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NO.2203(2014年12月15日号)
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中国最大の押出企業が日本進出 「忠旺アルミニウム日本」が発足 7,500d超押出機14基を保有
中国最大のアルミ押出企業遼寧忠旺アルミニウム社(遼寧省遼陽市)は11月中旬、日本に100%子会社の「忠旺アルミニウム日本」を設立、本格進出した。大型押出機を多数保有する企業で、日本の押出材市場は一段と国際競争が激化する。
新会社「忠旺アルミ日本」は資本金1千万円で、遼寧忠旺アルミが100%出資した。本社は東京都千代田区永田町2-17-17、北海道スクエアビルに置
く。常駐社員は斎藤謙介代表以下3名。従来から駐在員事務所を置き、販促活動を展開してきたが、今回日本法人を立ち上げ、日本市場での本格的な拡販体制を
構築した。 遼寧忠旺アルミは1993年設立のアルミ押出専業会社で、この20年間で売上高2,000億円、経常利益250億円の中国最大のアル
ミ押出会社に急成長。09年には香港株式市場一部に上場済み。主力製品は鉄道車両・自動車・航空機・船舶向け工業用押出材及びビル用サッシ・カーテン
ウォールなど建築用形材。本社・工場所在地の遼陽市は遼寧省の省都瀋陽市から南方約60q、大連市の北方約300qに位置する。大連・遼陽・瀋陽は
2013年に開通した高速新幹線で結ばれ、交通至便。また大型国際港湾の営口にも高速道路で近接し、日本への積出は極めて短時間で済むという立地的な利点
もある。 主要な保有設備は前工程のビレット溶解鋳造設備、押出機93基とそれに付随するPPG高温焼付フッ素塗装ライン、TIGER・AKZO
高耐候粉体塗装ライン、木目調粉体塗装ライン、アルマイト・電着複合皮膜(新JIS8602対応)、サンドブラスト、光輝合金ラインなど。加工ラインとし
て大型材対応の最新鋭切断加工一貫NCNライン10系列、パナソニック製自動溶接機25台なども保有する。押出材の年間生産量は約40万d。 最
大の特徴は大型押出機を多数保有すること。押出圧力別押出機保有数は別表の通りで、5,500d機1基、7,500d機5基、9,000d機4基、1万
2,500d機4基を保有し、それに付随した大型引張矯正機・切断機などを持つ。さらに2万5,000d級以上の超大型押出機2基の導入計画も具体化す
る。日本への進出目的は工業用の大型押出材・高力合金押出材などの販売拡大で、当面はマーケティングからスタートする。 日本国内のアルミ関連企
業の中国への進出は、急成長する中国市場の獲得を目的に箔を含むアルミ圧延、サッシ分野などで多くの企業が中国全土に展開し、枚挙に暇がないほど多い。一
方、中国から日本への進出は意外と少なく、アルミカーテンウォール・建材の遼寧遠大アルミが設立した「渇淘蜒Wャパン」がある程度で、日中間に大きな貿易
摩擦は殆んどなかった。しかし今回の遼寧忠旺アルミの日本進出は、日本の大手・中堅押出企業が得意とする高付加価値分野の鉄道車両・自動車・航空機・船舶
など向けのアルミ押出材をターゲットとしていることから、それら分野での市場争いが激化するのは必至の情勢だ。
アルミ協会の石山会長が挨拶 中国Alフォーラムで日本の現状
日本アルミニウム協会の石山喬会長(写真)は11月26日、中国で開催された「2014中国アルミフォーラム」の開会式の席上、概ね以下の通り挨拶した。
同フォーラムは毎年開催されるが、尖閣諸島の問題で12年は招待がなく、13年は同協会事務局のみの出席となり、業界トップの出席は3年ぶりとなった。
「アルミ需要は世界全体では伸びているが、様々な課題に直面するのも事実。日本はエネルギー価格・電力代の高騰などがアルミ産業を含め色々な産業で収益を
圧迫する。LMEの倉庫問題もアルミのイメージを悪くしないよう早急に解決されるべき課題である。また私はASI(Aluminium
Stewardship
Initiative)」の今後の展開にも注目している。他の素材に比べアルミは高くて使いにくいという印象を持たれては、アルミの将来に決してプラスに
はならない」 「13暦年の日本のアルミ総需要は394万dだった。06年には過去最高の450万dを記録したので、10%以上低い数値だ。この
ため日本アルミ協会は目下需要を拡大するための取り組みに力を入れている。14年6月にはアルミ製の防災製品のパンフレットを作成し、全国の自治体の防災
担当者に2千通を送付した。日本は地震や台風など自然災害の多い国である。アルミ防潮板・アルミ製給水タンクなどアルミ製が活躍するチャンスは多い。また
日本の高度成長時代に沢山架けられた橋が50年程度経過して順次架け替え時期を迎えている。橋梁はこれまで鋼製が中心だったが、これからはアルミ橋が活躍
しよう。当協会ではいかにして橋梁の分野でのアルミ需要の拡大を図るか検討に入った。2020年の東京五輪もアルミにとって需要拡大のチャンスである。ア
ルミの持つ軽くて加工性・耐食性に優れるという特色を活かしてアルミの用途を開発し続けることが使命と考え、需要拡大に努める所存である」
UACJ岡田社長が記者懇で報告 経営統合は海外PJを含め順調
涯ACJは12月3日、山内重徳会長・岡田満社長など同社首脳との記者懇談会を開催した。席上、岡田社長(写真)は挨拶に立ち、経営統合のシナジー効果
やタイ・米国の大型海外PJ、人的融合は順調に進展していると述べ、アルミ圧延のグローバルメジャーの企業経営に自信をのぞかせた。発言要旨は以下の通
り。 「来週(12月10日)にグループ中期経営計画の説明会を開催するので、今日は今の心境を述べるに留めたい。経営統合後に
グループの課題として構造改革・グローバル化・新製品の開発を掲げたが、現状は着実に進展している。タイと北米のPJはほぼ計画通りに進展。タイのアルミ
板一貫工場計画は冷延の稼働時の今年にお披露目会を開催する予定だったが、現地の政変で取り止めざるを得なかった。熱延からの一貫体制が整う15年秋には
盛大な開所式を予定する」 「国内についてはこの1年で全ての拠点を回った。グループ内で転勤者を含め色々異動もあったが、両社の人的な融合は順調に進んでいるなと感じた。今後シナジー効果をフルに発揮するにはハードルも少なくないが、さらなる人的融合を含め全力を尽くしたい」
YKK APが最優秀企画賞受賞 「MADOショップ<涼活>2014」
YKK
APはこのほど、同社とパートナーシップを結ぶ建材流通店とともに展開する夏場のリフォーム啓蒙施策が、環境省賛同の熱中症予防PJ「ひと涼みアワード
2014」において最優秀企画賞を受賞したと発表した。そのほか「MADOショップ蟹江学戸店」(愛知県蟹江町)が優秀賞を、霧島牧園店(鹿児島県霧島
市)・御殿場古沢店(静岡県御殿場市)・パートナー「デザインスタジオ」が優良賞を受賞した。 「MADOショップ」はYKK APが組織する住宅リフォーム事業の全国組織で、目下建材流通店約1千店が加盟する。13年度からリフォーム業界で初めて夏場を涼しく過ごす「涼活(リョウカツ)」に取り組み、環境省が賛同する「熱中症予防声かけPJ」にも参画した。 実際の活動は各店舗でグリーンカーテンの作り方や打ち水など涼しい窓辺の過ごし方を紹介したり、親子で参加できる風鈴やうちわの製作イベントなどを開催。 また店頭に気温・湿度・熱中症指標を掲示したり、地域住民へ無料で給水・休憩所を設置し、「MADOショップ」に接する機会を増やしてきた。
神鋼が日立製作所に納入開始 英国IEP向け車両構体用押出材
合計866両分、全長25mの熱処理材
神戸製鋼は11月27日、日立製作所のグループ会社である日立ヨーロッパ社が受注した都市間高速鉄道計画IEP(Intercity Express
Programme)向け鉄道車両構体用のアルミ押出材のほぼ全量を受注した発表した。製作を担当する日立笠戸事業所へ納入を開始した。 IEP向け車両は合計で866両。日立製作所が車両製造の一部を笠戸事業所で行い、神戸製鋼がその素材の押出材を供給するもの。笠戸事業所は日立グループにおける新幹線・特急・通勤電車などの車両及び空調・換気装置の製造一大拠点。
神戸製鋼のアルミ押出材は長府製造所(山口県下関市)が製造拠点。鉄道車両用の製造設備は国内最大級の大型押出プレスと、全長25mまで可能な長尺熱処理
炉を保有し、押出形材の薄肉化と長尺材の製造で業界を大きくリードする。これまでもJR新幹線の300系を皮切りに、現行の新幹線の殆んどの車両に採用実
績がある。「押出材が様々な鉄道車両に採用されることで、車両全体の軽量化に貢献するとともに、車両メーカーと共同で安全性・静粛性を確保できる押出材料
の開発・供給を進め、鉄道車両の効率化に貢献したい」という。
アーレスティの高橋社長が指針 業績悪化元凶の米国で改善計画
14年度の業績を大幅減益修正 アーレスティの高橋新社長(写真)は11月27日、記者会見し、14年度の業績予想を大幅減益修正したと発表した。主力のダイカスト事業で米国の業績が大幅に悪化したためで、本格的な業績好転は15年度に持ち越されるという。 14
年度の通期業績は売上高1,359億円で7.2%(期初予想1,353億円)と増収を予想するものの、営業利益18億円で59.5%減(同48億円)、経
常利益7億円で82.6%減(同40億円)、当期利益4億円で93.6%減(同25億円)と大幅な減益に修正した。 主力のダイカスト事業において米国が売上高は好調に伸びるものの、生産性の低下・原価アップなどで損益が悪化、一気に13億円の赤字を計上するため。「目下抜本的な改善策を実施中で、15年度は黒字化する」(高橋社長)という。
米国子会社のAhresty Wilmington
Corporationの14年度業績見通しは売上高386億円・13.8%増(期初予想364億円)と大きく伸びるが、営業損益は13億円の赤字予想。
13年度が5.09億円の黒字だったので18.09億円の悪化。また期初予想8.5億円の黒字に対して21.5億円の悪化。その原因は@受注増・人員増
(9月末930名で13年度末704名比32%増)の中で教育・訓練が後手に回り、作業者のスキルレベルの低下、A新規品・増産品の点数が急増し、キーマ
ンの退職などもあって初期トラブルの多発、B全体の生産性の低下、C日本からの輸出の増大による輸送経費増、残業・休日出勤による労務費増─などによる。
このため8月に日本からの派遣10名を加えた改善プロジェクトを発足、9月末までにダイカスト・加工品の主要10品目を対象に、個別に問題点の洗い出しと
改善計画を作成、実施に移した。主要対策は@生産性を改善、正規の週5日稼働へ、A作業者のスキルの向上教育、B設備保全の計画的実施とトレーナーを含め
た技術者の育成、C鋳造機2基の新設と建屋の増築による動線の改善─などを実施。10月以降改善計画は予定通りに進展、「15年度は黒字化する」(高橋社
長)。 この他中国2社(広州阿雷斯提汽車配件有限公司、合肥阿雷斯提汽車配件有限公司)とインド(Ahresty India
Private
Lit)で展開するダイカストアジア事業は14年度売上高272億円で12.7%増、営業利益3.0億円で66.7%増の予測。 期初予想からは減収減益
だが、「主に広州工場の売上高が期初計画から大幅に減少する。合肥工場は黒字化し、インドも赤字幅が縮小するものの、広州工場の減収の影響が大」という。
リョービの浦上社長が経営方針 DC海外売上高16年度1千億円に 海外比率52.9%、中国・タイが急成長
リョービの浦上彰社長(写真)は11月25日、記者会見し、14年度業績予想と主力のアルミダイカスト事業の経営方針などを明らかにした。ダイカスト需要
は自動車の増産が続く米・中国・タイで好調に推移し、16年度には海外売上高1,000億円・構成比52.9%に伸長するという。 14年度通期
の業績予想は売上高2,230億円で11.7%増、営業利益86億円で12.2%増、経常利益73億円で0.5%増、最終利益37億円で10.5%減の見
通し。売上高内訳はダイカスト1,700億円・10.0%増、住建機器260億円・0.2%増、印刷機器270億円・41.9%増の予想で、ダイカストと
印刷機器が大きく伸びる。 営業利益の内訳はダイカスト65億円・4.0%増、住建機器9億円・18.5%減、印刷機器12億円・2.93倍の見
込み。三菱重工グループとの事業統合で印刷機器が目覚ましく改善する。反面パワーツール・ドアクローザの住建機器は生産拠点が中国・大連にあるため円安・
元高でコストが上昇、消費税増税の反動減もあって需要不振が厳しい。 主力のダイカストの売上高1,700億円の内外内訳は国内895億円で
3.7%増、海外805億円で18.0%増。「国内需要は不透明感があるが、海外の米・中は堅調な需要が期待できる」。経常利益は横ばいで、「売上高増で
82億円の増益要因があるのに対し、減益要因は海外の新増設による労務費増34億円、減価償却費増25億円、その他固定費増14億円などで相殺される」と
いう。 ダイカスト事業は16年度に売上高1,890億円、営業利益90億円、利益率4.8%を目指す。売上高の内外内訳は国内890億円、海外
1,000億円で、内外比率は国内47.1%・海外52.9%。国内は14年度の895億円をピークに15〜16年度890億円で横這い推移。一方海外は
14年度805億円・18.1%増、15年度950億円・18.0%増、16年度1,000億円・5.3%増と急成長する。 海外の地域別売上見
通しは@北米=14年度325億円・0.9%減、15年度323億円0.6%減、16年度334億円・3.4%増、Aメキシコ=14年度65億円
35.4%増、15年度77億円・18.5%増、16年度86億円・11.7%増、Bイギリス=14年度109億円・31.3%増、15年度110億円・
0.9%増、16年度120億円・9.1%増、Cタイ=14年度40億円・3.33倍、15年度60億円・50.0%増、16年度60億円・
±0%、D中国=14年度265億円・31.2%増、15年度380億円・43.4%増、16年度400億円・5.3%増。「米国・中国・
タイなど有望市場への資源配分と収益改善により16年度営業利益90億円を達成し、営業キャッシュフローの増大に貢献する」。「海外グループ会社の新規受
注品の受注活動を支援するとともに、量産開始まで日本から技術的フォローを行い、早期戦力化を目指す」
貝IXILの2商品に会長賞 第11回エコプロダクツ大賞で
LIXILはこのほど、エコプロダクツ大賞推進協議会が主催する第11回エコプロダクツ大賞において、2つの商品が同推進協議会会長賞(優秀賞)を受賞したと発表した。「エコエア90」と「ココエコ」で、ともに環境配慮型商品。 「エコエア90」は高効率熱交換器ユニットで、室外へ排気する室内空気の熱を活用し、外気を室内の温度に近づけて室内に取り込む装置。暖房で暖まった室内に直接室外の冷気を取り込むことなく、換気ができる。 「ココエコ」は家全体ではなく一部屋単位でエコリフォームできる工法。一部屋単位で既存の窓・壁・床の上から内窓や断熱パネルを取付けるだけの簡単工法で、最短1日で断熱リフォームが可。
文化シの茂木社長が強気見通し 14年度営業利益100億円台へ
シャッター6%増、ドア10.6%増と好調
文化シヤッターの茂木哲哉社長(写真)以下同社首脳は11月27日に記者会見し、14年度業績見通しと主要政策を説明した。 同社が7割を依存する非住宅
建築は工場・倉庫・オフィスビルを中心に緩やかな回復基調を継続する見込みから、14年度は売上高1,340億円で5.8%増、営業利益100億円で
4.9%増、経常利益110億円で4.3%増、当期利益80億円で0.5%増とそれぞれ過去最高を記録する見通し。 総売上高の38.1%を占めるシャッター事業は上期に消費税増税の反動があったが、下期は堅調な重量シャッターを中心に受注強化を図り、14年度売上高510億円で6.4%増を見込む。
構成比27.5%のドア事業は非住宅向けスチールドア、医療・福祉施設用引戸「カームスライダー」の拡販により、369億円で10.6%増と2ケタ増を予
測。シャッター・ドア部門は量販効果により大幅増益を予想。サービス・リフォーム・リニューアル事業などストック市場は増税の反動減が厳しく、256億円
で1.6%減を想定する。 同社の特徴の一つは自社で施工技術者を抱え、利益率の高い施工付販売が可能なこと。施工力の強化と施工品質の向上を目
的に14年8月に姫路工場内に研修施設を設置し、茨城県の施設とともに東西2拠点体制とした。工事員数は14年3月末の2,040名から15年3月末まで
に9.8%増の2,240名に増員する。 高付加価値商品の拡販も重要な営業政策の一つ。高付加価値品は住宅関連では「エスプリモート」「御前
様」「フラットピット」「大静快」「電動窓シャッター」、工場・倉庫では高速シートシャッター「大間迅」、医療・福祉施設用は「カームスライダー」「ヒク
オス」「スライドレール」「ヴァリフェイス」、その他木粉入り人工木「テクモク」「オーニング」─など。それら売上高は14年度190億円で、13年度
164億円から15.8%増を予定する。
全国自動ドア協会が上方修正 14年度国内生産14.5万台
全
国自動ドア協会(JADA)の三代洋右会長(ナブテスコ取締役専務住環境カンパニー社長、写真)以下執行部は11月28日、記者会見し、14年度における
自動ドアの国内生産予測を上方修正したと発表した。修正予測は総生産14万5,000台で、期初予想・13年度実績14万4,000台比0.7%の微増。 リーマンショックの影響で大きく落ち込んだ09年度以降5年連続のプラス成長の予測だが、過去のピーク00年度の17万台比では15%減とまだ遠く及ばない。
通期予測のベースとなった上期実績は総生産が6万5,000台で前年同期比0.5%の微減。内訳は国内向け5万8,000台で5.0%増、輸出向け
7,000台で同7.8%減と低調に推移した。通期予測14万5,000台の内訳は国内向け12万7,000台で前期比±0%、輸出向け1
万8,000台で5.9%増。輸出の増加でプラス成長を維持する。 「国内生産は消費税増税に伴う3月までの駆け込み需要の反動減が4〜6月に見
られたが、7月以降沈静化した。下期に向けて特に首都圏を中心とした再開発事業が旺盛なことから、通期では前期並みを確保できると想定。海外向け生産は国
内企業の現地生産化が進むほか、円安もあって下期は増加すると見た」
14年度上期アルミホイール統計 総販売873万個1.3%減、国産増
国内生産4.8%増、円安で国産回帰? 日本アルミ協会がこのほどまとめた14年度上期のアルミホイール統計によると、総生産は882.2万個で2.6%減、総販売は873.3万個で1.3%減とともに減少した。消費税増税の反動減で国内の自動車生産が低調だったためと見られる。
例年と変動が見られるのが国内生産の増加と輸入の減少。すなわち国内生産は4.8%増、輸入は12.4%減となった。ホイール業界は日本の自動車各社の海
外生産化の進展、労賃の安価な海外生産拠点からの調達などで、ここ数年国内生産を縮小し、輸入が増加する傾向が顕著だったが、14年度上期はその逆転現象
が顕著。 すなわち急速に進んだ円安によって海外と国内生産のコスト差が縮小したため、国産回帰を目論む企業があったと推定される。円安は下期に入ってさらに進展しており、それがアルミホイール業界にどのような影響を及ぼすか注視される。
14年度上期Al建材・St建材統計 住宅サッシ12.2%減、ビル横這い
反動減が直撃、EXは特需で7.4%増
日本サッシ協会がこのほどまとめた14年度上期のアルミ建材の総出荷は18万9,299dで前年同期比4.1%減となった。またスチール建材の総出荷は9
万4,107dで0.8%減となった。品目別の生産・出荷・出荷金額は別表の通りで、上期は消費税増税の反動や2月に2度に亘って来襲した豪雪被害とその
修復などで、品目別に大きな差異が見られるのが特筆される。 すなわち住宅関連は増税の反動で新設住宅着工が4〜9月期44万1,000戸・
11.6%減と大きく落ち込んだことから、住宅サッシの出荷が12.7%減、ドアが17.1%減、室内建具が5.6%減と大幅減となった。本来ならエクス
テリアも減少するわけだが、2月の豪雪で広範囲でカーポートやテラス・ガーデンルームのなどの倒壊・破損事故が多発し、その改修・建替え需要が急増して
「豪雪特需」の様相を呈したことから、その出荷は7.4%増と好調に推移した。 アルミ建材の平均単価はd68万4,400円で、前年同期68万
8,100円とほぼ横這いだった。期中アルミ地金相場や燃料・運賃価格などの高騰があったが、製品価格への転嫁は見られず、メーカーが背負い込んだ形と
なった。スチール建材は住宅への依存度が低く、工場・倉庫・事務所など大型建物向けが多いことから、出荷が4.2%増、出荷金額が9.6%増と底堅く推移
した。特に防耐火の定期点検制度が始まるドアの需要が2ケタ増を記録した。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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