減。同社はインドの押出企業を買収して海外需要に対応。
  圧延企業では涯ACJが小山工場で2,500d1基を削減。三菱樹脂が事業撤退により1基削減。一方アルミFA機器大手のSUSは福島事業所に 4,000d機1基を増設して2基体制とした。押出の海外投資に意欲的なのが三菱アルミで、自動車用熱交材増産のため米国子会社に3,000d機1基増設 (老朽1基を廃棄)、タイ子会社に3,000d機1基を新設するとともに、インドに子会社を設立、押出機1基を新設中だ。


13年度Al缶回収率大幅低下
算定方式変更で、従来方式98.4%

Can to Can率68.4%にup、17.4万d
  アルミ缶リサイクル協会は6月18日、13年度における使用済みアルミ缶(UBC)のリサイクル率と、アルミ缶原料に再利用されるCan to Can率を発表した。それによると13年度のリサイクル率は83.8%となり、12年度94.7%比10.9Pの大幅低下となった。但しこれは算定方式を 一部変更し、韓国へのUBC輸出4万4,500dを除外したことによる。従来方式によると98.4%となり、3.7Pの上昇と過去最高となる。
  すなわち期中におけるアルミ缶消費総量は30万3,830d。これに対しアルミ缶回収業者・その他が回収し、アルミ資源として再利用されたUBCは29万 9,009d。しだかって従来方式の回収率は98.4%となり、12年度比では3.7Pアップで世界先進国の中でもトップクラス。一方、回収されたUBC のうち韓国への輸出は4万4,500dで、これを除外した25万4,509dに対するリサイクル率は83.8%に大幅に低下する。
 韓国向けアル ミくず輸出は12年度に3万7,012d(うちUBC3万dと推定)に急増、13年度もその勢いは止まらず5万7,680d(同4万4,500d)に約2 万d・56%も増加。これはアルミ缶材圧延大手の韓国ノベリス社が原料対策の一環として買い集めているものだが、日本国内では「業者・自治体・ボランティ アなどが苦労した集めた貴重な
アルミ資源を、経済原則のみで輸出してよいのか」という議論もあった。
 一方、回収されたUBCのうち再度缶材原料に使用された量は17万4,184dで、再生量重量25万4,509dに対するCan to Can率は68.4%となり、大幅に上昇した。これは同協会が統計を取り始めて以来、最高記録。


アルミ缶リサイクル協会が総会
白井理事長がUBC輸出急増に懸念

 アルミ缶リサイクル協会は6月18日、定時総会を開催し、14年度の事業計画を承認した。任期2年の役員は非改選期のため、白井啓一理事長(写真、ユニバーサル製缶取締役相談役)以下正副会長に変動はない。白井理事長は総会後の懇親会で以下の通り挨拶した。
  「就任1年を経過したが、変化の大きさを感じた。13年度はUBCのリサイクル率が大きく下がった反面、Can to Can率は上昇したが、これは分母が減少したことによるもので、実質は低下した。リサイクル率の低下は為替に起因すると思う。円安傾向は輸出比率の高い日 本経済にとって起爆剤となっているが、当業界はアルミスクラップの輸出増となって大きな影響を受けた」
 「UBCは年間を通じ安定的に発生するの で、在庫リスクの少ない安定したアルミ原料であるという一面もある。景気が好転すると自動車部品・鉄鋼脱酸材などの需要が増加、UBC価格が上昇する。現 状はアルミ溶湯価格が新地金価格に匹敵するなど市況が高騰し、Can to Canにとって厳しい状況だ」
 「リサイクル活動の基本は国内資源循 環にあり、UBCリサイクルの基本はCan to Canにあると思う。UBC回収は草の根活動であり、関係者の環境に対する高い理念に支えられている。循環型社会の実現を目指す理念を崩すことなく、今後 もリサイクル活動の推進を進めていく」


不二サッシ、「守りから攻めへ」
土屋社長が方針、新商品開発加速
海外売上高も16年度60億円に拡大

 不二サッシの土屋英久社長(写真)はこのほど会見し、14〜16年度に実施する中期経営計画などの概要を明らかにした。13年度までの中計は財務改善など「守り」が軸だったが、それをほぼ達成したことから、新中計では新商品開発、海外強化など「攻め」に転じる方針。
  「13年度までの中計では売上高は若干未達だったが、利益・自己資本比率・有利子負債圧縮などでは目標を達成、財務体質の強化が図られた。14年度からス タートした『躍進』を旗印とした新中計は、最終16年度の数値目標として売上高1,050億円、営業利益率4%を掲げ、基本的に『攻め』に転じる方針だ」
  「すなわち商品力の強化と新分野への挑戦、強靭な事業システムの構築、海外事業の強化などを図る。その中14年度は主力のビル建材のプラットホーム化を図 る。ニーズの高い省エネ・高断熱建材の開発を推進するプラットホーム化は海外子会社(マレーシア・フィリピン・台湾)と基本設計を統合し、製造工程を共通 化することでコスト低減・納期短縮など競争力を強化する目的だ。また商品アイテムの削減にも貢献、13年度までに30%削減したが、さらに絞り込む」
  「新商品開発は近い将来義務化される新省エネ基準適合品を急ぐ。サッシは樹脂化が進展するが、その多くは住宅用で、ビル用にはまだ問題が多くて今後もアル ミ製が主流に変わりはない。また不二ライトメタルで展開するマグネ事業は16年度年商5億円を目標とする。当社が強化する語るリニューアル事業は13年度 約100億円で、資材高騰などで低成長にとどまった」
 「海外事業は13年度売上高48億円で、マレーシア43億円・フィリピン5億円だった。 16年度は60億円に拡大する。その一環としてマレーシアでは現地シャッター大手と、台湾ではアルミ建材の太天興業と提携し、高機能の現地対応製品の開発 と現地販売の強化に取り組んでいる」


UACJ13年度業績と14年度予想
13年度は微増収・営業利益率4.7%

内外板出荷は96万d、今期は微増
  涯ACJはこのほど13年度業績と14年度業績予想を発表した。旧古河スカイ・旧住友軽金属が経営統合して初めての年決算で、13年度上期は両社の合算 で前年度比を試算した。それによると13年度は売上高5,349億円で2.9%増、営業利益250億円で13.1%増、営業利益率4.7%(4.3%)と 増収増益をマークし、順調な出足となった。
 詳細は別表の通りで、売上高は主力の圧延品が増収となったものの、伸銅品・加工品は減収。「アベノミ クス効果が圧延業界にはまだ届いていない」(山内重徳会長)。内外の板の出荷量は主力の缶材が63万2,000dで3.4%減、自動車用が7万2,000 dで2.7%減、IT向けが52.6%減と低迷したが、高純度箔の増加で箔用は2.1%増となった。注目されるのは厚板の増加で、LNG用船の建造が活発 化して25.8%増を記録した。
 営業利益は圧延品、加工品が伸びたものの、ITの不振などで伸銅品は大きく落ち込んだ。
 14年度の業績予想は売上高5,600億円で4.7%増、営業利益255億円で2.0%増を想定。板出荷量は99万6,000dで3.8%増を見込む。缶材・TI向け・厚板などが回復する。なかでも厚板は13年度に続いて大幅増を計画する。


YKK の13年度業績大幅改善
2大事業とも好転、利益率9.0%

今期は国内の反動減で減益予想 
 YKK はこのほど、13年度業績と14年度業績予想を発表した。それによると13年度の売上高は6,969億円で20.8%増、営業利益は630億円で 80.6%増と空前の好業績をマークした。営業利益率は9.0%(6.0%)と高く、エクセレントカンパニーの地位を不動のものとする。
 世界規 模で展開するファスニング事業はスポーツアパレル、アウトドア分野の在庫調整が一巡し、各地域市場とも好調に推移した。特に欧州の高級品分野と売上げ比率 の高い中国内需向けが活況を呈した。期中に続いた円安も円換算の増収増益に寄与した。14年度は国内市場が消費税増税の反動によって低迷することが予想さ れ、売上高7,200億円で1.0%微増収となり、営業利益はエネルギーコスト・諸原材料の価格上昇などが予想されるため620億円で1.6%減と減益の 見込み。


YKK APの13〜14年度業績
13年度絶好調、今期反動減

営業利益率6.8%、駆け込み需要取込む
 YKK APがこのほど発表した13年度の単体業績は売上高3,552億円で15.4%増、営業利益241億円で72.4%増、営業利益率6.8%(4.5%)となり、記録的な増収増益をマークした。
  単体・国内連結の詳細は別表の通りで、売上高は国内の新設住宅着工が98万7,000戸で10.6%増と好調に推移したこと、住環境における省エネ性の重 要性が高く評価され、同社が推進する高断熱窓「APW窓」の販売が好調に推移したことから15%超の増収をマーク。収益も国内が販売増・製造コスト削減な どが先導して営業利益72.4%増、経常利益89.4%増と劇的に改善。
 海外のAP事業の業績は公表しないが、差し引くと売上高約448億円、 営業利益約46億円、営業利益率10.3%と想定される。14年度の業績予想は売上高3,559億円でほぼ横這い、経常利益221億円で約10%の減益を 見込む。「消費税増税の反動が当初予想より大きく感じる」(堀秀充社長)。


図・表・写真は本誌でご覧ください。