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NO.2228(2015年8月3日号)
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14年度のガーデンEX出荷実績 総出荷は1,576億円で1.0%減 住宅着工減響く、車庫5.5%増
住宅外構を演出するアルミ製ガーデンエクステリア(EX)の14年度出荷は1,576億円で1.0%減となった。新設住宅着工数の落ち込みによるが、減少幅は意外と小幅に留まった。期中に「豪雪特需」のあったカーポートの出荷増が寄与した。
ガーデンEXは住宅外構を演出する門扉・フェンス・カーポート・ウッドデッキの4品目で構成する。ウッドデッキを除く3品目の主要素材はアルミ合金形材
で、アルミ押出材使用量は年10万d超に達して主要需要分野の一つを形成する。それらガーデンEXの14年度出荷実績をまとめたのは任意業界団体の全国エ
クステリア工業会で、その資料をもとにカロス出版が独自に次頁の通り品目別詳細表を作成した。なお同工業会はガーデンEX大手5社(三協立山・四国化成工
業・タカショー・貝IXIL・YKK AP)で構成。従って非会員もあるので国内の総需要を示したものではないが、カバー率は95%超と高い。
それによると14年度の総出荷は1,576.39億円で前年度比1.0%減となった。14年度は消費税増税の反動で新設住宅着工数が88万戸・10.8%
減と大きく落ち込み、サッシやドアなど住宅関連建材は需要が激減したが、ガーデンEXは1.0%の微減に留まった。それを支えたのがカーポートで、14年
2月に発生した豪雪による建替え需要が発生、5.5%増と好調に推移した。 品目別では構成比16.3%の門扉は256.92億円で7.8%の減
少。昨今の新設住宅はコスト低減もあって住宅周囲に門扉やフェンスを使用しない「オープン外構」が顕著。また敷地的に門扉を設置できない狭小住宅が増える
など門扉取付率も右肩下がりが続く。形状は開き・伸縮・引戸・跳ね上げなどがあるが、全て10%前後のマイナス。 フェンスの出荷額は590.03億円で2.9%減。 ガー
デンEX主要4品目の中で構成比37.4%と最も高いが、門扉同様に戸建て新築住宅着工減、取付率低下の影響は免れなかった。特にデザイン性は高いものの
価格的に割高なアルミ鋳物製の低迷が目立つ。フェンスは素材別にネット・メッシュの鋼製・アルミ形材製・アルミ鋳物製があるが、価格の割安な鋼製が
0.5%の微増ながら伸びた。フェンス業界は12〜14年度に全国に数多く建設されるメガソーラーの立入防止柵として「特需」状態にあったが、その大半が
割安な鋼製のためアルミ製の需要増には結び付かなかった。 注目はカーポート。14年度の市場は501.49億円で5.5%増と堅調に推移した。
14年2月に東日本一帯を2度にわたって襲った豪雪により、カーポートの倒壊・破損事故が多発し、その建替え・補修などでメーカーに出荷遅れが生じるなど
「特需」状況が出現、出荷を盛り上げた。ただ「豪雪特需」は一過性の現象で期前半にほぼ終息、後半からは平常に戻った。 形状別では価格的に割安な片流れ型が8.7%増と伸びた半面、高強度・耐雪積の両支持型は微減となった。メーカー各社の意欲的な新商品開発も市場の伸びを支えた。 高齢者や主婦などの庭造り素材として人気の高いウッドデッキの市場規模は227.95億円で0.7%の微減に留まった。その素材は従来天然木だったが、現状は腐食や変形がなく、割れやささくれの生じない安全性の高い木粉・樹脂混錬の人工木にほとんど切り替わった。 ウッドデッキは床材として多用されるが、木目調建材としてデザイン性に優れることから、間仕切り・目隠しフェンス・外壁カバー材・バルコニーパネルなどに用途が拡大しており、住宅着工の増減に拘わらず市場の拡大が期待されている。
杉田エース「SUGIFES 2015」 93社4,500名参加、売上145億円
杉田社長「18年度600億円、業容拡大」
建築金属金物総合商社の杉田エースは7月24〜25日の両日、東京・後楽園のプリズムホールにおいて恒例の新商品展示即売会を開催した。参加企業は93社
で、2日間で4,500名の参加を見込む。販売目標は14年度比10億円増の145億円。杉田裕介社長はオープニングセレモニーの席上、要旨以下の通り挨
拶した。 「当社は創業100周年に向け目下<COMMIT
600>と名付けた中期計画を展開中。すなわちその第一段階として18年度年商を600億円、営業利益20億円を目指す。それを実現するため15年4月に
は東北支店に山形と秋田の2営業所を開設、10月には京都営業所も新設する。また6月30日付で北海道の叶澤金物(北見市、年商規模8.5億円)を
100%子会社化したほか、自前で加工設備を保有して金物加工事業に進出するなど、業容を拡大する。長期の企業ビジョンとして年商1,000億円を目標に
揚げ、早期実現を目指す」 「今回の展示即売会には前回を上回る93社4,500名の参加を見込む。販売目標は前回比10億円増の145億円に設
定したが、これまでに111億円の契約を完了したので、ほぼ達成できよう。また14年には自社ブランドによる災害避難時の長期保存食品<IZAMESHI
(イザメシ)>を立ち上げたが、時宜にかなった商品として好調な売れ行きを示している。今回普通の食事にも最適な<OFFIS
IZAMESHI(オフィス・イザメシ)>や従来品とは一味違う天然水をメニューに加えた。当社として新規事業に当るもので今後ご愛顧いただきたい」
SNEの佐久間社長が近況報告 14年度減収も経常益は過去最高 売上増が課題、新製品開発に全力
住軽日軽エンジニアリング(SNE)の佐久間勇三社長(写真・左)と中村雅人副社長(同・右)は7月22日、東京・亀戸の同社で記者会見し、14年度の業
績と15年度の計画及び主要な経営課題など近況を報告した。それによると14年度は4.5%の減収となったものの経常利益は11.4億円・5.3%増とな
り、過去最高をマークした。売上高経常利益率は8.7%と高率を維持する。 【14年度の業績】アルミ公共資材を取り巻く経営環境は上期に消費税増税の反動減があったものの、下期はアベノミクスの効果が発現して緩やかに景気回復基調が続いたことと、東日本大震災の復興需要に伴う公共投資の堅調な伸びに支えられ、全体として底堅く推移した。 14
年度の業績は別表の通りで、売上高は131.4億円で4.5%の減収。主力のアルミ公共製品の売上高構成は@道路・橋梁資材40%、都市景観26%、上下
水関連8%、建築関連10%、溶接構造物16%。このうち主力のアルミ製自動車用防護柵・高欄など道路・橋梁関連は関東地区などで競争が激化、また小中学
校の耐震補強工法がメインの耐震溶接構造物も工事が一巡して計画を下回り、減収の主要因となった。都市景観系は北陸新幹線各駅の駅前再開発事業の「特需」
を取り込み、快調に推移した。上下水関連ではメガソーラー向けが依然好調。 収益の好転は@新規市場の開拓と新商品の販売促進、A拠点工場と一体化した徹底的な合理化とコストダウン、B厳格な物件ごとの利益管理の推進−などによる。
【15年度見通し】売上高140億円、営業利益9.0億円、経常利益8.9億円で増収減益を予想。売上高は引き続き新商品の拡販を促進するとともに、新製
品としてJR東日本と共同開発した電車用架線のアルミ柱の大型受注を見込む。しかし地金価格など諸資材の高騰、アルマイト費の上昇、主要素材のアルミ押出
材のロールマージンアップなどコスト上昇要因が厳しい。加えて競合他社との市場競争のさらなる激化なども想定され、厳しく見た。社内的には「営業・設計・
製造・施工」のタスキを早く回して、スピードアップを図る。 【主要政策】最大課題は売上増である。年商規模が拡大しないと成長産業とは見られな
いし、社内も活性化しない。道路・橋梁では橋梁用検査路「ケーロ」・橋梁用遮塩板「キュウサ」・残存型枠「アルツォ」などを拡販。都市景観では東京五輪を
見据えた首都圏の駅前整備計画を取り込む。また多発する火山灰の降灰に対応して浄水場などの覆蓋工事が増加する見通しにあるので、アルミ覆蓋も期待した
い。上下水関連では津波被害低減の水門・陸閘・波返しなどもPRしていく。
日本Mg協会が15年度需要予測 総需要4万670dで0.9%微増
DIなど構造材は7,170dで1.4%増 日本マグネシウム協会はこのほど14年度のMg需要と15年度の需要見通しを明らかにした。それによると14年度の総需要は4万290dで12.4%増と大きく伸びた。また15年度は4万670dで0.9%の微増を予測する。
【14年度実績】ダイカスト・鋳物・射出成形・展伸材など構造材は7,070dで11.2%減と低迷した。一方、アルミ合金用添加剤・鉄鋼脱硫・ノジュ
ラー鋳鉄など添加剤は3万1,445dで16.7%増と大きく伸びた。合金需要の増大からアルミ合金用が11.7%増、粗鋼生産の伸びから鉄鋼脱硫用が
39.2%増と伸長した。一方、構造材はダイカスト・鋳物・射出成形は13年度実績を維持したが、板・押出の展伸材は700dで7.9%減と低迷した。材
料開発は活発に進展するが、実用化にはまだまだ時間が必要。 【15年度予測】構造材は7,170dで1.4%増を見込む。主力のダイカストは
5,900dで1.7%増を予測するが、業界が期待する展伸材は650dで7.1%減と厳しく見る。製品化・実用化には長期的な取り組みが必要だ。一方、
添加材はアルミ合金用は堅調に推移するが、鉄鋼脱硫用が大きく落ち込む。
6月末の軽圧品市況調査結果 全6品種とも東京・大阪据置き
全国軽金属商協会・市場調査委員会(委員長・渡辺和夫滑川軽銅営業本部長)はこのほど、6月末における軽圧品市況投票結果を発表した。それによると東京・
大阪両地区とも全品種据え置きとなった。国内自動車生産の低迷と共にアルミ地金の先安観が強まり、アルミ地金相場に軽圧品価格が連動するNSPも先行き下
落する方向にあり、買い控えなどで荷動きは低調に推移する。 渡辺委員長は「アルミ新地金の対日プレミアムはd当り100ドルと大幅安で大方決着
した。前四半期比では74%安と急下落した。主要因は中国がアルミ製品・アルミ合金に課していた輸出関税を撤廃したことにより、同国からの輸出が増加し、
世界的に供給過剰になっていることが挙げられる」とコメントした。
5月のAl圧延品の生産・出荷 総出荷は16万dで6.7%減
板1.9%減、15ヵ月ぶりにマイナス成長 日本アルミ協会がこのほど発表した5月のアルミ圧延品統計によると、生産は16万3,906dで前年同月比5.1%減、出荷は15万9,795dで6.7%減となった。ともに3ヵ月連続の減少で、15年度に入って先行き変調の兆しが伺える。
生産は板が10万8,162dで微減となり、2ヵ月連続減。押出が5万5,744dで13.7%減となり、8ヵ月連続減。出荷は板が10万4,178dで
1.9%減となり、15ヵ月ぶりにマイナスに転じた。押出は5万5,617dで14.5%の大幅減となり、8ヵ月連続のマイナス。出荷の詳細は次頁・別表
の通り。 【板】構成比36.4%と最大の缶材(ボディ材、タブ・エンド材)は3万7,937dで4.4%増と好調に推移した。ビール系飲料は
2%減と低迷したが、ボトル缶の出荷が好調で、加えて一部コーヒー缶のアルミ化による需要増があり、2ヵ月連続でプラス成長した。同11.3%の自動車向
けは1万1,752dで3.1%減。国内の乗用車生産台数は低迷するものの、アルミパネル材を採用する高級乗用車の輸出は増加傾向が続く。6ヵ月ぶりにマ
イナスに転じたのは稼働日が前年同月より2日少なかったことによると推測。同9.8%の箔用は1万180dで1.1%増。反面、構成比は小さいものの民生
用電機・電子通信装置・輸送機器・建設向けの大きな落ち込みが目立ち、内需は4.5%減となった。 一方、同18.5%の輸出は1万9,241dで11.8%増となり、14ヵ月連続増。海外関連工場への素条の輸出増や円安による市場競争力の回復などが寄与した。内需低迷を輸出増で一部カバーした。
【押出】構成比60.5%の建設向けは3万3,649dで15.2%減と不振が依然続く。11ヵ月連続の大幅マイナス。内外装材が19.2%減と落ち込み
が大きいが、これは14年2月に発生した豪雪によるカーポート建替え特需が解消されたことによる。自動車も国内乗用車生産の大幅減から9,570dと1万
d台を割り込み、13.3%減となった。
5月のアルミ箔の生産・出荷 食料品7.5%減・コンデンサ減
日本アルミ協会がこのほど発表した5月のアルミ箔統計によると、生産は8,873dで前年同期比7.6%減、出荷は8,483dで7.8%減とともに大きく減少した。生産は5ヵ月連続減、出荷は2ヵ月連続減で、減少幅が拡大する。
用途別出荷は別表の通りで、構成比30.4%と最大のコンデンサ用は2,583dで3.8%減。しかし夏場の電力対策のためコンデンサ各社が在庫積み増し
を行っており、2ヵ月連続で2,500d超と高水準を維持する。また18.7%のその他電機はモバイル機器用及び車載用LIBが主力だが、1,586dで
5.8%減となり、一時の急激な伸びの勢いを失った。構成比25.6%を占める食料品は2,168dで7.5%減。酪農用向けの落ち込みと、稼働日が2日
少なかったことなどによる。
5月Al建材・St建材統計確報 Al建材出荷は3万dで10.8%減
住宅は着工減が依然厳しく、ビルも微減
日本サッシ協会がこのほど発表した5月のアルミ建材の生産は2万4,539dで前年同月比18.5%減、出荷は3万190dで10.8%減となった。出荷
金額は416.60億円で10.0%減。新設住宅着工の減少の影響が厳しく、住宅建材の大幅な落ち込みが依然続く。ただ減少幅は小幅になりつつある。 詳細は別表の通りで、住宅用アルミサッシは12.9%減、高断熱のアルミ樹脂複合サッシ6.6%減。エクステリアが17.9%減と大きく減少したが、これは14年度にカーポートに「豪雪特需」があったことによる。住宅系に比べビル用サッシは1.1%減と微減に留まった。 スチール建材の出荷はドアが9.1%減と低迷したが、主力のシャッターは1.2%増と伸びた。ネット販売など無店舗販売の伸びによって大型の流通物流倉庫向けが好調に推移する。
5月のアルミ二次合金地金統計 生産13.5%減、出荷13.4%減
国内自動車減産の影響が一段と深刻
日本アルミ合金協会はこのほど、5月における地区別・品種別生産・販売、用途別出荷を発表した。それによると生産は5万8,493dで前年同月比
13.5%減、出荷は5万8,351dで13.4%減とともに大きく落ち込んだ。国内の乗用車の生産が低迷することから、アルミ二次合金の出荷はここ3ヵ
月大幅な減少が続き、先行きが憂慮される。 用途別出荷は別表の通りで、総出荷の54%を占めるダイカストが3万1,397dで16.6%減と激
減した。ダイカストは80%超が自動車向けで、国内自動車の減産が深刻。ちなみに4月の国内乗用車生産は59万2,000台で前年同月比9.2%の減少。
鋳物も同様の理由で10.5%減と2ケタ減。 板向けが4,938dで2.1%増と伸びたが、これはボトル缶の増販や一部コーヒー缶のアルミ缶化などでアルミ缶出荷が好調で、Can to Can用のリサイクル地金(RSI)が増加したと見られる。
LIXILがCCCと業務提携 「Tポイントサービス」提供で
貝IXILは7月23日、カルチェア・コンビニエンス・クラブ(東京都渋谷区、増田宗昭社長兼CEO)と相互協力し、概ポイントジャパン(同)が運営
する「Tポイントサービス」をLIXILの各顧客に提供することで合意し、業務提携を締結したと発表した。住宅新築・リフォームの流通・最終ユーザーの囲
い込みを強化する。 CCCは新しいライフスタイルの提案をし続けることで、「人と世の中をより楽しく幸せにする環境」をコンセプトとする企画型
の企業。「TSUTAYA」「蔦屋書店」「Tポイント」「Tカード」などポイント制を幅広く運営する。特に「Tポイント」は日本人の3人に1人に当たる
5,431万人(アクティブ・ユニーク数)が日々利用し、125社39万3,210店舗が参加する国内最大の共通ポイントサービスのネットワーク。
LIXILはそれを拡販ツールとして活用する。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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