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NO.2242(2015年12月14日号)
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先端技術展とロボット展 2つの展示会から何が見えた 先端走るモノつくりの技
「先端材料技術展」と「2015国際ロボット展」 この2つの展示会から何が見えたか。
去る12月2日〜4日、東京ビックサイトでモノづくりマッチング「先端材料技術展」と「2015国際ロボット展」の2つの展示会が開催された。大勢の人た
ちが詰めかけ、盛況を極めた。この展示会に軽金属関連会社も少数ながら参加、それぞれの新しい展示物が注目を浴びた。以下はその概要。 開MC
(横浜市港北区新横浜2-5-5、TEL:045-444-5757)=アルミ・マグネシウム精密砂型鋳造メーカーで、試作ロット生産のプロフェッショナ
ル。ダイカストや石膏鋳造に迫る優れた外観品質を誇る。木型製作から機械加工まですべての工程を社内で行っており、柔軟な対応力とスピードで鋳造部品の開
発をサポートしている。また、高強度・高耐熱を特徴とした3Dプリンターモデル、高出力・高精度の最新CTスキャナを使用した受託スキャンサービスも行
う。 潟I−ファ(三重県鈴鹿市伊船町2011-1)=チタンを中心とする非鉄金属材料の販売、加工、表面処理まで一貫したトータルサポートする
会社。その中でも高硬度、耐摩耗性、耐食性に優れ、光触媒特性を持つ一般チタンを超えた同社の特許技術「FG処理チタン」は一見の価値がある。このFG処
理されたチタンはすでに自動車、医療、プラント、環境対策分野などで使用されているが、更なる開発推進によって用途は無限大にある。 SUS
(静岡市駿河区南町14-25
エスパティオ、TEL:054-202-2000)=最近めきめき頭角を現してきた中堅のアルミ加工メーカー。「アルミで日本を支える」を合言葉にいろん
な分野での用途開発を手掛けており、特にアルミ構造材の分野に力を注いでいる。メイン展示となる組立&搬送デモ機は、FAの現場改善において多くのユー
ザーに支持されているアルミパイプ構造材GFと豊富なパーツ類を中心に構築した省スペースなワーク搬送、省力化設備の実例である。さまざまな“アルミフ
レームによる改善”のアイディアを展示。アルミパイプ構造材GF、架台用アルミ構造材ZF、安全柵AZ、アルミ構造材SFなどの自信作を出展。
東洋アルミニウム梶i大阪市中央区久太郎町3-6-8)=アルミ箔の最大手メーカーであるが、今回はもうひとつの事業であるアルミ粉部門のみにしぼって参
加した。出展製品はアルミ合金粉末「POWDALLOY」、3D積層造形用アルミ合金粉末など。まさしく先端材料技術展にふさわしい製品と言えよう。この
技術は、アトマイズ法を応用したもので、急冷による微細凝固組織を活かして高強度、耐摩耗性、耐熱性など従来の溶製材では出来なかった特性を粉末冶金法で
実現できる。また、3D積層造形出は粒度・形状を制御し、積層造形装置に応じて流動性の調整が可能である。 アルパ工業梶i愛知県あま市七宝町川
部理田52、TEL:052-442-0441)=アルミニウム表面処理の会社で、10〜20年の間、雨風太陽に晒されても腐食しない、強くて美しい特殊
アルマイトを展示。それに加え、創業60年来、ネームプレート製造業の歴史の中で培った意匠パネルとしての厳しい品質の経験から、ムラのない被膜精製技術
を施した製品を展示。また、切削機械加工、プレス精密板金加工、シルクスクリーン印刷、焼付塗装、エッチング彫刻など、社内一貫生産の技術を駆使した完成
品を展示。アルマイト、硬質アルマイト、無機アルマイト、カラーアルマイトなど、アルミニウムに硬い被膜を生成させた意匠パネルや機能部品を展示。
LIXILが開発 「スーパーウォール デュアル」
従来の2倍の断熱性能を可能にし全地域で断熱水準をクリアする性能を実証 LIXILはこのたび、高気密・高断熱・高耐震の独自パネル工法「スーパーウォール(SW)工法」のさらなる快適性能向上を目指し、国内トップクラスの高性能住宅を実現する新工法「スーパーウォール デュアル」を開発し、2016年7月の発売に向け商品化を進める。
同社は、2020年の省エネルギー基準の義務化を見据え、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の促進などの、住宅の高性能化に取り組んでいる。そ
こでこのたび、全地域にて「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会(通称:HEAT20)」の提唱する断熱性能推奨水準「HEAT20
G2」を超える新工法「スーパーウォール デュアル」を開発した。 「スーパーウォール
デュアル」では、既存のSW工法(充填断熱)に、さらに硬質ウレタンフォームによる付加断熱を組み合わせたSWの新工法として「充填付加断熱」を開発し
た。これにより、同社従来品と比較し2倍の断熱性能 (※)を実現したほか、建物の耐久性に関わる防露性能についても向上する。 SWパネルの外側に50mmの硬質ウレタンフォームで付加断熱をする「100EX(イーエックス)」と、内側に石膏ボード9.5mmと硬質ウレタンフォーム30mmが一体になったパネルを組み合わせた「100IN(アイエヌ)」をラインアップする。 ※代表モデルでの同社調べ: 断熱性能=Q値(熱損失係数) 従来品:Q値=2.09(SW T65、サーモスUー H、けいざい君) 新工法:Q値=1.08(SW DUAL 100EX、 サーモスX、エコエア90) また「100EX」は、フルオーダージャストカット、「100IN」は石膏ボードと一体になった断熱パネルとすることで、各々現場での省施工を実現する。 なお、本商品の取り扱いは従来通り、SW工法を熟知した全国約9,000店(2015年10月現在)のSW加盟店ビルダーのみの取り扱いとなる。
LIXIL 「第4回 LIXIL品質月間」
品質フォーラム FUJIアワードを開催し、藤森社長賞を決定 LIXIL
は、ユーザー満足の追求、3現主義、品質マネジメントシステムによる改善活動をすすめ、グローバルNo.1の品質を目指している。2015年11月19日
(木)には、世界各国161部門から選抜された社員が参加して、改善活動を発表、ベストプラクティスを競い合う、世界大会「品質フォーラム
FUJIアワード」を開催し、海外を含む56拠点に生中継された。 当日は、世界から選抜された代表7チームがLIXIL
WINGビル(江東区大島)に集結し、改善活動を発表した。審査の結果、藤森社長賞は、LIXIL Housing
Technology伊賀上野工場の「エコカラットラインにおける生産管理手法のシンカについて」が獲得した。優秀賞は、LIXIL Housing
Technology 粕川工場、LIXIL Japan Companyカスタマーサービス部の2チームが受賞した。 表彰式で社長の藤森氏
は、「品質に対する私たちの情熱やコミットメントが、世界中のすべてのLIXILグループ社員8万人にいきわたっていく、その象徴が今日のセレモニーで
す。今回の7つの改善活動発表の背景には、全世界の何百何千の改善活動がある。品質向上に対する一層の努力を続けることにより、今後も、品質に関する問題
を絶対に置き去りにせず、全社一丸となって品質改善に取り組んでいこう。」とコメントし、グローバル企業として世界規模で品質向上に取り組む姿勢を改めて
示した。 また、改善活動発表に続いて、「グローバル品質」をテーマにしたトップフォーラムを開催。早稲田大学ビジネススクール長内厚准教授が基
調講演し、続いて山中潤一LIXIL品質本部長ファシリテーターに、長内准教授と藤森社長との公開討論を実施した。LIXILが目指す品質のあり方や
LIXIL商品の独自性について、他業界の状況も交え、登壇者だけでなく出席者も巻き込んで白熱した議論を繰り広げた。 さらに、全世界の社員を対象に作品を募り、世界各拠点から15,261作品(日本語部門13,744作品、英語部門1,517作品)の応募が寄せられた「品質標語コンテスト」についても、同日、最優秀作品の表彰が行われた。
「2015/2016年版 建材・住宅設備統計要覧」発刊
(一社)日本建材・住宅設備産業協会は建材・住宅設備に関する国内唯一の総合的な統計資料集「建材・住宅設備統計要覧」の2015/2016年版を発刊した。1990年の初版以降、毎年発刊を重ね今回26刊目となる。 同書は工業統計、建築着工統計等の官庁統計のほか、各種工業団体の行う業界統計を整理・集約して関係者の情報収集に役立てることを目的としたもので、同協会の会員のほか、民間企業、官公庁、学校などから高い評価を受けている。 発行部数は650部の限定出版、なお、購入はホームページより受け付ける。(http://www.kensankyo.org/business/publish.html) ■書名:2015/2016年版 建材・住宅設備統計要覧 ■収録建材項目 1.木質建材 18品目 2 .窯業建材 61品目 3 .プラスチック建材 17品目 4 .金属建材 31品目 5 .住宅用断熱建材・他 9品目 6. インテリア 12品目 7 .住宅設備機器 44品目 8. 副資材 35品目 合計 227品目 ■体裁 A4判 117頁 ■頒布価格(税込、送料別) ■定価 5,143円 会員価格(建産協会員)1,600円、会員価格(カタラボ会員)4,000円
つくばロボットフォーラム2016
日本初となる搭乗型移動支援ロボットの公道走行を可能とする「つくばモビリティロボット実験特区」で実験を開始し、つくば市等での約4年間の成果が認めら
れ、2015年7月の法改正等により、条件を満たす全国の地域において搭乗型移動支援ロボットの公道走行が可能となった。 搭乗型移動支援ロボットのような新しい技術を社会実装することは、地方創生へ大きく貢献することになるが、一方で既存の社会制度の変更や安全性についての検証が必要である。 本フォーラムでは、搭乗型移動支援ロボットを例として、我が国の規制緩和までの道のりについて振り返るとともに、規制緩和から地方創生への発展について考える。 ■日時:平成28年1月22日(金) 講 演 14:00〜16:50 交流会 17:10〜18:00 ■場所:秋葉原ダイビル2Fコンベンションホール ■参加費:無料、定員400名(先着順) ■後援予定団体:文科省、警察庁、つくば市、つ くばモビリティロボット実証実験推進協議会、 セグウェイジャパン、産業技術総合研究所
高精度Alバンパー“DECASE”に 「Xperia Z5」モデル新登場
フィット感、低電波干渉率を追求したアルミニウムバンパー
モバイルデバイス・アクセサリーを提供するCROY.LLC(CROY合同会社。所在地:東京都立川市、代表社員:龍野昇)は台湾精密機器メーカーと共同
で開発したアルミニウムバンパー「DECASE for Xperia Z5」を2015年12月10日(木)に販売開始した。 高精度アルミニ
ウムバンパーDECASEは精密機器部品製造技術を習得した熟練のエンジニアが、最新のCNCマシンで製造した高精度アルミニウムバンパーDECASEシ
リーズ。スマートフォンのフォルムを活かしながら、スマートフォンプロテクターとしての強度、金属を使用することで懸念される電波干渉問題を徹底追求し設
計。 アルミニウムバンパーの表情を決定づけるカラーリングは、台湾メーカーHTCの塗装を手掛ける企業に依頼。金属のメタリック感を抑えたマットなアルマイト塗装により、金属の重厚感を残しつつスタイリッシュで大人な色合いを表現。 Xperia Z5で新たに採用された指紋認証搭載電源ボタンに対応。指紋認証がスムーズに行えるよう、電源ボタン周辺をギリギリまで削り込み、また、同箇所を2段設計とすることで高さ1.5mからの落下テストでも本体が湾曲しない強度を確保。
「第6回 LIXIL 国際大学建築コンペ」開催
住宅・建材産業に関する調査・研究及び、人材育成等の事業に対し助成・支援する公益財団法人LIXIL住生活財団(所在地:東京都江東区、代表:理事長
潮田洋一郎、以下LIXIL住生活財団)は、次世代のサステナブル建築の技術を模索・検証し、地球社会にその技術を発信することを目的に「第6回
LIXIL国際大学建築コンペ」の開催を決定した。 「第6回LIXIL国際大学建築コンペ」は、「Comfort and Lightness(ライトウェイトな快適さ)」をテーマに、今回初めて、組み立て・移動できる軽い住居の提案を、世界各国の指名大学から募集。 最優秀案に選ばれた大学は、北海道大樹町にある研究施設「メム メドウズ」内の敷地ほか、東京など他の場所でも組み立て、活用できることも考慮の上、提案してもらう。 また、参加大学は環境をテーマとした研究やスタディなど、設計段階から竣工に至るまでの過程をコンペ公式Facebookにて公開する。 ■スケジュール 2015年12月2日 公開テーマ討議 2016年 3月18日 コンペ案提出締切 4月初旬 1次審査:3チーム選出 4月中旬 2次審査:最優秀案選出→建設プロセス : 2016年6月〜2017年3月 最優秀案の制作・竣工
昭和電工が「Top100 グローバル・ イノベーター2015」を受賞
昭和電工は、世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイターが選ぶ、「Top100グローバル・イノベーター 2015」に選出され、12月1日、同社からトロフィーを授与された。当社が同賞を受賞するのは今回が初めてである。
トムソン・ロイターの「Top100グローバル・イノベーター
2015」は、トムソン・ロイターが保有する、付加価値特許データベースや知的財産調査・分析プラットフォームなどから抽出された厳格かつ客観的なデータ
をもとに、世界のビジネスをリードする企業・機関を100社選出しているもの。同賞は「特許数」、「成功率」、「グローバル性」、「引用における特許の影
響力」*の4つを基本の評価軸としており、同社は「グローバル性」ならびに「引用における特許の影響力」が高く評価され、今回の受賞に至った。 *分析対象は過去5年間。「グローバル性」のみ過去3年間
薄膜樹脂潤滑皮膜に関する技術 表面技術協会から技術賞を受賞
一般社団法人表面技術協会では11月10日、平成28年度協会賞・功績賞・論文賞・技術賞・進歩賞・技術功労賞の受賞者を発表した。本紙関連では「電着に
よる陽極酸化皮膜上への薄膜樹脂潤滑皮膜の形成」(金子秀昭(カネコ技術士事務所)、前嶋正受(前嶋技術士事務所)、鈴木清隆(ECO-KS技術士事務
所)、菊池 哲・土屋正一・遠藤 哲(潟Aルミ表面技術研究所)、田島 薫・市川 宏(鞄c島製作所) )が技術賞に選ばれた。 各賞の授与式は、2016年2月26日に弘済会館で開催される第67回通常総会の後に同会場で執り行われる。
高容量なマグネシウム二次電池 有機硫黄系材料使用で課題克服
山口大学大学院理工学研究科の研究チーム(大学院理工学研究科 山吹一大助教、医学系研究科 堤宏守教授、理工学研究科 吉本信子准教授ら)は、高容量を有するマグネシウム二次電池の開発に成功した。
現在一般的に使われている携帯電話等の二次電池には、正極材料にコバルト系化合物、負極材料に人造黒鉛(炭)、電解質にはリチウムイオンを使用した有機電
解液が主に使用されている。しかし、コバルトやリチウムは希少金属で高価格であること、また走行距離もガソリン車に比べて短いこともあり、電気自動車等の
大型蓄電の普及には課題があった。 このたびの研究では、この課題を解決するために負極にマグネシウム、正極に硫黄を用いている。これまでの研究
においてもマグネシウムは期待されていたが、負極材料として使用するには高温環境が必要であることや、エネルギー密度の高い正極材料が皆無であることなど
が課題であった。 そこで同研究では、マグネシウム同様資源が豊富で安価かつ高いエネルギー密度を持つ硫黄に着目。硫黄を化学反応させた有機硫黄
を作製し、それを新規の正極材料として使用することで上記の課題をすべて解決、世界的にもほとんど報告例のないマグネシウム硫黄二次電池の開発に成功し
た。 このマグネシウム硫黄二次電池は、マグネシウムイオンが負極と反応することで充電され、正極と反応することで放電される。そのエネルギー密
度は従来のリチウムイオン二次電池の約6倍であるため、コンパクトで軽い二次電池の作製が可能となる。さらに、コスト・資源的な問題が解決できることで、
電気自動車やソーラーパネルなどに利用する大型電池の開発が進み、普及するものと考えられる。また硫黄は、石油精製時に生じる副産物であるため、資源の有
効活用といった利点もあり、さまざまな面で低炭素化・省エネに貢献できる。 現在はまだ基礎研究段階であり、長期サイクルでの安定的な作動性の確保などが必要となるが、将来的には生活・医療などでの活用が期待される。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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